魔眼で壊れ行く学園生活。   作:デカ女推奨委員会

11 / 15
またしても地獄回。たまにはバカやって欲しい。

………しばらく十八禁の番外編更新に専念するか。


10.忌み子。

「………今、なんて言ったの………??」

 

 凍りついて静まり返った空気を破ったのはグレモリーだった。あまりの爆弾発言に素で困惑してるようで、声が少し震えている。まぁそうだろうな。

 

 ただ言っておくと、そもそも僕をバイサーの元に駆り出したのはレイナーレだし?その行き先で僕を一人でバイサーとやり合わせたのはフリードだし?そんな妊娠するまで僕のこと犯しやがったのはバイサー本人だ。寧ろ一連の流れを見れば僕は被害者寄りですらある。

 

 それを踏まえた上で、僕はとんでもない事をやらかした。そう自覚があるからこそ、僕は謝罪を込みでグレモリーからすれば地獄のような状況を再度口にする。

 

「悪いなグレモリー。僕を襲ったバイサーは、多分間違いなく身篭っている。」

「なっ………なっ………………!!」

「心配しなくても出産とその処理は卯月家の結界内で行う。だからそれまで殺すのは待ってくれ。今母体を殺すとどんな被害を生むのか僕にも想像がつかん。」

 

 そう懇願だけは最後までしてみる。けど答え代わりに返ってきたのは、気品とかそういうの全部ぶん投げたようなグレモリーの近付く足音だった。

 

 んでグレモリーは僕の身体を持ち上げると………

 

「こんッの……大バカウサギがァ────ッ!!!」

「痛い痛い痛い!!ギブギブギブ!!折れる!!!」

「部長!?!??」

 

 渾身の怒りと共にアルゼンチンバックブリーカーが炸裂。悪魔特有の怪力により僕の身体を曲がっちゃいけない方向に曲げると、そのまま僕を何処ぞかへと運んで行った。

 

 それでしばらくすると僕を平らな床の上に叩き付けるんだけど。目隠しされて簀巻きになってる僕の前にグレモリーは何か硬いものをカンッ!!と音を立てて置いた。一体何をするつもりなんだ。

 

「ぶ……部長!?これは……何が始まるんですか!?」

「フー………!!フー………!!」

「まさか本当に卯月のヤツを殺すつもりですか!?確かにこいつは女の子にブチ殺されても文句言えないやつですけど!!」

 

 おい待てマジで何しようとしてるんだこの女。あと一誠、お前僕のこと庇ってるかと思いきや全く庇っとらんやんけ。何一つ擁護も否定も出来ないとはいえ。もうちょい頑張れよ。

 

 でも頭に血が昇りすぎて荒い呼吸を繰り返すグレモリーが何やらヤバいことをしでかそうとしているのは分かった。こんな視界と身体の自由を奪われた状態では僕も何も出来ないが、いよいよ年貢の納め時というやつなのか。

 

「フー……!!大丈夫よイッセー。……確かに今すぐブチ殺してやりたいところではあるけど、殺しはしないわ。」

「ひー………」

「ただね遊太郎。貴方は私の領地で好き勝手し過ぎたの。だから貴方は、今から私の眷属にするわ。」

「………………はあ!?!??」

 

 なんでだろうな。普通、悪魔に転生って言うとめちゃくちゃワクワクしそうなものなのに。今のグレモリーにそう言われても、これから殺すぞと脅されてるのとあまり変わらない感じがするんだけど。現に朱乃が「あらあら」って笑ってやがる。僕を悪魔に転生させて自らの所有物とすることで一体何をするつもりだ。

 

 んで一誠。お前なんで僕より驚いてやがるんだよ。いや理由は分かる。そりゃグレモリーに朱乃と美女揃いのオカ研に僕が入るとか後の展開が読めるものな。

 

「部長……本気ですか!?こいつ眷属にしたら、それこそ数秒で部長とか全員魅了してオカ研乗っ取りますよ!?この学園が完全にこいつのハーレム城と化しますよ!??」

「お前僕のことなんだと思ってんの。」

「分かってるわイッセー。私も私の可愛い下僕をこんな見境ゼロの淫獣に食わせる気なんて無いから。安心して。」

 

