悪食お嬢様と変態メイドによる現代ダンジョン攻略記 作:リィン(界の軌跡割と面白いから買って♡)
「ああ、それで良いわ」
「それより……」
「いただき・ま……オエッ!」
ドサクサに紛れてさっき食べそこねたハイゴブリンを食べようとしたのだけれど明里が何かやったのかこいつも不味い、不味すぎてとてもじゃないけど食べられない。
「まあきっと逃がしてやれば功徳になりますよ、人間を襲うな、食べ物を持ってこいと言っておけば食べるよりももっとお得だと思います」
「はぁ……分かったわ」
ハイゴブを門の外に逃すと何度も何度もお礼を言いながら離れていった。お礼とか言ういくらもらっても一ミリもお腹が膨れないものもらっても意味ないっての。はぁ……もうやけ食いよ、鍋まだ残っていたわよね
「ゴブリン完食! 経験値17」
「ゴブリン完食! 経験値11」
「ゴブリン完食! 経験値9」
「ゴブリン完食! 経験値18」
[ダンジョン内に存在する全てのモンスターを捕食したことにより紲月縁に【大喰らい】の称号が付与されます]
「わあ、お嬢様にピッタリの称号ですね」
「女の子に対して失礼じゃないかしら……称号つけてる馬鹿も丸焼きにして食ってやりたいわ……クチャクチャ」
■■■
ダンジョンから出るとダンジョンの入り口となっていた扉が消滅した。
「まあひとまずダンジョンクリアおめでとうございます」
「ええ、で」
振り向くと目の前にいるのは魔物
「ここ現実世界でしょうに、なんで魔物がいるの?」
「モンスターの氾濫です。ダンジョン出現後一定時間以内に攻略しないとダンジョンから現実にモンスターが溢れてくるんです」
そして彼女は笑う
「パパもママもお兄ちゃんも溢れた魔物に食べられちゃいました」
口は例の歪んだ笑いになっているのに目元は今にも泣き出しそうになっているの本当ウケ……流石に茶化さない方が良さそうね。
「はいはい泣かない泣かない、そんなことより」
親指で前方の食べモノ共を指差す。
「こいつら全員食べていい獲物なの? さっきみたいに電撃流されても困るから聞きたいんだけど」
そう言うと目元を拭いいつものきったねえ笑みを浮かべ明里がサムズアップした。
「とりあえず全部食べちゃっていいですよ。もし食べ残してもアイテムボックスにぶち込むんで」
「安心して、残さないから」
迫る腐肉の足を払って押し倒し、金槌を叩き込んで顔面を陥没させる。崩れてなお動くので踊り食いにする事にした。
「いただき・ます」
不味い! 不味い! 不味い! 腐った肉の廃液が噛み締める度にぷちゅんぷちゅん飛び出す。シンプルに最悪。明里より遥かに味はマシとはいえくっっっっそ不味い! 臭いの! 苦いの! これなら緑人間の方がよっぽどマシだわ!
「んっぐ、なにこれ、全然美味しくないわ。んっ、ごくん。ねえ明里、後で口直しにさっきの牛の丸焼きまたちょうだい。あと貴方がたまに変な空間から食べモノを取り出す箱すっごく美味しそうな匂いがするわ。まだまだ食べモノあるんでしょ。口直ししたいから全部ちょうだい」
「もうフランスパンしか食べモノ無いですよ」
「はぁ……もうフランスパンでも良いからこれ食べ終わったらさっさとちょうだい」
飢えを満たすためなら贅沢は言っていられないけれど本当酷い。
飢えるよりはマシだと思ってかじり尽くしたけど本当に最悪、特にあのボソボソの心臓。もう二度と食べたくないわ。別の個体なら味がマシなんじゃないかと思って2体目の腐肉のお腹に顔を突っ込んで中身を全部食べたけれど相変わらず不味かったわ
「リビングデッド完食! 経験値23【不死】【麻痺牙】習得」
「リビングデッド完食! 経験値17」
「ごちそうさま……ごちそうでもなんでもないわね」
