魔眼で壊れ行く学園生活。   作:デカ女推奨委員会

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ひっさしぶりの更新が閑話で申し訳ないです。

時間軸もろもろ本編とはたぶん関係ありません。


番外編
クリスマス番外編的な何か(閑話)


 クリスマス。それは性なる夜。

 

 サンタを信じて早寝していた無垢な過去は何処へやら。半ば男子高校生の中でのクリスマスの認識とは、恋人とイチャコラギシギシアンアンやるものだと相場が決まってる。

 

 ましてやそれがエロい三連星ともなれば半ば確定事項。彼女無しの非モテ共からすれば、この冬の祝祭が魔女狩りと化すのはある種の必然だった。

 

「えー。ではこれより、普段から女の子を独占して食いまくってるカスうさぎの審問会を始めます。」

 

 教室入った五秒後の事である。僕は入口に角待ちしてた一誠(バカ)松田(ハゲ)元浜(メガネ)にジェットストリームアタックを食らい、今は教壇の上に吊るされてる。今日僕まだなんもやってねえのに。

 

「じゃかあしいッッッ!!!どうせこの後何人もの女の子に交代交代で食い散らかされんだろ!!!」

「そうなる前にここで始末してやろうってんだよヴォラッ!!!」

「非リアを尻目に自分だけ酒池肉林出来ると思ったら大間違いだぞ死ねェ!!!」

 

 そんな不安の芽を摘む感覚で被害妄想から公開処刑が行われようとしてるわけだが。ここで僕はガードベント。即ち身代わりのカードを切らせていただく。血涙流しながら松明持ってにじり寄ってくる亡者共を、僕は敢えてこう鼻で嗤った。

 

「別にいいだろ。一誠だってグレモリーとか朱乃とかとクリスマス過ごすんだから。下手しなくても僕よりいいご身分だろこいつ。

「それもそうか。よし殺そう。」

「真の邪悪は身内に潜んでいたか。」

「ちょあの。」

 

 片や特定の誰かも不明瞭な女との予定、片や学園二大お姉様を始めとした美女に囲まれての祝祭。どっちがより有罪かなんて男目線からすりゃ明らかなわけで。

 

 おかげで僕は無事に拘束を解き、一誠が原型とどめなくなるレベルでボコボコにされてる隙に教室を脱出した。実際オカ研の連中とクリスマス過ごすのは半ば確定事項だろうからな。

 

 あとついでで言っておくと、僕は別にクリスマスだからって予定は無いぞ。毎日クリスマスみてえなものなのはさておき、実際クリスマス近くって女の子も彼氏できたりする娘多いからさ。

 

 そうなると自然と僕は相手されなくなって、即席カップルが空中分解するまでは寧ろ暇になるわけで。肉体だけの関係なんて所詮はそんなもんよ。んで別れた憂さ晴らしに、正月から冬の終わりにかけてガッツリ入れ食い期が来るのが例年通りの流れなんだ。

 

 そういう訳で、クリスマスの僕は逆に一年の中でも珍しいガチの冬休みなんだよ。ゆっくり寛ぎながらケーキ食ったりって、ソロ充できる数少ない期間なんだよね。

 

 

………まあ今年ばかりはそうも行きそうにないんだが。

 

 

 

「だありんおかえりい♡♡♡今日も寒いわねえ???‬」

「ただいまバイサー。……そろそろ服着たら?」

「だありんにあっためて貰うから大丈夫よお♡♡♡‬」

 

 まず囚われの教会に帰る途中の山道にて、異形の下半身に雪を積もらせたバイサーが姿を現す。こんなクソ寒い中での青●をご所望とばかりに僕の服に手を掛けるから、やんわりと払うけども。流石にこの寒さの中では死がチラつくので。

 

 でもそうするとバイサーはコート着たままの僕を抱き上げ、冷えきった巨体で思い切り抱きしめてくる。………寒いのガチっぽいなこいつ。重ね重ね服着りゃいいのに。

 

