透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか? 作:ゴジマツリ=ユーリエフ
私のプレイしている#コンパス戦闘摂理解析システムというゲーム恒例のTwitterによる新コラボの内容匂わせに「夏、始まるん❕」といういつもと違う口調と!の一文があったので、これはもうシロコだろう、「ん」と白くてデカく強調された!これはもうシロコだろう………夏なら水着シロコだろう…と勝手にブルアカコラボと思い込む事にしました。
公式生放送も被ってるらしいのでもうそれで良い。
「一億争奪バトルアリーナ……ん、電脳世界を襲う。」
てな感じで。HS(ゲージ必殺)でテラー化すんだよ!
同じ会社のエイムズって言う現金を奪い合うゲームならワンチャンマジでありそうなんですが滅茶苦茶前にサ終してんのよね。
反社やらギャングが主なプレイアブルだからそっちならどちらかと言うとアルちゃんが来そうですけど。
竜児とネモおじが恋しいぜ。
それとすみません。デカグラマトン編なのでブライ君お得意の宗教批判が入ります。
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「"道覚えられる気がしねぇな。"」
エイミの案内により特異現象捜査部の新しい部室に辿り着いた時に感じた率直な感想だ。
「その時はまた私が案内する。」
痴女スタイルで水の垂れる氷を両手で抱えるエイミさん。よくよく考えなくても迷惑じゃね?
「"ありがてぇ。"」
道が覚えられないのはエイミの大腿筋を見ていたせいではない。シンプルに道が超絶入り組んでいたからだ。
「"つーことで、LETS神殺し!やはりアビドスか………俺が先行する。"」
「そう早まらないで下さい。」
超以下省略が「今からここを砂漠にしてやるぜ」と言わんばかりにクーラーのリモコンを連打しながら制止する。
「"何だ?ビナーより先にケセドから殺るのか?"」
「聞いてるようで聞いてないね。」
聞いたところでやる事は変わらんだろに。
「まずは報告から。昨日、カイザーのデータベースに侵入したところ、先生が持ち帰ったビナーとカイザーの遭遇場所は概ね一致していました。」
「"あいつも年だからな、多少の間違いはあるだろ。"」
ロボットのくせに物覚えが悪くなるかは知らないが。
「ケセドについてはこれから……ホドについては依然行方は分かっていません。」
「"じゃあ廃墟で雑魚狩ってビナー?それとも逆?"」
「血の気が多いね。」
真面目な質問を茶々と取られたのかヒマリは構わず報告を続ける。
「ビナーの一例のみで判断するのは些か早計だとは思いますが、どうやら本当に預言者達はデカグラマトンから独立した「個」であるようです。」
「"それがどうかしたか?「我が名はホド」とかがデカマ●の悲しい自作自演じゃなかったら何か不味い訳?"」
「不味い……というより疑問なのです。」
「"何が?"」
「無論、預言者達が独立した個であることがです。何かをするにあたり可能であれば対象を「自分そのもの」または「自分の一部」に統制する方が簡単で効率的です。ですが、デカグラマトンが選んだのは統制ではなく感化。見たところビナーは普通であれば人の立ち寄らない砂漠を巡回するだけの存在でしかありません。仮にカイザーが求めるお宝がデカグラマトンだと仮定すれば他の預言者達との交戦記録がないのは不自然、オーパーツじみた何らかの兵器ならば感化し周辺警護に当らせる方が適切、それ以外は守る必要性を感じません。どう考えても完全なる放任です、デカグラマトンは一体どのような意図があって預言者を造ったのか………」
長い長い長い………
科学者らしい科学者にあった事はないが実に科学者らしい意見だ。
「"お前達科学者は何に対しても合理的理由を求めんのな。"」
「どこかのドブ水さんの様に思われるのは心外ですね………。先生はどのようにお考えに?」
癇に障り少しムッとした病弱清楚系美少女からの新情報。どこかのドブ水さんこと生徒会長は合理主義者らしい。
嫌うきっかけはヒマリの長ったらしい自己紹介にダメ出しをされた………と言った感じだろうか?
