仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。先日の9月1日に誕生日を迎えて初の小説投稿となります。スランプすぎる。

今回は北海道編終盤ということで。新キャラ続々登場やあのライダーの正体判明と話がすごく動きます。前回に引き続き一応グロ描写にご注意あれ。楽しんでいただけたら幸いです。


第五十四の清掃:最悪は続くよどこまでも

「いい加減、資源の独占を止めろ、独裁竜!」

 

 

 九州、桜島火口。不自然に作られた岩の細い足場に乗り、グルングルンとメカニカルな紅い鎚を振り回す戦士がいた。格子の下に燃える蒼い複眼が垣間見える鉄仮面に、ローマの戦士を思わせる壮麗な銀の鎧を纏った灼熱に燃える身体。その名を、焼却炉(インシネレート)に冠する仮面ライダー、ネレート。

 

 

「そちらこそいい加減その技術をあたしに捧げなさい、神鍛冶師!」

 

 

 対して空中に浮かぶ岩に乗り紅い竜の顔を模したガントレットに覆われた右手を掲げる、ガントレットと合わせて九つの龍で形成された赤黒い異形の姿の、氷室のグレイスを差し置いて最強と称される仮面ライダー、クズリュー。それだけで岩が自在に動き、龍を形作って突撃。ネレートのハンマーで粉砕されるも、すぐ再生して何度も何度も体当たりを繰り出す。

 

 

『もういい加減諦めろよ竜美。俺は強い奴は好きだけどよ、お前の恋路に手を貸すつもりはねえんだよ…』

 

「カガリさま…!出てこなくても……」

 

 

 すると、ネレートのハンマーから溢れた炎が人型を形作る。鍛冶職人を彷彿とさせる衣装をはだけさせさらしを胸に巻いた、燃え盛る炎髪の快活な女性だった。火の女神カガリである。焦るネレートの隣でどうやらクズリューと既知なのか、呆れた様子を見せていた。

 

 

「勘違いしないでくださいよカガリ様!?あたしはただ、あの廃棄物症候群から世界を救って見せた“仮面ライダー”の隣に立てるぐらい強くなりたいだけです!そのためにはまだまだ強くなりたい!そのためにはカガリ様が必要なんです!恋路なんてものでは……」

 

『お前に取って仮面ライダーデリートは白馬の王子様と同義じゃねえか』

 

「あんた最強の仮面ライダーだろ。もう必要ねえだろ」

 

「貴方たちはあのお方のお力をその目で見たことないからそう言えるんです!今の仮面ライダーデリートなんか、足元にも及ばない!あたしなんてまだまだです!」

 

 

 カガリとネレートのツッコミに、六道に氷室や流希奈辺りが聞いたら「寝言は寝て言え」と吐き捨てる妄言を返すクズリュー。マジでそう思ってるらしい。

 

 

『それに、今の俺は紫耀のもんだ。紫耀がお前の支配体制を認めちゃいねえから協力する気はねえよ』

 

「ならば、雲谷紫耀(くもたに ショウ)!貴方に決闘を申し込みます!負けたらあたしに下りなさい!」

 

「……カガリ様。恨みますよ」

 

『安心しろ紫耀。俺がついてる限り、負けることはありえねえ』

 

 

 ガラクタで形成した九つの龍を背中から展開するクズリューに、やれやれと言いたげにハンマーを両手で構えるネレートと、傍らに浮かぶカガリ。両者が激突しようとして。

 

 

Prrrrr!

 

「おや電話ですか。失礼」

 

「電話中ぐらい戦うのやめたらどうかなあ!?」

 

 

 軽快な音が鳴り響き、クズリューは自動的に九つの龍を操りネレートと激突しながら、特に気にすることもなく通信端末を取り出し通話に出る。相手は、北海道に潜り込ませた己の部下、グラセンドの変身者からだった。

 

 

「どうしました?(ウララ)。雪鬼組の牽制はできてます?」

 

《「まあそれなりに?それより、仮面ライダーデリート・ゼロの変身者を見つけました。例のトラッシュに変身する彼でした。盗み聞きしたんで多分間違ってないです。それよりびっくりしたことありましたが」》

 

「トラッシュの彼が、デリート・ゼロ…!?もしかして、北海道でデリートに変身したのですか!?録画は!?もちろんしましたよね!?」

 

《「そりゃもうばっちり高画質で。って、それよりも大変なことになってて……」》

 

「大変なこととは、なんですか?」

 

「てめ、こら、通話しながら、俺を追い詰めるな!?」

 

 

 龍の一体がネレートを口に咥え、岩肌に叩きつけ、そこに他の龍が殺到。しかしそれは、灼熱に溶解してドロドロに溶けた中からネレートが脱出することで仕切り直しとなったそこに。ウララの声が響いた。

 

 

