罪装神機のデュランダル   作:よなみん/こなみん

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とりあえずお試し。タイトルやあらすじは固まり次第随時更新します。


第0話

新暦0001年。人類は、一度滅びた。

 

突如として発生した『大規模厄災級災害』さらにそこから現れた未知の『敵』、「異形種(パラノイア)」によって人類の文明は一度、衰退せざるを得なくなった。いや、滅んだ。

 

異形種(パラノイア)」は人類のみを滅ぼす習性があり、そのせいか、かつて「日本」と呼ばれた国だけでも三分の二。世界で半分以上の人間だけが、死に至った。

 

異形種(パラノイア)」に与えられた超再生能力、そして様々な「種」の誕生。地上7か所に先行して現れた彼らは、その勢力圏を瞬く間に全世界へと広げた。僅か数十年。それだけの時間で人類は破滅に追い込まれた。

 

彼らが与えた影響はそれだけではなく「災害」として過ぎ去った彼らが残したのは、二つの選択肢だった。

 

「服従するか」「滅びるか――」

 

新暦0003年。

 

残された「人間」たちは世界平和対策機構「HERMES(ヘルメス)」が設立される。本格的な「災害」への対策と、人類復興のため。彼らは「発明」と「発展」を主とし、人類文明の再生を開始したが当然、それをよく思わない者もいた。

 

そうした人間が集まってできた組織が「ATLAS(アトラス)」が設立された。彼らは「発明」と「発展」を繰り返す「HERMES(ヘルメス)」に対し「進化」と「革命」を掲げ、真っ向から対立する形となった。

 

新暦0010年。「ATLAS(アトラス)」は大規模なテロを各地で発生。独自に開発した人体兵器「屍兵(ボーン)」をぶつけることで人数で圧倒していた「HERMES(ヘルメス)」を圧倒する。

 

新暦0012年。事態を重く見た「HERMES(ヘルメス)」は内部で秘匿研究機関「AIGIS(アイギス)」を設立。「災害」を含めた「人類」の敵に対しての研究を指示した。

 

そして新暦0015年。「AIGIS(アイギス)」が生み出した新たな「力」が人類を新たな戦いへと巻き込んだ―――。

 

 

【】

 

 

「おはようございまーすっ!」

 

 女性の透き通る声。学園から離れた場所でも聞き取ることができた。一つの淀みもない、きれいな声だ。

 男ー黒髪白髪の半々の髪型をしている「新条(しんじょう)クロト」はもうすでに帰りたい気持ちでいっぱいだった。

 

「一人でこんなとこ、来るんじゃなかったなぁ。でも組織が決めたことだしな…」

 

 手には封筒に収められた書類を持っていた。内容は ー「入学案内」― と簡潔に記された文字が太陽の光に当てられ、うっすらとだが白紙の面からでも文字を読むことができた。

 一人、学園の正門に繋がる道をウロウロする。ほかの生徒と思われし人たちは次々と正門をくぐって学園 ー「アヴァロン」ー へと入っていく。

 

「はぁ、面倒ごとは御免だよ」

 

 クロトは僅かな呟きとともに正門から離れようとするが振り向いた瞬間、そこには見た目格闘家の少年が…クロトに拳を振りかぶっていた。

 

「チェストぉぉぉぉぉっ!!!」

「んなぁぁぁぁっ!!」

 

 

【】

 

 

「いやー。ごめんごめん。ウロウロしてるから変人かと」

 

 クロトを殴ってきた少年 ー燃えるような赤髪が特徴の「不動(ふどう) 零時(れいじ)」ー 彼もクロトと同様「入学案内」と書かれた封書を持っており、二人で再び「学園(アヴァロン)」まで歩き始めていた。

 クロトのとっさの「超反応」で回避したが、零時(れいじ)の拳の速度は彼が見てきた度の速度よりも早かった。恐らく技能(アクティブ)「身体強化」によるものだろう。

 今はすっかり誤解も解け終えており、零時(れいじ)が何回もクロトに謝罪をしていた。

 

「いいよ。ウロウロしてた俺も悪いし」

「いやいや!決めつけた俺が悪いって!そっちが謝るこたぁねえっ!」

 

 異常なまでに暑苦しいこの少年は、正直、クロトの好きな人間ではない。こういった人間は、大体人のパーソナルスペースに土足で踏み込む人間だと先入観を持っていた。

 現に一つ一つに行動を零時(れいじ)は付け加えている。いかにもわざとらしい…が、クロトは無視を決め込んでいた。

 

「んで。クラスは?」

「あぁ、超兵(ハイ・ソルジャー)クラスだよ。君は?」

「お・な・じ!いや~。これも運命かな!」

 

 この「学園」には「AIGIS(アイギス)」が対テロ、対「災害」用に設立した、主に三つのクラスが存在する。

 

