透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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12.大人(気無い人達)の戦い

 

IQはオレがおいてきたハッキリいってこの闘いにはついていけない…

 

──────────────────────────

 

 

現在、あの一件の後に入院する事になった柴大将のお見舞いに来ている。

 

 

 

「こんにちは、大将。お見舞いにきました。」

 

「大将、大丈夫?」

 

「"持ってきておいて何だけど、ぶっちゃけリンゴより梨の方が嬉しいよな!"」

 

「セリカちゃん、アヤネちゃん、それに先生も。早い時間からありがとう。」

 

あの時は壁にもたれ掛かりながら移動していたが大丈夫なのだろうか?

 

「セリカちゃん…バイトできなくなってごめんな」

 

「別に…それは…」

 

「"店と自分の心配をしてくれ。"」

 

「あんなの、かすり傷みたいなもんだし、店も近々畳む予定だったんだ。それが少し早くなっただけだ。」

 

何でも無いように大将は言う。

 

「"なんでだよ!"」

 

俺が通い詰めて破産させるつもりだったのに…

これではただの一人相撲だ。

 

「ああ、少し前に退去通知を受け取ってね。」

 

「!?」

 

「退去通知って何の話ですか!?自治区内の建物の所有者はアビドス高校で…」

 

「"今はカイザー社が持っている……という訳か"」

 

今の所それしか候補が無い。

何かしらの方法で土地の所有者となったカイザー社が、アビドスに知られぬように住人を立ち退かせていた。

俺を確保する為に、俺の滞在するアビドスについて調べたであろうアコが「いるはずない」と断言した事にも合点が行く。

 

「うーん…そういう名前の所から貰った気もするが…」

 

「セリカちゃん、先生、私は調べたい物があるので二人は先に学校に戻っていて下さい。」

 

流石アヤネ判断が早い!アヤネはとにかく判断が早い!

 

「それなら私も手伝う!」

 

「"分かった。俺もアビドス全員が揃った後に伝える事がある。"」

 

──────────────────────────

アビドス校門前

 

 

 

 

「あれ、先生?思ったより早かったですね☆」

 

別の場所で、蔑んだ感じで言って欲しい。

 

「"ノノミもな。また掃除か?"」

 

「はい、なんだかじっとしていられなくて…大将は大丈夫でしたか?」

 

「体の方は問題なさそうだったぞ」

 

「…そうでしたか、それは良かったです。大勢で押しかけるのも迷惑ですしね。落ち着いたらシロコちゃんやホシノ先輩と伺うとしましょう。」

 

ノノミの口から急に常識的な事を言われて脳がバグる。

 

「体の方は という言い方が少し気になりますが、後ほどみんなが揃った時にでも教えて下さいね。」

 

「"鋭いな。勿論、後で話すつもりだ。"」

 

「…思えば先生がいらっしゃった頃から、色々な事が変わった気がします。良いことも嬉しい事も…様々な問題も…」

 

確かに進めば進むほどに問題は増えていく。俺もここまで長期戦になるとは思わなかった。

 

「暗い話をしてすみません。それでも私達は進むしかありませんし…先生も、一緒にいてくださいますよね?」

 

「"俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その横に俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ…"」

 

膝枕をされるまでは帰る気ないぞ

 

 

ザザッ

 

「ノノミ、先生」

 

右手の人差し指を天に掲げようとした時、チャリに乗ったシロコが帰って来た。

 

「シロコちゃんも早かったですね?」

 

「うん、ホシノ先輩は?」

 

「学校の何処かでお昼寝中かと…」

 

いつも通りだ。

家の方がまともな寝具があるだろうに何でわざわざ

 

「そっか…」

 

シロコは何かを思考している。昼寝スポットに心当たりがあるのだろうか?

 

「…先生、大将の容体は?」

 

「"体以外がやべぇ、後で話す。"」

 

「分かった。じゃあ先に行ってるね。」

 

妙に早足だ。シロコが急いだ所で俺達は歩いて行くんだけどな…

 

「シロコちゃん…何だかちょっと…」

 

「"妙に急いでるな"」

 

トイレじゃないか?ホシノにデリカシーが無いと言われたばっかりなので口には出さない。

 

「やっぱり、先生もそう思います?何か不安そうと言いますか、焦ってると言いますか…」

 

「"俺だってヤバい時はあんな感じだ。"」

 

会話する余裕があるなら心配無いだろう。

 

「?」

 

「"ま、中入ろうぜ"」

 

 

 

─────────────────────────

 

 

ドン! バタン!