 どいつもこいつも僕のこと女なら誰でも発情する節操無しのろくでなしみたいに扱いやがって。やるかやらないかで言ったら絶対やらかすからあまり強く反論できないけど。

 

 ただそんな僕を眷属にした上で他の眷属を守るとなるとどうするつもりか。自然と嫌な予感がして、身体がこの場から逃げようと暴れてしまう。キツく縛りやがって。全然解ける気がしねえ。

 

「イッセー。心配しなくても遊太郎は転生させたら、オカ研の地下室にブチ込んで念入りに封印するわ。二度と悪さ出来ないように念入りにね。」

「なるほど!!ちゃんと魅了対策あるんすね!!流石部長っす!!」

「当然よ。………遊太郎のことは私が一番分かってるんだから。」

 

「なんて女だ。はぐれ悪魔と子ども作っただけで終身刑なんて血も涙もねえ。」………とか冗談でもほざいたら簀巻きのままガッチガチに封印されかねんから、シクシク泣くだけで留めておくけども。

 

 ただ予想通りの監禁宣言と「マジでやる」という凄みに流石に僕も全身の血の気が引く。それで僕が怖がっていれば、突然僕の頭をグレモリーが慈しむように撫でてきた。こいつに撫でられると怖くて嫌なんだが!!!

 

「遊太郎?心配しなくても貴方が望む環境は用意するし、欲しいものは何でもあげる。不自由なく過ごせるよう約束するわ。出たいなら監視付きだけど、外にも出してあげる。貴方の行いを考えれば決して悪くない待遇でしょう?」

「ひーん……一誠助けて………」

「遊太郎がいけないのよ?私の言うこと守らないで、私の領地でこんな悪いことばっかするんだから……私は遊太郎が幸せにに暮らせるよう、こんなに色々と頑張ったのに………もっと早くこうすれば良かったわ………」

 

 キレ過ぎて一周まわって声色優しくなってんのマジで怖い!!!それになんか話聞くに、完全にペットか何かとして扱われてると思うんだけど!??僕を手元に置いて可愛がりたいんか!?まだ僕に未練でもあるんか!??

 

………とはいえよくよく聞けば待遇はいいし、うっかり魅了を暴発させる心配もなく暮らせるのは大きい。それにグレモリーみたいな美女に飼われるのってなんつーかこう……悪くねえよなって。そう思うわけ。

 

 だからさ。グレモリーの怒りもよく分かるし、僕の齎した被害に対する胃痛を考えると申し訳なさもあるから?僕は僕を眷属悪魔に転生させ、封印を図るグレモリーに抵抗しない。口ではやだやだ言うけどな?そっちのがグレモリーも僕を罰してるって優越感得られるだろうし。

 

「ごめんてグレモリー……謝るからそれだけはやめて……??何ならグレモリーの言うこと何でも一つ聞くから………」

「今さら泣いて謝ってももう遅いわ。覚悟なさい。」

「やーん………」

 

 悲鳴を上げてもぞもぞと簀巻きのまま暴れる僕に対し、グレモリーが愉悦の籠った声で通告を下す。同時、横たわる僕を囲う魔法陣が輝く音がした。

 

 懐かしいなこの感覚。僕がこの感覚を味わうのは二度目だ。何しろ僕は中学の時にも一度、グレモリーにこの転生の儀を受けた。その時は互いに合意で、こんな強引な儀式では無かったけど。

 

………そう。僕は二回目だ。グレモリーが僕を、自身の眷属に転生させようと図ったのは。今回も目の前にある駒は騎士(ナイト)の駒なのだろうか。

 

「───我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、卯月遊太郎よ。我の下僕となるため、魂を流転させ、悪魔と成れ。汝、我が『騎士』として、新たな生に歓喜────」

 

 転生を恙無く行うためであろう呪文がすらすらとグレモリーの口から紡がれる。僕は状況が状況だから召喚魔法の生贄みたいな気分を味わってるが。まあこの姿勢でも、転生そのものは本来問題なく行われるのだろう。

