サイタマ「趣味でトレーナーをしている者だ」   作:ハガさん

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 1発ネタです。


始まり

 

 

 

 

 

 

 

「あ、卵切れてるわ」

 

 

 

 

 

 そう言い彼、サイタマは冷蔵庫の中を閉めた。

 特売の日が近づいており、それに合わせて冷蔵庫の中身を調整していたサイタマ家の冷蔵庫は、見るも無惨な物だった。

 

「特売は……今日か。買いにいかないとな」

 

 冷蔵庫の側面に磁石で貼ってあったスーパーのチラシを取ったサイタマは、ある程度買うものを決め、出かける準備をする。

 

 その後、ジャージに着替え、ガスの元栓を閉め、窓の鍵を閉め、外に出かける準備はバッチリだ。

 

「よし」

 

 

 そう声を出し、彼は玄関のドアを開けた。

 格安アパートを出て、階段を降り、アパート内の駐車場にでた。

 朝の光が眩しい。今日はバイトがない彼にとって今日は絶好の買い物日和だ。

 

 

彼____________サイタマは自称トレーナーである。

 

 自称というだけあって資格も何も持っておらず。近所の子供達に無償で走り方などを教えている。

 ほぼ不審者ではあるが、その教え方の良さや、無償である点から近所の子や親からなどは評判が良い。

 

 というか、ほぼゼロからちびっ子クラブを作ったそれ自体が才能なのかもしれない。

 

 

 

 しかし____________もしかしたら、別世界の彼なら怪人と戦っていたのかもしれない。

 

 もしかしたら、別世界の彼なら、世界の危機を救っていたのかもしれない。

 

 もしかしたら、別世界の彼なら、孤独なヒーローとして人知れず怪人を倒していたのかもしれない。

 

 

 

 だが、そんな事があるはずもない。

 この世界は至って普通で、何の変わりもない至って平凡な世の中だ。

 

 ただ一つだけ違うとするなら___________

 

 

 

「おはようさん。サイタマ。元気そうでなにより。」

 

「あー……おはようございます。」

 

 

 そう声をかけた長髪の銀髪の人物______タマモクロスには尻尾があり、獣のような耳が頭の上についていた。

 

 そう、違う点は、ヒトとは大きく違う生き物。

 我々人類とは、体の作りから本能まで、似てるようで全く異なる生物。

『ウマ娘』がいる事ぐらいだろうか。

 

 彼女は優しそうな口調をしながら、目が一切笑っていない。サイタマは、それに冷や汗をかくが、何か心当たりがある様だ。

 

「ところでなんやが……先々月の家賃は一切合切、いつになったら払ってくれるん?このハゲ野郎」

 

「ッ………!!!まだ生える余地は残されてるからギリハゲじゃねーし!」

 

「そのどう見てもツルピカな頭で見苦しいわ!!!あれか?どうしても現実受け止められんちゅーなら、あんたのそのテッカテッカに太陽光反射する頭で焼き肉焼いたろかい!!!それが嫌なら家賃払えやボケ!!」

 

「そこまで光ってねーよ!!!いやうん……あーうん。いや、家賃の件に関してはまた今度払うから。いやマジで。」

 

「先々月も聞いたわそれ!!!同じことの繰り返しってオウムかなんかかアンタは!!」

 

 

 そんな2人わーわーぎゃーぎゃー言いながら騒いでいると、ある人物が走りながら近づいてきた。彼女はタマモクロスと同じでお尻尻尾が生えて、その後頭部には耳が生えている。

 この世界では、当たり前の光景ではあるが、バイクや自転車などが走るところに、ウマ娘の走るレーンがある。

 

 そこを少女は、走っていた。

 その少女は金髪でショートヘアで髪を分けている元気はつらつなウマ娘______『ナリタトップロード』であった。

 

 

 

「おはようございまーーーす!!今日も元気そうで何よりです!!」

 

 