 

「今の音は!!」

 

「"どうした?"」

 

物音がした教室の方へ、ノノミは走って行く。俺もそれに追従した。

 

「ホシノ先輩!シロコちゃん!?どうしたんですか?いったい何が…」

 

元々部屋にいたシロコとホシノの間には気まずい雰囲気が漂っていた。

 

「ん、その…ホシノ先輩に用事があるの。」

 

「………」

 

「悪いけど二人にして。」

 

「うーん、それは駄目です☆」

 

さっきの物音といい、この雰囲気といい、ノノミの言う通り二人にする事は避けた方が良さそうだ。

 

「運命共同体である私達の中で「二人だけの秘密」みたいな物は許されません。」

 

「………でも」

 

「ですので、きちんと状況を説明してくれない悪い子には、お仕置き☆しちゃいますよ?」

 

ノノミの愛銃でダン□ン無印の一章の様な千本ノックでも行うのだろうか?

 

「う、うーん」

 

「…えっとねぇ…実はおじさん、こっそりとお昼寝してたのがバレちゃったんだよね〜。」

 

今更そんな事を注意するのか?

 

「今に始まった事じゃないと思うけど、最近ちょ〜っと寝過ぎてだったかも。それで少しね」

 

「あ、う、うん………。」

 

基本的にポーカーフェイスなシロコさんだが誤魔化すのは下手くそなようだ。

 

「にしたって、そんな怒らなくてもいいのに〜。シロコちゃんは真面目だなぁ……そろそろみんなが集まる時間だし行こっか。」

 

そう言ってホシノと、その言葉を聞いたシロコが教室を出る。

その際、シロコから何かの紙を手渡された。

 

「……何か言いたくない事があるみたいですね。」

 

「"誰にでも、言えない秘密の一つや二つはあるもんだからな"」

 

「…そうですね、私達も行きましょうか。」

 

 

 

────────────────────────

対策室

 

 

空気が死んでいる。対策室に居る5人は誰一人として言葉を発さない

 

ガラっ

 

「な、何この雰囲気?」

 

「…何があったんだですか?」

 

寧ろこっちが知りたい。

 

「い、いやそれよりも!とんでもない事が分かったの!」

 

「みなさん、これを見てください!」

 

柴関ラーメン含めアビドスの建物土地の所有権がカイザーコンストラクションにある事を示した書類だ。先輩組は酷く驚いて居る。

 

「所有権が渡っていないのは、この校舎と周辺の一部地域だけでした…」

 

「"マジ!?"」

戦国Berserkerの天下統一モードの終盤の様になっていた。

 

「自治区の土地の取引だなんて、普通できるはずが…いったい誰がこんな事を…」

 

本当に謎ばかりが増えて行く。

 

「アビドスの生徒会でしょ。」

 

知っているのかホシノ!?

 

「学校の資産の決定権は生徒会にある。つまり可能なのは生徒会だけだよ。」

 

「はい、その通りです。取引の主体は前生徒会でした。」

 

「何やってんのよ、生徒会の奴等は!学校の土地を売る?カイザー何かに!どうしてそんな事っ」

 

「借金の返済の為…そうやって土地を切り売りしまくった結果、アビドスの土地の大半はカイザーの手に落ちた。…罠にはめられたって事だ。」

 

全てカイザーの掌の上だった事を理解した皆の表情は暗い。砂嵐に関しては知らんけど…

 

「生徒会の奴等、どんだけ無能な訳!?こんな詐欺みたいなやり方に騙されて!」

 

ツッコミたいがノーコメントだ。

 

「私も、もう少し早く気付いていれば…」

 

「…ううん、対策委員会が出来るより前の話なんだからアヤネちゃんが気にする事じゃないよ。」

 

「"ホシノの言う通り、これは前生徒会の時の話だ。お前に責任はない。"」

 

「それで、ホシノ先輩は何か知ってるの?」

 

「そういえば!ホシノ先輩も生徒会でしたよね?」

 

「えっ!?そうだったの?」

 

「副会長だったと聞きました。」

 

「うへ〜そんな事もあったね〜。まぁ私が生徒会に入った時には、もう殆どの生徒会の人達は辞めちゃってたから。生徒会って言っても二人だけだったんだよ〜。」

 

そういえば何故ホシノは今も生徒会副会長なんだろう?そのせいか生徒会長の枠は今も不在だ。

 

「…その生徒会長は無鉄砲で、校内随一のバカで…私だって嫌な性格の新入生でさ。いや〜、何もかも目茶苦茶だったよ。」

 

困ったような顔をしているがとても楽しそうに語っていた。この時ばかりは昔を懐かしむおじさんって感じがした。 

 

「バカが生徒会長…?何それどんな生徒会よ?」

 

銀行強盗経験率100%の学校の生徒会だが?