「そうは言うけどねえ、だありん……私身体大きいし。こんな姿じゃ買い物にも行けないからねえ……だありんで暖を取るしかないのお。ん"お"っ……体温上がってきたあ"………♡♡♡」

「あー。確かに人間の部分も大柄だもんな?」

「ねえ。だありんのせいでどんどん身体おっきくなるし、力も強くなって筋肉膨らむから……フー………♡♡♡もっと身体触ってえ………♡♡♡」

 

 脇腹をさわさわと撫でるだけで興奮し、荒い鼻息と共にバイサーの体温が上がっていく。何なら汗ばんだ身体が湯気放つレベルで温まってるし、めっちゃフェロモン濃くなってメス臭い。身体ちょっと撫でただけでこんな興奮する辺りマジで本能が強すぎる。さすがはぐれ悪魔。

 

 けど僕が居ない間凍えてるのはマジっぽいし、今日はちょうどクリスマスだからさ。人間の部分に着せるものは後日なんか僕が作るとして………

 

「バイサー。」

「なあにだありん?フー………♡♡♡私と暖取りたくなっちゃったあ???」

「それは大丈夫なんだけどよ。ん。」

 

 僕は太い腕で抱きしめられた状態だが、背筋を伸ばすと自分のマフラーをバイサーの首に巻いてやった。全裸の美女ならもっと先に着せてやるものがあるのはそうだが、現状これくらいしかバイサーの体躯で僕があげれるの無いから。

 

 まあ当のマフラー巻かれたバイサーはキョトンとしてたけどな。首に巻かれたそれに顔押し付けて嗅いだり、モフつく感触楽しんだりしてたわ。リアクションが獣の類なんだよ。めちゃくちゃ嬉しそうではあるけど。

 

「だありん、これなあに?すっごいだありんの臭いする……しゅきい………♡♡♡」

「僕のお古で悪いが、とりあえずのクリスマスプレゼント。メリークリスマスってやつだよ、バイサー。」

「ん"っ♡♡♡♡♡♡‬」

 

 なんか思ったのと違う使われ方してるが、そう告げてみればバイサーはめちゃくちゃ悦んでいた。思ったのとだいぶ違う方法ではあるが、これで僕が不在の時にもバイサーは寒くなさそうである。思っていたのと違うが。

 

 いやこんな笠地蔵レベルのクリスマスプレゼントで、あんなエグい量の♡‬撒き散らしながら大喜びするなんて。なんかほんと想定外っていうか、想像力が足りてなかったていうか────

 

「────だあ"あ"り"ん"♡♡♡大好き!!だいじゅぎい"!!!一生大事にするねえ♡♡♡‬♡♡」

「いや今度もっとちゃんとしたのあげるから………っていうかバイサー、お前ちょっと興奮しすぎ。落ち着け?猛烈に嫌な予感がする。

「やだあ"♡♡♡もうだありん大好きなの我慢したくなあい♡‬♡♡いっっっぱい暖めてあげるからねええ♡♡♡‬」

 

 猛獣みたいな声と共にバイサーの心臓がドッグン!!ドッグン!!!と異様な鼓動を刻む。なけなしの理性が消えるにつれて、バイサーの身体が怪獣みたいに大きくなる。

 

 こうなってしまえば僕の制止が暴走したはぐれ悪魔に通用なんかするわけなく。結局僕はその場でバイサーにひん剥かれ、プレゼントのお礼とばかりに滅茶苦茶に暖められてしまった。

 

 見たかこれが僕流のクリスマスだ。プレゼント渡すと犯されるとか。等価交換って言葉知ってるか?