 そう言いながら彼女はその場を走って行った。

 

 まるで嵐の様なウマ娘だ。

 そのこちらの空気を読まずに去っていく様は、二人をあっけらかんと言う表情にさせる。

 

 2人は喧嘩している事が馬鹿らしくなって、喧嘩を辞めた。いや、家賃という重要なことの   話し合いを、こんなことで一旦無かったことにできるのは彼らはよほど信頼関係があるものなのだろう。

 

「すごいよなートップロードちゃん。ここら辺、ぎょうさん自主練してる人を見るけど、あそこまでの走りは現役時代のウチ並みやな…いやうちの方がもちろん早かったけども」

 

 自分に自惚れる様に、タマモクロスが言う。

そう、彼女は過去オグリキャップと激戦を繰り広げた。今でも非常に人気があるウマ娘であった。

 

 今は引退して、しがないアパートの大家さんをやっている。知る人が知ったら驚く様なその変わりっぷりだが、その事についてサイタマはどう思っているのだろうか、トレーナー志望として残念に思うのか、はたまた空気を読んで、気を使った言葉をかけるのか____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ。お前レースに出てたんだ」

 

 

 

この男______何も知らないのである。

 

 

 

 

 

「………ウチの事知らずに、今まで生きてきた方に驚くわ。おかしいな、これでも現役時代は割とブイブイ言わせてたんやけどな。アンタそれでもトレーナー志望か?」

 

「俺基本ニュース見ないから。すまん。トレーナー志望じゃなく趣味でトレーナーをやっているから。」

 

 

「担当ウマ娘も資格も取っとらんあんたがどの口でほざくか……ちびっ子に無償で教えてるから近所からの評判は良えが、それを早よ職に繋げぇゆうの。就活に専念してくれたらウチも家賃の心配せんでええんやけどな」

 

 

 実際、彼の教え方は上手なのか、近所のちびっ子からの評判は良い。

 

 因みに資格無しで、ウマ娘に走り方を教えるのはギリギリ違法行為とも取れなくはない。しかし彼、ウマ娘に教えるというよりも、

 

 

 『近所の男性の子供達に』

 走り方を教えているのである。

 

 ウマ娘は誰一人としていない。

 タマモクロスは彼が何を考えているのかがさっぱりわからなかったが、近所からの評判は良い為このわけのわからない無職男を、その情熱と加味して放置している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ。トレーナーって資格いるんだ。」

 

 

 

「ほんまかいな……あんた…………」

 

 

 

 

彼女は絶望した。

このハゲ何もわかってなかったと。

 

_______彼女は、彼が交渉のため、土下座しに来たことを思い出した。

 

『就活やめてトレーナーになる準備をします。家賃は滞納してしまうかもしれませんが、この通り追い出す事だけは、許してください……』

 

彼の潔いその姿に魅了され、その事を許可し、鼻先で笑いながら『ウチもなんやかんや甘いな』と呟いていた自分を殴ってやりたいとタマモクロスは思った。

 

「はぁ……アンタと話してると、なんかオグリとのやり取り思い出してしゃーないわ…ウチのアパートの子達からの評判はええし……後で本とか送ってちゃんとした資格取れるようにな」

 

「おう。ありがとな。」

 

 

タマモクロスはこんな無職に子供達を預けて本当に保護者からのクレームなどが今までなかった事が奇跡だと思いながらその場をさっていくサイタマを見送った。

 

 

 

 

____________________________________

 

 

 

夕方。

 

長距離用のレーンがある近所の公園でサイタマは子供達に指導をしていた。

もちろんサイタマは本など一切読まない為独学の独学である。

 

 

「お前ら〜今日の練習終わり〜集まれ〜〜」

 

「えー」

「もう終わり〜?」

「もっと走って近所のウマ娘の子に勝ちたい!」

「ハゲマントつまんないー」

 

「終わりっつったら終わり。練習のしすぎも良くないしな。あと今ハゲマントって言ったやつ。後でしばく。」

 

