今回はデザートラッシュのあれこれ。楽しんでいただけたら幸いです。
※11/13、デザートラッシュのデビルズフィストをライトニングブロウに変更しました
吹き飛んだホテル「チリヅカ」最上階、スイートルームだった場所。そこで、怜二は立ち尽くしていた。アブソリュートエコーが、ベノムXが、アースが、グラセンドが。魔王を相手に立ち向かい、上空では瓦礫の龍に乗ったクズリューが、六人の女神が扮する仮面ライダーと渡り合っている神話のような光景が広がる。
『エ・コード!ホーキージャベリン!』
「喰らいやがれ!ですわ!」
『フォースピン!ライトニングブロウ』
「フッ、ハアッ!」
「バイバイ、お馬鹿さん!」
『フォースピン!フレイムナックル』
「フッ……!」
アブソリュートエコーのホーキージャベリンを突き出した飛び蹴りを、デザードライバーの砂時計を一回転させて生じた稲妻を纏った右手で掴んで投げ飛ばし、さらにベノメイスを手に飛び込んできたベノムⅩに対して再度砂時計を一回転させると砂との摩擦による炎を纏って顔面を掴んで地面に叩きつけるデザートラッシュ。強化フォームを得た二人がまるで赤子の手をひねるかの如く蹴散らされる。
「こんなに強いなんて聞いてないっつーの!」
「そん首置いてけぇ!」
「ドリャアッ!」
負けじとアースがアースクロッサーで銃撃。グラセンドが飛び掛かるも、砂を集束させた岩の剣を手に弾丸を防がれたうえでグラセンドが薙ぎ払われ、吹き飛ばされた勢いでアースに激突した。それを呆然と見つつ、怜二は、応えてくれない相棒へと語りかける。
「トラ!頼む!俺を、変身させてくれ!お願いだ!」
『……嫌だ』
「トラぁ!」
拒絶する相棒に、怜二はどうしてこうなったのかを、思い出していた。
数刻前。とりあえず“門”越しではなく直接謝罪したいということで、夢月を待つことになった怜二たち。六道と竜美、そしてRKSの社長であるヒカリが不可侵条約を結ぶためにそれぞれが提示した内容に目を通している中、怜二は一人社長室を離れて屋上に来ていた。するとポケットからジャンキュビーストが顔を出し、怜二の腕を伝って肩に上がる。
「……なあ、お前は……オガミなのか?」
「ガウ?」
「そんなわけないよな……」
肩を落とし、換気扇に座って風を浴びる怜二。薄汚れて居るのは地上だけで、ここまで高いとあまり影響はなく気持ちいい。
「……トラ。なんで、なにも喋ってくれないんだ」
『……話すことなんかねえよ』
怜二の呟きに、腰に付けたままだったトラッシュドライバーが口を開く。明らかに不機嫌でぶっきらぼうだった。
「よかった、お前が壊れたんじゃないかって心配してたんだぞ」
『俺はずっと意識があったんだ。そのチビに変身の制御を乗っ取られて、見せつけられた』
「……見たのか?あの、俺を……」
意識は残っていたものの悪意と闘争心を制御できていなかった自分の醜態を思い出し、天を仰ぐ怜二。しかしすぐさま、トラの様子がおかしいことに気付く。
「……トラ?」
『相棒の、あんなところ見たくなかった。すまねえ、相棒。今はお前を、変身させてやれない……』
その言葉に、怜二は思いだす。“誰よりも潔癖で清らかな
「……トラ。俺は……」
「おや。こんな所で何をしてるのですか?と私は首を傾げます」
トラに言い訳しようと、怜二が口を開いたところで影が差す。顔を上げると、ホーキーストライカーに立ち乗りした夢月が浮いていた。
「あんたが……九頭夢月…!?」
「こんにちは、八多喜怜二。まずは、ご冥福をお祈りさせてください。と私は黙祷します」
「ミラやオガミ、雪鬼組のことか…?」
「? あ、ああ。そうですね。その通りです。と私は話を合わせます」
いきなりご冥福を祈られ、その言い分からオガミやミラたちの事ではないことに、首を傾げる怜二。夢月はホーキーストライカーを掴みながら飛び降りる。
「社長室に案内してください。弁明します。と私は冷や汗を流します」
「確信犯じゃねえか」
数刻後、社長室。正座をした夢月を、怜二達は取り囲んでいた。先程のメンバーに加え、治療を受けて包帯を巻いているメルと、手にしたアースクロッサーに宿ったセキカ、そして掃除をしているヒトミもいる。
「それで?我が母は、どんな弁明をしてくれるのかな?」
「弁明させて頂くとですね?私、世界中で湧き出るゴミリオンを掃除しながら、対抗する為に日本は女神達に任せてトラッシュ……仮面ライダーの力を与えてたんですよ。まあその殆どは、ゴミリオンに勝てず死んでいったのですが。と私は言い訳します」
「あのサンドルフ・アメン・ラーも、その一人だと?」
