嘘です。
にじファン時代に活動報告で投稿してたネタです。
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皆は死後の世界というものを信じているだろうか。そういう所がある、そういう物語や逸話、神話はいくつもある。呼び名はそれぞれで天国や地獄、ヴァルハラとかもその類に含まれるだろう。だが、現代科学信者の俺はそんなのは信じていなかったんだ。だって、死後の世界とかで思考するための脳みそとか、一体何処にあるんだよってね。
魂で思考する? ありえないね、思考は電気信号だ。もしかしたら感情だって電気信号かもしれない。想うのは常に生きている者の特権だ。こんな感じに思ってたのさ。
そう、俺自身が死ぬこの時まで。
そして、今。
俺の前には神を名乗る奴がいる。本当に信じたくない。だけど、本当に神だとした場合、敬語を使った方がいいのだろうか?
-おめでとう。君は死者10億人のうち、非常に珍しい転生できる特権を手に入れた-
そんな自称神様の声が頭にひびく。自称とか思っていると不敬に当たるのか?
-人間が死んだとき、死者10億人のうちランダムで一人だけ、色々な世界に転生をさせているのだ。断じて、神々が間違えて殺したとかではないので安心したまえ-
何か間違えて殺すとか不穏な言葉が聞こえたが……。しかし残りの人間はどうなんだ? まぁ、とりあえず信じとこうか、ってかあまり考えたくない事態だしな……。主に俺の心の為に。しかし、俺は死んだのか。たしか、学校でO-157が流行ったんだよな。それで入院する人が続出して俺も入院して……。そっか、死んだのか。俺。
以外と自分が死ぬって知ってもあっさりしたもんなんだな。あれか? 苦しまなかったからか?
-うむ、そしてどうする? どんな世界でもいいぞ? あくまでおまけとして第二の人生の為、記憶は引き継ぐから自分の好きな世界を選びたまえ-
さて、どうするかね。なんか運の良い事に、わざわざ転生させてくれるらしいし、2度目の人生だからなぁ。なるべく現代科学とかと離れた方がいいか? 現代科学信者とはいえ、ファンタジーな世界を体験してみたいしな……。ならよし、決めた。
「俺は、ドラクエの世界に行きたい。そして、モンスターマスターの才能が欲しい」
そう、俺はテリーのワンダーランドが大好きだったのだ。あんなふうに、魔物を仲間にして、旅をしてみたい。後あの配合とかにもハマった。ああいう品種改良みたいのも好きだったんだよな。
-ふむ、なるほど。それだけで良いのか?-
なに? まだいいのか。ううむ、たしかに、ドラクエの世界で魔王がいる時期にいってしまったら、危ないかもしれないな……。そもそも、すぐに死んでしまったら転生する意味もないか……。しかし、これを頼むとモンスターマスターとしての楽しみがなくなる気もするしな。……まぁ命には代えられないか。
「あと、神鳥レティスと一緒に旅に出れるようにしてほしい。最初のパートナーとして」
つまり、楽しみがなくなるっていうのは強いモンスターを最初から仲間にしている状態だ。これは、ある意味冒険の楽しみを奪うものだが、魔王に侵略されたりしたら堪らないからな。始めは強いモンスターの代表、魔王系のモンスターにしようかと思ったけど、裏切られた時が怖すぎる。こちらの指示に従うかもわからないし。逆に支配される、そんな漫画も見たことがある。それに対して神鳥レティスはラーミアと同じ種族、基本的に勇者と呼ばれる人たちの側だ。魔王とは反対側だから危険は無いだろう。それにドラクエワールドではかなり強い部類に違いないしな。
-わかった。それでは転生を行うぞ-
そして、俺は二度目の人生を迎える。
何故か、魔族として生まれたらしい。
たしかに、モンスターを操れたり指示したり出来るかもしれない、きっと出来るんだろうよ。けどさ! 普通人間に転生するだろ!!?
しかも、俺の父上になる人をどこかで見たことあるんだよな。黒い翼のダンディなオジサマ……。
どこだ。どこで俺はこのオジサマを見た。
そうやって赤子の俺がうんうん悩んでいると、久しぶりに神の声が頭に響く。
-……すまんの。まず、お主に謝らないといけないことがあっての-
人間じゃないことか?
-いや、それは謝らないといけない問題のせいで、そうせざるえなかったのじゃ。-
何が問題なんだ?
-問題はの、ドラクエの世界ということだったのだが、少しだけ、ちょぉっとミスってしまっての。違う世界に転生させてしまったのじゃ-
なっ!? ドラクエじゃないのか!? じゃあここはどこの世界だ!?
