透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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106.例えば、眠れるセクシーフォックスが塔の上からラプンツェルなんてシチュエーションもアリエル。

 

 

 

 

皆様は例のシーンでの選択肢

 

"私の大切な生徒に何してるの!!"

"私の大切なお姫様に何してるの!!"

 

はどちらを選びましたか?

自分は「お嬢様願望の前振りもあったし魔女のまま終わらせたくねぇ……でも1人の生徒を特別扱いするのは………」とリアルに3.4分悩んだ末に「気持ち悪いけど……」と思いながらにお姫様を選びました。

 

 

 

 

 

お姫様で思い出しましたが今回のタイトルはグリム童話!グリム童話とシェイクスピアの方だから!だから規約違反での通報は勘弁な!

 

とりまこの作品が消されたらニワカ■■■■ーオタクのせいだと思うんで!規約違反者一覧の内容を見てみてね!

 

 

──────────────────────────

 

 

 

百合園セイアは夢を見た。

 

 

「覚悟………覚悟か………」

 

キヴォトスの過去あるいは現在あるいは未来、入り乱れたそれはどこからが起こり得る未来でどこからが過ぎ去った過去か………それすらも定かでは無い。ある事象を除いて。

 

 

「それならば出来ている……共に進むとあの日誓ったのだからね。」

 

知らぬ世界の知った少年の過去。

誰しもが完璧に産まれる事を義務付けられた世界に望まぬ才能(祝福)と引き換えに人に忌まれし存在となった者の半生を。

 

「"あっそ………本当に知ってんならどうするべきか分かるよな?"」

 

「もちろんだとも、私は君の次に君を識っているのだからね。」

 

セイアは変わらず最悪な顔色で訳の分からない事をぬかす。

 

「だから私は正直に話すことにするよ。」

 

正常に生え正常に動く四肢、真っさらな背中に色の揃った目と毛で覆われていない楕円の耳を持つ1人の子。

それがその世界での"人間"の誕生。

それ以外の条件で人から産まれる生命は「人モドキ」、「畜生」と蔑むべき忌み子であり、産んだ者も同様に蔑まれるべき存在であった。。

 

彼は正常に"人間"として産まれた。それなりに裕福な貴族の家庭に産まれ順風満帆とは言わずとも不自由な人生を送る事はない………はずだった。

母の命が尽きると共に誕生した彼がその家の者に祝福される事はなく、家での居場所など存在しなかったのだ。

 

それでも彼は自由であった。白い目で見られながらも家を練り歩き書物を漁り知恵をつけ、肉体を鍛え、身を立てるため数々の危険を犯した。

そしてその世界を知りたいという好奇心こそが彼が忌むべき存在へと身を窶す原因となった。

 

迷宮……現実を知らず一攫千金を夢見る若者や借金づけで後がない中年、金の亡者の終着点………彼は前者だ。なまじ実力があり幾度も生還を果たした彼だったが、ある時ついに油断し、そこであっけなく人生を終えた。

 

祝福と呪いは表裏一体。左眼に授けられた祝福は化けの皮を剥がし彼から肉体的な死を奪った。本性を表し変質したそれは彼に社会的死を齎した。

 

そこからは苦難の連続であった。

 

そしてその過程で彼は─────

 

 

「"そうか………知っているか百合園?俺のいた所では水と氷が扱えた者は一部で重宝されたんだぜ?"」

 

一線を超えた。

 

「そうらしいね。」

 

「"ま、ここの場合、もっと良い手段があるんだけどな。"」

 

「ああ、それも見たよ。話を戻しても良いかい?」

 

「"聞くだけ聞いてやる。"」

 

ベッドの傍らのハンドベルをGOKにしまう。余裕のない余裕表情がムカつく。

 

「私は見たものを伝え、君と契約を結びたいと考えている。」

 

「"契約?"」

 

「そう、契約………内容は先生の過去を他言しないというものだ。」

 

何言ってんだこいつ?あまりに俺に都合が良すぎるだろ。

 

