透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

137 / 141
136.試し切り会場

 

 

黒影レイトさん評価ありがとうございます。

 

この先、最新ミニストーリー、イベストのネタバレがあるぞ!!

 

 

 

 

 

 

イブキが家出するミニストはただひたすらにイブキとアルちゃんとハルカが可愛いくて仕方なかったですね。

 

アルちゃん脳内会議とハルカが面倒見の良いお姉さんから一瞬で猟犬スイッチが入るシーンがお気に入りです。

 

因みにゲヘナ編は読んでないです。最終章をまだ読んでないので。でも公式ツイートの「オラッ!催眠ッッッ!!」って感じにされた目のヒナがとても気になります。

なんやかんやオラトリオ編の時と同じく気になって先に読むことになると思います。

 

そして万魔殿の夏イベも全部は読んでません。

食糧関係を「下らない事はお前に任せる」と言ったのはシチュエーション的にも「信頼してるからお前に任せたい」のツンデレ語である事は分かるのですが、3話くらいの「イロハはいつまで拗ねてんだ?」という漂流した原因の発言でもういいかなと。

私の中でのマコトはエデン条約編の時の「カス」という印象しかありませんし、いつか手のひら返した後にでも続きを読もうと思います。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「"いきなりトキにロケランぶっ放された時はどうなるかと思ったけどよぉ……………最高にイカすじゃねぇかこの武器よぉ!"」

 

色味の少ない無機質なスクラップの前、ブライは自身の携えた白い大槌とその制作者を称賛する。

 

「事前に説明も了承も取ったはずよ。」

 

「"多分その時は絶賛リクエスト武器の候補絞り中だったわ。"」

 

ブライのやや後方で、ブライが事前の説明を全く聞いていなかった事に呆れつつも武器への称賛に少し誇らしげな表情を浮かべていた。

雰囲気は良好、そう思われる状況の中、トキは1人微妙な表情をしていた。

 

「"でも迷った甲斐あって最高にカッケー悪頭岐刃(アズキバー)様が完成したのでヨシッ!"」

 

「魔術で事足りる要素をわざわざ機械や武器をに追加する理由が分からないわ………それも武器に魔術を使用して。魔術には詳しくないのだけれど武器を介する工程を挟むことで得られる物はあるのかしら?」

 

「"カッコイイから良くない??"」

 

二人のスタンスの違いからではない。

 

「見た目は関係ないわ。」

 

「"じゃあ何だ?リオちゃん考案のこのハンマーに彫られたロボは?"」

 

「アヴァンギャルド君よ。」

 

「"誰だよ。"」

 

「アヴァンギャルド君よ。」

 

そのハンマーの片面がお世話にもデザインセンスが良いとは言えない妙ちくりんなロボの顔の顔を模していたからだ。

 

「"聞いてるのは名前じゃねぇよ…………つかアヴァンギャル棒って名前はそこからか………"」

 

「そうよ。」

 

「"アヴァンギャル棒は呼ぶにはちょい長いし取り敢えず………パリコレって呼んでいいか?"」

 

ネタ武器としてデザインセンスはそれなりだがネーミングセンスは終わっている。

 

「パリコレ?」

 

「"知らないか?………あ〜、キヴォトス外の前衛芸術の披露会……的な?やつの名前だ。主に服やらアクセのもんだが武器部門があればこいつも行けそうな感じだったからな。"」

 

「前衛芸術…………つまりはアヴァンギャルドね。」

 

と、ドヤ顔で馬鹿の一つ覚えのように言うリオさん………こいつのアヴァンギャルドに対する並々ならぬ関心は何だ?