《「単刀直入に言うと。雪鬼組は、終わりです」》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数刻前。ホーロドニー・スメルチから逃れた雪鬼組の面々……善性のゴミリオンと人間たちは、別の拠点へと急いでいた。

 

 

「氷室さんが奴らをどうにかしてくれる…!」

 

「オガミさんもいるからきっと大丈夫だ」

 

「俺達は少しでも氷室さんの負担にならない様に安全なところに急ぐんだ!」

 

 

 仲間を元気づけながら、善性のゴミリオンたちが先導して先に進んでいると、空から紫色に輝く靄が飛んできて、紫の煙に包まれ黄色に輝く複眼だけ見える仮面も含めた頭部や胸部、手足の一部がサイケデリックな紫色に輝く靄になって装甲の代わりになっている、露出したボディは黄色いカラーリングの仮面ライダー……ガオスである。ガオスは変身を解いてオガミに戻ると、歓声を上げて近づいてきた仲間達の安否を確認した。

 

 

「よかった、お前たち無事だったか!」

 

「オガミさん!氷室さんは、無事なんですか!?」

 

「奴らかなりの手練れで、仲間達は手も足も出ずにやられて……」

 

「ああ。若頭が殲滅した。お前たち、今すぐ戻って若頭を安心させてやってくれ」

 

「はい!」

 

「あれ、お前どうしたんだそんな格好で?」

 

 

 すると、見知らぬ人物がいるとゴミリオンの一人が気付く。オガミの背後、道路のど真ん中にそれは立っていた。一見、浅黒い肌で透明感のある白い短髪とどす黒い紅い瞳が印象的な160センチぐらいの女性だった。しかしすぐに異様に気付く。なにも身に纏っていなかった。まるで、生まれたばかりの赤子の様に。ただ、霧のようなもので秘所が覆われているだけで素っ裸の人物が、ぼんやりとした顔で立っていて。難民かと思ったゴミリオン、ユウタと呼ばれる個体は、歩み寄って手を差し出す。

 

 

「ハシリターに身包み剥がされたのか?安心してくれ、俺達は雪鬼組だ。決して害は……」

 

「ユウタ!逃げろ!」

 

 

 その時、第六感が警戒を示したオガミが大声を上げ、振り返るユウタの背後。女性が眼を紅く発光させて口を大きく開けていて。人間とは思えぬほどに耳元まで裂けて大きく大きく開いた口で、ユウタは差し出した右腕を、噛みちぎられてしまった。

 

 

「え。ぐぅ、あぁあああああっ!?」

 

「おイしイい……!」

 

 

 耳障りな声を上げると、そのまま右脚と左腕を掴んで引きちぎり、まるで骨付き肉の様に齧り付いて咀嚼する女性。廃液が飛び散り、ユウタの悲鳴が上がるも、心臓に当たるジャンクキューブを引っこ抜かれて沈黙。ジャンクキューブを口に放り込み噛み砕いた女性は至福のような表情を浮かべた。それが、たった五秒の出来事だった。

 

 

「ユウタ!?」

 

「なんだ、こいつは!?」

 

「ゴミリオンを、食った!?」

 

『ゴッゴッゴ!トンテンカン!ドッドッド!ズタンドテンゴトン!』

 

「総員、戦闘態勢!非戦闘員は逃がせ!」

 

 

 咄嗟に腰のガオスドライバーのバルブを回し、すべての煙突から黒煙が放出されて取り囲み、横になっている煙突をレバーの如く逆手で握りながら突撃するオガミ。対して女はこちらに視線を向け、廃液に塗れた口で弧を描いた。その姿はまさに、悪魔のそれだ。

 

 

「変身……!」

 

『デンジャラスチーム!レヴェナントランス!ガオ!ガオ!ガオス!』

 

 

 そして煙突のレバーを持ち上げて真っ直ぐ立て、黒煙が集束して紫色に変わってサイケデリックに輝きそれを振り払ってガオスに変身。煙となって肥大化した拳を叩き込むガオス。すると少女は口元の廃液を指で拭うと、煙の拳を真正面から右手で受け止める。そこでガオスは気づく。女性が身に纏っている黒い霧は、自らの煙と同じゴミルギーで形成されていているものだと。それを纏うことで気体の自分を掴んでいた。

 

 

「お前……何者だ!」

 

「さア?」

 

 

 瞬間、黒い霧を纏った足で前蹴りを受けて蹴り飛ばされるガオス。気だるげにだらんと腕を伸ばした女性に、ゴミリオンや銃や日本刀を手にした人間の戦闘員たちが立ち向かうも、ゴミリオンは攻撃した四肢を喰われ、人間は殴られ蹴り飛ばされ、まったく寄せ付けない。そして、ガオスは蹴り飛ばされた際に黒い霧に纏わりつかれて自らの心臓、ジャンクキューブに宿っている意識が“浸食”されていくことに気付いた。

 

 

「ばけ、もの……すまない、わか、がしら……れい、じ……」

 

 