 

「成績と役回りは別だよ、セリカ」

 

「そもそも、セリカちゃんも成績はそんなに…」

 

苦手笑いのアヤネが言う。そんな気はしてた。

 

「分かってる!一応ツッコんでおいただけじゃん!?」

 

成績が悪い事をバラされ赤面するセリカ。残念ながら多分みんな知ってる…

 

「正にその通りだよ。肩書だけのおバカさんが集まったたけだからね。」

 

便利屋の悪口はやめろ

 

「何の間違いだか、生徒会何かに入っちゃって…あの時はあちこち行ったり来たりだったねぇ。ほんっとバカみたいに、何も知らないままさ…」

 

拳一つでキヴォトス制覇を成し遂げるようとでもしたのだろうか。

 

「…ホシノ先輩が責任を感じる事じゃない。昔の事は良く知らないけど、アビドスに対策委員会が出来たのは、間違いなくホシノ先輩のおかげ。」

 

「う、うん?」

 

「ホシノ先輩は怠け者だし、色々とはぐらかしてばっかりだけど、大事な瞬間には必ず私達の前に立ってる。」

 

さっきもはぐらかしやがったからな

 

「そうです。セリカちゃんが行方不明になった時、真っ先に先生に助けを求めたのもホシノ先輩でしたし…」

 

「うへ〜そうだっけ?良く覚えてないなぁ」

 

「"あの日ホシノに不正アクセスを強要されたせいで俺は…俺は…"」

 

バレた時にリンの前でこう言えばどうにかならないだろうか?

 

「私、それ初耳なんだけど!?何で教えてくれなかったの!?」

 

「ホシノ先輩は色々と駄目な所もあるけど、尊敬してる。」

 

「それって褒め言葉なの?悪口なの?」

 

「"俺は?"」

 

「……信頼はしてる。」

 

少しの静寂の後シロコは絞り出す。残念ながら尊敬はされていないようだ。

 

 

 

そういえば完全に忘れていた。

 

 

「"話をぶった斬るが、聞いて欲しい話がある。"」

 

「先生?」

 

「ヒナ曰く、カイザーは捨てられた砂漠で何か悪巧みをしているそうだ。」

 

「そんなどうして、ゲヘナの風紀委員長が…」

 

「それに、どうして先生が?」

 

「ああもう、そんな事考えるより、先にやる事があるでしょ!」

 

こういう時のセリカは話がはやくて助かる。

 

「"ああ、愉快な遠足の始まりだ!"」

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

捨てられた砂漠を目指す途中ヘルメット団の縄張りに入ったようで団員皆様が襲い掛かってくる。

 

「"インディグネイション!"」

 

 

 

 

「"ネイション!"」

 

 

 

 

 

 

「"ション!"」

 

 

 

 

「"ン!"」

 

 

 

 

「その天光なんちゃらって、長ったらしい呪文って言わなきゃ駄目なの?」

 

「今までは言って無かった。」

 

「何だか魔法使いって感じがしますね☆」

 

「"格好いいし言わなきゃ駄目に決まってだろう。"」

 

普通に必要ない。即打てる訳でも無いのでそれまでの暇つぶしだ。

 

「おじさんには良く分からないな〜。」

 

元ヤンだからな、変な当て字の方が好きなんだろう。

 

「皆さん、前方に何かあります!砂埃ではっきりとは見えないのですが…とにかく大きな施設のような物が…取り敢えず肉眼で確認出来る所まで移動して下さい!」

 

 

 

アヤネからの通信が入り少し早足で前方にあるという建物まで移動した。

 

見えて来たのは軍事施設。ホシノ曰く、こんな施設は昔には無かったらしい。

 

「侵入者だ。」

 

「捕らえろ!」

 

「俺だって!」

 

「やらせるかよ!」

 

「大人しくしろってんだ!」

 

敵意マシマシのオートマタや所属不明の生徒?が湧き出て来る。

 

「挨拶は返さないとね。じゃあ…行こっか!」

 

「"…承知!"」

 

ホシノ号令を聞き各々銃を撃ち始める。

 

味方への被害を考えインディグる事は出来ない。威力を調整出来るとは言え、水で電気抵抗がどうだとか考えるのは面倒だ。

………ならば直接ぶち込むのみ!

