『オルクセン王国史/二次創作』オルクセン版宇宙戦争 作:koe1
オルクセン、グロワール国境付近、対月星人防衛最前線の塹壕陣地にて古参オーク兵とオーク新兵との語らい。
あれはいつだったかな?
たしか・・・ベレリアント戦争が終わってから何年たったときだったかな・・・ああ、そうだ。
25年ほどだった星歴897年のことだ。
俺はベレリアント戦争には後備役として召集されたが前線には行くことはなかった。
後方の警備だけで終わっちまった。
ただこうみえてもロザリンド渓谷の戦いにも参加していたんだぜ。
最もその頃はお前みたいな坊主だったがな。
そうそう、信じてもらえるかわからないが、同じぐらいの年だった我が王もいらした。
あ~・・・同じ隊にいたとかではなく、敗走中により集まった連中の中にお互いにいただけだから面識なんて当然無いがな。
白エルフ達の追撃や待ち伏せの中、喉の渇きに苦しめられてながら敗走を続け、もうダメだと思ったときに雨が降ってきたときは本当に助かった。
あの雨がなかったら、オルクセンに帰って来られたのは一握りどころじゃなかったと思う。
そんな慈雨が降る中、我が王は崖の下に転げ落ちていき、捜索を諦めたところに巨狼族の背中に乗って帰ってきたときは、親爺・・・そうさ、シュヴェーリン元帥さ。
共々、みんなびっくりしたもんだ。
でその後にあの時転げ落ちていった、俺と似たような年の奴が王になるって聞いてさらにびっくりさ。
だけどそんな我が王のおかげでオルクセンは本当に豊かになった。
坊主みたいな若い奴には信じられないだろうが、昔は・・・思い出したくないぐらい酷かったもんさ・・・。
で、そうそう。
ベレリアント戦争が終わって、エルフィンドを併合したオルクセンが王国から連邦になって10年たつかたたないかの星歴897年あの日、俺はいつも通りに屋台を出そうと準備をしていたんだ。
屋台を始めた頃はいつかはしっかりとした店を構えたいと思っていたが、なんていうのか、気がつけば屋台を続けていくのも悪くないと思い始めた時期だったな。
もちろん雨の日は店を出せないし、寒い日はきついが、屋台の良さに気がつき始めていた。
店を出すための金はもう十分貯まっていたが、このまま屋台を続けていくのも悪くないなと。
そんなとき、隣でコーヒーの屋台を出している奴・・・俺と違ってよく新聞を読んでいたオークの牡だったが、新聞を読みながらこういったんだ
「月の1つで火山が噴火したらしいな」
俺はそれを聞いてこう聞き返したのさ。
月はわかるがカザン?フンカ?なんだいそりゃ?と。
するとそいつは、俺よりずっと学があったから火山と噴火について教えてくれたよ。
「火山っていうのは、エトルリア半島や地裂海の島、キャメロットのずっと西にある島にある、ドワーフの製鉄所の溶けた鉄のように溶けた岩が流れ出ている山で、噴火っていうのはその溶けた岩が爆発しながら飛び出ることさ」
正直、俺は火山や噴火っていうのを全く想像できなかったね。
ただその時の話はそれで終わった。
奴の店に客がきたからだ。
で何日後だったかな?次の日?いや2日後?
正直、何日後だったかは覚えていないがコーヒー屋の奴がまた新聞を読みながら「キャメロットに隕石が落ちたらしいぞ」と教えてくれた。
俺はまた聞いたさ。
インセキってなんだい?と。
そいつはまた「隕石っていうのはこの星の外から時々降ってくる岩のことで、普段落ちてくるものはそれほど大きくないもんなんだが、キャメロットに落ちたのはとても大きい隕石みたいだ。どうも月の噴火で飛んできたらしい」と説明してくれたけど、俺の屋台に客が来ちまったもんだから話はそこで終わっちまった。
今にして思うとあいつは本当に学があったから、大学とかをでていたのかもしれないな。
そして次の日からは新聞は大騒ぎさ。
「キャメロットに月星人襲来!」
「キャメロット軍先発隊壊滅!」
「敵は高さ30メートルもある3本足の機械!」
「キャメロット軍応援部隊も壊滅!」
「月星人は3本足の機械からありとあらゆるものを燃やし尽くす熱線を発射し、キャメロット軍を蹂躙!」
「キャメロット軍、戦闘機械数機を破壊したと発表!」
「キャメロット各地に直径約30メートルの円柱が複数落下!」
「キャメロット戦時総動員を開始!」
「月星人は人間を食べる!」
「キャメロット軍、首都西方近郊に絶対防衛戦を構築!各地より兵力が集結中!」
「月星人、熱線の他に毒の煙を使用!奴らが放つ黒い煙を吸うと死ぬ!」
「グロワールへの避難船団を護衛していたキャメロット海軍、戦闘機械2体を撃破!損害は1隻のみ!」
「キャメロット首都陥落!キャメロット首脳陣は北部へ遷都し徹底抗戦を決意!各国へ支援を要請!」
「我が王と政府、キャメロットへの武器支援と海軍による避難船団支援を発表。グロワールは一部動員を開始!」
ただ俺は文字通り海の向こうのことでピンとこず、「なんか大変だな」ぐらいにしか思っていなかったな。
たぶん周りの奴らもそんな感じだったと思う。
で、月星人襲来の新聞記事が出てから2週間ぐらいたったときだったかな?