 そこで、ガオスの意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、エリィを連れて教会まで戻ってきた怜二たち。エリィはメルとミカたちに連れていかれて治療を受けていた。

 

 

「ひどい凍傷です!早く温めなければ!」

 

「お湯を用意するわ!」

 

「…なあトラ」

 

 

 その様子を見ながら、外に出てトラに呼びかける怜二。自分が割り込んでなかったら、エリィは敵だとはいえ、死んでいた。氷室は決して命を簡単に奪わない男だと、新東京都の件で知っている。だからよほど怒らせることをしたのだとはすぐわかった。だが、だがしかし。

 

 

「俺、間違ってないよな……?」

 

『相棒の心は誰よりも綺麗で美しい。自信を持っていいぜ、相棒のやったことは正しいさ』

 

「優しい相棒ですね。まさか、貴方が仮面ライダートラッシュだったなんて」

 

 

 そこにやってきたのは、落地真夜。どうやら新東京都にいた彼女はトラッシュのことを知ってたらしい。

 

 

「落地さん……どうしたんだ?」

 

「私はしがない旅人なので治療は手伝えないので、少しお話を、と。ところでなんですけど、私達どこかで会ったことあります?」

 

「…新東京都にいたならどこかで会ったことはあるかもだけど、俺は覚えてないな……そんな特徴的な髪色なら、すぐに思い出せるはずだし」

 

「あ、これ染めてるんですよ。実は……」

 

 

 桃色の髪とゴシック調の服を見ながらそう言う怜二に、なにか言おうとするマヤ。そこに。隕石が、落ちてきた。

 

 

「危ない!」

 

「え……?」

 

 

 咄嗟にマヤの手を引いて飛び退く怜二。教会の庭に激突したそれは、サイケデリックな煙を漂わせ立ち上がる。それを見て、どこか納得する怜二。

 

 

「……あの女を始末しに来たのか?……オガミ」

 

 

 仮面ライダーガオス。友となったはずのゴミリオンが変身するライダーがそこにいて。エリィを始末しに来たのだと推察する怜二。しかし、ガオスの様子がおかしい。まるで獣の様に四つん這いになり、飛び掛かってきた。

 

 

「トラッシュゥ…!」

 

「なっ……」

 

『相棒!』

 

「どうしたんだよ、オガミ!?こんなことするやつじゃ、ないだろ!?」

 

 

 トラッシュドライバーが弾かれて転がっていき、咄嗟にガオスの振り下ろした腕を両手で受け止める怜二。戦える他のライダー二人は現在治療中。絶体絶命な、その時。

 

 

「その人に手出しはさせませんよ、ガオス…!」

 

『グラセンドライバー……!』

 

 

 マヤが、十字で区切られた窓がついた長方形のバックルを取り出し腰に装着。透明なジャンクキューブ……ではなく球体のジャンクオーブを取り出すと、窓が開いているバックルに装填。すると、周りの土砂が浮かび上がってマヤを包み込む様に球体を形成。前方から土砂に紛れて垣間見えたマヤは、ジャンクオーブをはめた部位を隠すように窓をシャッ!と閉ざした。

 

 

「変身!」

 

『メイクアンドクラッシュ!グラセンド!リ・ダスト!』

 

 

 すると、眩い光に照らされて土砂がガラスとなり、砕け散るとマヤに集束。全身罅割れた半透明のアーマーをステンドグラスの様に貼り付け、目が複数ある様に見える、両手の甲から生えた三本ずつの透明な歪な刃の様な爪を有した異形の仮面ライダー。グラセンドが、そこにいた。

 

 

「なっ、仮面ライダー…!?」

 

「そん人ば、手ぇだすなら……そん首置いてけ!」

 

 

 不協和音の様な声でそう叫びながら突撃するグラセンドとガオスが激突している間に、トラッシュドライバーに駆け寄る怜二もまた変身して立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……トラッシュ……食べルるゥ……!」

 

 

 教会の屋根の上から、四つん這いの女性がその光景を眺めていることには誰も気づいていなかった。




北海道編がハッピーエンドだと何時から錯覚していた?と言わんばかりの絶望投下。

九州の方では久々登場のクズリューや、九州におけるアースに当たるライダー、ネレートこと雲谷紫耀(くもたに ショウ)と晴明編で出てた火の女神カガリ、そして竜美の腹心である麗が登場。竜美が先代カガリの相棒で目的は「仮面ライダーデリート・ゼロ=怜二(まだ正体はわかってなかった)と並び立つ」というのが明かされました。ウララ=グラセンドなので、つまり最後のグラセンド=落地真夜の正体となります。

逃げた雪鬼組を襲う謎の女。ゴミリオンを喰らう裸の口裂け女ですが、実はこのキャラ以前に出てたりします。

そして謎の女と戦った後、様子がおかしいガオスの襲撃にグラセンドとトラッシュ共闘。次回に続く。

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