 

バチバチバチィ!

 

「"今のはインディグではない…トロ……ん?"」

 

吹っ飛んだ敵は何食わぬ顔で立ち上がる。  何故?

 

「あれは…絶縁用防護具のようです!」

 

流石アヤネさんだぁ

どうやら敵は風紀委員会の一件を把握しているようだ。

 

 

 

どういう理由にせよ取り敢えず雷は使えなくなった。ならば……

 

 

 

 

 

 

「"岩ボコ戦法いきまぁす!!"」

 

 

 

 

俺は考えるのを辞めた。

 

 

 

 

岩は全てを解決する。

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

「チョロですね☆」

 

「"甘いぜ!"」

 

「チョロ甘だね〜。」「ん、チョロ甘」

 

「結構厄介だったでしょ!?」

 

「まぁ…先輩達ですし…」

 

セリカの言う通りそこらの不良よりも戦い慣れした感じの集団ではあった。が所詮はその程度。

 

「それにしても何だったんでしょうね?この人達?」

 

そう言いたいのはあっち側だと思う。

 

「"ヒナの情報がガセじゃ無かったら、カイザー関係の何かだろう。"」

 

わざわざアビドスを陥れたい悪女には見えなかったし、多分大丈夫!

 

「何らかのマークを発見しました。これは…」

 

「カイザーPMC」

 

知ってるのかホシノ!?

 

「!?先輩の仰る通り、カイザーPMCです。」

 

「PMCという事は…」

 

知っているのかノノミ!?

 

「"すまん、アメリカ語はさっぱりなんだ…"」

 

「PMCというのは、民間軍事会社の事です…」

 

傭兵のような物か……キヴォトスに傭兵多くない?

 

「ヘルメット団のようなチンピラとはレベルが違います。文字通りプロの軍隊のような物です。」

 

「退学した生徒や不良を集めて、企業が施設兵として雇っているという噂がありましたが、まさか…」

 

何で元不良がプロ並みに成長してんだ…身体が闘争を求めてんのか?

 

「侵入者とは聞いていたが、やはりアビドスか…思った以上に早かったな。」

 

「何よこいつ!?」

 

他よりもガタイが良いロボがゆっくりと歩いて来た。何となくだけど柔道とかやってそう。

 

「人の私有地に入り、暴れた事による被害額。君達の学校の借金に加えても良いのだが、まあ、大して額は変わらないな…」

 

「あんた、あの時の…」

 

またもや知ってるのかホシノ案件だ。

 

「確か、ゲマトリアが狙っていた生徒会長……いや、副会長か?便利屋やヘルメット団を雇うよりも良さそうだか、まぁ所詮はその程度だ…」

 

まーた、新しい単語だ。何だゲマトリアって

 

「…ああ、思い出したよ。君と…君の横に居た頭の悪そうな生徒会長のこともな…」

 

「ッ!!」

 

乗るな!ホシノ!もど…

一瞬険しい顔つきになり手に力が籠もったがホシノは耐えた。発言の内容的にも借金に関与する人物だ。不用意に手を出すことは得策ではない。

 

「あなたたちは誰ですか?」

 

「まさかこの私を知らないとは。私は、カイザーコーポレーションの理事を務めている者だ。つまり、君達が借金している相手でもある。」

 

「つまり、あんたがヘルメット団や便利屋を仕向けて、私達を苦しませて来た犯人ってなんでしょ!…あんたのせいで私達は!」

 

今日はセリカの血圧が上がりっぱなしだ。ホシノが耐えたんだ、いきなりぶっ放すのは辞めてくれよな

 

「私有地に侵入し、職員や施設に被害を与えておいて、最初に出て来る言葉がそれか…口の利き方には気を付けた方が良い。まずは、君達が行った行為を理解するべきだ。」

 

「…………」

 

誰も反論しない。

まあ、先日否定した風紀委員会と同じ事をやってしまった訳だしな

 

「話を戻すが、それがどうした?全て合法的な取引であり、記録も存在する。我々が不法行為でもいているかのような言い方は辞めて貰おう。」

 

悲しいけど、正論なのよね…これ

理事の言う通りルールの範疇だ。

 

「ここに来たのは、私達がここで何をしているのか気になったこらか?アビドスの土地を買った理由が知りたいのか?」

 

どうして悪役は目的を喋りたがるのだろうか?