 

 しかしある種の詠唱を行うグレモリーの声は、僕に対する祈りでもあった。

 

 誰に向けた訳でもない、故に届くこともない非力が故の祈り。「どうかこのカスうさぎが無事に眷属になりますように」と、そう縋るような声だった。

 

 

………或いは届かぬと分かりながらも唱えたのか。

 

 

「────────きゃっ!?!??」

 

 

 愛らしい悲鳴と共に、グレモリーの身体が弾かれ尻もちを付く。そしてそのザマを嘲笑うように、カランカランと悪魔の駒が音を鳴らして転がる。

 

 その意図せぬ拒絶に場が静まり返る。言外に「役不足」を告げる静寂は何とも居心地が悪く、その空気を破るために僕は簀巻きのままモゾモゾと身体を這いずらせる。これもう少し頑張ったら脱出できそうだな。

 

………なんて、僕が地道に抵抗していた時だった。

 

「………やっぱりダメね。儘ならないものだわ。」

「部長!!大丈夫ですか!??」

「ええ。私は大丈夫。……私が「弱い」って言われてるみたいでとても癪だけどね。」

 

 どこか諦めの籠った声と共に、グレモリーが身体を起こす。仮にも魔王の妹の上級悪魔が、神器持っただけの一般人に無茶言いやがる。かの紅髪の滅殺姫を弱いだなどと。そう抜かせる奴は余程の化け物か、或いは身の程知らずの大バカだろうによ。僕はそのどちらでもねえよ。

 

 ただそんな上級悪魔の駒による転生を僕が受け付けず、眷属化が弾かれた理由は明白。僕の有する潜在能力………と呼んでいいものかどうかも分からんが、それがグレモリーの駒と釣り合わないって事だ。

 

「ほんっっっと釈然としない話だわ………幾ら遊太郎が()()()()()()()とはいえ、私の駒を弾くなんて。私だって昔より強くなったのよ?」

「そうだろうな。こればかりは悪魔の駒の開発者に文句言うしかあるまい。」

「………………………ん!?!??」

 

 不服そうに弾かれた駒を拾うグレモリーを他所に、僕がこっそりと簀巻き拘束を解除する。よしこれでいつでも逃げれる。「眷属に出来ねえなら貴方を殺して私も死ぬ」ってなったら速攻で逃げるからな。

 

 なーんて図ってたら一誠が驚いた声出すからビックリしたわ。拘束解いたのバレたかと思ったやんけ。どうした。

 

「いや部長!?こいつが神器二つ持ってるって……魅了の魔眼が両目だから二つって事ですか!??」

「………??もしかして遊太郎、イッセーに言ってないの?いっつも一緒に遊んでるのに。」

「言えるわけねえだろうが恥ずかしい。」

 

 そもそも神器の事自体、僕の魅了の魔眼についてはよく聞かれるから答えていただけだし?僕から一誠の左手について言及したことも無ければ、僕が他に神器持ってるなんてカミングアウトなんてした事ない。

 

 つか出来るわけねえだろ。こいつと朱乃は僕の神器がどんなモノかも知ってるだろうに。

 

 その上で朱乃?お前は何「はいはい」って手ェ上げてんだ?誰が挙手していいって言った?こっちのカミングアウトは冗談じゃ済まねえぞ。おいバカやめろ。

 

「じゃあ恥ずかしがり屋な遊太郎くんの代わりに、私がイッセーくんに教えて差し上げますわね。」

「ちょい待てや朱乃!!!この悪魔オ"ァ"!!!」

「どうぞ朱乃さん、続けて続けて!!」

 

 マジでやりやがったから朱乃の僕の第二の神器についての言及を阻止しようと反射で起き上がる。けどそれより早く拘束の解除に気付いた一誠が僕の背中に乗ってきやがった。ちくしょう早まった!!!

 

 ていうか一誠の野郎、僕の恥か何かと察したらノリノリで食い付きやがって!!!お前らが好きそうな話だから嫌なのに!!!

