【ネタ】ダイ大ワールドの妖鳳王(ホークキング)   作:真昼

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よく考えれば、大ダイはそこまで改定する部分が無いからすぐに投稿出来る件。
今回から大ダイの世界に行きます。ハーメルンワールドとはお別れです。

でもお別れしなかったバージョンも書いてみたい気もする。


第二話

 この世界に生まれて90年。

 

 やっと勇者が現れた。ヴァイ・オリンだ。この頃は本当にカッコイイ美青年なのになぁ。原作ではただのボケ老人……。というか、よく500年も生きてたなこの人。いくら天使の血を引いてるからって……。

 

「これは勇者殿。遠路はるばるご苦労。我らを封印しにきたのかな?」

「何故、知ってられるかはわかりませんが、その通りです。邪魔されますか?」

「いやいや、頑張ってくれたまえ。ケストラー様はお強いからな。」

 

 俺は道を譲る。しかし、勇者の仲間は俺に法術を叩き込んできた。

 

「オリン!こいつは魔族だ!いかしておけねぇ!!」

 

 今の世界の法術では最高クラスだろう。……しかし、レティスの力か俺に法術は効かない。

 

「クククッ。残念ながら効かないな」

 

 笑いながら話しかけてみる。内心ではいきなり法術使われてビックリだ。

 早くいけよ! 俺は違う世界に飛ぶんだから! オカリナと別れるのは辛い。でも俺はこの世界は無理だ。90年間過ごしていて、精神が変わらなかった事を喜ぶべきか、それとも早くに順応していれば苦痛も少なかったのだろうか。

 

「いえ、通していただけるのなら通させていただきます」

 

 勇者はそう言って進む。他はこちらを警戒しながら進んでいる。

 

 勇者がこちらから見えなくなって、何十年ぶりかの懐かしい神の声が頭に響く。

 

-久しぶりじゃ。決心は出来ているようじゃな。封印されると共にドラクエの世界に飛ばすとしよう-

 

 ああやっとか、やっとこの地獄のような日々から抜け出せるのか。……本当に、長かった。

 

 そして勇者が必死の思いで大魔王が封印する、そして他の魔族も箱に引きずりこまれる。

 しかし、俺は引きずり込まれると同時に異世界に飛ぶ。偶然だろうか。その飛ぶ瞬間、勇者と目があった。引きずり込まれずに何処かに飛ぼうとする姿を見て、勇者オリンは愕然としているようだった。それがこの世界で見た最後の情景だった。

 

 

 そしてドラクエの世界に……あれ? 生まれてない??

 

-すまんの、今回は転生というよりは異世界トリップという形じゃ。-

 

 頭に声が響く。

 オイオイオイということは魔族のまんま!?!

 

- そいうことじゃの。しかも、おぬし。あちらの世界で力をつけすぎておっての。その、言いにくいんじゃが、そのままお主がトリップしてしまうと世界のバランスが崩れるのじゃ。ちょうど、とあるドラクエの世界で非情に強い力を持った存在が死にそうなんでの。そいつを取り込んでって形になった。-

 

 あるぇ……。それって勇者が魔王を倒したら、魔王を取り込んでさらに強い存在が出てきた的な大魔王ポジション??

 

-そやつは魔物同士の戦いで死にそうになったのでな。そういうことは起きんぞ。安心せい。-

 

 良かった。しかし、ここはどこだ? 太陽が無いのになぜか明るいような、周りが見えるというか。

 

-そこは、その世界で魔界と言われるところじゃの。では頑張ってくれ。-

 

 うぉーい!! これで説明終わりかよ。

 

-そうそう、忘れておった。前の世界のように鳥形態にはなれんからの。その代り、羽を隠して人間の姿をとれるようにしたらからの。逆に、この世界で取り込んだやつの力も解放させることができるぞ。-

 

 なにその、変身機能。人間形態も入れたら二回変身するのか。マジで魔王みたいだな。俺は後、二回変身を残している……。

 

 

-後、最初の願いであるレティスもそちらに送った。これぐらいかの。じゃあ、今度こそ。さらばじゃ。-

 

 

 

 神の声は聞こえなくなった。代わりにクェーッと声が上から聞こえ、レティスが下りてきた。レティスは最初から俺が主だとわかるようだ。そしてレティスの羽は柔らかくて触ると気持ちがいい。気落ちはしたがモフモフして心を持ちなおそう。

 

「とりあえず、一緒に地上を目指すとするか。」

 

 口調はどうしようか。偉そうな口調にも慣れてしまったのもあるんだけど。とりあえず、仲間を増やそう。

 

 

 目指せモンスターマスター!