悪役は長話が好きじゃないと務まらないのか?

 

「教えやろう、私達はアビドスに埋められているという、お宝を探しているのだ。」

 

「"馬鹿にしているのか?"」

 

「そんなでまかせ、信じるわけないでしょ!」

 

「それなら、PMCの戦力についての説明がつかない」

 

「ここにある数多くの戦車、兵士、火薬に弾薬。たった5人しかいない学校の為に用意するとでも?冗談じゃない、宝探しを妨害された時の自衛手段だ。」

 

冗談を言っている様には見えない。大企業が何年もかけて本気で宝探しをやろうとしているのか?…頭がバグって来た

 

「君達程度、何時でも、どうとでも出来るのだよ…こういう風にな。」

 

そう言って理事は何処かに電話をかける。

 

「残念なお知らせだ。君達の毎月の利子は来月以降は9130万円になってしまった。」

 

殴りたいこの笑顔

 

「ぇ、ど、どうしてこんな事に」

 

取り乱すアヤネを見るにそのような通知が送られて来たのだろう。

 

「これで分かったかな?君達の首にかかった紐が誰の手にあるのか。」

 

「ちょっと嘘でしょ!?本気で言っての?」

 

ヒナからの情報を話すことでこんな状況になるとは…

また俺は余計な事をしてしまったのかもしれない…

 

 

 

「そこで一つ提案だ。」

 

 

 

 

 

「結石の錬金術師…こちらに就く気はないか?そうすれば、今回の事を水に流し、利息も今まで通りに戻してやろう。」

 

何をバカな事を…

 

「お前はそこの副会長よりも価値がある。勿論それ相応の対価も払おう。」

 

「"一応…雇用条件を聞こうか"」

 

「先生……」

 

「"聞くだけ…先っちょだけ聞くだけだから…"」

 

興味本位だ。本当だ。

 

「くくっ、シャーレが薄給である事は聞き及んでいる。…月給は今の3倍!賞与は4.5倍を約束しよう。」

 

oh……いや、でも

 

「"超絶クソみたいな業務内容なんだろ?休みも無かったり"」

 

「仕事内容は基本的に先程のヘルメットへ落としていた雷をこちらが指定した場所に落とすだけだ良い。週休完全2日。社会保険完備。福利厚生も様々で交通費は勿論、住居手当、出産祝い金や育児休暇などもある。」

 

「"騙されんぞ!入ったら全部嘘だった!て言う可能性もあるし!"」

 

「その為の契約だ。このキヴォトスにおいて契約を破る事は許されない。」

 

そんな事をリンも言っていた気がする。アロナもゲームの利用規約を良く読めと口うるさく言ってくるし本当なのだろう。まぁ読まないけど…

 

「"そんなオイシイ話が...あると思うのか? 俺の様な人間に"」

 

「勿論だ。」

 

「"…マジか〜カイザー入りてぇ"」 ボソッ

 

破格の条件に思わず心の声が漏れてしまった。

 

「あんた…まさか裏切る気じゃないでしょうね?」 

 

「オンドゥルルラギドゥンディスカ!?」

本当に裏切るんですか!?

 

「ウゾダドンドコドーン」

嘘だそんなこと

 

「ドウシテドンドコド」

どうしてそんなこと

 

「フジャケルナ!モアイ!」

ふざけるな!もういい

 

うわっ…私の信頼、低すぎ…?

てか何でセリカ以外オンドゥル語なんだ…

 

「くくっ、ならば、私と契約して…」

 

「"だが断る"」

 

契約せずとも既に魔法使いだ。前世もカウントすると二つの意味で

 

「ナニッ!!」

 

その顔が見たかった…

それにしても鉄屑の癖に表情豊かな事だ。

 

「"このブライが最も好きな事のひとつは自分が優位な位置に立っていると思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ"」

アビドスの生徒共め!俺が裏切ると思うてか!