「何、こちらにも利はある。まず一つ、進むと誓ったからには私は死ぬ訳にはいかない。二つ、先生にはこれからも先生を続けてもらいたいと思っている。」

 

「"お前頭がおかしいのか?"」

 

「一概に否定出来ないな。今の私は繰り返し夢と現実を行き来しすぎ自身の立つ世界がどちらかすらも知覚できていないのだからね。」

 

ロードの度に変な場所で再開するクソゲーやって頭がおかしくなった訳だな。

 

「"ここを夢と信じてお遊びチャートに走ったって訳か……残念ながらこっちが現実だ。"」

 

「夢の中で何度もそう言われたさ………まあ、夢現のどちらにせよ捨てるつもりない。だからこそ先に述べた通りの事を行う。」

 

どういう理由かどこまでかも知らんが、少なくともセイアは向こうの俺とユスティナのヘイローを喰った辺りは確実。

持ちかける契約の内容的にそれ以上を見た可能性は高い。

マジで分からん。

 

「記憶の入り乱れた私だ、いつどこで私が先生にボロを出すとも分からない、それが第三者もいるところであった場合、君は何をするか知っているだろう?ならば先に二人で話し闇に葬り去っておこうと思ってね。」

 

簡単に見透かして来やがる、流石は政治やってる奴だ。いや、一度見た未来通りに走ってんのか?

 

「"お前しか知らねぇ体の状態を信じろと?"」

 

「そのための契約だよ。知っての通り「キヴォトスでの契約」は絶対のものだ。君は倫理を無視できるだけで倫理や理性そのものは存在しているからね、これこそが私の取れる最善の選択肢だと考えている。」

 

「"人殺しを野放しするのが最善ねぇ………"」

 

「確かに君は多くの人を殺めてしまった、あの世界が間違っていたとしてもその事実は変わらない…………それでも私は君を責める気にはなれない。」

 

(風紀委員長の言葉を曲解し死の免罪符にするのはどうかと思うがね。)

 

「"その方が良い、俺を害そうとした愚か者共は全員地獄に行ったんだからよ。ただ一つ言えるのは俺はこっちでもあっちでもアウトな事やって、あいつらは少なくとも向こうでは勇敢な戦士様って事だ。"」

 

同情するぐらいなら完璧に死ねる方法を予知しろって話なんだが?

 

「"ま、いっか………そういや未来見えるってんなら聞きたかったんだが、連邦生徒会長ってバカ女は戻って来てたか?"」

 

「少なくとも私が観測できた記憶の中には居なかった。」

 

「"そうか、そりゃ良かった。"」

 

「けれど予知は予知であって確定事項ではないよ。」

 

「"的中率100%なら宝くじの1等の番号を覚えて来て欲しかったけど残念だ。……そんで、結局先生を続けてもらう為ってのはどういう意味だ?"」

 

契約を結ぶ事により自分のこの場での生存を確定させる……これは分かる。

先生を続けて欲しい……これが分からない。

 

元よりアリウスのゴタゴタがどうにかできるまで辞めるつもりはないが、俺がこの役職にいる事を"自身の利"とした理由が分からない。

 

「キヴォトスの終焉を見たんだ。」

 

「"ん?"」

 

「天から巨大な塔が飛来し、虚空が緋色に染められ─」

 

「"紅に染まるのか!空が!………え…それ■■■■■■みたいじゃない?ファンのみんなはどう思う?"」

 

「隙あらば敵を作るような発言をするのはやめないか?」

 

「"え〜……しゃあないなぁ、心の中に留めておいてやるか。"」

 

おはらいだああぁぁぁぁ!!

 

「"ほんで、紅に染まったキヴォトスはどうなったん?慰める奴おったんか?"」

 

「不吉なその塔がまるで悲鳴を上げる様に鳴動し……この世界を少しずつ削り取って……そうして世界の破片を「何か」に被せていった。

削られた世界の破片が嵐の様に吹き荒れる中で、黒い光が天から舞い降りて世界は終焉へと傾いていく………そうしてキヴォトスは塵一つ残さず虚空へと消えた。」

 

やっぱこいつちょっと厨二病入ってるよな?