 

 

 ……俺は太陽の無い魔界を彷徨い歩いた。魔物がちょこちょこいるが俺を見ると逃げていく。途中で兎のモンスターを見つけた。頭に角がついてる。これはいっかくうさぎか。

 俺は飛びつき、抱きかかえる。そしてモフモフする。モフモフする。いっかくうさぎは最初は逃げようとしたものの、途中から諦めたのか俺の思うが儘モフモフされている。

 

 十分にモフモフを堪能した後、離す。ぴょんぴょんと兎は逃げて行った。

 

 さて、モンスターマスターを目指す身としては何かポリシーってものを持ちたいな。かのジムリーダーもポリシーは大事だと言っていた。

 

 そうだな。レティスもいる事だし、妖鳳王として鳥系モンスターマスターになるか。

 よし、そうなったらまずは仲間になりそうなモンスターを見つけよう。レティスに乗せてもらい、色々と散策する事にした。

 

 

 この魔界という場所で散策を始め半年がたった。

 中々強いモンスターを仲間に出来た。まず、にじくじゃく! そして、キングアズライル! そして元から居たレティス! あっさりと鳥系モンスター最強衆が集まってしまった……。

 なんか、俺の力が強すぎて仲間にしたってよりは服従したという感じなのが寂しい所だ。

 

 まぁ、最初こそ怯えて従っていたものの。今は仲良くやっている。にじくじゃくにもキングアズライルにも載せて貰ったりしている。

 

 

 また、この半年で出来る事を色々試してみた。鳳凰千破は相変わらず使える。威力も変わっていないどころか少し上がったぐらいだ。むしろ、力を抑えないと、俺を中心にとんでもない力のハリケーンが巻き起こる。

 後は、神が言っていた二段階変身だ。変身すると、全身から骨のような物が突き破って出てくる。最初はビビった。しかし、痛みはない。骨のようなものには黒い雷が纏っており、その雷を自由に扱う事ができるようだ。

 この雷の威力は凄まじく簡単に地形を変える。魔界では良いけど、地上で使ったら大惨事だ。この変身モードで鳳凰千破を行うと、こちらもとんでもない威力を出す。変身モードは封印だな。

 普段は人間形態でいる事にしよう。

 後、魔力だ。前の時も自家生産できていたが、こっちの世界に来てさらに上がった気がする。人間形態でいても魔力の総量は変わらないので魔法を練習するのも良いかもしれない。

 

 

 魔界を彷徨っているが、未だに地上の出口は見つからない。

 

 仕方がないので知ってる奴を探そうとして、見つけたのはジャミラスだ。……おぉ!? ドラクエのリンカーン大統領のようなセリフを話したジャミラスじゃないか!!? しかもコイツ実力はにじくじゃくと変わらないのだが、話せるらしい。とりあえず、話してみよう。

 

「貴様! 何者だ!? この地は私ジャミラスのものだ!」

 

 ちょっ!? いきなり喧嘩を売ってきたよジャミラス君! 俺のイメージは魔物のために演説してる知性溢れるイメージだったのだが。

 

「貴様……殺されたいのか?」

 

 ケンカにはケンカをということで、俺も偉そうな口調で話しかけ殺気を向ける。ついでに羽も出す。その殺意で、仲間のモンスターも苦しそうだったので殺気だけ消す。

 