 というかサイタマは今マントをしていない。というか今までもしていない。

 そんな姿普通に犯罪者である。

 

 ジャージである。しかし何故か知らないが子供達の中ではこれがあだ名になっている。不思議と子供とは時に何か本質的なものを掴む。

 

「ちぇーーー」

「しょうがないよハゲだから」

「そっか〜ハゲマントだもんね」

「たしかに…」

 

「お前らマジで後で覚悟しとけよ?」

 

 

不満たらたらの子供達を解散させる。

最後まで文句がたらたらなのはサイタマ的には教えがいがあって良いことなのだが、最後までハゲをいじられるのは流石に舐められすぎかと思い。

 

「……育毛剤を増やすか」

 

 

多分舐められてるのはハゲだからとか言う訳ではないとは思うが、しかしサイタマはそのことに全然気づいていない様である。

 

 

 

 

 

「ん……?」

 

 

子供達が帰った後、次のメニューを考える為にバインダーにつけた紙にメモをしていると。見覚えのある金髪の少女と茶髪のポニーテールの少女と言い争いをしてるのを見た。

 

 

「確か………ナリタ……いや……イナリ……そう。イナリポッケ………いや違う。ポップそう!!イナリポップコーンと誰だ。あれ。同級生か?」

 

 

 

 

全然違う。

毎日挨拶してくれてるってのになんて奴だ。

こいつ掠りもしていない名前を堂々と言いやがった。彼はすっきりしたような顔をしているが無惨な間違えっぷりだ。

 

話を戻して彼女らに意識を戻してみると何か白熱しており、今にも手が出るのではないかという言い争い方だ。サイタマは喧嘩などをあまりした事がない(友達がいないとは言ってはいけない。決して)が、喧嘩など、そのお年頃ならして当然であろうと、スルーして家に帰ろうとした。

 

 

 

 

 

 

「アヤベさんの背負ってる物、私にも背負わせて下さい…なんでそんなに悲しそうな顔をして走るんですか…」

 

 

 

 

「貴女にはわからない。私の気持ちは。決して。ましてや…妹のことなど…」

 

 

 

 

 しかし、今にも泣き出しそうなトップロードとシリアス全開の茶髪少女を見て、二人とも名前は知らずとも、顔見知りとして、ここで無視して行くのは気が引けたのか、サイタマは2人に声をかける。

 めんどくさいことは嫌いなはずなサイタマにしては意外すぎる行動だ。

 

 

 

 

 

 

「何喧嘩してんだ。イナリポップコーン。」

 

 

2人は今にも感情が破裂しそうで、しかしどこかから助け船を待っている悲しそうな顔から、いきなり声をかけられたせいで、気が抜けたような素っ頓狂な顔になった。

いきなり変な男に話しかけられたんだ。誰だってそうなる。

 

 

「えっ…?私のことであってます?それ」

 

「うん。すまん違ったか?」

 

「えっと……私はナリタトップロードです。」

 

「えっそうだっけ?すまん。名前覚えるのはどうも苦手なんだ。悪かった。」

 

今までの会話がなんだったんだという高低差で耳がおかしくなりそうだ。

一体なんなんだこの男はと2人が思う。

 

「誰なの?その男?」

 

「えっと………その……よく挨拶はするんですが…」

 

 

「あっすまん。俺はサイタマ趣味でトレーナーをしている者だ。」

 

 

 何が何だか2人はわからなかった。

 趣味で?トレーナー?