 

「愚か者め…」

 

ブライもそう思います。

 

「"でも超迷うから勝負をしよう。"」

 

「は?」

 

理事もアビドス一同も困惑だ。

 

「"俺が勝てば元の利子に戻す。お前が勝てばカイザーに入社する。"」

 

「ほう…」

 

カイザー理事は興味を示す。

回収するつもりも見込みもない金と連発可能なマップ兵器の加入、どちらを取るか等考える必用すらない。

 

「"種目は「ドッチボールだ。」

 

このロボットは頭がおかしいのか?

小学生の昼休みじゃないだぞ?

 

「"…まぁ、良いだろう。んじゃ試合中に降参した情けない奴には、自分の出来る範囲で相手の要求を一つだけ叶えるというペナルティをつけよう。"」

 

「良いだろう!」

 

こいつテンション高いな…どんだけドッチボールに自信あるだよ

 

「私と君との勝負だ。外野は必要ない。ボールの受け渡しのみを担当してもらうというのはどうかね?」

 

「"……まぁいいよ"」

 

ボール投げた過ぎだろ!こいつ前世はピッチングマシーンだったりしない?

 

「"勿論試合中の発砲や魔法の発動は禁止だ。"」

 

「勿論だ。契約を交わし直ちに始めるぞ!」

 

ブライと妙にノリノリな理事は契約を交わす。

 

 

 

 

契約書を書き終え、理事はニタニタしながら語り始める。

 

「くくっ…良いことを教えてやろう。…私はそこらのロボットとは違う!カイザーの理事を勤められる程ハイスペックなロボットなのだぞ!?偏差撃ちの精度や出力は他の者など比較対象にすらならない!」

 

スペック自慢をしだしたが、悲しい事に今から始まるのはドッチボールだ。

 

「それに加え、私はアビドスドッチボール大会6位のチームのエースを勤めていた!魔法を封じた貴様如きに負ける訳がない!」

 

こいつのドッチボールボールへの異常な情熱と自信は伝わって来た。

 

「"そ、そうか…"」

 

「ん、微妙」「微妙…ですね」「微妙だね」「微妙ですね☆」「びみょーだねー」

 

 

 

 

ああ…凄く微妙だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

決戦のバトルフィールド

そこに居る者は先生でも理事でもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       二人の戦士

 

 

 

 

 

 

 

 

戦士の決闘に小細工は必用ない。

 

必用なのは燃え尽きぬ闘志

闘い抜く覚悟

ただ相手を屠る為に培った技量のみ

 

戦士達の互いの誇りを賭けた闘いが今 始まる。

 

 

 

互いに回避の姿勢は見せない。ただ只管にぶつけ合うのみ。

 

「"流石はアビドスドッチボール大会6位のチームに所属していただけの事はある!"」

 

「抜かせ!エースである私の力はこの程度では無いわぁ!」

 

実力は拮抗している。

 

 

 

 

 

 

 

ように見えた……いや、そう見せた

 

 

 

 

 

………そろそろ狩るか♧

 

 

 

バコンッ!

 

「ぐっ!」

 

ズサッ

 

 

4割の力で投げたボールが理事の頭部に当たり、理事は後ろへ倒れた。

 

砂で擦れて少し痛そう。いや…痛覚あるのか?

 

「これって」

 

「ええ、先生の勝ちです!」

 

「やりましたね☆」

 

違う……

 

「……まだ闘いは終わってない。」

 

「シロコちゃんの言う通り…今のは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「"「「顔面セーフだ。」」"」

 

そう、ドッチボールにおいて顔面はセーフ判定なのは小学生でも知っている。

 

 

「試合を続け──ブフォ」

 

立ち上がって間もない理事の顔面に2球目が投げ込む。理事の顔に少しヒビが入った。今回は8割の力だ。

 

「"顔面セーフだ。試合を続けようか理事?"」

 

ブライは下卑た笑みを浮かべながら理事にそう告げた。

 

「貴様!神聖な試合で何を考えている!意図的に顔面を狙うなど明確なマナー違反だぞ!」

 

ドッチボールガチ勢怖い…

 

「"ルールの範疇…お前の好きな言葉だろ?"」

 

因みに俺の好きな言葉でもある。※自分が優位な時に限る

 

「では先程の馬鹿力はなんだ!?ただのゴム玉でヒビ等入るはずがないだろう!これは何らかの不正だ。」

 

自分がボロな鉄塊である事を棚に上げ、とんでもないイチャモンを付けてきた。

 