-うむ、お主が生まれてしまった場所は『ハーメルンのバイオリン弾き』という漫画の世界じゃ-
Oh……。ハーメルンのバイオリン弾き。知っているだろうか? 運の良いのか悪いことなのか……。とりあえず、俺は知っている。少年月刊誌の一つ、少年ガンガンの創刊から10年ほど雑誌を支え続けてきた名作だ。最近では鋼の錬金術師とかで有名なとこだったな。ギャグとシリアスの時の差が激しすぎる作品でもある。今までに、あれほどギャグとシリアスの時で温度の差が激しい作品を俺は他に見たことがない。そんな作品だ。
俺はそれを読んでいた。
そうか……、だからか。だからあの父親に見覚えがあったのか。
俺の父親は先代妖鳳王、オーボウだ。ちなみにダンディーはダンディーでも漫画版だ。アニメ版ではなかった。空の提督とも呼ばれ、作品の最初から出ているが力を隠し続け、というか本気をある理由に出せずにいた。本来の実力は作品の中でもトップクラス。タイマンで戦った場合なら、大魔王やその子供を除いたら最強じゃねえか……。
-それでの、流石に悪いと思っての。次はドラクエの世界に飛ばそうと思っているのだ-
おぉ! それはありがたい。いくら力の強い魔族に生まれたとはいえ、この世界は元人間の俺には辛すぎる。ある意味リアルにファンタジーな世界なんだよ! っていうか最悪、聖杯として俺が殺される。それに、大魔王は恐ろしすぎるし、強すぎる。
-ただの、飛ばそうと思っても、その世界で後50年から100年ほど時間がかかるのじゃ-
なんだと……。この残酷な世界に100年も生きろと。
-うむ、しかもその途中に死んでしまうとの、魂がこちらの管轄ではなく、そちらの神の管轄になってしまうのじゃ-
精神的にも身体的にもハードゲーなくせして、自殺もできない上に、死んでしまったらゲームオーバーとか。何この無理ゲー。
-だからの、人間だと死んでしまう可能性が高い。だから魔族に生まれさせたのじゃ。ただ、魔族というだけじゃ、流石にそれだけだと辛いだろうと思っての、そちらの世界でも有数の力の持ち主の子供に生まれさせた-
確かに、この世界の人間に生まれた場合。天寿を全うするのは原作が終わってからじゃないと辛いだろう。だから魔族に生まれさせたのか。確かにそれは理解できる。……理解できる、出来るけどさ!? もうちょっとましな漫画とか無かったのかなっ!!? 数ある大魔王とかが出てくる作品の中で、俺の中では最も怖いラスボスとかのランキングとかで余裕でトップに出てくるレベルだよ! 大魔王ケストラーとか……。
どのくらい怖いかって? 主人公達にも引けを取らないような、人類屈指の実力者を瞬き一つで瞬殺するレベルだよ! しかも、それが半身も無いような不完全な状態で、だよ。
-さらにの、願いの一つにあったレティスの力も付与しといた。これで、中々死なぬはずじゃ-
おぉ、それは助かった! サンクス神様!
-うむ、違う世界に飛ばすときに一応飛ばして欲しいか聞きに来るからの。もし、その世界が気に入った場合はそのまま暮らす事もできるからの。それではの-
頭の中の神様の声が遠のいていく。
しかし、この殺伐とした世界に生きていたいとか……、そんな事を思う日が来るのだろうか。
40年経った。
魔族は人間より生まれつき強い。圧倒的といえるぐらいに強い。勿論、普通は修行なんてしない。しかし、俺は生き抜く為に修行を行っていた。しないと不安ってのが一番だ。
最初の方はよく馬鹿にされた。まぁ親父が魔界軍王のNo.2の為、そんなことを言うやつはほとんどいなかったが。言うとしたら、ドラゴンキング、魔界軍王No.3のドラムとその手下ぐらいだ。あいつら、親父のこと嫌いだからなぁ。
空の提督オーボウの血を引いて、レティスの力を付与されている俺は、元々の自力の上に努力して修行なんてするもんだから、凄まじい勢いで強くなった。
若輩者のくせにとか言うやつは多い。しかし、最近はヴォーカルと喧嘩をよくするようになり。おかげで、実力はヴォーカルと互角という事が魔王軍に伝わった。……才能は俺の方が上っぽいんだけど、ヴォーカルは年期が違うからなぁ。それにヴォーカルは容赦ないからこっちも必至だ。おかげで、ますます実力が上がってきたよ。
今世での名前はヘッケルフォーンという。やっぱり、この世界って何故か人物名が楽器の名前なんだよな。ちなみにヘッケルフォーンはバリトンオーボエの一種だ。
そして現在、俺は個人的には非常に嫌な任務に就いている。その任務は、ある国を滅ぼせというものだ。非常に魔族っぽい任務である。
当たり前だが元々人に生まれてきて転生してきた為に、俺は人を殺す事が嫌いなのだ。それは俺だけじゃなくて、親父もあまり殺生を好まない。親子揃ってお互い魔族らしかぬ性格の為、魔王軍では疎まれてもいる。
……まぁ、俺達親子が反乱したら魔王軍の大半は潰れるんじゃないか? それぐらいの実力を俺と親父は持っている。まぁその後、大魔王ケストラーに親子共々殺されるけどね!