 

 

 

「ありがとうねえだありん……ごちそうさまあ♡♡♡」

「………………ぐふっ。」

「お礼に私からもプレゼントあげるわねえ?だありんの小ちゃいおててに、私の召喚陣*1刻んどいたげる♡♡♡これで寂しい時は何時でも喚んでねえ♡‬♡♡」

 

 そう言って僕の手の甲に黒い魔法陣を刻むと、満足気にバイサーは森の奥へと消えて行った。なんかさりげなく僕のとは比にならないほど重いクリスマスプレゼント残しやがった気がするけども。レイナーレに見られたらどうしろと。どうやっても消せそうにない。

 

 それ抜きにしても帰ったらすぐ寝たいレベルで疲れたが、ここで寝ると死ぬのでどうにか教会まで帰る。する時に服全部ひん剥きやがって。バイサーが暖房器具みたいだったとはいえ、氷点下で全裸は普通に死ねるんだぞあのバカが。人間様はデリケートなんだ労りなさい。

 

 んでキンッキンに冷えた指で教会の扉を開けるんだけどさ。一難去ってまた一難とはよく言うもんでさ。凍えた僕が教会の中に入ると同時、アーシアが僕を出迎えてくれる。良かったまだ一難じゃない。

 

「遊太郎さまおかえりなさ────どうしたんですか酷い顔色ですよ!?」

「ちょっとそこでアホの悪魔に襲われた……さみいよぅ………」

「あー………(察し)ったけぇ………」

 

 僕の若干乱れた服装を見て、ここぞとばかりに暖炉を占領していたフリードは何かを察したらしい。あのカスが心底同情する目線で僕のこと見てやがった。同情するならそこどけや。こちとら雪山全裸で行軍した後みてえなもんなんだぞ。なにが「ディーフェンス!!ディーフェンス!!」じゃ。

 

 そうやって僕がフリードと暖炉前の攻防を繰り広げていた、その時である。アーシアが善意百パーセントで僕にトドメを刺してくれた。

 

「レ、レイナーレさま!!遊太郎さま帰ってきました!!とても凍えているので毛布持ってきてください!!」

「おいアーシア待ってアーシア。」

「!?!??どうしたの遊くん!?外寒かったの!??おっぱい揉んで手え暖めなさい!??」

 

 アーシアが呼ぶと同時。軌道上の障害物(フリード含む)全部薙ぎ倒す勢いで、奥からレイナーレが僕の目の前に突っ込んできた。な?魅了の魔眼の末期患者みんなこんなんばっか。なんだおっぱい揉めって。揉むけどさ。どいつもこいつも見てるだけでクソ寒そうな格好しやがって。

 

 でも僕の冷えた手でレイナーレのずっしりしたおっぱい持ち上げるとさ。冷たかったのか、レイナーレが「ひゃんっ」てらしくない可愛い声出した。それが恥ずかしかったみたいで、僕をしおらしい目付きで見ながら顔赤くしてて……ついでに瞳も真っ赤に変色していく。ちょっと待てや。

 

「はー……はー………♡♡♡遊くん……おっぱい揉むだけじゃなくて吸ってえ………!!!おっぱい揉み揉みされるだけなの、すっごくもどかしい………!!!」

 

 そう言ってギンッ!!てボンテージ越しに分かるくらいの胸ポチが出来る。僕が揉んでる最中なのに、デカ乳がボンテージを内側から締め付けて膨らんでるわ。しかも僕の顔に乳押し付けて、強引に抱きしめてきて……これ絶対吸っただけで鎮まるやつじゃねえだろ。

 

 とはいえ僕も今はクソ寒状態だし、さっきバイサーに抱かれて人肌で暖取れるのは分かったから?僕は♡‬をいっぱい飛ばして翼でまで僕を覆うレイナーレを、ぎゅって抱き締め返した。うわもう身体までデカくなり始めてる。

 

「そういう事ならレイナーレ。ちょっと寝室行こうぜ。流石に人に見られながらすんの恥ずかしい。」

「〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ♡♡♡‬♡♡♡」

「オイオイオイ死んだわあいつ。」

 