「はい。一ヶ月前、そうですね。塵塚怪王が二度目の復活を果たして世界中にゴミリオンが発生した頃の話です。元々サンドルフは優れた王で、人並外れたその武力でゴミリオンからエジプトを守ってました。それだけでなく、世界中の国々で貧困で死ぬ所だった娘達を妻として迎えて、保護してました。娘達は少しでもサンドルフの力になろうと、自らの肉体に神を降ろして人である事をやめるまでしたのですが……そんな事をしても、神の人格が地上に降り立つだけで、神の権能は行使できません。と私は説明します」
『夢月に手解きを受けた僕たちは、ゴミルギーを利用して器物に宿ることで、自らの力を行使させることが出来る。人の器じゃ……精々、身体能力が上がるだけだろうね』
夢月の説明をスイセンが補足する。つまり、人に降ろしたぐらいでは、そこまで力は発揮できないのが神なのだという。では、あの六人のサンドルフの妻は何なのか、という話になる。
「エジプトに立ち寄った際に目にした、その献身に心を打たれまして。神の権能の一部を使える様にと、オラクルドライバーを作って与えたのです。それを見たサンドルフに「妻達だけに戦わせられない。俺にも戦える力をくれ」と、頼まれまして。感銘を受けて作ったのが「砂操作」という、砂漠でのみ無類の強さを発揮するデザートラッシュ……だったのですが……と私は口を噤みます」
「ひいひいひいお婆様?素直に吐かないと指詰めますよ?」
「ひえっ。端的に言えば、私は騙されたのです。大人しい顔をして、あれは……野心の塊でした。力を得る為に、私の噂を聞きつけデザートラッシュの力をまんまと手に入れた……その事に気付いたのは、捨我に宣戦布告したタイミングでして……流石に無視はできない、と捨我に接触して皆さんを回収したのです。私の不手際です。本当にごめんなさい。と私は土下座します」
ホーキージャベリンを置いて、綺麗な土下座をしてみせる夢月に、怒る気にもなれない怜二達。すると、六道が時計に視線を向ける。
「……約束の時間まで、もう少しだ。我が母よ“門”で我々を、ホテルチリヅカのスイートルームまで送ってくれ。それと」
「それは良いですが……何ですか?と私は首を傾げます」
「貴女にしか出来ない事だ。世界中にいる“トラッシュ”をリストアップしてくれ。補佐は、私の秘書代理である、瞳くんがやってくれる」
「え。護衛は大丈夫です?」
いきなり振られて、目を見開きつつ問いかけるヒトミに、六道は頷いた。夢月は不服そうだが、拒否権は無いと気付いて、肩を落としていた。
「仮面ライダーがこれだけいるのだし、防御のエキスパートであるアースの、シスター・メルもいる。心配無用だとも」
「え、あたし?やるけど……」
そうだ。そうして、怜二たちは夢月の“門”でホテル「チリヅカ」のスイートルームに訪れ、六道が要求を断り、戦闘に入って。そして、最強戦力のクズリューを六人がかりで抑え込まれて、壊滅状態に陥っている。自分も戦わねばならないのに、相棒はへそを曲げてしまっている。ならばと、怜二は冷酷になることにした。
「悪い、トラ。無理矢理、変身させてもらう」
『相棒?まさか……ジャンクキューブ!メガプレス!』
『ワオーン!!!』
無理矢理トラッシュドライバーにジャンキュビーストを装填して黙らせ、まるでホラー映画の悲鳴の様な不協和音のメロディーと共に蒼い煙に包まれ、猫背の姿勢となった怜二が、殺意のこもった目でデザートラッシュを睨みつけ、ジャンキュビーストを前に倒す。
「ヒカリたちに手を出すな……壊してやる。変身」
『ビーストラッシュ!廃棄ラブ&ピース!エキセントリックビースト!』
そして怜二は、四肢を振り回して全力疾走。蒼い煙が浸食する様にして、ビーストラッシュに変身を果たすと、渾身の拳を叩き込む。
「ウウッ!!?」
「これが、日本のトラッシュの力か?期待外れだな」
しかし、その一撃は岩の剣であっさり防がれ。返しの刃を、野性的直感で避けて距離を取るビーストラッシュ。すると、魔王の眼が怪しく輝き、手が翳された。
「動くな」
その瞬間、ビーストラッシュが、アブソリュートエコーが、ベノムⅩが、アースが、グラセンドが。デザートラッシュと対峙した全てが、完全に停止した。
サンドルフの元ネタはガノンドロフなので、技も参考にしてます。スマブラだけど。さらに謎の停止能力も。こちらはオーマジオウが元ネタ。強過ぎぃ。
拗ねてしまったトラ。そもそも変身条件が“誰よりも潔癖で清らかな
やらかし夢月。大体こいつのせいを地で行ってる。
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