 

「"OK OK.つまりはミキサーとかシュレッダーみたいな感じね。"」

 

「それが私の見たキヴォトスの終焉の一つだ。」

 

「"一つ?"」

 

「ああ、大抵のキヴォトスは紅い空と不気味な塔により消滅する。とはいえ、何処と何処が繋がっているのか見当もつかないがね。」

 

レアパターンあるんだ。

 

「"ん?………俺が教師続けるのと何も関係なくね?"」

 

「結果だけ見れば関係ない様に思うかもしれないがそこに至るまでの過程はそれぞれだ。」

 

「"あれ?またオレ何かやっちゃいました?"」

 

「ああ、先生が駒込ピペットを手に横たわる風紀委員達の上に佇んでいた世界もあったね。服装や眼帯の着用を見るに起こり得た過去だろうか?」

 

マジでやってますやん。

 

「先生がサンクトゥムタワーの権限を握りキヴォトスを混乱に陥れた事もあったね。」

 

「"ネタバレは困るぜ〜セイアちゃん………あ、それって止めといた方が良い?"」

 

「出来ればね………」

 

OKならやるか。

 

「他には調印式当日に先生が失踪した世界ではトリニティとゲヘナの両校が壊滅した事もあった。」

 

「"そりゃあ辞めたくなりますよ〜こんな仕事〜。"」

 

「だがそれではダメなんだ。私の夢で見たアレはキヴォトスに存在し得ない……キヴォトス外部から到来した理解も想像も及ばぬ存在………

私の推測だがアレを招いたのは「ゲマトリア」彼等が外部から呼び寄せ終焉に導こうと考えているのではないかと考えている。」

 

百合園の言いたい事が段々分かってきた。

 

「"つまりパワーバランス的にマズイから辞めないで下さいお願いします!耳をモフモフさせてあげますから!……って事だろ?"」

 

「前半部分に間違いはない………。」

 

「"俺は後半部分こそ合っていて欲しいんだが?"」

 

「私としては全て間違っていて欲しい、現状君を除けば我々に対抗手段などないのだからね。」

 

「"話を逸らすんじゃねぇ………モフらせるの?モフらせねぇの?ハッキリしろよ。"」

 

「ならば腰を折らないでくれるだろうか?………………分かった、契約の後に必ず。」

 

ゲマトリアとのパワーバランスを考え俺が仕事を続ける為に過去は漏らさない。ミミもモフらせてもらう……これもうやること一つだろ。

 

「"よし、今すぐ契ろう。"」

 

「恐ろしく軽いな!?」

 

「"そりゃあそうだろ、やることは変わらない。ゲマトリアは俺が潰す、シャーレを続けるのはそこまでで構わんだろ?"」

 

契約を結びゲマトリアを壊滅させる。そうすりゃパワーバランスもクソもない。

いつでもシャーレは辞められるし一石三鳥な契約だ。

 

「それで構わない。今のトリニティの状況は定かではないが、私個人はこれから情報を集め────」

 

「"じゃ、お前の死後は契約が破棄される事にしよう。"」

 

「君に損があるのかい?」

 

今の状態の百合園の情報収集の手段は一つしかない。

全く……高潔なんだかただのアホなんだか………。

 

「"別に死ぬのは勝手だぜ?でもこっちにもやって欲しい事があるわけよ。だからキヴォトス救いたけりゃ俺の条件で契約しろ、ティーパーティーの元ホスト、百合園セイア。"」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

あんなことは言ったが、ちょこちょこ話し合い、百合園セイアと俺との間に無事契約が成立した。

 

内容は至ってシンプル。

許可無く俺の過去を他者に話さない。

ゲマトリアの脅威が無くなるまで俺は自分の意思でシャーレを続け無ければならない。

途中でシャーレを解任された場合はトリニティに所属しゲマカスの対象及びトリニティの治安維持をしなければいけないそうだ…………それこそ無理では?