 

「"まあ……そうだな。いつか時代が来そうな感じだ。"」

 

「そう……それにしても………まさか私が意図せず芸術活動を行っていたなんて…………」

 

思いがけぬ発見とでも言いたげなリオの表情には意外さの中に喜びが見て取れる。

こいつは無自覚系かつ小泉●次郎の親戚か何かなのかも知れない。

 

「"お前は何言ってんだ?武器製造なんか芸術そのものだろ。飾り剣とかは当然として、戦鎚なら重い頭を振りやすくする柄のバランス、こいつにはないが大雑把に全体的に衝撃を伝える打撃面の反対にある鉤爪は装甲の一点を貫き内部を破壊できるし、騎兵を引きずり落す事も可能。脳筋な見た目に相反してすげぇ合理的な造りってギャップが実に良いだろ?後はハルバード、ハルバードはもう何もかもが素晴らしい。長いリーチを確保しつつ斬撃刺突に加えハンマーと同じく、騎兵を地面に引きずり落すフックまで付いてんだぞ?斧と槍とフック、そんな3つの武器の欲張りセットにも関わらず、ごちゃつかず寧ろ纏っていてスタイリッシュな印象を受ける造形だ。更にそこに柄まで彫れる!後はそうだな、ここまで多芸な物をあげて来たが一点特化が悪いって訳じゃない、例えば───"」

 

あ、これちょっと長くなるやつだと気が付いたトキは言葉を遮り、ブライの伝えたかったであろうことを要約する。

 

「つまり、武器とは計算された効率的な道具であると同時にデザインに富んでおり、その担い手はもやは芸術家に等しい……という事でしょうか。」

 

「"そういうこった!"」

 

それと同時に「そんな洗練された機能美を理不尽にブチ壊す性能を持った武器を使う一つ人がそれを言うのか?」とトキは訝んだ。

 

「機能美も一つの美、客観的に見ても合理的で効率的な設計とそれを彩るカラーリング………ただの武器一つでも使用者の視点から見ればそれは芸術作品(キャンバスアート)へと昇華する………新しい視点だわ。」

 

何かに気付いたらしいけど………言うほど新しい視点か?

 

「先生、あなたを力と権力を手にしただけの自信過剰な頭のおかしい人だと言った事を謝罪するわ。」

 

「"言われてないぞ?"」

 

「…………思っていた事を謝罪するわ。」

 

下げられし 頭を見ゆる 我思う

ビナーの素材の分析と武器の制作に加えてケセドの特定……これを1日……いや、半日でやり遂げたのだ、多分徹夜だし脳みそフルで使って疲れてんだろう………それはそうと……

 

「"全裸土下座でよろしく頼む。"」

 

「リオ様のお言葉に間違いは無いようですので謝罪は不要かと………排除しますか?」

 

「"お前二言目にはそれしかないのか?………まあやってみても良いけど、お前のご主人様は俺より先にケセド排除して欲しいんじゃないか?"」

 

「ええ、先生の言う通り、今最も優先すべきはデカグラマトン及び預言者の調査よ。」

 

「"なに?他にやってる事でもあんのか?"」

 

「それは………」

 

「当然、先生に奇襲をかける計画です。そういうことですので、夜道には気を付けて下さい。」

 

「"結局そこに繋がるのかよ………"」

 

マジなのか冗談なのか……シロコとアズサの例があるしキヴォトスの無表情組の冗談は判断に困る。

 

「"冗談はほどほどにそろそろ行こうぜ。お互い超絶暇って訳じゃねぇんだし。"」

 

「そうね。その他の報告は移動中に話すわ。」

 

「"オケアノス!"」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

ミレニアムから廃墟までは交通機関&徒歩、廃墟からケセドの居るという工場まではトキを肩車しての全力疾走。

 

飛べば速くない?狙撃からのトキが落下する可能性を考えろ!

スーパーつよつよミサキチ号は?悪路だからオススメしない。

肩車なら両手が空くから道中の接敵時に戦闘可能!!