「"俺の答えは超シンプル。神は信仰されて初めて神として成り立つからだ。"」
「というと?」
「"荒御魂の概念を知ってるか?科学もクソもない時代、地震やら台風などの説明がつかない現象を神の荒々しい側面、荒御魂のせいだと説明を付けていた。俺が言ってんのはそうやって人に定義されて初めて神の存在が出来るという事だ。"」
「人間学的唯物論………もしくは唯物論的無神論ですか………」
人の歴史は長い。俺の反神論に似た様な事を唱えた奴もいるっぽいしそれにもちゃんとした分類もあるようだ。
そういうのがサラッと出てくる辺り流石は全知。
と、言ったもののそれが合っているのか分からない俺は問う。
「"なんじゃそりゃ?"」
「簡単に言うと神を排した人間中心的な考え方ですが………違いましたか?」
「"まあそんな感じか?実際、俺は神は肉買った時に無料で貰える牛脂で聖書は太古のなろう小説みたいなもんだと思ってる。だから俺にとっての宗教ってのはよ、心の弱い信者とかいうクソなろう読者のデブに無料で貰って来た牛脂を大層価値のある物つって売って金を稼ぐための手段でしかない。信じることで救われんのよ、値段っていう情報食ってるバカは。"」
いつぞやのアリウス秘匿破りツアーの際にベアオバが「完璧な状態で完成していたら」なんて負け惜しみを言っていた最も偉大なる聖女バルバラさんとやらは俺からしたらネームドクソバカ牛脂イーターでしかない。
そんな偉大なるネームドクソバカ牛脂イーターは教会入口で銃ぶん投げて来た奴らしい。
「何言ってるか分からないけど、それは絶対トリニティ生の前では言わない方が良いことは分かったよ。」
ジト目でそう警告するエイミの足元はベチャベチャであった。
「"ま、俺の宗教観は良いとして。デカマ●がチン媚び眷属を独立させてんのは自分が神であるための信者が欲しかったんだろ。"」
「…………つまり、承認欲求という事ですか?」
ヒマリはデカマ●を誇大妄想に陥ったAIと称しただけあって、信者を作ったくらいで神に成れる訳ねぇだろ!とかなりドライな反応だ。まあ俺も同意見だけど。
「"簡単に言えばそうだな。じゃなきゃわざわざケンカ売りに来ねぇでしょ。てか、ホドが宣戦布告した時なんか多分デカマ●は普通に絶頂射──"」
「先生。」
「"なんすか部長?"」
「AIが自我を得たのであれば承認欲求も芽生える……確かに納得の行く考えではありますね。」
「"だろ?"」
「可能性の一つとして考慮しましょう。」
わざわざ呼んで制止したにも関わらずそれ以上言葉が続く様子はない。
「"疑問はそれだけか?じゃあさっさと行こう。とりま俺はビナー。エイミは雑魚狩りor待機かどうする?"」
「何で私がビナーに行かない前提なの?」
「'"暑い、足場が悪い、俺1人の方が強いしアビドスまでの移動も速い。」
「凄い自信………部長はどう思う?」
呆れた様に言うエイミ。どうやら気遣いというものを知らないようだ。
「"飛べる、氷出せる、無限に飛ばせる弾、美甘ネルとじゃれ合える耐久力。ビームとかミサイル飛ばして来るビナーでも余程ふざけてないと負ける方が難しいぞ。"」
「問題ありません。」
「"yey!"」
「いいの?」
「必要なのはあくまでデータ、勝たずとも負けなければ良いのです。パフォーマンスの低下が見込まれる場所にエイミを派遣し無為に消耗させる理由はありませんから。」
どこかの痴女の様に呆れるでもなく冷静にヒマリは言う。
「エイミには廃墟でのデータ収集をお任せしましょう。」
「"一人で行ける?手伝おうか?"」
「先生過保護過ぎ……子供とか出来たらダメな親になるタイプ。」
「"そうか?訳あってあの廃墟には何度か立ち寄った事はあるが結構な数のオートマタが徘徊してたぞ?多分どうやっても多対1になるんだし多少の心配くらい良いだろ。"」
「エイミはこう見えてミレニアムの全知たるこの私と同じくセミナーのトップ、調月リオに指名されるほどの実力者ですよ?」
「"自分上げも欠かさないとは、流石は自己肯定感カンスト系美少女だ。"」
「そうでしょうそうでしょう。」
「それ褒めてるの?」
満足気に頷くヒマリの横で相も変わらず無表情なエイミ。
ヒマリに言われて初めて気が付いたが立場というか能力というか期待値というか……セミナーに認められ依頼を任される時点でC&Cと同等かそれ以上の実力はあると考えられる。
……しかも1年………あのぬぼっとした顔も、アニメやマンガの普段は気怠げな野郎が何かしらの分野で初めて覚醒して「あっ、こいつ天才だったのか」と気付かされるタイプのキャラの前フリ部分に見えて来た。
「"オッケーオッケー、エイミもそれなりに強い事は今理解した。廃墟はそっちに任せるわ。"」
「了解。」
「"じゃ〜〜行くとするか………そういえばヒマリ、俺のまだ見ぬタカハシ達は?"」
「完成してはいるようですが………あれは本当に人が扱う武器ですか?というより携帯型で合ってますか?私はてっきり砲兵車両の様な物かと………」
「"問題ない。ブチかましてくるぜ。"」
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ドゴォォォォォォォォォォン!!
