仮面ライダートラッシュ   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。前回からの「神奈川編」は一気に書かないと止まっちゃいそうなんで、とりあえずいけるところまで毎日投稿することにしました。

今回は第二話で語られ前回で初登場した「ハシリター」関連の話。楽しんでいただけたら幸いです。


第九の清掃:地獄に仏、ならぬゴミリオン

 食料と飲用水を用意して朝一で出発して、途中で休憩を取りながら、日本近海の太平洋に存在する新東京都から本州に繋がる唯一の長い橋「ホーリーブリッジ」を通って、千葉県→旧東京都→神奈川県とやってきた俺達。しかし聖なる橋、ね。まるで神にでも逆らっているみたいでこの橋を通るのは気分が悪い。本州と新東京都の違いは一つだけ。金があるか、ないかだ。それだけで、住む世界が決められる。俺は、そんな世界がいまだに許容できていなかった。

 

 

「……舐めてた。本州が人が住めない環境になっていたとは聞いていたがこんな地獄になってるとは」

 

「まさか襲われて食料と飲用水どころか荷物までもを軒並み奪われるとは思いませんでしたわ……」

 

 

 ここまで通ってきて、俺達は何度も襲われた。ゴミリオンではない、本州に追いやられていた難民たち……つまりハシリターにだ。ゴミや汚れにまみれた立地で店なんて置く企業なんてあるはずがなく、食事もありつけず残飯や消費期限切れのコンビニ弁当を漁ることしかできず、飲み物も腐ったジュースなんかを飲むことでしか、飢えや渇きを癒すすべはない、まさに世紀末な世界。雨や海水はもちろんのこと、湧き水なんかも直ぐ淀んでしまって飲めたものじゃないらしい。そんなところに俺達が来ればどうなるか。人間相手に変身するわけにはいかず、抵抗もろくにできずに食料や持ってきた金品なんかの荷物をほとんど奪われてしまった。トラやエコちゃん様、携帯端末やマシントラッシュトライカーにはまるで見向きもしなかった。よって、一日足らずで俺達は放浪していた。

 

 

「神奈川には多分ついたと思うが、さすがにそろそろ寝ないとまずい……」

 

『相棒、さすがにこれ以上運転するとやばいぜ!』

 

「屋根がないと雨が降られたらお陀仏ですわよ…?」

 

「ワンチャン残飯とか雨とか浄化して食べ物や飲み水に変えれないか?」

 

『できなくもないけどおすすめはできないよ。うっかり浄化をミスればお陀仏だからね』

 

「それは最終手段ですわね……」

 

 

 廃棄物症候群(トラッシュシンドローム)以降、大気や海は汚染され雨水や海水は毒を持つようになった。適応した種なんかが生き残ってるが、ほとんどの動物や魚は絶滅してそうでないのも絶滅危惧種だ。酸性雨、毒の混じった雨、赤い雨なんかは当たり前で、人間もそれを浴びると大概病気になる。俺がウィキッドゾンビで犯された毒もこの類だ。新東京都では天候操作システムとやらで雨だけは普通のものになっているが、海はアウトだ。また、北海道や九州や四国の本州以外はなぜか比較的無事であり、近海や雨は普通らしい。家畜や野菜なんかはここから完全管理・完全武装されたトラックで輸送される。肉なんかはおかげでだいぶ高値になってしまった。

 

 つまり、新東京都の恩恵を受けないと本州で平穏に生きることはほぼ不可能に近い。だからと言って北海道や九州、四国に避難しようにも、もう人口がいっぱいで受け入れ不可能らしい。その点、新東京都はまだまだ広がり続け開発されているため天国そのもので、本州は地獄である。他の国なんかも大気汚染や海水汚染、地質汚染の影響をダイレクトに受けていて、立て直しに苦労してるんだとか。日本という国はもはや完全に崩壊している。そんなところに住み続ける彼らの助けになれたならいいんだが、出発から既に二日以上なにも食ってないし寝てもない。水は一回だけエコーの力で浄化した泥水を啜って何とかなっているが、飢えと渇きで俺達が死ぬ…!

