夏海 現(なつみ うつつ)の横向き日記 作:endoendo
舞台のDVDを買いました。
前から興味を抱いていたとある劇団が最近新しく作品を映像化していたので買ってみた次第です。
舞台という作品形式の大きな特徴は、他の物語作品と違って現実と空想の間に物理的な障壁がないということでしょう。
物理的には触れ合える存在が決して交わらない世界のお話を紡いでいる。そこに不思議な魅力を感じています。
……もっとも、映像で見る分にはその魅力は活きにくい、という現実もあります。
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このDVDに収録されているのはゲームの舞台化……舞台版『ワクワクディベート部』です。
……あのゲームは一見普通のギャルゲですが、実は恐ろしいホラー演出とメタフィクション、そして悲劇で形作られた一昔前の話題作でした。
世間的にはあのディベート部長(第四の壁を認識していてプレイヤーが大好き、なんかディベートとか言いながらシステム面に干渉してくる)が当然1番人気なのでしょうが、私個人としてはあの青髪の小柄な漫画好きな女の子が中々好みでしたね。ホラーシーンで両腕がもげた時は思わず椅子から転げ落ちましたが……。
とにかく、少なくともあらゆる要素が舞台版に向いていなかったはずです。というかそういう発想に至ることがまずない気がします。
正直不安ではあります。ゲームのメディアミックスは時に賛否を呼びますから……。
とにかく、続きは中身を見終わってから書くことにしましょう。
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なんというか……凄まじい舞台でした。まさかゲーム内の出来事であることを表現するためにほとんどをスクリーンに映した映像で進行していくとは……。現地で見る人的にコレはどうなんだか、ということは置いておいて中々演出が良かったですね。
そして、オリジナル要素です。この手の作品のオリジナル要素は下手にやると燃えてしまいかねない危険がありますが、この舞台は元から作品にあった裏設定を活かすことで上手くやっていました。
具体的にはスクリーンの外……舞台の上でこのゲームを作った人たちのドラマパートが行われたんです。どうしてこのギャルゲは狂気と悲劇の作品になってしまったのか、というところを納得のいく描き方をしていて良かったです。……胸糞でもありましたが。
そして、何より後半の世界にたった1人になったディベート部長とギャルゲを作り出した作者とのディベートのシーン……かなり盛り上がりました。コレもうギャルゲじゃないだろという点を除けば完璧と言ってもいいでしょう。
いやぁ、素晴らしい舞台でした。
でも、これ……現地で見たかったですね……。
あの会場で恐怖と狂気と感動に飲み込まれたかった……。