「"fooooooo!!!"」
砂嵐の吹き荒れる砂漠の真ん中、32発のロケット弾が降り注ぎ砂を舞い上げ、男の高笑いが響く。
「"タカハシで先制攻撃だべ!!!"」
聞いていた話の通りクソデカ預言者ビナーの捜索には案外苦労しなかった。事前に交戦場所の記録を得ていたというのもあるが、シンプルにデカい。デカい蛇が砂を掻き乱し進んでいれば余程地味な色でもない限り見逃さない………オペレーターのヒマリが。
装備の面でも隙がなく、砂嵐対策の黒い防塵マスクと何やらこちらの様子を見れるよう細工されたゴーグル、自爆前提故にコストが抑えられ砲身がイカれた究極タカハシとは別にGOKにブチ込んだ14本のタカハシ。
砂漠で暴れる事もアビドスの面々には説明済。
負ける要素も後でしばかれる要素も無い。
「ミサイル来ます!!」
「"hey"」
ヒマリの指示から間もなく、砂嵐の中から6発のミサイルが突っ切ってくる。
俺は相殺に丁度良い両手のタカハシ達を空中でぶつかり合うように放り投げる。
サラバだタカハシ!!
「"少し降りる。"」
「はい?」
このまま空中で撃ってりゃタカハシが尽きる。タカハシが尽きても魔術があるが引き撃ちメインは所要時間が分かったものではない。なんせ戦闘経験があるのはカイザーの雑兵共だけなのだから。
「"言ったろ、俺の目的は破壊だ。挨拶も終わったし迅速に破壊すんだよ。で、壊す前に調べておきたい事はあるか?"」
「断片など預言者の体の一部を回収して頂ければ今後の預言者対策に大いに役立ちます。」
「"おっけ、大量に持ち帰ってやるぜ。"」
靴底が柔らかい砂に沈む。
「■■■■■■!!!」
咆哮。
砂漠にとぐろを巻き佇むはでっけーヴィラン………いや、ここはあえて
「"ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか。完成度高けーなオイ!"」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲がどの様なものか存じませんが説明は不要です。」
都会に来た田舎者がビルを見上げるように、ビナーを見上げる。
見た目は白い装甲に覆われたヘイロー付きの四つ目の蛇。
装甲の隙の黒い部位に走るオレンジの光がナイスデザイン
「"かなりデカマ●だよコレ!多分デカマ●よりデカマ●だよこいつ!"」
そしてこれはかなりのご立派様の見せ槍構図。ただ、装甲に覆われているこいつは皮被り野郎だ。
「はしゃいでいる場合ではありませんよ。」
掃除機の吸引音をかなり低くした感じの音と共に開きっぱなしのビナーの口に光が収束し始める。
「"こちとら任●堂のユーザーやぞ?"」
ボスの溜め技と言えば自爆ダウンの取れるチャンス。
ゲーム脳のブライが生成したコンテナほどの巨大な鉄塊が重力を無視するかのように飛び上がりビナーの下顎に激突する。
「"はいこれで爆発────"」
とは行かない。
仰け反る首を持ち直すビナーの口には尚も光が収束し続けている。
見た感じ発射まで2秒もなさそうな感じ。ロリコン鉄屑曰くビナーとの交戦での死者は0、このビームも「滅茶苦茶熱い」で終わるだろう。
そんで現在俺にある選択肢は3つ。
①ハンサムのブライさんはビナーに急接近し撃てない状況を作り出す。
②究極タカハシが助けてくれる。
③あえて留まり非情な現実を見せつける。
ブライは即座に金の柄と文様の描き込まれ蒼い鞘の短剣を取り出し、鞘のまま自身の膝関節の高さから目の前の虚空を切り上げ、頭上を通り過ぎる。
「理解出来ぬ。」その行為を見たビナーとヒマリの率直な感想。それと同時にビナーは好機であると考えた。
蒼い残像も消えぬ間にビナーは溜め込んだ破壊の奔流を解き放つ。
「"無駄撃ちご苦労!!"」
答えは③だ。神の僕は理解らせるに限る。
未開封のポケットティッシュのミシン目を広げる様に
────蒼い残像が世界が破る。
「■■■■■■!??」
「その剣は一体…………」
ビームも砂も……栓を抜いた湯船の様に、さもそれが当然であるかの様に
世界を侵食する黒い裂け目は凍り付くような冷気を発しながら目の前の物全てを飲み込まんとする。
「"鍵だよ鍵、月裏のな……ま、本当かどうかは知らんけど。"」
