魔眼で壊れ行く学園生活。 作:デカ女推奨委員会
今回も地獄回。
「ゼー……ハー……し、死ぬかと思った………」
「あ"あ"あ"……ッ、嬉しい……だありん、いっぱい相手してくれてありがとうねえ♡♡♡本っ当に大好きになっちゃったあ♡♡♡」
「そりゃ良かった………ぐふっ。」
息も絶え絶えに返事した後、僕はバイサーの異形の下半身の背中に横たわる。けど興奮気味にドスドスと四足を踏み鳴らすせいでめっちゃ揺れる。あまり揺らさないで……今全身が筋肉痛で、ちょっと動かすだけで痛いから………
「あらあ大丈夫?おっぱい飲む???」
「今はいい……つかそれ精力増強剤に変質してたじゃねえか。まだ僕から搾り取る気かお前。」
「えへへえ♡♡♡もう何人かは欲しいからねえ♡♡♡」
自分の下腹部のさらに下の怪物の下半身を撫で、バイサーは愛しげに目を細める。………そう。こいつ、マジでやりやがった。僕が危惧していた通りのことやりやがったのよ。
まあ魅了の魔眼であそこまで暴走した時点で、こうなる事は半ば分かっていたけどさ。そのせいで僕はバイサーを野放しに出来なくなった。
何しろ
そういう訳だからしばらくはレイナーレにバレないよう、教会の麓の山辺りでこっそり面倒見ようと思う。あそこなら通学路の途中で通るし、人も来ないだろうから。
全く……はぐれ悪魔を探すだけの簡単な仕事のはずが、えらい事になったもんだ。足の生えた時限爆弾(核兵器)みたいな存在になりやがって。はぐれ悪魔を隠れて飼うとかグレモリーにもレイナーレにも怒られそうだが、僕の家に連れ帰るまではそれが最善の選択だ。
………と、思っていたのだが。
「ヘイ遊くん!!そろそろ終わったかい!?」
そんな僕の思惑を嘲笑うかのように僕らの前によく知る役立たずが躍り出る。どこで何をしてたのか知らんが、今日からお前の名前は役立たずだよ。フリードなんて贅沢な名前を二度と僕の目の前で名乗れると思うなよ?ほら見ろ。バイサーも「ガルルルル」って威嚇してる。
「やだ怖あい!!クソ悪魔が崇高なる聖職者の俺様に喧嘩売ってるゥ!?……心配しなくても今さら殺り合う気はねえよ。つかうちの淫売と散々ヤり合った後だろうが。俺様が勝てる訳ねえだろふざけやがって。」
「んじゃ何しに来やがった役立たず。まさか僕がこいつ手懐けたのにケチつけに来たわけじゃねえよな。」
そう要件を改めて問いただせば、役立たずは気まずそうに目を逸らしてヘッタクソな口笛を鳴らす。図星かこの野郎。だがバイサーの今回の一件の口裏を合わすなら、お前の名前を元に戻してやるぞ。レイナーレにチクるなら戦死してもらうが。立派な散りざまだったってレイナーレに報告しといてやるよ。
なんて、虎の威を借りながら僕は脅迫を実行したのだが……
「いやー……ぶっちゃけそのバケモン悪魔に関しちゃ好きにしてもらって構わないんすよ。ただ────」
「ただ?」
「………ちょッッッと、急ぎでてめえに教会帰ってきて欲しいんすわ。」
………………なんか、フリードがビキビキと青筋を立てながら親指を教会の方へ向ける。かなりガチギレしてる様子だけど、まさか教会でなんかあったのか?
