【悲報】人類最強のダンジョン配信者、最強過ぎて仲間が出来ない【ボッチ】   作:土ノ子

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第十五話 黒妖犬《ブラックドッグ》

 

 三連休2日目。

 前回5階層でポータルから撤退した大和と恋華(れんれん)は再び《地下世界の入り口》に入ダンし、配信を再開した。

 

「今日もみなさんこんダンジョン~。それでは昨日の攻略配信の続き、5階層から再開します!」

 

:こんダン~。

:あれ、ショートカット?

:ポータルで帰還したら最初から攻略し直しでは?

:まさか転移ポータルの新たな使い方を発見した……?

 

「いえ? 単純に僕が入り口からここまでエスコートしただけですけど? 最短距離を最速で」

 

:マジで単純な力押しかい!

:また雑に轢き潰されたんやろなって。

:モンスターが可哀想……。

 

「いちいち最初からやり直しだと配信のテンポが悪くなるんですよね。モンスターには尊い犠牲になってもらいました」

 

:ところで後ろでれんれんちゃんが息荒らげてるのってもしかして……。

:あのジェット移動に付き合わされたんやろなぁ。

:れんれんちゃんも可哀そう。

:自重しろやショタぁ!

 

「さあ今日も元気にLet'sダンジョン!」

 

:安定のスルー。どんどん面の皮が厚くなってるな?

:とはいえなぁ、このまま攻略しても昨日の二の舞では?

:深く潜るほど敵のレベルも上がるしな。

:正直5階層で割と限界だと思う。

 

「は、はい……申し訳ございません。私自身これ以上の深層に挑むには自信が……やはり私などでは……」

 

:だってよ?

:ただでさえ小柄なのにますます小さくなって可哀そう。

:本人がギブアップしてんぞ、どうすんだ。

:おっ、のっけから配信終了かな?

 

「――まあ冷静に考えてソロ攻略は無理がありましたね」

 

:今さらかい!

:冷静に考えなくても気付けや!

:最初から言われてるから。ここテストに出るぞ。最初から言われてるから(二度目)

:大切なことなので二度言いました。

 

「という訳でテコ入れしようと思います」

 

:テコ入れ?

:何する気だ?

:お前実はここまで読んでたな???

 

「――カモン、ベルーガくん!」

「バウッ!」

 

:!? 犬……いやモンスター!?

:クソデカサイズ、黒の毛並み、赤い目、吐息に火の粉……黒妖犬(ブラックドッグ)か!?

:イギリスの妖精犬、不吉の先触れ、魔女の猟犬。比較的契約しやすいモンスターだがどこから引っ張ってきた?

:もしやアニマ姐さんのレンタル魔獣!?

 

「Dtuber仲間のアニマさんからレンタルしてきたブラックドッグ、ベルーガくんです。今日は助っ人として呼びました。みなさん拍手ー」

 

:よく分からんけどとりあえず拍手!

:パチパチパチパチパチパチパチパチ

:8888888888888888888888888888

:おお、テコ入れってこういうことか!?

:息をするように推しへ課金するDtuberがいるらしい。

:アニマ? 誰だっけ?

 

「ご存じないのですか、業界最古参Dtuberにして犬猫礼賛同胞団(グレート☆ワンニャンフッド)団長! 魔法少女アニマル☆アニマを!」

 

:早い早い早い。セリフが早いよ。

:この配信オタクめ……。

:自分のことより他所のDtuber喋る時の方が生き生きしているショタ。

:まあDtuber的にはアニマの方が大先輩だからなぁ。

 

「流行り廃りが激しいこの業界で【二桁】年生存は普通にヤバいですよね」

 

:ヤバいよ(確信)。

:ヤバいな。Dtuber的な意味でも冒険者的な意味でも。

:ちなみにいま一番ヤバいのはお前の命だゾ。呪詛的な意味で。

:安心しろ。その程度で死ぬような可愛げこいつにないゾ。

 

「あの人のモフモフコンテンツ、僕も好きなんですよね。見てて癒されますし」

 

:癒し……癒し?

:おっ、そうだな!

:101匹黒妖犬(ブラックドッグ)と100万回生き返る灰色猫(グリマルキン)を従えて雑にダンジョンを蹂躙するアニマ姐さんの話する?

:れんれんちゃんが苦戦してるDランクダンジョンを「散歩」「ストレス解消」って言い切ったからなあの魔女。

:普段は可愛いモフモフどもなんだがなー……。

 

「アニマさんのことは大先輩として尊敬してます。これ言うと何故か怒られますけど」

 

:まあせやろな(深々と頷く)

:アニマさんじゅうはっさい。

:相手の立場に立って考られるようになりましょうって通信簿に書かれたことない?

 

「よく分かりましたね……………………なんで?」

 

:腕を組んで首を傾げるな。

:なんでだろうなぁ不思議だなぁ。

:マジレスするけどそこで首傾げるからじゃねえかな。

 

「解せぬ……」

 

:そこは解せよ。

:というかよくアニマが可愛がってる魔獣を借りられたな?

 

「アニマさんは有料で眷属魔獣のレンタルをやってますよ? 紹介制なので知名度は低いですけど」

 

:え、マジ? 興味あるんだが。

:冷静になれ。まず紹介制だ。アテはあるのか。

 

「あとで動画の概要欄に情報張り付けておきますね? 配信を続けます」

 

:うーっす。

:ワンコとれんれんちゃんが向き合った。

:人を食いそうなデカわんこと美少女 (推定)のファーストコンタクト。

:まあ魔女 (?)と魔女の猟犬だし相性は良さそう。

 

「そ、それではベルーガさん。今日はよろしくお願いします」

「バウッ!」

 

:犬相手でもキチンと頭を下げれて偉い!

:見かけは犬だが知能は高いからなー。ナメた口利いたらヘソ曲げてボイコットくらいはやる。

:やっぱ魔獣ってヤベえな。

 

 †《仮契約:ブラックドック》†

 

:データを開示します@みそP

 

 【基礎データ】

 種族:ブラックドッグ(ベルーガ)

 位階:18

 【スキル】

 《黒妖犬》

 《天性》

 《魔女の愛し仔》

 《狩猟術 (初級)》

 《仮契約:れんれん(仮)》

 【耐性】

 耐性:闇、火

 弱点:水

 

:強い(確信)

:Lv.18……アニマはこんなのを三桁は揃えてるのか。

:賭けてもいいけどレンタル料金エグイっすよこれ。

 

「もっと強い仔もたくさんいますよ? ベルーガくんは若手のホープくらいの格付けです」

 

:やっぱ古参Dtuberはどいつもヤベェわ(確信)

:生存競争 (物理)を勝ち抜いてきただけはあるんだなって。

:とりあえずこれで前衛兼索敵要員確保か。

:これだけでも大分補強できたな。

 

「それじゃもう一つテコ入れといきましょうか」

 

:もう一つ?

:まだ助っ人が?

:助っ人にもう一つなんて使わんだろ。

:推しへの課金にほんま躊躇ないなこいつ……。

:今まで何人の素人ゲストを冒険者沼に落としてきたことか。

:やっぱこいつが一番ヤベーんだよなぁ。

 

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