月裏の鍵。名の通り、自身の前方に月の裏面へと続く扉を開くための鍵……と言われているが出現する扉の先は不明。
地上とそことを繋げるとどうなるかは先程の通り。
かつて世界へ降った隕鉄から作られたそれは短剣の形をとっているものの、剣としての役割はなく鞘に見える部分も抜く事は出来ない。
ネタ武器を好むブライには珍しいガチ殺傷用の武器の一つである。
そんな武器の一撃であるが………しかし、超絶巨体なビナーは動かない。
そして世界が破られて3秒、裂け目は消失。それと同時にビナーの胴に先程顎に見舞われた鉄塊が四つ激突する。
「"うへぇ〜頑丈〜……良かったねビナーくぅ〜ん。その巨体を活かして突撃なんてしてたら真っ二つだったぜぇ?"」
余程のバカでない限りさっきのを見て近接を仕掛ける事はない。そして、ぶつかったリアクションはあるものの効いてる感じは無さそうな頑丈な装甲、燃やせば手っ取り早いだろうが燃え尽きなかった時が問題だ、高熱を帯びた体で砂を舞わせれば俺は蓮コラ不可避、やはり装甲と装甲の隙間を中心的に攻撃するべきか………ダウンをとってヘイローを盗るのが手っ取り早いが………
5発の鉄塊をものともしなかったビナーが唐突に背面に倒れながら体を捻り砂を巻き上げる。
目眩ましからの攻撃を警戒したブライは再び眼前の世界を裂く。
「先生!ビナーが逃走を始めました。」
「"はぁ〜〜〜!!?"」
そう叫ぶブライだが残念でもなく当然。
ミサイルは撃ち落とされ、ビームは飲まれ、体当たりに関しては掠めるだけでの致命傷なクソ技持ち。
もはや逃げるが勝ちの状況である。
「"逃げるな卑怯者!!逃げるなァ!!!"」
裂け目が消えた後、ブライは再び叫び魔術用いて空を舞う。
砂上を走る鉄道車両に対してそれは少し遅かった。
「"逃げるな馬鹿野郎!! 馬鹿野郎!! 卑怯者!!!!"」
再び飛び交う究極タカハシとビナーのミサイル。幾らの備えがあるのか、ビナーは逃げながらも大量のミサイルを打ち上げ続ける。
落とせど落とせどキリは無く、視界が明滅する度に少しずつ確実に距離は離れていく。
そこからはもうヤケである。
「"反り立つ壁ぇ!"」
迂回も出来ぬほどの超至近距離に出現したビナー用の反り立つ壁は突進の勢いにブチ込抜かれ
「"インディグネイション!!"」
4度撃ったインディグネイションはダメージこそあるが、破壊には至らず元気に疾走中。
「"はいクソゲー!!!あ〜もうクソゲー!!!マジクソゲー!!"」
砂漠の熱と止まないミサイル、少しずつ離れる距離を嘆くがそれはお互い様である。
「一度撤退し作戦を」
「"もういいや!ヒマリ、今からグロ注意な!"」
「何か打開策が?」
「"風では追い付けん。だから自前で踏み倒せる代償のある力を使う。それでついでに壊す。"」
「代償………グロはどこまでのものを?」
「"流血………R15くらいだな。あまり人に見せるようなものじゃないが神殺しの為なら仕方ない。てことで……オペレーション・
「あっ………(察し)」
今までの会話で一切の知性を感じないブライの口から出るアイスキュロスにビナーの討伐方法を察したヒマリはビナーを追従しつつビナーの直径より3mの高さまで高度を落としたブライに予想を投げる。
「落下死ですか………」
「"正解!流石全知!"」
ブライは劇作家であるアイスキュロスが何者なのか知らず、「哲学者か何かでしょ」程度の認識しか持っておらず、唯一理解しているのは「ハゲワシに頭を岩と間違われ、捕まえた亀を頭に投げ落とされた」という彼の死因のみ。
想定通りの答えにヒマリは薄暗い部室の中で1人苦笑いを浮かべる。
どう追いついてどう落下させるか、もはやその辺りは月裏の鍵と呼ばれる武器を見た時点で何でもありなのでは?と考えつつも、幾つかの推論を立てる。
そんな中で訪れる想定外。
ブライが徐ろに自身の胸元に手をやると次の瞬間には上着が消え筋骨隆々な上半身を露わにする。
「何故脱いだんですか!?」
エイミ以外の唐突な、それも日中の砂漠の中での脱衣という狂気的な行動に驚きを禁じ得ないヒマリの質問に答える者は誰もいない。
服が汚れるからに決まってるだろ。
てかゴーグルの細工なのに俺視点以外も見れるのか……どういう技術だ。