 

 

「トラ……戻してくれ」

 

『おうよ。大丈夫か?相棒』

 

「さすがにしんどい……雨が降らないことを祈って寝るぞ……」

 

 

 とりあえず、マシントラッシュトライカーを吸い込んでジャンクキューブにすることで回収し、拉げた扉から倒壊した建物の中に入って瓦礫の上に横になり、星空が見える崩れ落ちた天井を仰ぐ。ヒカリも傍に座って壁に背を預ける。

 

 

「エコちゃん様、貴女の中身の水は飲めないんですの……?」

 

『ボクの中にあるのは消毒液みたいなものだから飲むのはお勧めしないかな。しかし、今の人間はひどいものだね。同族同士でも奪い合いか』

 

「耳が痛いですわね……」

 

「助け合うことができるのも人間だ……みんな、余裕がないだけなんだよ」

 

 

 ぐぅーと、どちらから鳴ったかわからない空腹を知らせる音が虚しく鳴り響く。仮面ライダーを騙る誰かを追ってここまで来たが、それどころではない。なんなら新東京都に留まっていればヒカリまで巻き込むことはなかったな。しくじった。ヒカリが眠りにつき、俺もまた気絶しそうになっていた時に、気配を感じて身構える。すると壁を破壊して現れたのは、よりにもよってゴミの集合体の異形の人型。それが二体もいた。最悪だ……。

 

 

「ンンン?人間がいるぞ、小綺麗な人間だ」

 

「いいものを見つけたな。ちょうど二ついるし山分けだ。女は俺がもらうぞ」

 

「ああ!?俺が見つけたから女は俺のもんだろうが!」

 

「なんだと!?」

 

 

 ゼブラゴミリオンとオウムゴミリオンか。お誂え向きだな。だが、ヒカリに危害は与えさせないぞ。

 

 

「させるか……トラ!」

 

『おうよ、相棒!トラッシュドライバー!…ジャンクキューブ!プレス!』

 

「お?」

 

「なんだ?」

 

 

 トラを腰に取り付けジャンクキューブを装填しながらハンドルを握り、ふら付きながらもなんとか両の脚で立ち、エネルギーのブロックが展開される。興味を引き付けるには十分だったらしく、ヒカリからこちらに視線を向ける二体のゴミリオン。

 

 

「変身!」

 

『あっと驚く!アトミックブロック!』

 

「おっと!」

 

「てめっ、卑怯だぞ!グルルアア!」

 

 

 変身と同時にブロック型の手甲で殴りかかるも、へろへろなそれはオウムゴミリオンには飛ばれて避けられてしまい、ゼブラゴミリオンに至っては蹄のような手甲で受け止められてしまう。そのまま蹄のアッパーを受けて踏ん張ることができず吹き飛ばされる。

 

 

「お前、仮面ライダーか!だけどよわっちいな!」

 

「こんな奴俺一人で十分だ!」

 

「くっ……!?」

 

 

 すると羽型のブレードを握ったオウムゴミリオンが急降下、立ち上がったところに斬撃が連続で叩き込まれる。しかしなんとか耐えて、オウムゴミリオンの背中から伸びた翼部分を掴んで拘束、逃げようとするオウムゴミリオンに、連続で拳を叩き込んでいく。

 

 

「うおおおおおっ!」

 

「き、ぎゃあ、このっ、ぐふぅ!?」

 

『相棒、ハンドルを引け!』

 

「あれだな!」

 

『トラッシュ!アトミックラップ!』

 

 