 どう足掻いてもアーシアには目の毒にしかならないからそう誘うが、フリードが何か勝手に悟ってた。大丈夫。僕もこの後の展開読めたわ。レイナーレの身体一気にデカくなって足音重たくなったからね。目え真っ赤に光ってるし。ありゃ完全に理性イったな。

 

 そのくせキッチリ寝室は自分の「巣」として本能が覚えてるのか、レイナーレは僕を脇腹に抱えると早足で帰巣した。現場からは以上になります。

 

 

 

 全くどいつもこいつも聖夜をいい事に盛りやがって。今日僕まだ一回も魅了の魔眼を暴発させてねえってのに。そう思ったけど普段からこんな感じだし、神敵(悪魔)教会アンチ(堕天使)だしでクリスマス関係ねえのかなって。ボロボロになってアーシアに回復されてる中、僕はそう思った。

 

 のだが。

 

「遊太郎ただいまっす!!なんかクリスマスプレゼントください!!」

「おいこら堕天使(教会アンチ)。」

「「こらミッテルト。」」

 

 死に損ないスレスレの僕に対し、ミッテルトが羽をバサバサやりながら駆け寄ってくる。流石にカラワーナとドーナシークは遠慮……というかミッテルトの首根っこ掴んで戒める側だが。そうするとミッテルトが不貞腐れて頬を膨らませる。

 

「いいじゃないすか別に!クリスマスなんて人間が勝手に始めたイベントなんすから!!信仰関係ありませんって!!」

「まあ確かにそれはそうだが。だからって仮にも捕虜の僕にプレゼント(たか)るなよ。何が欲しいんだお前。」

「遊太郎の貸切券とかっすかね!!いっつもレイナーレの姐さんが独占してるんで!!」

 

 堕天使業界って捕虜に人権なかったりするんだろうか。なんだ貸切券って。一体僕を貸切で独占して何をするつもりだ。僕と邪魔者なしに一日だけ二人きりになって一体何をするつもりだ。

 

 全く以て想像がつかないが、ミッテルトの要求を聞くとカラワーナも控えめに手え上げやがった。「私もそれで」じゃないんだよドーナシーク頑張れ。もう堕天使の常識人はお前しかいねえぞ。

 

 まあバイサーに笠地蔵式とはいえプレゼントくれてやった手前、断るのも気が引けるから?なんかそれっぽいの作ってくれてやるけども。そうするとそれを見てたフリードが便乗する形で手を上げた。

 

「はいはいはい!!俺ちゃんも天才聖人遊太郎さまに欲しいものがあるんですけど!!」

「知ってるか?サンタさんっていい子の元にしか来ねえんだぞ。もう一声。」

「この世で一番の美少女の遊太郎さまっ♡‬俺様にもどうかお恵みくださいっ♡‬」

「死ね。」

 

 メス扱いと野郎の♡‬でツーアウトってとこか。イエローカードなら(この世からの)退場だが、こいつがクリスマスプレゼントに何欲しがるのかはちょっと気になるから。話だけ聞く事にした。「お命頂戴」とか抜かした瞬間卯月(うづキ)ックが炸裂するからな。言葉に気をつけろ。

 

「で。お前は何が欲しいんだフリード。」

「防音部屋。或いはてめえらの部屋と対角線の位置の寝室*2。」

「毎晩毎晩ごめんなさい。」

 

 ノータイムでガチトーンで切実な要求が突きつけられるから、流石の僕も謝ってしまった。クリスマスプレゼントに部屋割りお願いするやつ初めて見たわ。

 

 ちなみに今言ったその対角線の位置の部屋はアーシアの部屋です。よって申請は却下されました。アーシアは「部屋くらい代わりますよ?」って言ってるけど。そいつが寝てる場所はアーシアが一番来ちゃいけねえ部屋だから。代わりにフリードには後で耳栓買ってやるからそれで許せ。本当にごめんな?