新聞にこんな記事が出たんだ。
「月星人壊滅!」
一体何が起こったのかさっぱりだったが、隣のコーヒー屋がいうには、月星人はみんな病気で死んじまったと。
俺はその時「エリクシル剤を奴らは持っていなかったのか?」なんてのんびりと思ったもんさ。
「敵、我が陣地に向けて接近しつつあり!総員配置につけぇー!!」
よし坊主、おっさんの昔話はここまでだ!持ち場につけ!
お、砲兵が仕事を始めたな。
でかい三本足から小さい三本足と芋虫をなんとか切り離さないとこんな塹壕、あっという間に突破されちまう。
でかい3本足は、こっちが塹壕に身を潜めていても上から覗き込んで熱線を打ってきやがるし、あの腕で俺達をつかみ取りやがるからな!
砲撃が始まれば足の遅いでかい三本足は動きを止めるか下がったりするが、小さい三本足や芋虫共はスピードを上げて砲撃を振り切って突っ込んでくるぞ。
坊主、ガスマスクはしっかりしとけ。
毒ガスはでかい三本足しか打ってこないが油断はできないからな。
ほら、落ち着け!
しっかりと王妃様に弾を込めろ。
しかし何処のどいつだ、この『M921 対月星人ライフル』に王妃様の名前をつけた奴は?
『ディネルースⅡ』ってなんなんだ。
口径が25ミリもある、このごっつい奴にあの細いダークエルフの王妃様の名前なんて合わないだろうに。
というか『Ⅱ』ってことは『Ⅰ』もあるのか?
どうせなら『マイン・ケーニヒ』や『シュヴェーリン』とか・・・『ツィーテン』とかにすればよかったんじゃねえか?
だが名前は兎も角、こいつでないと奴らには歯が立たないからな・・・俺達オークしか撃てないのが弱点といえば弱点だが仕方がねえ。
こんなもんコボルト達が撃ったら一緒に吹っ飛んじまうし、いや・・・そもそもこのでかい王妃様を構えることもできないか。
ドワーフ達なら・・・吹っ飛びはしないだろうが、反動で1発で肩を痛めて後方送りだろうし。
不敬だが、まぁ俺達オークの歩兵にとっちゃ愛しの王妃様って奴だ。
おっと坊主!塹壕から身を乗り出しすぎるなよ。
奴らの熱線の的になっちまうからな。
よし、砲兵連中しっかりと仕事してくれたな!
でかい3本足は上手い具合に足止め食ってやがる!
芋虫は・・・いない!
小さい3本足だけが来たぞ!
後もう少しで鉄条網に・・・よし引っかかった!
お!何台がすっころびやがった!
ざまーみろ!
「撃てぇー!!」
よし、小隊長殿から射撃開始の命令だ!
坊主、しっかりと狙え!
小さい奴なら、当たりさえすれば王妃様はしっかりと奴らをひっぱたいてくれるかな!
そして死ぬんじゃねーぞ!!
作者本人が諸般の事情により身バレを嫌がった結果、『オルクセン王国史』を作者に布教した私、鉄道系歴史調査サークル『TJ1914』の資料担当が投稿する羽目になりました。
サークルXアカウント
https://x.com/tojo1914
正直、私がハーメルンの使い方が全くわかっていないこともあり、変な形になっているかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字も多いかと思いますがお許しを・・・