「"身体強化の魔法を使ったし当然だろうな。"」

 

「!?ならばこの勝負は「"ただし、試合の前からな。"」

 

「"俺は試合中の魔法の"発動"を禁止にしただけだろ?使用は禁止していない。"」

 

「…………」

 

「"契約内容は確認しないとぉw"」

 

契約前の理事との話合いの際に既に"発動させておいた"物なのでノーカンだ。これも理事が大好きなルールの範疇というやつだ。

 

「再開する前にお前のリタイア条件の話をしようか?…まずは借金帳消しから!」

 

「断る。」

 

断固とした姿勢。勿論こんな条件でリタイアしてくれるとは思っていない。

 

ならば顔に当て続けるのみ。3発程当てた所でもう一度交渉を行う。

 

「"じゃあ8億免除。"」

 

「断る」

 

 

 

 

 

そんな交渉を続け6億免除の提案まで断られてしまった。勿論ぶつける回数は徐々に増やしている。

 

そして、理事に動きが見られ、顔面に飛んで来るボールを自らの頭以外に当てようとするようになった。

 

「"負ける事ばかり考えてて楽しい?"」

 

「………」

 

先程までの自信は何処へやら、理事は何も答えない。減らず口を叩く余裕もないようだ。

 

そして遂に、理事の望み通りボールが足に当った。

 

「ぐっ………これで私の敗北だ…」

 

ダメージを受け地面に膝を着いているのに何か少し嬉しそうだ。

 

「"理事…今のボールはワンバウンドしたろ?セーフだよ。"」

 

「………」

 

その後、もう片方の足を潰した。

これでワンバウンドさえさせれば何処でも当て放題。

 

「"5億でどうだ?"」

 

「……断る」

 

両膝を地面に突いた理事は答える。

それを聞き理事の顔は勿論、顔の横スレスレにボールを投げ、恐怖心を煽る。

外したボールは外野がただ内野の俺に送球するだけ。

つまり、ずっと俺のターンだ。

 

「"4億"」

 

「…断らる」

 

断らぬと混ざっているんじゃなかろうか。

それはそうと攻撃は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くすると理事は介錯を待つ咎人の様に両膝を突き、頭を垂れている。

 

「"三億"」

 

「…………………」

 

理事は首を縦に振らない。

 

ここまで耐えたカイザー理事に敬意を表して15発以上ぶつけてあげた。

 

「"最後の提案だ。俺の面子も考えて2億と端数だけまけてくれ。"」

 

12660人の内の660人だって切り捨てられる事もあるんだ。このくらい誤差だ。

 

「…リタイアさせて下さい…」

 

垂れ下がった頭が遂に地面につく。流石エース。名に恥じぬ敗北者っぷりだ。

こちらにケツを向け隅っこで蹲ればリタイアせずとも済んだかもしれないのに…

 

「"はい終わりッ!お前らもこれで文句ないよな?"」

 

生徒達の顔は複雑な表情をしていた。

嬉しさは間違い無く存在するがそれよりも理事への憐れみの方が勝っている。そんな感じだ。

 

「…ん、」

 

ん?

 

「先生をあまり怒らせないようにしましょう…」

 

「そうね」

 

「少し可哀想になってきましたね☆」

 

「うへッw!」

 

うへっ て何だよ!

尊敬?する先輩が貶されて敗北者ムーヴまをかまさず耐えたのだ。このくらい当然か。

 

「電話を…」

 

カイザーが力無く指示を出し、暫くすると一人職員が電話を持ってくる。

 

「!?借金の減額と返済額の変更を確認しました!」

 

"契約は絶対"半信半疑であったがどうやら事実のようだ。

 

「「「「「やったぁ!」」」」」

 

契約が遂行された事を知りアビドスは大歓喜。

 

「"っしやあぁぁー!帰って祝杯じゃあぁぁ!"」

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあな理事 俺がいない時代に6位を取ったただけの凡夫

 

 

──────────────────────────

 

IQは砂漠で死にました

理事の首を取るために

 

アンケート機能のお試しです。皆様はブルアカの最高レアリティの出る封筒は何封筒と言っていますか?

  • 紫封筒
  • 虹封筒
  • ピンク封筒
  • 百鬼夜行のピンク髪メカクレモブを実装しろ
  • ベアトリーチェはよく見ればシコリティ高い
  • いいからお前は全国のタカハシさんに謝れ!
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