彼女は"彼"の言葉に何を思うのか...
ネルの拠点
○
そういえば今日は先生とトキ達が共同で依頼に取りかかる日だったな。何故だろうな、この前先生から言葉を貰ってから少しだけ希望を持っちまってるんだよな。もしかしたら、また誰かのために戦えるようになるかもしれないって。
「今さら、考えたってもう遅いのにな...。」
もう、あの時から三年経った。その間立ち直ろうとしてもなんとか動こうとしても、手足が鎖で縛られたかのように重く、構えた銃口も震えちまうんだよ。
ここで暮らしているうちに、もう声をあげて笑うことなんて失くなっていた。先生はあたしを気遣ってたまにモモトークを送ってきたが、それも返信はしなかった、出来なかった。今も生徒のために曇ることはない、輝いた瞳で精力的に動く先生にこんな現実に打ちのめされて前に進めなくなったあたしが関わるべきではないと思っているからだった。
トキもそうだ。あいつはあたしの失敗を知ってから、後輩がそうならないために必死に使える手を使ってあの組織を立ち上げた。あいつはあたしがまだ諦めていないとでも思っているのかもしれない。でも、違うんだ、あたしはそんなに強い人間じゃない。ただ人より強くて仲間や後輩に恵まれただけだったんだ。
リオを止めたときがあったなあ。あの時は何にも負けない、負けたくない。そう思って血反吐を吐いてでも意地を貫き通してたな。それが段々とだ、いつからかもうわからないが安全な方を選びつつ、無理をしないスタイルになっちまってたんだ。もし、あの時あたしが昔のままだったら...やめておくか。
とにかくあたしはあの時どうしようもなく折れちまったんだ。
「先生、やっぱりあんたは強いよ。あたしらの生徒、教え子のためならどこまでもいける。何があろうとも絶対に折れない...。」
『なんでそこまで出来るんだよ。』
彼女には何もわからず今すぐ聞きたくなった。それでもすぐに、記憶の彼方から彼から聞いた言葉が聞こえてきた気がした。
”私は生徒の味方だからね。”
「そう、だったな。先生はそういうやつだったな...。」
先生が折れない理由を彼女は欠片ほどではあるが理解した。彼の身体はとても脆い、子どもが戦っているのを後方で支援することしか出来ない。それでもいざというときは生徒のために前に立つことができる先生はそういう人間だった。
何故、それができるのか?
答えはいたって単純であった。
その信念がある限り、止まることはない。そうだと、ネルは理解したのだ。
「信念、か。」
彼女の信念、それは何だろうか。それは、絶対に勝つということだ。負けても、次は勝つ。自分が勝つまでに幾度となく敗北があろうとも絶対に勝つまで挑戦し続ける。
その様子は彼女の在学中に多く見られた。特に天童アリスとの関係はその最たるものであったであろう。彼女はゲームで何回も負けていた。たかがゲーム、されど彼女は諦めることなく何回も勝負を挑んでいた。
「そうだったな...。あたしは負けず嫌いだったな。」
先生の言葉で彼女は自分の原点を思い出した。あの場では何もなくとも、確かに”彼”の言葉は彼女の変わる切っ掛けとなっていたのだ。
だが、彼女のもとに絶望の足音が近づいてきていた。
──────
「ここに美甘ネルさんは居ますか!?」
バン!と大きな音を立てて勢い良く扉が開き、一人のメイド服を着た少女が焦っている様子で入ってきた。
「あたしがネルだ、それでお前はいったい誰だ。」
「私はトキ先輩の後輩です!!」
「そうか、あいつの...。で、何の用だ。」
「力を貸して欲しいんです!じゃないと先生とトキ先輩は...。お願いします!何でもするのでどうか...!」
「待て、今何て言った...。先生とトキが何だって...。」
目の前のやつが何をいっているのかわからない。先生とトキが危ない状況に居るだって?なぜだ?何があったんだ?
絶望の足音はすぐそこまで迫っている。
ようやく見えたかすかな希望
迫り来る大きな絶望
彼女は何を思う
セリフに誰が喋っているかって付けたほうがいいですか?
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必要
-
どっちでもいい
-
いらない