まあここまでくれば後は簡単、魔術で身を固め落ちるだけ。
腐敗と再生を繰り返す胃、歪めた重力に従い水平に落ち打ち付けられる砂の痛みは眷属殺しの前では些細な問題であった。
そんな些細な問題と2度の砲撃を凌いだ後にブライはビナーの尾に迫る。
到達まで後僅か。砂を全身に受けながらも手を伸ばす。
高速で動く硬物と人の接触、普通であれば惨状不可避な状況であるがここはキヴォトス、電車に轢かれたとて死ぬ者はおらず、場合によっては轢かれた側が謝罪を要求される程にイカれた耐久力を持つ生物の棲家。
そしてこの化物はその世界の者の魂を喰らい適応した。故にこの行いに恐怖も躊躇もない。
そして遂に手に触れる。
「"はい終わり。"」
摩擦なのか表面温度なのかアチアチのお手々
触れたビナーに上向きの重力を付与し共に空へ落ちる。
そしてマスクに手を伸ばしGOKへ。これでゲロでも血でも問題なし。
「" 一緒に墜ちようぜっ★"」
「■■■■■■!!」
頭部付近の砲口からミサイルを打ち上げようにも加速度的に落ちる今、ブライの触れる尻尾へと到達する前に自身へ被弾する。未だ使用していない目を模した部位から射出出来る通常弾も同様、ビナーは成す術なく巨体はうねる。
「先生、術の停止を!このままでは成層圏に突入してしまいます!」
そうこうしている内に雲を突き抜けフライアウェイ。
「"オーケーオーケ〜、ビナー君、小便は済ませたか?デカマ●へのお祈りは?ガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?"」
始まる成層圏付近からの自由落下。ビナーに残された時間は後数分、己の死を悟ったのかビナーに動きはない。
ブライはビナーが全貌を視認出来るほどの高さに落ちた辺りで自身の重力を戻す。
「ビナーが地面に落ちる30秒前にお知らせします。対処が難しいのであればそれよりも前にお伝えすることが出来ますがどうしますか?」
「"いいよいいよ1秒未満で止まれるから。ま、何かヤバそうだったら10秒そこらで言ってくれ。"」
一応にしてもかなり早すぎる気がしなくもないが。
唐突なオリチャーに対応出来るということは全知さんはそういう計算もリアルタイムかつ暗算でできちゃう系女子なのだろうか?
そんな事を考えながら早一分。上に下に左に右に、くるりくるりとまたもや無意味に体をバタつかせる。
「"命もないのに、足掻きだす……ニー●オートマタ!公表発売中!!"」
死にかけの
蛇とは死後も反射的に獲物を噛むなんとクソな反射を持つ生き物だからだ。
「先生。」
「"ビームねビーム。"」
バジリスクタイムを終えたビナーは頭部だけをこちらを向ける。カパッと間口にはまたもや光が収束する。
「"どうした?撃たないのか?デカマ●界のマルギットでも目指してんのか?"」*1
堂々とチャージを始めて大体7.8秒、もう顔中光まみれや。
「ビナーの尻尾を追従し続けて下さい!発射まで止まってはいけません先程の動きは恐らく空中での自身の可動域を探る為のもの、止まれば撃たれます!」
ビナーもヒマリも勘付いている通り落下中に月裏の鍵は裂け目を追い越してしまうから使えない。
だが悲しいかな、シッテムの箱さえ取り出してしまえばなんら問題はない。
「"火力勝負と行こう!"」
まあ最初から落下のみで倒せるとは考えてなかったし、壊れててもブチ込むつもりだったが。
「先生!?」
負けることは万一にもない。そう踏んだブライはヒマリの助言を耳に入れず空いた右手に一本の竹槍を取り出す。
枝葉はもちろん飾りは無く、先端を斜めに切られ、強度を向上させるために熱処理をされたのか全体的に茶褐色のこれと言って特徴はない竹槍。
「"一億玉砕。"」
お支払いのお時間だ。
ブライは竹槍を上腹部に突き立てた。
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防御デバフ持ちを連れて来なかった者の末路
臨戦状態のおじさんか水着シロコ連れてくんだよ!
性能は単騎ならアホ強なのに比喩が残念な月裏の鍵。
これ使ったらブライ君死ねるんじゃね?と思った方、残念ながら死ねません。悲しいね。