 まずは通常クラスに当たる「兵士(ソルジャー)」クラス。特殊な技能を持たない者たちは、初めにここに配属される。主に一般人が通るクラスである。

 そして二つ目。クロトと零時(れいじ)が配属されるクラスは「超兵(ハイ・ソルジャー)」クラスと呼ばれる、入学試験での能力調査や技能試験において「AIGIS(アイギス)」組織に許可されたものだけが入れるクラスである。また「兵士(ソルジャー)」クラスで優秀な成績を収めれた者も、この「超兵(ハイ・ソルジャー)」クラスへの移動が認められる場合がある。

 最後に「指揮官(コマンダー)」クラス。希望した生徒が専用試験を受け、合格を認められた場合のみ入ることのできるクラスで難易度は一番高い。技術、技能共に高い生徒が小規模だが存在している。

 

「あっそ」

「無視した!?もう少し反応をだなぁ」

「お互い変人だって解ればいいんだ」

 

 オーバーなリアクションをする零時(れいじ)を無視し、クロトは学園の門をくぐり抜け、目の前に見える校舎に歩いていく。零時(れいじ)も遅れてクロトの後を追いかけていく。

 

 まるで研究所のような建物が校舎の後ろにある学園の屋上からは、長身の白髪少女が二人の様子を監視していた。

 そしてそれが放つ視線に「反射的」に気づいたのか、クロトは校舎に入る寸前で足を止め、屋上を睨み付けるように見る。

 

「どうした?」

「…何でもない。勘違いだ」

 

 クロトが睨み付けた時には、すでに視線の主はおらず、クロトは零時(れいじ)に引っ張られるようにして校舎に入っていく、そして、それを後ろから見つめる視線が一つ。

 別視線の主は口元を本で隠しており、ゆっくりと本を下げると『ぺろり』と舌なめずりをして二人の様子を見届ける。

 

「あれが噂の「超反応」か。入学前から面白いものが見れたね」

 

 そういうと少年は手に持った本 ― 「どうやったらペットを手懐けれるか」 ― を制服の内側ポケットにしまうとそのまま二人の後を追うように校舎に入っていった。

 

 

【】

 

 

「ここが教室!」

 

 一方の二人は、自分たちの所属する二つある教室の「一組」と書かれた教室の扉の前まで来ていた。中は開けるまでもなく静まり返っているのを感じ取れた。

 一方の隣のクラス。「二組」も同様であり、特に盛り上がっている様子を感じ取ることはできなかった。

 

「まぁ初日だし。こんなものだろ」

「もう少し、わいわいしてると思ったんだがなぁ」

 

 それはさておき、クロトは雑に教室の扉を開けると広いスペースにいたのは僅かに5人。それぞれ楽な姿勢で椅子に座りくつろぐ者、教室の隅で時間が過ぎるのを待つ者、など癖のある者たちがこの二人が入ってくるのを監視していた。

 

「えーっと。席は…」

「席は教卓に乗ってるプリントに書いてある」

 

 席を確認するためにクロトがプリントを探していると、その近くに座っていた眼鏡をかけたクロトや零時(れいじ)より年上に見える人物が見た目より低い声でクロトたちへと助言を投げかけた。

 

「ありがとう…貴方は」

「レイヴだ。レイヴ・ES(エルシオン)・エルヴィン」

「ありがとう。レイヴ」

 

 レイヴと名乗った男は「問題ない」というと机に置いてあったイヤホンを耳に付け直し、眠るように姿勢を楽にして目を閉じる。よく見ると両耳にイヤホンがあるので再び話しても答えてはくれなさそうだ。

 4×4の綺麗に配置された席で、クロトの席は後ろの扉のすぐ横の場所、零時(れいじ)はそのすぐ前だった。

 二人が席に着いた直後、先生らしき、きっちりと服を整えた女性と最後の生徒らしい人物が入ってくると、その人物も席を離れていた者たちも自分の席へと着席する。

 

「これで全員か。私はシャノン・AS(アストラ)・シュベルディ。本日より君たちの教師…および、実技担当を務める」

「先生殿、席が多いように思えるのだが?」

 

 教卓に立つ美しい金髪の目出つ女教師、シャノンの言葉を遮るように、クロトの左側に座る、身体を多くの布で身を隠した男が少し古風の言い方で質問を投げかける。

 確かに、現在この教室には男女合わせても8人しか生徒は在籍しておらず4×4の16席を使うのは持て余している状態だ。

 

「その説明は授業の際にする。とりあえずは空席で大丈夫だ」

「誰か転校生でも来るのか?」

「妄想は好きにしてくれ。それでは、まずは当校について説明しようと思う」

 

 シャノンが少し場所をズレるように離れると、彼女の後ろにあった黒板に映像が映し出され、学園全体のマップらしきものが表示される。

 

「基本はこの学園内ですべて完結するようになっている」

「学園の後ろに街が…」

「そうだ。この校舎は形だけで本体は後ろにある研究施設、そして学園都市。とも呼ばれる街が本体だ。「AIGIS(アイギス)」の本体がここには備わっていると言っていい」

 