サンクトゥムに仕込んだ爆弾を使うことになりそうだ………。

後は連邦生徒会長とかいうアホ女が戻って来ないかの運ゲーだな。

 

 

 

罰則は

百合園がやらかした場合は俺が文字通りの意味でトリニティを殲滅する。(もちろん抵抗可)

俺がやらかした場合は奴隷でも何でも言われた事は絶対服従。

 

 

百合園が死ねば契約は破棄される。

 

 

 

 

 

「"てことで、早速モフらせてもらおうか………。"」

 

百合園の耳にゆっくりと手を伸ばす。

 

「……………ん。」

 

百合園の眉が上がる。どんな感情であれどうでも良い。

ただ一つ言えるのはケモミミとは至高である。

まずは手触りを………百合園の小さい顔面と同じくらちのサイズの耳の裏に五指を添え、眠った赤子を起こさぬように撫でる時と同じくらい丁寧にゆっくと上下に動かす。

短いながらも耳を覆う無数の毛、その一本一本がサラサラとしていた。

 

なんちゅうもんを触わらせてくれたんや……なんちゅうもんを…これに比べるとラグマットなんてもんはカスや!

何がお値段以上だ馬鹿野郎!

 

………いや、やっぱ寝込んでいたせいかほんの少し油っぽい気がする………だが、ケモミミとは毛並みのみに留まらず!

軽く押さえつけると反発してくる熱を持った生八ツ橋の皮の様な柔らかな耳!エエぞ!エエぞ!

 

何はなくとも山岡さんはカスや!

 

次は耳の内だ!

 

「ま、待ってくれ!そこは………!」

 

人差し指を外にかけ、ふんわりとしたそれに親指で触れる。

 

「"………やはりモフモフ感は死んでいるな……ニオイも嗅いでおこう。"」

 

「そこまで許可をした覚えはない!」

 

百合園は抵抗を見せるが当然病弱フォックスの押し返しなど通じるはずもなく。

 

「"スウゥゥゥゥ…………。"」

 

うん、不健康な人!食生活が偏りまくってないだけまだましか。

 

「"………まあ、うん……ありがとう。"」

 

「何故加害者の君がそんなにも不服そうな顔をしているんだ!?」

 

不服そうな顔をしているのはお互い様だ。

 

「"いやねぇ…爛漫フォックスとロイヤルフォックス………どちらのケモミミが優れているかと思ったが……今のお前は土俵にすら上がれねぇ。"」

 

「そうか……聞いておいてなんだがやはり話さなくていい。」

 

「"ファーストインプレッション、あれは悪くなかった。碌に風呂にも入ってないだろうにあれ程のサラサラ感と柔らかな触感………体調さえ戻れば伸び代がやべぇだろう。"」

 

「聞いてくれ。」

 

「"で、内側の毛………モフモフが死んでりゃもうチ◯毛に等しいゴミだ。"」

 

「チン……!勝手に触っておいてそれはあんまりじゃないか?」

 

「"そしてダメ押しに嗅いだニオイ………運動不足だ、いつも忙しなく動きまくってる健康優良児のイズナは汗はほとんど無臭に近くてな、耳からもシャンプーの匂いが感じられるほどだ……………今のお前じゃ比較対象にすらならないという理由が分かったか?"」

 

イズナ>セイア>山岡さんの鮎………悲しいがこれが現実………しかし、獣人とはそれだけにあらず!

 

「"逆転を狙いたいなら尻尾だ!尻尾!ほら、痛くしなからさぁ、優しくするから……ね?"」

 

「すまない、正義実現委員会だろうか?私の───」

 

「"待て待て待て待て!"」

 

スマホも奪っておくべきだった!

 

「"分かったよ批評は終わりだ!………ちょい冷静になってくれマジで話さねぇといけない事がまだあんだよ。"」

 

「確かに、自分の語りたい事だけを語るのは良くないことだ。」

 

百合園は自分の愚かしさに気付き呆れているようだ。

 

「"そうだぞ!反省しろ!"」

 

「……………手短に頼むよ。」

 

長々話した人間の言葉か……これが?