これはトキとリオが出した結論であって決して俺が太腿に挟まれたかった訳ではない。

 

「"どこもかしこも似た様な廃墟まみれだったぜ………よくもまあこの中から特定できるものだ。流石はインテリ集団のトップに立つだけはある。"」

 

ゲーム開発部は見なかったことにする。

 

「ケセドの位置情報の特定はトキの成果よ。」

 

「"マジで!?"」

 

「マジです。」

 

うっそ!隙あらば排除に走る脳筋が!?クールに見せかけて二言目に排除の脳筋に見せかけてインテリジェンスな奴だったとは……

 

「"はえ〜やっぱすげぇな、ミレニアムの奴等。"」

 

今回はゲーム開発部も対象だ。ただすごいのベクトルが違うだけだ。

 

「私の優秀さとミレニアムの評価は別問題です。」

 

「"そうですか。"」

 

「そうです。別に褒めて頂いても構いませんよ?」

 

何だろう……最初からやべぇ格好の奴だとは思っていたが、中身もそれなりに変な奴の可能性が今日だけで急上昇している。

 

「"わ〜トキちゃん超すご〜い(棒)………さて、それじゃあ案内頼みますよ。トキさん。"」

 

「天井がありますので私をぶつけないよう注意して下さい。」

 

「"さっきので満足したのかよ!後、肩車続けるんかい!"」

 

太腿と臀部があるから俺は全然良いけど!!!いや、やっぱ良くない、新武器振り回したい。

 

「思いの外悪い気はしませんでしたので。感情の無い褒め言葉と肩車、先生の不純な気持ちを加味して70点と言ったところです。」

 

「"何そのゲロ甘採点、滅茶苦茶高得点じゃねぇか………俺はもうお前が分からんぞ。"」

 

まあ最初からよう分からん奴だったけど………

 

赤茶な土だか錆びだかが散らばる汚い地面に身を屈める。

未だ稼働しロボを排出している事を考えれば他と比べて綺麗ではあるはずだ。

 

「"帰りにまた運んでやるからとりま一旦降りてくれ。このままじゃ任務に支障が出る。"」

 

任務という単語に反応したのかトキはすんなりと肩から降りる。さらば大腿二頭筋。

 

「パーフェクトメイドである私は肩車されなからでも任務を遂行出来ますが、先生には難しかったのですね。配慮が足りず申し訳ありませんでした。」

 

こいつは頭さえ下げれば謝罪になると考えている人種なのだろうか?

 

「"さんリオ〜、お前んとこのメイドおかしいぞ。"」

 

「人をエンターテイメント企業みたいに呼ばないでちょうだい。」

 

サ●リオ知っててパリコレ知らねぇのはどういう事だよ。

キャラ的に逆のが自然だろ普通。

 

「"すぅぅ…………ヨシッ!そろそろ行くか。"」

 

取り敢えずボケもツッコミも性欲も放棄し廃工場を進む事にした。

 

ケセドの兵からの奇襲や戦力増強を防ぐため、使われた形跡の有無に関わらず工場内のありとあらゆる製造設備を破壊しながらブライ達はケセドの居る地下を目指す。

 

「"さっきのエレベーターで地下行きてぇけどな〜俺もな〜。"」

 

「ここは敵地よ。どんな罠があるのか定かではないのに───」

 

「"知ってる知ってる。死に設定だけど我元冒険者ぞ?抵抗不可な狭所になんか行くわけねぇじゃん。"」

 

そんな敵地での堂々とした破壊工作が許されるはずもなく。先程から何度も見た、錆びついていたり破損していたりする製造ラインが数多あるエリアにて………

 

「"わ〜い!雑魚敵ラッシュだ!"」

 

白い装甲とオレンジのライン、ビナーとオソロ!