 マップには現在、クロトたちがいる校舎の後ろに広がる広大な街並みが映し出されていた。学園の後ろにある多くの町並みは軽く一都市分はあるんじゃないかと思ってしまう。 

 その時、一人の生徒が手を挙げる。シャノンが「何?」と声をかけた少女は美しい銀髪が特徴の、この中の誰よりも身長の低い少女であった。

 

「先生。これだけ広いなら、すぐに見つかってしまうのでは…」

「問題ない。「隠密」の技術(オート)を常時展開している。普通の人間には、見破ることはできないわ」

 

「わかりました」と納得した少女は静かに再び席に座わり、シャノンの話が続く。

 

「入学前に配った書類がある通り、基本的にはここに住んでもらう形になるわ。ご実家には話を通してあります」

 

 その時、くつろぐ姿勢をしていた全身布まみれの男が間髪入れずに言葉を発する。

 

「実家がここにある人は困らなくていいでありますか」

「そうね。「AIGIS(アイギス)」の別地域から来た人や「HERMES(ヘルメス)」地域から来た人は入寮の申請を済ませて頂戴。それから入寮すること」

 

 そのあと、各施設の説明が軽くあったところで「最初はこんなものね」とシャノンはそこで言葉を区切る。そのあと、映像を消し、改めて教卓に立ちなおす。

 

「それじゃ、数年間一緒にいてもらう仲だし、自己紹介をしてもらおうかしら?まずはレイヴ。君からね」

 

 自己紹介といわれ、真っ先に指名されたのは先ほど、クロトたちに助言をしてくれた長身の生徒、服はほかの生徒と違い、崩してはおらず、しっかりと着るあたり性格が出ている。

 

「自分は「レイヴ・ES(エルシオン)・エルヴィン」だ。よろしく」

「次、ルナちゃんね」

 

 次に指名されたのはレイヴの左側の席に座る少女。先ほど手を挙げて質問していた銀髪の小柄な女の子だ。彼女は静かに立ち上がり、見た目とは裏腹の低い声で声を発する。

 

「ルナ。「ルナ・KR(クライムエッジ)・アザセル」です。…よろしく、お願いします」

「はいは~い!じゃあ次は私ね!」

 

 ルナと名乗った少女が自己紹介を終えると、次に意気揚々と手を挙げたのはその後ろに座る、痴女…にも思える服装をした女性。髪の色は若草色で腰あたりから見えるひらひらとした薄い尻尾のようなものが特徴となる女性だ。

 

「「九美(きゅうび) 舞姫(まいひめ)」ですぅ。皆様よろしくお願いね」

 

 腰を揺らつかせ、尻尾を強調する彼女はふわふわとした自己紹介の後、後ろに座っていた紙束を整理していた少女にウインクをしてバトンタッチと言わんばかりに自分は席に座る。

 少女は自己紹介には集中していなかったのか数秒おいて慌ただしく反応する。慌てて立った反動で机の上に並んでいた紙束が散らばるように落下する。

 

「あ、あうぅ…」

「もう。相変わらずドジねぇ」

「だってぇ…。舞ちゃん…」

 

 散らばってしまった紙束を舞姫は「やれやれ」と言いながら拾い上げるのを手伝う。一通り集め終えると、少女は声を整えゆっくりと自己紹介を始める。

 

「えっと、「メアライト・神託(デルポイ)・フローレンス」です。じ、神社のお手伝いをしてます…」

「なら、次は拙者であるな」

 

 次に立ったのは全身を黒い布で覆った男。彼は服に備わっていたフードを被りなおすと布から覗く、目を光らせ自己紹介をする。

 

「拙者は「灯影(ひかげ) 陽炎(かげろう)」であるよ。何卒よろしくでござる」

「自分は「葛城(かつらぎ) 悠真(ゆうま)」です。よろしくね」

 

 灯影の次に自己紹介したのは気が付いたら、机の上に薄い本が大量に積みあがっていた席の張本人。片眼は黒、もう片眼は真っ白に染まっているのが特徴の少年、葛城が自己紹介を終える。

 いよいよ自己紹介を最後に迎え、クロトと零時の二人にシャノンの視線が飛んでくる「早くやれ」と言わんばかりの鬼が宿った視線を飛ばされ、クロトが先に席を立つ。

 

新条(しんじょう)…クロト。よろしく」

「んじゃ。俺が最後だな!俺は「不動(ふどう) 零時(れいじ)」だ!よろしく頼む!」

「これで終わりね。それじゃ、午前はこれで解散。午後は後ろにある研究棟に集合」

 

 その言葉を最後に、シャノンは教室を後にする。その後、各生徒はそれぞれ席を離れ、教室を後にする。クロトと零時は荷物を受け取りに校舎一階から裏門、そして裏門からも見える大きな空港へと向かおうとする。

 が、その時、小柄の銀髪の少女、「ルナ・KR(クライムエッジ)・アザセル」がクロトたちの前に立った。





アドバイス等は常時求めております。
久しぶりに書くので手探り状態ですが……

こうしたほうがいい、等ありましたら教えて頂ければと思います。
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