「来てみりゃ分かるぜクソビッチ。あとその格好で入ると教会消し飛びそうだから、これ着やがれ。」
「なんだ優しいじゃん。どしたの。」
おまけにフリードはバイサーの背中に飛び乗ると、全裸で転がる僕に自分のローブを叩きつけてきた。こいつがここまで優しいとマジで怖いんだけど。何があったの。
そんな疑問と共に、僕はバイサーの背に乗って教会の麓まで帰還した。
のだが。
「………………なあフリード?」
「なんだカス。」
「なにこの地獄絵図???」
結構遠目に教会が見える辺りから、僕はフリードにそう尋ねていた。だって教会周辺の空がサ●ドインパクト引き起こしそうな真っ赤な空になってるんだもの。しかも教会の周りには巨大な光の杭が生えていて、連続して爆発音っていうか破壊音が響いている。
何をどうしたらこんな地獄絵図が出来上がるんだ?そりゃこんな大変なことになってたら、僕のとこに堕天使の増援が来ないわけだ。マジでなにごと?
「ヒントやろうか。」
「おう。」
「レイナーレ。」
OK、全て理解した。そういや悪魔祓い行く前に、フリードが僕にちょっかいかけたせいでキレて精神状態が悪化したな?んで身体もデカくなり始めてたけど「直ぐ戻るから」って言って放置したんだった。
まあその後は知っての通り。まんまと魅了の魔眼が暴発し、バイサーに捕まって数時間ぶっ通しで犯された訳だけど。そう。数時間捕まって性的に食い散らかされてる間、精神状態が不安定なレイナーレを教会に放置してたんだ。
そして限界状態のレイナーレに数時間のお預け結果がこの地獄絵図と。思った以上に僕のケジメ案件じゃねえか。
「そゆこと☆てことで大人しく人柱として死ねや。」
「………………………はい。」
青筋立てて僕の腕を引くフリードに、こればかりは素直について行く。ヤバいなー……元から末期症状なりかけてたのに、あれだけ放置してたら絶対暴走しているって。おまけに僕、バイサーに抱き潰されて満身創痍なのに。
周囲の空を侵食して汚染するほどに膨れ上がった魔力の中心である礼拝堂に、僕はフリードと共に辿り着く。そうすれば────
「があ"あ"あ"あ"ぁ………ッ!!!ゔぅ……ゔゔゔゔゔゔゔゔッ!!!」
────そこには目を真っ赤に輝かせ、頭を抱えるレイナーレの姿があった。明らかにその咆哮じみた声は正気を失っていて、身体も本気で興奮した時と同じくらいデカくなっている。
しかも怒りに我を忘れて暴れ狂ったんだろうな。ただでさえボロかった礼拝堂は見るも無惨なことになり、床には他の堕天使が倒れている。暴走するレイナーレをどうにか鎮圧しようとして、返り討ちに遭ったのだろう。
幸い息はまだあるのか、アーシアが一生懸命治療して回っているが………余程怖い思いをしたのだろう。アーシアも僕の姿を見ると、大慌てでこちらに駆け寄ってきた。ていうか何ならタックル気味に抱きついてきた。魅了の魔眼発動しかけたわあっぶね。
「ゆ、遊太郎さま!?良かった……お待ちしておりました!!」
「アーシア大丈夫?レイナーレに襲われたりしなかった?」
「はい……ッ!?遊太郎さまこそ、随分とボロボロじゃないですか!!何があったのですか!?今回復します!!」
しかもアーシアは僕を抱きしめると、神器を用いて僕の身体を回復してくれる。はぐれ悪魔とヤってボロボロになったなんて口が裂けても言えまい。
でもこれからレイナーレを鎮める前に助かった。正直殺されるのも覚悟で行こうとしてたから本当にありがたい。やっぱ回復能力持ちの神器ってありがた過ぎる。今後を考えると、アーシアにはずっとここに居て欲しいとさえ思うが………
………いや。皆まで言うまい。今は魅了の魔眼の症状で暴走するレイナーレの鎮圧だ。
これ以上被害が拡大して近隣地域に飛び火する前に、さっさと鎮めなくては。魅了して放置した責任として、僕は万全の身でレイナーレの元へと近付く。
………けど、レイナーレがその視界に僕を捉えた瞬間。
「!!!………あ"………あ"ぁっ………………!!!」
「お待たせレイナーレ。待たしちゃってごめん……って………レイナーレ?大丈夫??」
突如としてレイナーレが苦悶の声を上げた。そしてそのまま頭を両手で押さえつけ、ブンブンと振って苦しみ出した。
当然僕はレイナーレに駆け寄り、太ももに抱きつく。そうやって身体の感触を教えつつ声を掛けるが、レイナーレからの反応は無い。
それどころか本当に頭が痛くて苦しいのか、レイナーレは恵体はそのままにその場に蹲ってしまった。……魅了の魔眼での暴走って、肉体や精神的にも負荷大きいからな。だから精神後退したり理性飛ぶワケだし。
だからアーシアじゃないけど、僕はレイナーレの顔を僕の胸元に押し付けて撫でてあげたんだよ。苦しいのが治りますようにって。なんか僕の前に蹲って顔を差し出してくるレイナーレを見てたら、そうしたいなって思ってさ。
……先に言ってしまえば、それは最悪の悪手だった。
────ドグンッ!!!