 

「"ちょっと知りたいんだけどさ、俺が初めてトリニティに来る前にお前が夢に介入してきたじゃん?そん時からお前は予知夢を見れてたのか?"」

 

「いや、これは私の産まれ持った力だ。」

 

予知夢と介入の二つ持ちとか欲張りか?

 

「"その時は時系列だのどうこうはハッキリしていたのか?………いや、的確な助言をしてたし整理はされてたのか………てかこっちの様子は見れてたんだよな?"」

 

「ああ。」

 

「"今のワンチャン過去視も含めれば更に………"」

 

「?……ああ。」

 

「"アレは見てないよな?"」

 

「…………アレとは?」

 

「"…………夜の自分磨き。"」

 

「………………………ああ、見ていないとも。」

 

「"……………ぁ〜。"」

 

絶対見られてるじゃん俺の刃渡り18センチ………。

 

「"…………よし、それで話なんだが、お前のその予知夢や夢への介入……その力を捨てる方法を全力で探るべきだ。

お前自身分かってるだろうが夢を見続けるというのは脳が休まっていないということだ、そんな状態が続けば間違いなくお前は過労で死ぬ。"」

 

温度差で風邪ひきそうな話題に百合園は「随分と無茶な事を言う」と言いたげな顔で頷く。

俺と契約を結ぶ時点でそっちに意識は向いているはずか………まあ、忠告はしておいて損はないだろう。

 

「"夢への介入もだ。最近俺の夢にゲマトリアのメンバーの1人、マエストロが入って来やがる。"」

 

俺が寝てい間に夢の中に現れたかと思えば何かよく分からん絵の技法だの名画の解説だかをベラベラと語りってくる…………終いにはヘルメット団を使ってシャーレの前に美術の教科書を置き配して行きやがる。

 

「それは本当かい?」

 

嘘バレ宿儺?

 

「"ああ、だがそれは声のみで…なんだぜ?その意味が分かるか?"」

 

百合園は顎に手を当て考える。ブカブカの服なので正しくは袖だ。

 

「"因みにそいつは木製の球体関節人形みたいな見た目でな、調印式会場の地下でバラバラにして適当に燃やした……その後に訳あって頻繁に声のみで夢に介入してくるようになった。"」

 

百合園の耳がピコる。

 

「やはり夢の中で死ねばただでは済まないか…………」

 

「"ああ、夢現の判断がつかない今のお前に意味はないが気をつけるに越した事はないだろう?"」

 

「そうだね、ありがとう先生、忠告は受けとっておくよ。」

 

「"じゃ、話のお触りいきますよ。"」

 

う〜ん、これには話の触り警察もニッコリ!

 

「"近々行われる聴聞会とやらにミカは出ないつもりでいる、理由はシンプル、ナギサが擁護する事によるティーパーティーの立場を危ぶんでの事…………ってのは半分建前で半分本音だ。じゃあ残りの5割は何だか分かるか?"」

 

「私達が理由の半分だとすれば、やはり彼女に向く憎悪だろうか?蝶よ花よと甘やかされて育ってきた彼女に今の状況はさぞ辛い事だろう………。」

 

「"すまん言い方が悪かった、理由の半分はお前だよ百合園。

お前に謝れてない自分は許されない、お前に恨まれてるってな感じに悩んでらっしゃるのよ。"」

 

「謝る?恨み?………私は既に彼女を許したはずだが?」

 

本当に分かっていないという顔だ。

 

「"それは能力故の混乱か?それとも自分の考えは相手も理解してくれてるっていう残念な頭の人?言わねぇと分かんねぇ奴もいるんだぞ?まあ、言っても分からねぇ奴もいるがな。"」

 

そして言っても聞かないのが俺だ。

 

「君に言われるのは大変遺憾ではあるが否定は出来ない。あれが夢であれ現実であれ彼女が私を理由に追い込まれている現状を理解しながら私は「ごめんね」の一言も言えなかったのだから………。」

 

個人的に百合園は一方的な被害者にしか見えんのだが随分とお人が出来てらっしゃる。

 