 

ここに来るまでに分かったことは二つ。

一つはビナーの装甲が今のキヴォトスでは再現不能な何からしい……が、こいつらはどうやら普通に鉄屑らしい。

 

「射線上にた………無理そうですね。せいぜい背後には気を付けて下さい。」

 

握りに空いた3つの穴、カップヒルトを超えてもはやディッシュヒルトと呼ぶのが適切であろう丸く厚い鍔に十字形に削られた刀身を持つ純白の直剣…………セブ●ティ●ンアイスの棒に酷似した新武器を片手にテンション爆アゲなブライを見て、トキは激しく駆け回り数発の誤射を確信する。

 

「"撃つ気満々じゃ…………ゴリアテ君!ゴリアテ君じゃないか!序盤ボスが雑魚敵化するアレじゃないか!!"」

 

安いオマケと共にバリバリゴキゴキとラインを破壊するゴリアテ君!我が友、カイザー元理事の物が特殊仕様だったのか、武装はアヘ顔ダブルマシンガン、上部にはご立派な砲身とチャンバラに付き合ってくれるつもりはないらしい。

でもそれは、前提だから。——チャンバラをしない理由には、ならない。

 

自身の3.4倍ある相手にそんなふざけた事を考えながら空の左手を振りかぶり、直前でGOKから血液を引き出す。

引き出された血はゴリアテのご立派な砲身へと向い、それが開戦の合図となった。

 

「"行くぜ────悪頭岐刃(アズキバー)!!"」

 

言葉の直後、ブライの足元から歩みを妨げる設備を無視できるゴリアテまでの直線上の岩の足場が生える。当然の如く足場は足場であり遮蔽と呼べる物は無い。

 

手近な遮蔽に隠れ処理を始めるトキの横で剣を握り込んだブライは魔術により身体能力を引き上げ、足場を砕くほどの力で地面を蹴り上げる。走るというより瞬間的な低空飛行でゴリアテとの距離を詰める。

 

丁寧に真っ直ぐ砲身へと詰め寄る相手に照準の修正はほとんど必要ない。詰めるならただ迎え撃つだけで良い。しかしそれは叶わない。

 

砲身へと流れ込んだ血液が瞬間的に凝固し、機構の動作を妨害する。

ならばとマシンガンを両手を向けるが時既に遅し。

 

「"チェストオオォォォォ!"」

 

肉薄したブライはゴリアテの胸部に悪頭壱刃(アズキバー)を突き出し、消魂しい音と同時に胸部が陥没し、砲身からは吐血のようにブライの血液が飛び出す。

 

「"ワンパン無理か〜。"」

 

脚部をすり減らし味方を巻き込みながらも転倒を避けようと堪えるゴリアテを討つべく、砲身から飛んだ血液に引き続きGOKから血液を引き出し、左手半身を守る装甲へと変形させ追い掛ける。

そして2撃目、ノーガードの右半身を撃たれながら胸部へ悪頭岐刃(アズキバー)を捩じ込む。

 

「"はい、おわピからの〜〜"」

 

瞬間、ゴリアテの背に巨体には頼りない光の翼が生える。

 

「"ウェイ⇧⇧"」

 

ブライが剣を振り上げると、光の翼はそれに追従し、光の翼がゴリアテの頭部へと至った頃には砲身を焼き切りその正体を現す。

 

分かったこと二つ目!やはり俺のデザインセンスは素晴らしい!!

 

悪頭岐刃(アズキバー)………それは悪鬼羅刹の頭蓋を分かつ白銀の刃。打撃に適した刀身の中心にはホントニホントウが内臓されているため起動すればセフィ■スもニッコリなサイズ感!!初期武器のシンプルなアップグレードとかいう最高に熱いシチュエーション!素晴らしい!!

 

「"ア〜ンド、ウェ〜イ!"」

 

視線をゴリアテに向けたまま振り上げた剣を逆袈裟切り様に振り下ろし右の雑兵を数体切り捨てる。

 

「"いや〜懐かしいねぇこの感覚!さぁ来いゴブリン共!皆殺しにしてやる。"」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

ぶっちゃけ血の力もかなり無法。でも人外相手かつブライ君の秘密の一端を知ってる人の前、または絶対にやり遂げたい目標を達成するためにしか使えないだろうから許して。

(自分の血液大量に保管してるやべぇ奴辺りまで知ってる人くらいまで。)

 

 

 

取り敢えず武器にしか見えない例の自販機のアイスは是非ともアリスに食べて欲しい。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。