 何を言っているんだこの人は。

 理解ができない。頭が追いつかない。

 トレーナーは職で、ウマ娘たちを指導するにはある程度の資格がいるはずだ。

 それを趣味とするなど、教員が趣味です。と言ってるようなものだ。と二人して常識的なことを思った。

 

 

「トレセン学園の人?」

 

「トレセン……?なんだそれ?知らん。」

 

 

「えっと資格の方は……?」

 

「今日知った。あるんだなそんなの。」

 

 

 いくつか質問してみたがまともな回答が返ってこない。

 トレセン学園にも通っている訳でもなく、ましてや必要最低限の資格を持っているわけでもない。

 二人はドン引きしながらサイタマの方を見ている。ただの自称する不審者じゃないかと二人して思った。

 トップロードに至っては毎日挨拶をしている人が不審者だったことに恐怖を抱いている。

 

二人はヒソヒソ声で話す

 

「やばいですよアヤベさん。変な人来ちゃいましたって」

 

「そ、そうね……今は喧嘩してる場合じゃないかも……ね」

 

 二人はサイタマから確実に距離を取る。

 自称トレーナーなど碌な事がない。側から見たら、ウマ娘にただ近づきたがってるだけの一般人である。

 ほとんど変態を公言してる様なものだ。

 二人は喧嘩などやめて、とっととこの場を去ろうと目配せをする。

 しかし、サイタマはアヤマイトベガの地雷を思いっきり踏み抜く。

 

 

 

 

 

 

 

「妹さんでなんか話してたんだろ?」

 

 

 

 

アドマイヤベガはその言葉にピクリと反応した。そして反応してしまった。

 

 

「………妹は関係ない。トップロードさんが勝手に突っかかってきただけ」

 

「関係ない事ないだろ。あんまり長いと寝ちゃうけど。言ってみろ。楽になるぞ。」

 

「うるさい。貴方みたいな不審者に話す訳ないでしょ。」

 

「不審者じゃねーよ。サイタマ。トレーナーだよ。趣味だけど。」

 

「ふざけないで!!!!誰が貴方みたいなやつに話すもんですか!!!!」

 

「別に俺も聞きたい訳じゃねーよ。でもお前が辛そうにしてるから聞いてやろうと思ってんだよ。」

 

(辛そうに……?私が?そんな事あり得るはずがない。あの子の方が何倍も辛かった。)

 

 心の中で自分を責める。存在しない幻影に惑わされるアヤベ。ギリギリとアドマイヤベガの心を蝕んでいくサイタマ。怒りがもう頂点に達しそうで、それを止める為にトップロードがオロオロとしている。それを察したのかサイタマが明らかに常人だとありえない様な、考えもつかない様な提案をする。

 

 

「じゃあ………こうしよう。」

 

「お前、レース得意だろ?足の作りが教えてるガキ共と大違いだ。」

 

 

「お前が俺にレースで勝ったらそいつに話さない。負けたら話す。それでどうだ?」

 

「「………は?」」

 

 

 アヤマイトベガとナリタトップロード二人して、同時に声が出る。何を言っているんだこの人は。ウマ娘に勝つ?人が?二人にして疑問符を浮かべていたが思考を冷静にしアヤマイトベガが質問する。

 

「本気なの…?ウマ娘が人に勝てる訳ないでしょ」

 

「それ前にも聞いたことあるな。流行ってるのか?」

 

「……ふざけないで。誰がこんな見え見えの勝負受けるもんですか。」

 

「怖いのか?負けるのが。」

 

 

 

サイタマが見え見えの挑発をする。

普通だったら、心に余裕があればスルーできるものだ。だがしかし、アドマイヤベガはそれを流せるほど大人ではなかった。

そんな余裕は無く、心に焦りと怒りだけが積もっていた。

 

「いいわ2度とそんな口聞けない様にしてあげる。」

 

「おう。楽しみだ。」

 

ウマ娘対人の前代未聞の戦い。

結果はウマ娘二人にとっては見え見えだった。

サイタマはそれを全くといいほど考えずに平気な顔でレースのことを考えていた。

 

 

「えーっと……お前。そう。ハネダセカンドドーロ」

 

「えっ……!!はい!いや!!ナリタトップロードですって!!!」

 

 

「あーそうだっけ」

 