 

 そんな塩梅にミッテルトに集られたのを皮切りに、何故か僕が堕天使の面々にクリスマスプレゼントを配るのだが。聞いたついでだ。アーシアにも聞いてみるか。

 

 この娘こそ本来なら教会側の人間だし、聖夜(クリスマス)の恩恵に預かるべき典型的な()()()だから。いつもボロボロになった僕を回復してくれるし。日々のお礼も兼ねて聞いてみよう。

 

「で、アーシアは?クリスマスプレゼントになんか欲しいものある?」

「遊太郎さま、ありがとうございます。でも私は大丈夫ですよ。サンタさんに頼みましたから。」

「????????????」

 

 

────その時、教会の不良共(堕天使+α)に電流が走る。

 

 

………マジで?このピュアっピュアな聖女様、まだサンタさん信じてんの???それともマジモンのいい子には本当にサンタさん来んの???天使や堕天使だっている世界だもんな。サンタもいるのかもしれない。

 

 いやでも堕天使共が深呼吸と共に天を仰いでる辺り、多分サンタはフィクションだわ。あぶねえサンタのフィクションを僕まで疑いかけた。無垢って怖いな本当に。アーシアは周りの様子に不思議そうに首傾げてるけどさ。マジでこの治安終わった教会に居るべき娘じゃないって。

 

「はぁ………あのねえ、アーシアたん?サンタさんは去年射殺され────うぼあっ!??」

「ちなみにアーシア。サンタさんには何頼んだの。」

「新しいロザリオです。前のものはだいぶ使い込んでしまったので、しっかりお祈り出来るようにって………」

 

 言葉を選んでサンタの不在をバラそうとするフリードをジャーマンスープレックスで黙らせた後。アーシアに改めて尋ねたところ、そことなく欲しいものを聞き出すことには成功した。つか欲しがるものまであまりにいい子すぎる。どこで売ってんだそんなもん。

 

「………何にせよ今晩はレイナーレの相手は休みだ。いいな?レイナーレ。」

「ええ。………今晩ばかりは仕方ないわね。さっきいっぱい相手してくれたし、私も我慢するわ。ただ………」

「ただ?」

 

 珍しいくらいに聞き分けのいいレイナーレだったが、ふとレイナーレが僕の袖を引く。どうしたんだ珍しくしおらしいぞ。いっつも性欲全開の猛獣みたいな迫り方しかして来ないのに。

 

「………遊くん。私には、クリスマスプレゼントないの……??」

「あー………ごめんな。今日の夜は我慢させちまうし、このあと二人でなんかプレゼント探しに行こうと思ってたんだが。」

「ねえ遊くん?性欲(ムラムラ)抜きに好きにさせるのはルール違反じゃない???私とデートしてくれるの???」

 

 そんなんじゃねえしアーシアのプレゼント探しがてらだよ。ただ下手に我慢させて欲求不満で暴走させても怖いから。寝る時相手できない分、買い物帰りにホテルでも寄るかなって考えてただけで。確かにこれはデートか。デートだわ。

 

 現に僕がそう明かせば、レイナーレはめちゃくちゃ浮かれていた。頼むからあの寒そう通り越した、冬だとキチガイとしか思われないボンテージ姿では出歩くなよ。今のレイナーレ、ただでさえ身体デカくて目立つんだから。

 

 つかレイナーレのやつ、結局なにが欲しいのかって聞いてないや。こいつこそなに欲しがるかも見当つかないが、さっきなんか欲しそうにしてたからな。行く場所決める前に聞いておこう。

 

「んでレイナーレ。お前なに欲しいの。」

「………………その、ね?遊くんとの赤ちゃ「言わせねえよ???」じゃあ指輪。遊くんとのお揃いのやつ……」

 

 それは高くないやつでいいんだよな?流石に成人前に所帯持ちになるのは僕も考えるぞ?こいつ僕に腹擦り付けて♡‬飛ばしてくるけど。いくら冬で乾燥するからって加湿器やめな???相手は「はいプレゼント♡‬」って自分の身売りフリーパス券配るカスだぞやめとけって。

 