「………おっと?」
僕がレイナーレを抱きしめた瞬間。異様な脈動の音に、礼拝堂の中の全員が身を強張らせた。僕も当然レイナーレの艶やかな髪を撫でる手が止まった。「何今の?」って思った。
けど僕が髪を撫でるのをやめるとね?レイナーレが僕の背中に腕を回して、抱きしめながら僕の胸に顔を押し付けてきたの。そうやって甘えて続きをせがんでくるものだから、僕は再びレイナーレの髪を撫でるんだけどさ。
そうすれば今度はさっきより強く、再びレイナーレの心臓が異常なまでに力強い鼓動を刻む。
「………………………♡♡♡」
「レイナーレ?……その、大丈夫………??」
真っ赤な目で僕を見上げ、薄い笑みを浮かべるレイナーレに思わず尋ねる。でもレイナーレは言葉を発さない。………恐らく、言語を解するだけの知能が今のレイナーレには無い。
その代わりとばかりに、知性や理性を圧殺するほどに膨れ上がった本能が彼女を突き動かす。レイナーレは身体を僅かに起こすと、ゆっくりと僕の唇を奪ってきた。ねっとりとした唾液に塗れた舌を絡め、至近距離で赤い視線を僕に重ねてくる。
「………♡♡♡………………ッ♡♡♡」
けどそれは我を忘れるほどに興奮した状態とは思えないほどに、柔らかくて甘い口付けだった。普段の性欲が振り切れた時の、貪るような乱暴な口付けとはあまりに遠い……まるで子どもでも愛でるかのような、優しい口付け。
それを何度も何度も、僕の身体を抱きしめながらレイナーレは繰り返す。段々と身体を起こし、僕に覆い被さるように抱きつきながら。僕に身体を仰け反らせ、僕に上を向かせた上でレイナーレは僕の唇を奪い直す。
そして、そうやって見上げていて気付いた。
「………ねね、レイナーレ?」
「♡♡♡♡♡♡」
「めちゃくちゃ……身体、デカくなってない………??」
返事が返ってこないのを分かった上で、思わずそう尋ねてしまう。けど僕がそう軽く怯えたのが分かったのか、レイナーレが真っ赤な瞳を愛しげに細めた。
だってさっき僕にキスをせがんできて、僕をこうして見下ろしている現在。レイナーレは膝をついたままで、その体勢を一切変えてない。
そしてさらに言うなら、今の僕は立ったままレイナーレの身体にしがみついている。僕は
これ……今のレイナーレ、下手しなくても僕の倍くらい身長あるんじゃないか?