 

「そもそもイッセーくん。今回部長がこんなにお怒りなのは、遊太郎くんが件の神器でバイサーを孕ませたからですの。」

「………………ん"!?!??」

「神器の名は「邪なる淫能(デッドエンド・バース)」……で、合ってましたか?遊太郎くん???命名したの遊太郎くんですわよね。

「こいつゥ………こっちに振りやがってえ………」

 

 魅了の魔眼(アプロビュート)といい、前例の無い未確認の神器なんだから仕方ねえだろうが。しかも話題蒸し返されたせいで、またグレモリーの圧が強くなった気がする。いい加減にしろよほんと。レイナーレといい堕天使ってドSしかいねえのか???

 

 しかも一誠、今のリアクション的に気付いたな?なんか妙な言葉が聞こえたよな???

 

 まあそういうことなんですよ。今の今まで僕がこの神器を隠匿し、公にしたがらなかった理由は。

 

「ちょっと待ってください朱乃さん。……今、()()()()()()()って言いました???」

「ええ。言いましたわ。」

「卯月、お前………まさか………」

「やめてよお……そんな視線向けちゃやだあ………」

 

 流石にシクシクとアイマスクの下で僕もボロ泣きするレベルで、一誠が信じられないものを見る目付きでこっち見てる。気がする。ていうか声色的に絶対見てる。ちょっと笑ってやがるもの。だからバラしたくなかったのに!!!

 

 今回は確かに僕が全面的に悪かったし、齎す被害的に何されても文句言えない立場なのは承知してるけどさ。だがよく考えて欲しい。ここまで公開処刑される謂れは無い!!!

 

 だから分かったな一誠!?何となく察して、言語化するのは避けるんだぞ!!いいな!?これ以上は僕の心が保たないからな!!

 

「卯月お前……フッ、チ●コに神器宿ってんのか!??」

「言語化すんなったらよォ!!!」

「正確には男性器と陰嚢に、ですわ♡‬」

「朱乃さま!?もう許しちゃくれませんか!!!」

 

 あまりに惨い仕打ちに床バンする僕に対し、背中に乗っかる一誠は笑い堪えてやがる。チクショウめが。覚えておけよこいつらマジで。

 

………そう。グレモリーの奴はな?魅了の魔眼だけならまだしも、僕がチ●コにまで神器宿してるせいで僕を眷属に出来ねえんだよ。何でも神器複数持ちは変異の駒ってやつが要るみてえでな?それが生来のものともなれば、その価値は尚上がるらしい。

 

 けどチ●コの潜在能力で悪魔の駒が通用しないってんだからグレモリーは不機嫌になるし、僕も浮かばれない。中学の時なんて「私の悪魔の駒がチ●コに負けた」って泣かせたからな。流石に申し訳なかったしクッソ同情した。何気にさっきも泣くんじゃないかってヒヤヒヤしてたもの。

 

 

 でもそんな絶賛ネタにされてる邪なる淫能(デッドエンド・バース)に対し、グレモリーが強めの言葉で場を制する。今ばかりはありがとうな。

 

「イッセー。……確かにふざけた神器(チ●コ)と思うかもしれないけど、彼の神器はとても危険なの。その上とてもタチが悪いのよ。」

「………………と、言いますと?」

「端的に言うとね。……遊太郎はその神器で、自身を襲った女性に魔物を孕ませることが出来るの。」

 

 そう告げた瞬間、能力の直球な(おぞ)ましさに一誠が「ヒュッ」と喉を鳴らした。ね。ネタみたいな存在のくせして、能力がめちゃくちゃ邪悪でしょ。

 

 何が邪悪ってね?この神器、魅了の魔眼と一緒で一切の制御が効かねえんだよ。オンオフは勿論、僕が興奮するとオートで発動する。

 

 だから僕は異形の赤子しか孕ませられない上に、それらの赤子は例外無く危険極まりない厄災と化す。その生態から何までとっても、全てが魅了の魔眼を上回る厄ネタなんだ。

 