 何よりこの魅了の魔眼の末期症状に独占欲まで加えられると本格的に駒王町が壊滅しかねない。主に怪獣大戦争で。そういう意味では僕は明確に誰かのものにはなれないんだよ。

 

 だからデート中、なんかレイナーレの湿度が上がった気がして僕はずっと落ち着かなかったんだけど。

 

 

 その危惧が現実となったのは、翌朝のことだった。

 

 

 昨日のうちにアーシアの部屋に儀礼用のロザリオをサンタに代わって置き配し、僕は自分の寝室に戻ったはずだった。当然レイナーレの部屋には行ってない。

 

 にも関わらずだ。その日僕はふと目を覚ますと、ほぼ同時にレイナーレが布団に侵入してるのを確信したんだよ。なんかめっちゃあいつの匂いしたからさ。「遂に夜這いまでするようになったか」って被ってる掛け布団を捲ったんだよ。

 

 けどそうするとそこには誰もいなかった。代わりに布団を捲って僕は気付いた事があった。

 

「………あれ?なんか布団変わった?」

 

 こんな立派な羽毛布団被ってたっけって。改めて被り直したらめちゃくちゃ暖かいし。そしてもう一つ気付いたが、枕もなんかめちゃくちゃいいものに変わってた。柔らかくて寝心地がいい。

 

 元より食われることが多くて睡眠時間不足しがちな身だから、睡眠環境の改善はとてもありがたい。昨日寝る時は夜だし分からなかったんだけどさ。多分レイナーレが僕がスニークミッションしてる最中に、クリスマスプレゼントとして換えてくれたのだろう。直接言ってくれればいいのに。

 

 なんて想定外の僕へのプレゼントに、ニッコリしながら僕は朝の礼拝堂へと出たんだけどさ。そうするとほぼ同時にアーシアと出くわした。

 

「あっ、遊太郎さま!!おはようございます!!」

「おはようアーシア。なんか機嫌いいな。」

「はい!!今朝起きたら、私の部屋にプレゼントがありました!!本当にサンタさん来ましたよ!!見てください!!」

 

 そう言ってアーシアが首にぶら下げた僕が買ったロザリオを見せてくれる。何も知らないフリして「良かったね」って返すが、そこまで喜んでもらえるなら選んだ僕としても嬉しいよ。

 

 そして人知れず少女の無垢な幻想を守った事に、僕は勝手に達成感を覚えてコーヒー啜ってたんだけど。そうすると次に来たのは、意外にもレイナーレだった。

 

 こいつが朝早いのは珍しいから、僕だけじゃなくてアーシアも驚いてた。……ていうか珍しいのは朝早いだけじゃなくてさ。何故か今日のレイナーレ、堕天使の翼を拡げてないんだよな。普段なら教会内では伸ばしたままにしてるのに。

 

 それでもまあ気分の問題だろうって考えることはやめて、僕はレイナーレ用にコーヒーを淹れた。こいつ唯一僕にサプライズでクリスマスプレゼントくれたからな。そのお礼言おうと近寄ったんだよ。

 

 でもそうすると、それに気付いたレイナーレの方が自分から僕の方に近付いてきた。それもなんか凄いなんか期待しながら。そんなに僕のリアクション気になるかこいつ。

 

「おはよう遊くん。……その、昨日はよく眠れたかしら?」

「あのプレゼント(布団と枕)やっぱお前か。ありがとうな。あれめっちゃ寝心地良かったわ。絶対高いやつだろ。」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ♡‬♡♡♡♡♡‬」

 

 そう素直に喜んだだけなのにさ。僕がそう言うと、レイナーレは何故か自分の股間を抑えて悶えていた。しかも身体もその場でめっちゃ大きくなり始めちゃって、分かりやすく発情してしまう。渡したプレゼント喜んでもらえたら嬉しいのは分かるけども。

 