「ミカに会いたい、先生が先程盗ったベルで外の者を呼んでくれないか?」

 

「"待ち時間にお前は何するつもりだ?"」

 

「久しぶりに人と接し過ぎた………悪いが少し横にならせてもらうつもりだよ。」

 

「"お前やっぱバカだろ?お前は数十分後に起こされて起きれるか?俺なら無理だね!そもそもお前の話が本当なら寝たとこで無限に情報が流し込まれるせいで休まらねぇ脳を休めて何になる?って話じゃね?"」

 

「理屈は分かるが鬼かい君は?」

 

「"状況が状況、相手が相手だし外の奴呼んだところでゴネられたら面倒だろ?その点俺はナギちゃんにお使い頼まれてんだしそれの報告ついで伝達すりゃOKじゃん?"」

 

「……………つまり?」

 

「"忘れたか?俺はお前の椅子だぜ?今日に限っては車椅子にでもなってやんぜ。"」

 

「…………君は何を言っているんだい?」

 

これは致命的だ………日常会話すらままならないほどに耄碌した百合園をよそにナギサに電話をかける。

 

「"あ、ナギちゃん?今百合園んとこ居るんだけど、とりま今から百合園をミカの所連れて行くからよろしく!じゃ、切るね。"」

 

「はい!?えっと、それは一体どういう────」

 

「"ヨシッ!報告終了!行くぞ百合園ォ゙!"」

 

「何を聞いて良しと言ったんだ!?」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

クーデターの犯人と要人の療養施設が滅茶苦茶近いはずもなく……気分はランナー………ランサーのサーヴァント……いや、ちびっ子を抱えているから激辛麻婆大好きエセ神父の方が適切だろうか?

とりまそのくらいの速度で運動を兼ねて疾走中。

当然変な目で見られているが特に問題ない。

人の目云々は既に慣れっこだろうから別として、絶賛お姫様抱っこ状態で高速移動をする百合園は意外にも涼しい顔をしている。

 

「"意外だな、病弱フォックスのくせにこういうのは得意なのか?"」

 

「得意も何も私からすればまだまだ速度が足りないくらいだ。」

 

生意気フォックスめ。

 

「"言ってくれるなぁおい、速度上げるか?"」

 

「それよりも先にイヤらしい手つきで尻尾を触るのを止めてくれないかい?」

 

無言で速度を上げる。

イズナと違いサラサラとした尻尾はかなり新鮮である。少しツルリとするのはご愛嬌。

 

「よもや私の尻尾を触る為だけにあの様な提案をしたわけではないだろうね?」

 

「"やだなぁ、よくよく考えて見てくれよ、背中と膝関接だけ盛って走ればお前の尻尾はミンチになってしまうだろ?"」

 

膝関節側の手は割と自由の利くし百合園も疲れない!謂わばこれは優しさだ。それをヤラしいとは失礼にも程がある。

 

「分かった先生、それならばこちらにも考えがある。」

 

そう言うと俺の手からは百合園の尻尾がスッポ抜けた。

そして間もなく、尻尾は俺の進行方向ににチラっと現れた。

 

「"自分の体にでも巻くつもりか?"」

 

「歯を食いしばりたまえ。」

 

「"は?どうしたきゅ──────"」

 

ビュン!   パシンッ!

 

鞭が空を切る様な音とそれが何処かに打ち付けられた音、そしてブライの叫び声が周囲に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"ぎゃあああああああああああっ!!!!"」

 

 

 

ズサ──────ッ!