………まあ幸いなのは、ゴムとかちゃんと避妊しておけばまず発動しない事か。あと相手がその気じゃないと絶対に着床しないから、魅了の魔眼ほど事故は起きない。のだが………

 

「そして今回、遊太郎はこの神器ではぐれ悪魔のバイサーを孕ませた。……そう受け取っていいのよね?」

「まず間違いなくな。向こうが孕む気だとどう足掻いても着床するからな。理性トんでたし絶対やらかした。魅了の魔眼一発目で理性トぶなんて思わねえじゃんよ。」

「はああああ………………」

 

 改めて地獄みたいな事実にリアスがクソデカい溜息を漏らす。……そう。問題はこの邪なる淫能、相手が「子供欲しい」とかなってると絶対に命中すんだよ。

 

 んで肉体が変質するくらい魅了の魔眼がガッツリ効いてると、自然と理性トんで生殖本能が全開になるからな。その時点でほぼ間違いなく邪なる淫能による受胎は確定する。

 

 それでも僕がゴムとかしてれば発動は防げるんだけど。今回は丸腰のところをひん剥かれてブチ犯されたからな。仮に持ってたとしても使う暇も無かったろうが。

 

 挙句の果てに今回は前例の無い、人間以外への受胎だ。無事に処置して産ませられればそれで良いが、もし出産に失敗────特に母体が出産に耐え切れず死んだ場合、どれほどの被害を生むかの想像がつかない。人間の娘でさえ、母体の死亡で子供が暴走したら酷い事になるのは確認してるから。

 

「………………………………っ。」

「ただまあ幸いなのは、バイサーが見るからに頑強そうな身体付きしてるって事か。多分だけど産むこと自体は問題なく済むだろう。」

「………………そうね。それは私も同意見だわ。」

 

 昨日まさにその力を身を以て味わったせいか。嫌な光景を想像して息を呑む朱乃を他所に、グレモリーは出産そのものに対しては警戒してないようだった。第一万一の事態があっても、卯月家の結界内なら被害が外に及ぶことは無い。

 

 寧ろこいつが警戒しているのは、きっと………

 

「………それで。その生まれた子供はどうするつもりなの?」

「勿論僕の方で大事に育てる。……それがどんな醜悪な化け物で産まれてもな。」

「………………………そう。」

 

 僕がグレモリーの問いに答えれば、グレモリーは嫌そうな声で短く呟いた。多分こいつとしてはさっさと処分して欲しいんだろうし、その気持ちもよく分かるが。意外と僕が子供をどう扱うかについては口を出してこない。

 

 最もこいつは、異形でしかない子供に囲まれてそれを愛でる僕をイカれ野郎と思っているらしい。或いは心が壊れてダメになったと。だから自分の子どもを慈しむ様子を見せると、昔からグレモリーと朱乃は揃って顔を曇らせる。今は目隠しされてて見えないが、きっと苦虫を噛み潰したような顔をしてることだろう。

 

 僕は至って正気だと言うのに失礼な奴らよな。気持ちは分かるが。それでも生まれがどうであれ、姿と性がどんなものであれ、自分の子供というのは可愛いものだろうに。

 

「………貴方がそれでいいのならそれでいいけど。でもくれぐれも町に放って被害を出さないように。いいわね?」

「了解。学校に連れてくるのは?」

「絶対ダメ。……傍に居たいなら出席数はどうにか根回ししとくから、育休取りなさい。授業のノートはイッセーとかに写させてもらいなさい。」

 

 明らかに学生離れした会話をする僕とグレモリーに、オカ研の室温がどんどん下がっていく気がする。しかし被害を出さずに育児する方針で固めたところ、最終的に僕の今回のやらかしは不問となった。なんだかんだグレモリーのやつ、まだ僕に甘いから。

 

 

 

………んで。僕は帰りに件の問題となってる母体ことバイサーに接触したんだけど。

 

「だあああありん♡♡♡‬待ってた♡♡♡‬寂しかったあ♡♡♡‬」

 