 遂にこいつ、なんか褒めたりするだけで興奮するようになっちまったか。或いは一晩お休み挟んだだけでこんな限界状態になったのかと。僕は呆れ半分ではあるが、素敵なプレゼント貰って機嫌良かったからさ。興奮状態が悪化して物理的に湿度の増してるレイナーレに、僕の方から尋ねた。

 

「大丈夫か?昨日の夜は相手出来なかったし、ちょっとしておく?」

「!!!………いいえ、大丈夫……ふー………♡♡♡私も今ちょっと疲れてるから……部屋で自分でシてくる………♡♡♡‬」

「………ん???」

 

 そこでふと首を傾げる事になった。マジで珍しいな。レイナーレのやつ、普段なら発情したら即座に僕のこと襲うのに。ましてや僕から誘えば、その場で押し倒さんばかりに犯しにかかるのに。あんな自家発電で済まそうとするなんて、多分だけど初めて見た。

 

 逆に言うとそれだけマジで疲れてるんだろうが。昨日の夜は僕が居たわけでもないし、あいつ何やってたんだ?僕の部屋の掛け布団と枕をすり替えるくらいはやってただろうが、それだけであんな疲れるかね。

 

 僕が居ないの寂しくて激しい自家発電してた可能性も否めなくは無いけども。なんか普段と様子が違い過ぎて、どうしてもその様子を訝しんでしまう。なんか違和感が………

 

「レイナーレさま、どうしたんでしょうね……プレゼントしたお布団や枕を遊太郎さまが使()()()のが、そんな嬉しかったのでしょうか?」

「な。意外とかわいいとこあるよなあいつ────」

 

────────ん?????

 

 ちょっと待て。今アーシア「レイナーレが僕が布団や枕使ったの知って興奮した」って言ったか???

 

 いや。確かにそうとも捉えられるけど。あげたプレゼント喜ばれて興奮したって言うより、僕があいつのプレゼント使ったから興奮した???

 

 なんか嫌な予感って言うか、ちょっと気付きたくない事に気付いちまった気がする。おかげで僕は残ったコーヒーを一気に飲み干すと、駆け足気味に自分の部屋に戻ることになった。

 

 

 そういやあいつ、なんか今日は翼を伸ばしてなかったもんな。それに疲れてるって、あれ消耗してんじゃないのか?

 

 それにこれまた思い出したんだが。レイナーレのくれたあの羽毛布団、めっちゃレイナーレの匂いしたんだよな。それで「夜這いされたか?」って錯覚するレベルに。

 

 だから僕は改めてレイナーレのくれた掛け布団を手に取り、顔を押し付ける。ふっかふかのそれからは確かにレイナーレの匂いが残り香なんてレベルじゃないほどに染み付いていて、予感がほぼ確信に変わった。

 

 流石に貰ったばかりの羽毛布団に穴開けて中を確かめる訳にも行かないからさ。あくまで「もしかしたら」って思う程度にして、確証を得るまでには行かないんだけど。

 

「………もしかしてあいつ、めちゃくちゃ重い女なんじゃないか………???」

 

 ふかふかの枕に横たわり、めちゃくちゃ暖かい布団を改めて身体にかける。布団の匂いと相まってレイナーレに全身を包まれてる気がする当たり、ほぼ当たりだろう。

 

 若干呪物めいた気がしなくもないが、普通に寝心地はいいものだからさ。結局この冬僕は、レイナーレの羽根から作られたであろう寝具を愛用することになってしまった。

 

 自分の翼から羽根毟って寝具作るとか愛が重すぎないか。天使や堕天使の中では一般文化なのかもしれないが、不思議と僕の背筋は寒いままだった。魅了の魔眼が強くするのは性欲だけのはずなんだがな。妙だな……

*1
召喚陣:契約した悪魔をその場に召喚する魔法陣。一誠が死に際にリアス喚んだアレ。普通は紙とかに刻むものだが、こいつはカスうさぎの手の甲に直に刻んだ。

*2
現在のフリードの部屋はレイナーレの部屋の隣です。

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