 結果、ジャミラスは俺の配下になりました。あの後、ジャミラスは膝をついて俺に忠誠を誓っちゃいました。

 ジャミラスが配下になったことで、この地の魔物は全て俺の配下になった。

 その内、鳥系モンスターだけを配下に置いてジャミラスに地上の入り口と魔法を教えて貰う。

 まず、魔法はジャミラスが魔導書を持っており、それと契約すると見事に魔法を使えるようになった。これは余のメラじゃ。契約してすぐに使えてしまい、ジャミラスに驚かれた。魔法もいくつか覚えたので地上を目指す事にした。

 

 鳥系の魔物を率いて空を行進する。途中で出会った鳥系モンスターもどんどん配下に置いていく。何回かその地を支配するモンスターに出会うものの、刃向ってくる奴は半殺しにした。そして、持っている魔導書と財宝を全て奪い放置した。刃向ってこない魔物は魔導書と財宝の半分を譲るように命じた。

 

 ……なんていうジャイアニズム。

 

 途中偶然なのか、ロンベルクらしき人物を見つけた。どうやらここはドラクエはドラクエでもダイの大冒険の世界だったようだ。ロンベルクの顔には十字傷があるからバーンから袂を別った後だろう。

 

「魔界の名工ロンベルク殿とお見受けするが?」

「なんだ貴様は?」

「よろしければ、防具……出来ればローブ的な物を作っていただきたい」

「防具……? しかもローブだと? 俺は武器が専門だ」

 ロンベルクは断ろうとするが、その前に俺は材料となる物を見せる。

「材料は持ってきている」

 そう言って俺は途中で手に入れた財宝をいくつか。そして俺自身の羽とレティスの羽を渡す。財宝の中にはオリハルコンも混ざっている。これならロンベルクの興味を引けるだろう。

 

「……かなり高価な材料だが良いのか?」

「勿論だ、防具に使わなかった材料はそちらに進呈しよう」

 

 一週間ほど経ってからロンベルクが持ってきたのは漆黒のローブだ。漆黒の中に星の輝きのような煌めきがある。

 

「星降る闇の衣だ。このローブは魔法を一切通さない。さらに魔力を込める事で防御力はさらに上がり伸縮自在だ。慣れれば攻撃にも使えるだろう。貴様の羽を中心に使っているから使いやすい筈だ」

 

 ローブを受け取り装備する。その後ロンベルクと地上までは一緒に行くことになった。

 

 

 地上の入り口に着いた時には魔界で手に入れる事が出来る魔法のだいたいは使えるようになっていた。また、魔界の鳥系モンスターは噂を聞きつけたのか、何処からともかく配下になっていき。気づいたらかなりの大所帯になってしまった。

 

 先頭で鳥系モンスターを率いて、レティスに乗っている姿は魔王の行進のようだった。ちなみにロンベルクはキングアズライルに乗っている。

 

 

 思いの外簡単に地上に出る事が出来た。地上では問題を起こさないようにと配下に伝えた。これを破った場合、俺が直々に処刑すると伝えるとモンスターは素直に従った。そして、情報を集める為に一度解散させる。

 

 ロンベルクが言うには、ここまで簡単に地上に出れる事は普通ないそうだ。魔界に出る前に普通邪魔が入るそうだ。まぁ何にせよラッキーと思った。

 

 地上に出たところでロンベルクとは別れた。

 

 俺は人間形態でぶらぶらするからとジャミラスに伝え、何かあったら連絡よろしくと頼んだ。

 

 

 俺はレティスと二人旅に戻った。そして、モンスターから色々な情報を受け取ってわかったのだが……。まだ主人公であるダイは生まれていないようだ。

 

 何故わかったか……、答えは今この地上世界はハドラーに侵略されているからだ。おかげで、色々と繋がった。魔界から地上に出る時に邪魔が入るらしいが、それは竜の騎士のことだろう。

 しかし、今の時期は竜の騎士であるバランは冥竜王ヴェルザーとの戦いをしているか準備に入っている頃だ。いきなり現れ、ちゃっちゃと地上を目指した俺に反応しきれなかったのだろう。

 

 俺は今、ハドラーに潰されたとある島の国にいる。後ろに山脈を構える城はハドラーの配下の魔物に占領されているらしい。

 

 ……この城って奪っても問題なくね? ちょうど拠点が欲しかったのだ。


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