仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。北海道編エピローグです。北海道編長かったな……ベノムXの時点でガヴのマスターモード登場した時ってまじぃ?

アースのそのあとの話と、彼女の正体。楽しんでいただけたら幸いです。


第五十九の清掃:トラッシュ・オリジン

 ヤトノカミゴミリオンとツチグモゴミリオンが去った教会で。ツチグモゴミリオンによるウイルスを受けて重度の風邪の様な状態でふらふらになりながらも、子供たちを守るべくタラスクゴミリオンとゴミリオン軍団を相手に立ち向かっていた。

 

 

「いい加減、しつこいわよ!あなたもそうだ、土の女神セキカ!早く、私の時の様に!この女を、見捨てろ!」

 

「ぐっ、うううっ……苦しい、だけど!子供達には手を出させないっつーの!」

 

「「「シスター!」」」

 

「ごめんみんな、あたしはシスターなんかじゃないの、ただの女子高生で……」

 

 

 駆け寄ってくる子供たちを手を突き出して制止し、飛び掛かってきたゴミリオンをシールドバッシュで殴り飛ばすもフラフラなアースは、もうここまでだと悟ってシスターと呼ばれたことを否定し白状する。しかし子供たちは怒りもせず、顔を見合わせ頷いた。

 

 

「ううん!知ってたよ、みんな!」

 

「無理してシスター演じてたんでしょ?」

 

「え。…はあ!?じゃあ、なんで……」

 

 

 攻撃を仕掛けようとして、子供たちの声を聞いて呆けたアースを前に制止したタラスクゴミリオン。他のゴミリオンが飛び掛かろうとしたのを見て、それを殴り飛ばして爆散させた。それ幸いと、子供たちが次々と告げる。

 

 

「本当のシスターじゃないとか関係ないよ!」

 

「シスター・メルはこれまで、僕たちを守ってくれた!」

 

「全力でシスターを演じて、不安がらせない様にしてくれた!」

 

「だから私たちも知らないふりをしようって話し合ったんだ!」

 

「み、みんな……ぐうっ!?」

 

「……許せない。許せない、許せない許せない!なんで、お前ばっかり!!」

 

 

 激高したタラスクゴミリオンの繰り出す爆発をもろに受けながらもアースクロッサーで銃撃を返し、ふら付きながらも殴りつけるアース。それを、アースクロッサーの中で、セキカは見ていた。

 

 

『なぜ立ち向かうのです!貴女はこれほどまでに慕われる素晴らしい人間、聖女なのですよ!?』

 

「知ったことか、そんなこと……あたしはエセだっての!」

 

『ならば猶更です!貴女の様な完璧な人間は死んではならない!未来も知れぬ子供などの命よりも重い、世界の損失なのです!自分の命が大事ではないのですか!?なぜ、そう命を捨てて……』

 

 

 理解できない。そう訴えるセキカに、爆発が仮面に直撃して半壊したアースは答えない。子供たちの悲鳴が上がる。吹き飛ぶ身体が、受け止められた。

 

 

「そりゃ、命を捨ててるわけじゃないですからね。死ぬ気なんてないんですよ。ただ命を懸けて、大事なものを守ろうとする。それが人間なんです。と私は賞賛します」

 

 

 アースを抱き止めそう告げたのは、仮面ライダーゴーストラッシュで。子供達に襲い掛かろうとしていたゴミリオンたちを、右手をかざして浮かばせた残骸を振り回して薙ぎ払い、押しつぶして爆散させたゴーストラッシュは、地面に転がったアースクロッサーに視線を向けてからタラスクゴミリオンに視線を向けた。

 

 

『貴女は、まさか……』

 

「貴女もゴミリオンになった人間ですね。上級とも違う、別種。でも溢れるゴミルギーからその感情が伝わります。選ばれた人間だからと正義に殉じ、セキカに見捨てられ死してゴミリオンとして蘇生した挙句に、居場所をシスターでもない女に奪われていた……貴女には同情しますがね。弱い者いじめしていい理由にはならないですよ、と私は窘めます」

 

「うるさい!」

 

 