 

 

 

自分の大好きなケモ尻尾でアレに鞭を打たれたブライは痛みのあまり膝から崩れつつ地面を滑る。

速度を出していた事もあり下半身のダメージ具合は悪化してしまったが、どうにかその手に抱えたセイアだけは守りきった。

 

「"き……金的は無しだろ………神秘がねぇと死んでたぞ………!"」

 

「忠告はしたはずだよ?」

 

「"歯を食いしばっても痛てぇだろ!"」

 

「ふむ、それほど痛むのならば救護騎士団の者でも呼ぼうか。」

 

「"いらん、色々な意味で。"」

 

見る趣味はあっても見せる趣味はないし、痛みはすぐ引くが奴が来れば傷が増えるし…………。

 

「"はぁ………移動を再開する、尻尾をどうにかしろ。"」

 

「了解した。」

 

百合園がフリーなお手々で自分の尻尾を持ったのを確認し移動を再開する。

 

 

 

 

 

神域状態の上杉謙信の様な速度走ること約5分。

 

「分かってはいたが、見ていてあまり気分の良いものではないね。」

 

自分の尻尾を手に持つ人間不信の百合園は遠くに見える暇人の群れをみて呟く。

 

「"それに超邪魔だし!1回脅し………穏便に追い払ったんだぜあいつら?"」

 

あいつらは時間経過でリポップするモンスターか何かだろうか?

 

「"あ〜〜あーー……あぁぁぁ、ま〜た汚しちゃってさぁ……可哀想だし今回は手伝ってやるかぁ………。"」

 

「何か良からぬ事を…………考えているね……。」

 

「"何を言う、ただの高圧洗浄だ。"」

 

そう、ただの掃除だ。そりゃあそうだろう、だってナギちゃんには「穏便に」と言われたのだ。

だからこれから行うのは野蛮な「対話」でも「救護」でもない穏便に終わらせ為のただのお掃除だ。

 

後ろ2列ぐらい狙えば良い感じにドミノ倒しになるかな?

 

 

 

 

 

 

 

「"今から〜高圧洗浄を行いまあぁぁすっ!!みなさんどいて下さ〜い!はい、3.2.1.GO!"」

 

 

 

 

海よ、私は帰って来た。

 

デモ隊約10m後方の両端に2本の極太ゲロビがシャアアア!っと射出され交差する。

 

真ん中の人はお気の毒に……と、言ってやりたいところであるが予告もしたし、猶予も与えた。

ならば自業自得だ。「危ないですよ〜」とご丁寧に置かれた三角コーンと黄色と黒のシマシマの棒の内に入るマヌケはケガしてもしょうがなし!

思った以上にドミノ倒しにはならずプチパニックになっただけだがまあ良いだろう。

ぶっちゃけ長く面倒な話を聞かされまくった八つ当たりの様なものでしかないし、相手はこちらを打てない。撃つ勇気云々ってのもあるがそれとは別に今の俺はティーパーティーのサンクトゥス派首長、百合園セイアを連れているだから。

 

余程のバカがいない限り銃声一発も響かない………うん、これは誰がどう見ても穏便だ!やればできる子!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"ミカァァァ!百合園連れて来たよぉ〜〜!"」

 

 

 

窓が空いていようがいなかろうが聞こえる様にあらん限りの声で叫ぶ。

 

 

 

「セイアちゃん!!」ガシャン!

 

 

 

百合園との対面を待ち望んでいたミカが聴き逃すはずもなく、ミカは外に鉄格子のついた内開きの窓を勢いのままに外開きにした。

 

憎い相手と尊敬する奴、そしてそれの対面を全力で援助する俺!胃が痛いねぇ〜敬虔なるサンクトゥス派!それを感じる暇があれば良いけど。

 

 

 

 

「"3秒待ってろ!"」

 

 

 

フルスピードで走るのが俺の人生だった。

半端なドミノと俺とミカの登場で未だワチャる暇人の群れにスピードを落す事なく進み続ける。

 

 

ブライの前方に斜面が現れた。

 

 

「"百合園、今から口開けんなよ舌噛むぞ。"」

 

宣言から間もなく、ブライの体には着地の際のちょっとした衝撃が足を伝い全身に走る。穏便に解決するノルマを課せられたので仕方なく跳び越える事にしたのだ。

そしてブライはセイアを降ろし、前でも後ろでも問題が起き混乱している近くの正義実現委員会に押し付けた。

 

 

「"はい、トリニティの要人、危ないからこいつ連れてちょっと離れてて。"」

 