 俺はトラに言われるままハンドルを一回引いて、ジャンクキューブに加圧。エネルギーを絞り出して右腕に集束、光り輝くブロック型の手甲を地面に振り下ろすと、上空に出現したブロック型のエネルギーが一つ現れて急降下、オウムゴミリオンに炸裂して吹き飛ばすとそのまま右腕を振り回し、右腕で直接ダメージを与えながらブロック型のエネルギーでも追撃し、最後に重ね合わせてアームハンマーを叩き込む。連撃で飛ぶことができなかったオウムゴミリオンは圧し潰され、爆散した。デリートが使っていた、ジャンクキューブを壊さない程度にエネルギーを絞り出して用いる小技だ。

 

 

「はいごくろうさん!俺の餌が増えただけだぜ!」

 

「ぐあああ!?」

 

『相棒!?』

 

 

 しかし、背後から衝撃を受けて吹き飛ばされ、変身が解除される。振り返れば、体当たりをした体勢のゼブラゴミリオンがいた。

 

 

「安心しな、女もお前もちゃんと食ってやる」

 

「ふざけるな……ぐうっ」

 

 

 また変身しようとするが、ダメージに呻く。このままじゃ……!その時だった。

 

 

 

 

ブロロロロロロ!ブルルォオオオオン!!!

 

 

 

 

 

 大気に轟くエンジン音が聞こえて。そちらに顔を向けると、道の瓦礫を押しのけながら、大型のトレーラーが複数のバイクと共に走ってくる光景が見えて。まずい、またハシリターだ。こんな時に!

 

 

「なんだぁ?ぎゃあああああああああ!?」

 

「え?」

 

 

 身構えた瞬間、ゼブラゴミリオンはドリフトした先頭のバイクの後部タイヤにはね飛ばされてゴロゴロと転がる。そこに、他のバイク四台とトレーラーが止まり、中から髑髏ととげとげのタイヤが組み合わさったようなロゴの描かれているボロボロの服が特徴のハシリターが複数人出てきてゼブラゴミリオンを取り囲むと、手にしたバットや鉄パイプやブーツを履いた脚でボコスカと殴り蹴り始めた。

 

 

「ひゃっはー!」

 

「新鮮なパーツだあ!」

 

「よこせ!よこせ!」

 

「調子に乗んなよ怪人があ!」

 

「やめ、まって、ぎゃああああああっ!?」

 

 

 轢かれたダメージに呻いていたゼブラゴミリオンは多勢に無勢、リンチにされる。すると先頭のバイクに乗っていたダメージジーンズに髑髏ととげとげのタイヤが組み合わさったようなロゴの描かれている赤いシャツの上から黒いジャケットを羽織った人物のフルフェイスのヘルメットを外して出てきたのは、まるで燃えるような深紅の髪の女だった。オニキスの様な黒い瞳がこちらを睨みつける。

 

 

「俺達のご同類が怪人に出くわして野垂れ死に……にしては小綺麗だな。もしかして、新東京都の人間か?」

 

「っ……」

 

 

 同じ台詞をつい昨日言われて、俺達は襲われた。思わず口をつぐむも、俺の背後の建物内で寝ているヒカリに視線を向けて、納得したように笑うと手を差し伸べてきた。

 

 

「こっちから名乗ろうか。ハシリターのチームバーンアウトのリーダー、萌月留依(もえつき ルイ)だ。ここで会ったのも何かの縁だ、助けてやろうか?…なあ、仮面ライダー?」

 

「なんでそれ、を……」

 

「そんな派手なベルトを着けてたらな。それに、俺達は同類だよ」

 

 

 そう語るルイの手には、ジャンクキューブが握られていた。その背後でゼブラゴミリオンが原型なくなるぐらいぐちゃぐちゃにされてるのは気にしたら負けか?




あまりに未来が見えない世紀末な世界。ゴミリオンも普通にうろついているので危険度MAX、だけど変身もしないで返り討ちにしているチームバーンアウトみたいなハシリターも存在します。

地味に北海道、九州、四国が比較的無事だと判明。なんででしょうね?

そしてチームバーンアウトのリーダー、萌月留依登場。今章の重要キャラです。

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