硬いはずのフランスパンをマシュマロかの様に食いちぎって咀嚼しつつ屋敷への帰路についた。あの巨大緑人間を食べて以来顎の力が強くなったわ。食料確保と並行して早食いもどんどん鍛えないとお腹いっぱいになんてなれないと思っていたから本当嬉しいわ。さっき爪を突き刺して捕まえた蛇もミチミチと音を立てながら食いちぎって咀嚼する。皮も骨も豆腐のように噛みちぎって嚥下する。
「ゾンビタイパン完食! 経験値54【毒牙】習得」
「ごちそうさま、こいつを食べたのも早食いのトレーニングの一環になるかしら」
続いて屋敷への道のりでであったのは野犬だか魔物だか分からない犬、襲いかかってきたので毒牙で犬に噛みつき毒を流し込む……はずが強化された牙でうっかり急所までへし折ってしまう。へし折った事に深い悲しみを持ちながら一気に貪っていると番らしき犬が出てきたのでそいつに毒を流し込んでいきそちらも美味しくいただいた。
夫婦揃って頭から順に頂いたけど仲良く同じパーツをまとめて食べてあげたからあの世で犬達も喜んでいるはずだわ
[ホワイトウルフ完食! 経験値108【爪強化】習得]
「ホワイトウルフ完食! 経験値108」
「ウフフ ごちそうさま、まあまあ美味しかったわ。うちで飼っていた犬程じゃ無いけどね」
自由自在に伸びるようになった爪で通りすがりのぶよぶよの粘液の弱点らしき核を突いて即死させ啜りつくした。
[スライム完食! 経験値12【摂食再生】【打撃耐性】習得]
「ごちそうさま。味しないゼリーみたいで微妙だわ来世ではちゃんとしっかり濃い味で産まれてくることね」
最後に我が家の門の前にいた犬の群れは手慣れた弓と鈍器、伸びる麻痺爪、強靭な毒牙、肉体強化を生かして、叩き潰し、平らげ、毒殺し、お腹に収め、射殺し、召し上がり、噛み殺し、摂食し、麻痺させ、美味しく頂いた。
「ホワイトウルフ完食! 経験値102」
「ホワイトウルフ完食! 経験値96」
「ホワイトウルフ完食! 経験値103」
「ホワイトウルフ完食! 経験値104」
「ホワイトウルフ完食! 経験値87」
「ホワイトウルフ完食! 経験値94」
「ホワイトウルフ完食! 経験値106」
「ホワイトウルフ完食! 経験値104」
「ホワイトウルフ完食! 経験値100」
「ごちそうさまでした。全然足りなかったわ」
食べモノを食べ尽くすと木の後ろから明里が何故か上気した顔で出てきた。よく見ると顔がテカテカでなんか気持ち悪いわね。なんで?
「いっつも思うんですけど良くそんなに早く食べ物を食べられますね」
「普通に嚥下するのじゃ食べるのに時間がかかるから食べたそばから口と手とほっぺを使ってどんどん喉の奥に食べモノを送って、強引に喉の食べモノを胃袋に押し込む事を徹底するの。これさえ徹底していれば人間一人食べても15分もかからないし、さっきみたいに2時間あれば牛だって丸々一匹食べられるようになるもの。大した技術でもなんでもないわ、それより早くうちの食料庫の鍵開けてよ、あとそれ終わったらダンジョンにもいって色々食べたいわ、気分的に海鮮系が良いわね」
明里の顔が“こいつまだまだ食うのか”とか言わんばかりに引きつった気がするけど気の所為……気の所為よね
「そ、それなら次回のダンジョンに備えてここでステータス確認でもしましょうか」
紲月縁 LV3
クラス 魔物喰らい
ステータス
心13
技25
体24
スキル
【悪食】
【牙強化】
【打撃習熟】
【弓習熟】
【斥候習熟】
【身体強化】
【小鬼統率】
【不死】
【麻痺爪】
【毒牙】
【爪強化】
【摂食再生】
【打撃耐性】
称号【小鬼の侵攻を阻むもの】【大喰らい】
結星明里 LV6
クラス 盗賊
ステータス
心25
技96
体14
スキル
【死に戻り】
【短剣習熟】
【アイテムボックス】
【隠蔽】
称号
【小鬼の侵攻を阻むもの】【■■■■】【死を超えしもの】
【不死】死んでも復活できる様になる、条件あり
【麻痺爪】爪から麻痺毒を出す
【毒牙】歯から毒を出す
【爪強化】爪を自由に伸ばせるようになる
【摂食再生】食べれば食べるほど傷が癒える
【打撃耐性】打撃の被ダメを半減する