「セイア様!?はい!?えっと……え?」

 

「待ちたまえ、君は仕事を終えたはずだ。これ以上何をしでかすつもりだ?」

 

「"ショトカ。"」

 

「答えになっていない……。」

 

「"あいつがお茶濁ししないために監督すんのよ。"」

 

このまま帰っていつぞやの親バカナギちゃんモードで鬼電されても面倒だからな。

 

 

 

 

「ならばショートカットというのは─────」

 

 

 

 

 

 

「"来い!!!ミカァァ!!!"」

 

一度言ってみたかった!だってミカは強いし、本家と母音も被ってるし、超強いし!それに3階ぐらいならイケるだろ。

 

ミカがいるのは3階。余程の事がなければ普通は飛び込むわけがない。

しかし、ミカは飛び込んだ。

 

数多の敵を払い除け、セイアとの会合(自身の願い)を叶えてくれた者が目下で両手を広げる状況は、お姫様願望を秘めていたミカのメルヘンな頭をバグらせるのには十分な劇薬だったのだ。

 

 

 

何が実写版◯◯◯じゃい!

こちとら塔の上からラプンツェルやぞ!

強い姫がうんたら言うならこのぐらいやって見せろ!

ミカ!お前がナンバーワンだ!

 

 

 

そしてブライは自身の発言を若干後悔した。

 

 

「"んんん"ん"ん"〜!"」

 

 

柔らかいなんて感想はねぇ──ただひたすらに重い!これは────スーパーノヴァを優に越える!?

 

160cmの女性の平均体重は約56キロ。一階一階がお高い天井を持つトリニティの建物の3階からそんなものが降ってくれば構えていたとて「痛い」では済まない。

 

持ってて良かった神秘さん!ちょっと体内から変な音がなったけどセーフセーフ。以前なら手足……少なくとも足はヤバい方向に曲がっていただろう。

 

そんな事を考えながら受け止めたミカを降ろす。受け止められた側もそれなりに痛いのでは?

 

「ありが───」

 

「"後で良い後で良い。それより先に言うべき事を言うべき奴に言いなさいな。"」

 

「うん!」

 

GOKから出した2脚の椅子をミカに受け渡し暇人達の方へ振り返る。

 

「"この先、百合があるぞ!………故に敬虔で善良なる者以外立ち入り禁止だ……俺達は入れない………邪魔立てするならば穏便に暴力だ!"」

 

 

 

この後、ミカと百合園は互いに謝り合い少しの世間話の後に百合園の体調を理由に解散した。

 

百合園を送り届けた後、ナギちゃんへ報告に行きミカの件は感謝されたがハイドロポンプについては少し怒られ、セイアを連れて爆走した事は滅茶苦茶怒られた。

ミカとセイアの大々的な和解のおかけでミカに文句を言えなくなった奴も出てくるだろうし良いじゃんね?

 

 

 

ま、何はともあれ、これにて一件落着。

これで心置きなくアリウスの捜索に戻れるというものだ。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

穏便(当社比)に行こうとするとダメージを受ける男(自業自得)

 

 

 

皆様はどの程度のケモキャラのケモ度合いまで澄み渡った空に白線を描けますか?

私はケモナーではないので顔がケモミミ付き人間なら余裕、首から下に体毛びっしりならギリギリ、マズルやくちばし等があればNOです。

 

例外中の例外としてBEASTARSのジュノちゃんはイケます。直接的なエロ描写のあるハルちゃんではイケません。

 

宗教上の理由でブルアカのイブキで白線出来ない方はケモナーであればBEASTARSかゼノブレイド2のイブキで白線を描く事をおすすめします。

 

 

アンケート機能のお試しです。皆様はブルアカの最高レアリティの出る封筒は何封筒と言っていますか?

  • 紫封筒
  • 虹封筒
  • ピンク封筒
  • 百鬼夜行のピンク髪メカクレモブを実装しろ
  • ベアトリーチェはよく見ればシコリティ高い
  • いいからお前は全国のタカハシさんに謝れ!
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