 教会麓の森に寄るなり、地鳴りみたいな足音と共にバイサーが姿を現した。しかもその勢いのままに僕を抱き上げると、バイサーは即座に制服をひん剥こうと手を掛けてくる。ちょっと待てや。

 

「バイサー落ち着け?そろそろ制服の替えが底を尽きそうだから。脱いで欲しいなら脱ぐから待ちな??」

「じゃあ早くしてえ……だありん好きなの収まんないのお……ほおら、だありん欲しいって身体でっかくなってきた……あ"あ"あ"あ"あ"っ………!!!」

「げっ………」

 

 木々を薙ぎ倒しながら身体を巨大化させ、躊躇ゼロに理性を吹き飛ばしてバイサーが暴走を引き起こす。僕のこと襲いたいって暴走しただけだから、僕以外に被害や危険が及ぶことは無いだろうが……やっぱ妊娠すると母体の精神状態も一気に不安定になるな。こいつは元から理性が皆無だから余計か。

 

「があ"あ"あ"ぁッ!!フー……!!フー……♡♡♡」

「よしよし。ちゃんと魔力補給させてあげるからいい子にな?」

「ぐお"お"お"お"お"っ♡♡♡‬」

 

 興奮を思い知らせるように膨れ上がったデカ乳を押し付け、猛獣みたいな声でバイサーが吠える。……ここから一週間。邪なる淫能による着床から出産には通常一週間程度の期間が必要となる。……というかそれしか掛からない。

 

 ただその分、母体は消費エネルギーが激増する上に胎内の子どもは母体の生命エネルギー……つまり魔力を餌に育つ。そのため常に慢性的な消耗状態で、外からのエネルギー補給が必須となる。

 

 そのために一週間。これから僕は、毎日バイサーと魔力供給を目的としたガチ交尾が必要になる。身篭った状態で犯されまくるのはバイサーの身体が心配な気がするが、そもそも魅了の魔眼でバカ強化された身体だからね。

 

………寧ろ最も心配すべきは、生存本能と繁殖本能が全開になった極限状態の娘に襲われる僕の身だろう。バイサーはぐぱあっと口を開いて長い舌を伸ばすと、上から覆い被さるように唇を奪ってきた。要は昨日僕にやってきた事を、これから一週間ずっとバイサーとする必要があるって事だから。

 

 とはいえ産む時の労力を考えれば、僕の苦労なんて実に些細なものだ。毎日骨までむしゃぶり尽くされる程度、ガタガタ抜かすような事でも無い。グレモリーとも約束したんだ。無事に産ませ、町に被害を齎す事なく無事に育てるんだって。

 

 それは女の子を無差別に魅了し、最後に魔獣の孕み袋に変えてしまう(さが)を持つ僕の責任だ。ほんとつくづく神器の噛み合わせが悪い────否。相性が良すぎる組み合わせだと思う。主に悪い意味で。

 

 

 そしてそう改め思い知るのは、バイサーの面倒を見た実に数分後のこと。可能性として頭にあったもう一つの地獄絵図が、無情にも現実と化す様を僕は目の当たりにした。





邪なる淫能(デッドエンド・バース)

卯月遊太郎が有する第二の神器。受精した相手に凶悪な魔獣を孕ませる。男性器に宿る色んな意味で最低最悪の神器(卯月談)

受胎した魔獣は母体の魔力を餌に成長し、一週間程度で出産に至る。当然その際の母体への負荷は尋常では無く、魅了の魔眼による肉体の強化が必須となる。

因みに発動は相手の意思に依存し「相手が子どもを望む場合」「子宮内を一定量の精液で満たした場合」に受精する。その性質上、別の生き物と化すほどに魅了の魔眼の効果が出た女性にはほぼ確実に直撃する。

要は汚い魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)。詳細は不明だが、母体が死ぬなどの原因で出産に異常が生じるとそれはそれで被害が出る模様。

魅了の魔眼(アプロビュート)と同様に本人による制御は一切不可能。故に魅了の魔眼の無差別テロと合わさり、その被害は際限なく拡大していく。神器の制御も出来ない出来損ないパート2。


産まれる子供以上に持ち主がガチの忌み子。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。