 十字架を地面に叩きつけ、刻み込んだゴミルギーを爆発させて攻撃するタラスクゴミリオン。ゴーストラッシュはアースを抱えたまま爆風に押されてふわりと空に舞い上がり、教会の屋根に着地。ガンモードにしたホーキーストライカーを取り出してタラスクゴミリオンを牽制しつつ、アースの露出したメルの顔を撫でた。

 

 

「私はゴミルギーを操ることができます。ゴミルギーを付与してものを持ち上げたりと応用が効きますが……この体に巣食うウイルスはゴミルギーが変じたもの。ならば、と私はウイルスを消し去ります」

 

「……誰だか知らないけど助かったよ。それにアイツの事情もわかった。悪いけどセキカ様、あたしに失望したのはいいけど、責任ぐらいとってよね」

 

 

 すると見る見るうちに顔色が戻り、決意を帯びた顔で屋根から飛び降りてアースクロッサーを手に取るアース。ゴーストラッシュが屋根の上で援護の構えをとるも、アースはそれを半壊した仮面から覗く視線で止めると、タラスクゴミリオンの拳を真正面から受け止めた。十字架状に光り輝き、爆発。しかして、アースは不動だった。

 

 

「なっ……」

 

「いきなり訳わかんないこと言いながらあたしの痛いところを突いて、さんざん罵倒してくれちゃってさ、センパイ。でもさ、一つだけわかるよ。この思ってたより薄情なセキカ様に裏切られてそんな姿になってまで、同情はするよ?でもここに来たのは何で?教会に身を寄せる子供たちをシスターとして守るためなんじゃないの?なのにその子供たちを危険にさらして……あんたはもう、心まで怪物になってしまったんだ」

 

「うるさい、うるさいうるさい!お前が、お前がいたから……!全部全部、お前のせいだあああ!!」

 

 

 やけくそとばかりに両手を掲げて突進してくるタラスクゴミリオンに対し、アースは覚悟のこもった視線を向け、持ち手はそのままアースクロッサーを時計回りに一回転させてから振りかぶる。

 

 

『アーストライク!……マルタ』

 

「マルタセンパイ!あんたを止められるのはただ一人、あたしだけだあ!」

 

『ショットラメント!』

 

 

 そして、タラスクゴミリオンの両腕を避けながら放たれたアースクロッサーの銃口が胴体に激突。引き金が引かれて銃口に集まった黄色いエネルギーが解き放たれ、零距離で撃ち抜いた極太ビームはその射線上の地面を大きく抉った。残されたのは胸に風穴を開けた、顔が崩れて白目が黒く染まっているものの本来の素顔を曝け出し、口から黒い液体を溢れさせ、黒い血涙を流すタラスクゴミリオン……シスター・マルタだった。変身を解き、震えながら祈る体勢を取るメルに、怯えていた子供達も続く。それを見て、マルタは笑った。

 

 

「がはっ……絶望と憎悪が溢れ出て、止まらなかった……ありがとう、止めてくれて……随分板についている、貴女はもう、立派なシスター、よ……」

 

「せめて、死後は安らかに……」

 

 

 そう言って崩れ落ちたマルタは、人骨が垣間見えるゴミの残骸と化して。冥福を祈り続けるメルに、ゴーストラッシュがふわりと近寄った。

 

 

「無理をしないでください、シスター。名前も知らないのは申し訳ありませんが、守護者のグレイスを失った北海道はゴミリオンが蔓延ることになると思います。ひとまず安全な場所に飛ばすので、そこで治療を受けてください。さっきのは応急処置の様なものなので、と私は付け加えます」

 

 

 そう言ってふわりと浮いてホーキーストライカーで円を描くゴーストラッシュ。その先には、気を失った怜二とヒカリとサラ、そして竜美と真夜もといウララと……

 

 

「彼女が貴女の言っていた患者かい?母よ」

 

 

 六道捨我が、そこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんでよりによってチリヅカ・コーポレーションなんですか」

 

『サラなんか怯えちゃってるじゃないか』

 

「わ、私は元職場なのでへいきですよぉー?」

 

『相棒を脅かす奴はどこだあ!』

 

 