原作で親父は大魔王に「貴様さえいれば、魔王軍の半分はいらなかっただろう」とか言われる実力者だし。優しい性格さえなければ、本来なら魔王軍の中でも単純な実力だけではトップである猛者だ。
さらに息子の俺の実力はグングンと伸び、今や物語最強の一角であるヴォーカルと殺し合いを出来る力を身に着けている。ぶっちゃけ他の魔王軍王とかは俺と親父が組めば全員倒せる気がする。
しかし、親父と俺が協力しても大魔王ケストラーは倒せないだろう。魔族に永遠の力と命を与える化け物。存在の格というか。なんか別次元の生物? 獣だけの楽園で、何故かそこに重戦車が居る感じだ。生き物として根本的な何かが違う。実は宇宙人とか言われても納得できるレベルだ。
ちなみに俺はレティスの力を付与されているおかげで、大魔王から魔力を分けて貰ってるわけじゃない。だから反乱を起こして、大魔王から命の源となる魔力を止められたからといって寿命が縮まるわけではない。
原作の主人公達はすごいと思う。よく立ち向かったと思う。力を封印されて半身だけの存在だったとはいえ。……主人公が死ぬ思いで戦って勝利して、なんとか封印したのだって、完全な状態とは程遠いんだぜ? 最後だってあくまで封印。封印する道具が無かったら負けてたんじゃないかと思わせる程の強さだ。
そして、何より残酷なんだ。わざわざ聖女と結婚して、子供を産ませた。子供と聖女を生贄にするために。まさに、これこそ大魔王というべき存在だ。
ちなみに、今はまだ勇者が一回目の封印をする前だ。つまり、魔王軍の全盛期。このままだと、本当に勇者が現れる前に人類絶滅しないか?
あ、妹のオカリナが最近生まれました。可愛い子です。でも原作だと死ぬんだよな……。俺はその時いないかもしれないけど、死んでほしくは無い。……少しでも実力をつけさせよう。
ちなみに、俺の必殺技は親父直伝の鳳凰千破。ガチで威力をこめてやると、被害がとんでもないことになります。
さて、自分から国を滅ぼすのは嫌なので。とりあえず、一人で向かって明後日から攻めるので逃げてくださいな。という宣戦布告をする。
すると襲い掛ってきて奴が細切れになっちまった。
ヴォーカルと戦っているうちに、攻撃より防御……、カウンターに特化しちゃったんだ。俺の周りには常に魔力の台風みたいのが渦巻いていて。近づくものを滅茶苦茶に切り刻んでしまう。一度制御を忘れて、それでオカリナの右目を傷つけた。ショックすぎて自殺しそうになった。オカリナが許してくれなかったら自殺してたな。だから普段は纏わないようにしている。
流石に、敵地だから纏ってきたけど……。
「ふむ。一人先に殺ってしまったが、明後日よりこの国を滅ぼすために攻め入る。命が惜しければ、逃げるがいい」
何か、偉そうですね。口調を偉そうにしとかないと、他の魔族に舐められるんですもん。オカリナを食べようとするやつも出てくるしな!! 勿論、そいつとその一族はぶっ殺しました。ちなみに、超獣王ギータさんの管轄でした。制裁後、文句を言いに行きました。ギータさんに平謝りされました。
ギータさんは一見腰の低いように見えるけど、この人も油断ならないんだよな。この人に血を舐められると、力をコピーされるし。虎視眈々と上位層の魔族の血を狙ってる上に、最終的目標は大魔王ケストラーの血だもんな。
避難勧告空しく。結局、人間の国は徹底抗戦を決めたようだった。
「馬鹿な国だ」
「まったくですね。ヘッケルフォーン様はお優しい方ですのに」
「面倒だから、些事は任せる」
「は!」
「オーボウ様といいヘッケルフォーン様といい、なんで人間を殺すのが嫌いなんでしょうか。こんなに楽しいことなのに、変わっていますよ本当に。……まぁせっかく譲ってくれるというなら我らは人間狩りを楽しむだけだがな。フフハハッハッハ」
自分から積極的に人間を殺したくないので、部下にやらせる。
なんて偽善なんだろうと思う。
そして今日、また一つの国が落ちた。