そう気付くと同時。伸縮性に優れたはずのボンテージ状の衣装が、ブチイッ!!!と音を立てて破けた。そのせいで見事なおっぱいが宙に放り出されるが、それらは既に僕の上半身よりもデカい。何なら僕が激突して軽く吹っ飛びかけた。
けどレイナーレはそんな僕を二の腕で包んで捕まえると、規格外のデカ乳を押し付けてゆっくり舌なめずりする。それと同時にじっとりと、レイナーレの纏う色香が強くなった。
「………………ムフー………♡♡♡」
「………お前、体格差思い知らせて興奮してない?いい性癖してるわほんと。」
尋ねれば答える代わりとでも言うように、真っ赤な瞳の中に黒く燃え盛るハートが浮かぶ。しかも僕に愛情を剥き出しにすると同時、身体の巨大化以外にもレイナーレの身体に変化が起きる。
まず僕を見下ろすレイナーレの頭上に、空の色彩に似た赤と黒の光輪が現れた。んだけど………それを見た途端、僕の背筋がめっちゃピンってなってね?なんか知らないけど、頭が「絶対今のレイナーレに逆らっちゃいけない」って警鐘を鳴らしたんだよ。
そしてその直後。服を巨体で引き裂いた後にも関わらず、レイナーレの背中からブチブチブチ!!って何かを引き裂く音がした。何ならそれと同時にレイナーレが大きく身体を仰け反らせた。
「〜〜〜………ッ、フー………………!!!」
そうすればレイナーレの背中が蛹みたいに裂けて、巨大な堕天使の翼が追加で六枚伸びる。その大きさは巨大化したレイナーレの体躯もあって、一枚一枚が僕の身体を覆い隠して余りあるほどにデカい。
三メートルを優に超える巨体に、堕天使にあるまじき異形の禍々しい光輪。そして八枚の巨大な翼。元の原型こそ留めているものの、僕を抱くレイナーレは目の前で完全に別の存在へと変わり果てた。それは僕も初めて見る、魅了の魔眼に囚われた堕天使の成れの果てだった。
まるで僕を他の全てから守るように────否、僕を自分の傍から絶対逃がさないようにと八枚の翼が僕の行方を覆う。そうやって愛の
後で聞いた話によると、レイナーレは僕の帰りが遅いのを「僕が自分の元から逃げた」と思い込んだらしい。そしたら目の前が真っ赤になって、気がついたらあんな暴走を引き起こしていたそうな。
おかげでこの日、僕がレイナーレの元から逃げるという選択肢は実質潰れた。仮に僕が逃げようものなら、間違いなくレイナーレは僕を探して暴走する。その場合の被害規模は、きっとバイサーのそれすら上回る。
こうなる事は分かっていたはずだ。僕が愛した娘は、最後は愛の怪物に変じるのだと。そしてそうなった娘の面倒を見るのは、魔眼を制御できずに呪いを振り撒いた僕の責任だ。やっちまったものは仕方ないとはいえ、二次災害を生むわけには行かない。
────だが、やはりアーシアは逃がさなくては。それも一刻も早く逃がす必要が、たった今出来てしまった。
………どういう意味かって?
「あ"〜………♡♡♡はー……はー………♡♡♡」
「ちょっ……レイナーレ、いい子だから優しくしてね?あんま力入れられると骨折れちゃうから………やあっ……♡♡♡見ちゃダメえ………」
「はわわ………」
「は〜い、アーシアちゃーん。お子様にゃあ見せられませんよお。音声だけで我慢しましょうねえ。」
赤く染まった空の下、礼拝堂で既に亡き神に中指を立てるが如くレイナーレが僕を貪る。その様をその場の全員に見られながら、公開処刑の如くその場に押し倒される。
そしてその様は、無垢の擬人化みたいなアーシアにまで見られてしまった。分かるか?つまり、アーシアが僕の愛で方を知ってしまったのだ。
これで万が一アーシアを魅了してしまえば、次は彼女にも襲われることになる。それが嫌でわざわざレイナーレの性処理もホテルで行ったというのに。その挙句にこれだと言うのだから、本当に神は死んだんだなって実感せざるを得ない。
そういう訳だから、一刻も早くアーシアを僕の傍から遠ざける必要が出来た。僕はもう逃げられなくていい。だがアーシアだけは教会から逃がす。それが僕の目的となった。
………あんな聖処女様にバイサーやレイナーレみたいな末路を辿らせたら、それこそ自責の念で首吊りたくなるからね。本気で頑張ろうと思う。
や〜い!お前のヒロイン、レイドボス(畏怖)