 新東京都、チリヅカ・コーポレーション社長室。その接客用のソファに、ふんぞり返っているヒカリと身を縮こませるサラがいた。もちろんエコちゃん様とドッくんも一緒だ。その反対側には、気を失った怜二が寝かされていて。その後ろでは、何故か身悶えているセーラー服の上から九頭竜の紋様が記された灰色のコートを羽織っているどう見ても未成年な少女……九頭竜美と、プルプル震える桃色の髪を首まで伸ばした160㎝にも満たないゴシック風の衣装の小柄な少女……落地真夜を名乗っていたウララと呼ばれる少女。

 

 

「ふぬぐぐぐ……あれほど求めた仮面ライダー様が無防備な姿で目の前にぃ……」

 

「押さえてよ竜美様?私だって耐えてるんだから!」

 

「あの面白コンビが葛柳会のトップとナンバー2とか信じられないんですが……」

 

「以前取引で会ったことあるので間違いないですよ……九頭竜美はまるで別人みたいですが」

 

「お待たせしました。ふあぁ……粗茶です」

 

 

 そこに欠伸しながら人数分のお茶の乗ったお盆を手にした狭山瞳がやってきて緑茶を配る。その様子を一番奥の席で眺める男が一人。短く切り揃えた黒髪でサングラスをかけてひょろっとしている30代ぐらいのこの部屋の主、六道捨我だった。一服しているのを確認してから六道は口を開いた。

 

 

「ところでどうだったかね?我が母は」

 

「ぶふっ!?は、母!?え、誰が、まさかあのゴーストラッシュですか!?あの人いきなり人の頭に語り掛けてきたと思ったら新東京都と北海道を繋げるし、無法すぎたんですけど!?」

 

 

 飲んでいたお茶を吹いて捲し立てるヒカリ。その被害を受けたサラがお手拭きで顔を拭きながら、おずおずと問いかけた。

 

 

「あの……なんであの方もゴーストラッシュ……トラッシュを名乗ってるんですか?トラッシュって、チリヅカで作られたものじゃ……」

 

「ああ。それはだな。トラッシュはもともと彼女のために作成していたものだからで、「トラッシュ」というのは彼女が作成した“清掃者”の総称だ。彼女にあげるつもりだったのだからそのまま使わせてもらっただけに過ぎない」

 

【許可した覚えはないんですけどね?と私は嘆息します】

 

 

 するとそんな声がその場の全員の頭に響いた瞬間。入口の方に“門”が開き、ふらついたメルと40人ほどの子供達が出てきて。きゃーわーと歓声が上がる。“門”の向こうに、その人物は立っていた。黒い三角帽子に黒い外套、しかしその下は巫女服というちぐはぐな格好をした、黒髪を長いポニーテールに纏めた、赤と黒のオッドアイの14歳ぐらいの少女。

 

 

「彼女が貴女の言っていた患者かい?母よ。彼女たちで保護すべき人間は最後か?」

 

「その見た目で母と呼ばないで欲しいんですけど……ああ、すみません。私はこの“門”を潜れないので、このまま挨拶させてもらいますね、と私は畏まります」

 

 

 そう言って“門”を縮めて手元に運びつつ、ホーキーストライカーに乗って空に舞い上がる少女は、怜二以外の視線が集まる中、一礼した。

 

 

「私の名前は……便宜上こう名乗りましょうか。九頭夢月(くず むつき)。そこの九頭竜美のひいひいひい……それぐらいの祖母で、そこにいる捨我の保護者。あと、そこの黙っている神たちを現世に接触できるようにしたのと、えーっと。あ、そうだ。こう言えばわかりやすいですかね。ゴミルギーを発見し呪われた、過去の亡霊です。よろしく?と私は冷え切った空気に首を傾げます」

 

「「「「はああああああああああっ!?」」」」

 

 

 ヒカリの、竜美の、気を失った怜二と六道、よく理解してない子供たち以外の大人共の悲鳴が社長室に響き渡り、怜二のお腹の上にぴょこっと出てきたジャンキュビーストが「ガオ!」と元気に吠えた。




後継者を見つけて満足して逝ったマルタ。ゴミリオン化すると負の感情が爆発すると明かされました。ビーストラッシュも同じ状態だったとここで言っておきます。ゴミリオンで作ったキューブで変身してるから当然ですね。

そして規格外な力を見せつけたゴーストラッシュの正体、九頭夢月が登場。情報量が多すぎる告白。そしてちゃっかり残ってるジャンキュビースト。この二つがこれからのキーパーソンとなります。

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