もうわざとなんじゃないかと思う名前の間違い方にトップロード自体も呆れが出てくる。

全部ニアピンである。というかそこまでニアピンにされるともどかしい。

 

「ほら。」

 

 サイタマが何かを投げる。

 それをナリタトップロードがあたふたしながら受け取る。

 

「ストップウォッチ……?」

 

「一応真剣勝負だからな。あった方が公平だろ」

 

そんな物使わなくても勝負は見え切っているとナリタトップロードは思ったが、微かな期待をサイタマに向けていた。

並走トレーニングで楽しくなさそうな表情をする彼女。義務感のために走っている様な。だけどもそれをどこか楽しみたいような彼女。

 

その矛盾したあり方を少しでも変えられるのではないだろうか。

 

 そんな淡い期待を胸に少女はそのありえない二人のバトルの歴史すべき傍観者になる。

 それが彼女の運命を、捻じ曲げて希望の方角へと導くとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

「勝負はここから2000mこのコートが1周200mだから10周ね。トップロードさんが合図したらスタートよ」

 

「おう。」

 

 アヤマイトベガはこんな茶番に付き合ってる暇があったら、自主練をして彼女への償いをしたいと心から思っていた。

 しかし、この男の顔が自信に満ち溢れていて、どうにも負けるような気がしてならなかった。

 この男の異質性、異物感、違和感、そう言ったものが頭から離れない。いっそのこと棄権して『どうせあなたは勝てかった』というのが早いのだろうが。それでも負けたくないという気持ちがあった。プライドを捨てれなかった。

そんな気持ちを知らずに、サイタマは言う。

 

「あのさ」

 

「,,,何よ」

 

 

「負けてもあんまり自分を責めるなよな」

 

 

 怒りが有頂天に達する。こいつ、完全に舐め腐っている。ウマ娘のことを知らずに育ってきたのか?と疑問になるようなバカにしている態度。その様子が、妹のことや自分のことで真剣になっている自分を逆撫でしているのかと勘違いし、激動してサイタマを睨みつける。

 

(こっわ……やっぱ柄にもないことするんじゃ無かった)

 

最もサイタマ自身はその原因を全く持ってわかっていないようだが。

 

 

「行きますよーーーー!!」

 

 

 

 

 瞬間、アドマイヤベガとナリタトップロードはあり得ない、存在し得ない、事実として認め難い現実を見る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________砂埃を上げながら、目に見えない速度。いや目には見えているのだが、早すぎてサイタマが、常に走るポーズを維持して止まっているかのように見える。

 

 ストロボ効果______あのヘリコプターの羽が逆回転しているかのように見える、車の車輪が止まってるかのように見える、あの現象。

 それが何故か、現実の生身の人間に起こっているのだ。ウマ娘でもそんなに早い者は誰一人としていない。

 

 アドマイヤベガはレースだと言うのに、呆気に取られてその場から一歩も動けないでいた。それはナリタトップロードも同じでその早さ、強さにただ唖然と口を開けるしかできなかった。

 

 

「_____よっと」

 

 

 

 砂埃を上げていた原因である""それ""が止まった。ただ茫然と二人はその場に立ち尽くしていた。ナリタトップロードが止めたストップウォッチには『0分05秒』そう書かれてあった。

 

 

 

 

「じゃ勝ったかな、お前話せよ。トップロードに。」

 

 

 

 

 

 そう、サイタマがその場を立ち去ろうとする。とんだ厄災である。突然現れたと思ったらいきなりウマ娘と戦うと言い出して、宣言通りに勝って見せた。アドマイヤベガに""敗北""の二文字を対人間ではアドマイヤベガにおいて人生で一度も起こらなかったであろうことをこの男はやってのけた。

 

 

 

 

 

 そして____________背中を向き足をすすめたその時。

 

 

「「私のトレーナーになって!!」ください!!」

 

 

 

 そう二人の少女からいきなり言われた。

 サイタマにとっては何が起こったのか一切合切見当もつかなかった。







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