透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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137.レッドカーペットで踊ろう!!

 

 

これを執筆していた当時、水着キサキ達の発表がありました。

山海經に新たなメスガキさん達が出てきた事により定期的に梅花園に通っているブライ君が彼女等を見かけるとそれはそれは気持ち悪いニヤケ面を晒すことでしょう。

でも彼はロリコンショタコンでは無いんです。ゴミクズですがそこだけは本当なんです。

 

 

そして現在の私はパクリゲーで有名なパルワールドで人間に自爆と自爆ダメージ無効化スキルを覚えさせて遊んでいます。

ラリった表情ととんでもない爆発を起こすアズサのペロロみたいな鳥の方が確実に強いので正直やる価値はありません。

こういうことしてるからストック無くなっていくんですよね。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「"ふぅ………やっぱ良いねぇ!情け容赦なくブチ殺せる雑魚共は!"」

 

自身で築き上げた鋼鉄の骸の山の側で男は1人、興奮冷めやらぬと言ったテンションで叫ぶ。

 

「…………鬼神の如き戦いぶりね。」

 

困惑交じりの称賛、ネルパイも大体こんな感じじゃないか?

 

「"褒めてもハッカ飴しか出ないぜ★"」

 

「ハッカ飴は出るんですね。」

 

「"嫌いだからずっと残ってんだよ。ヒヨリもあんま食わなくなったし…………トキちゃん食います?"」

 

「今は任務中ですので遠慮しておきます。リオ様の言う通り先生は優雅で洗練された私とは違い未開の地の蛮族の如き原始的………豪快な戦いぶりでした。」

 

「"お前は誰の何を聞いてたんだよ。"」

 

なして此奴はワシに対抗心を燃やすのじゃ?

 

「"………まあいいや。優雅なトキさんは大丈夫か?"」

 

「問題ありません。先を急ぎましょう。」

 

「"だな。じゃないと雑魚で溢れ返って大変な事になっちゃうぜ。"」

 

安否の確認を終えた二人は再び歩みを進める。

 

「思ってもない事を。」

 

「"バレた?楽しかったし、もはやケセドも放置して良いんじゃねぇかって思えてきたぞ。"」

 

戦中から今に至るまで下がりきらない口角と敵襲を待ち望むかの様な期待に満ちた目をしたブライの発言を冗談と思えなかった二人は黙り込む。

 

「"冗談だって。敵の兵站拠点とか潰さない訳ないだろ。"」

 

「先生の冗談は冗談に聞こえないのよ。」

 

「"お前のとこのメイドもそうじゃない?多分夜襲受けるよ俺?"」

 

「トキと貴方は違うわ。私は貴方についての考えは改めたけれど信用はしていないもの。」

 

「"さいですか………"」

 

めっちゃハッキリ言いますやん………と思ったけどヒマリを裏切った後だし実際嘘吐きまくってるし残念でもなく当然の反応だ。

 

「ちょっとした思考実験をしましょう。」

 

「"なんじゃいブッシュからスティックに。"」

 

「貴方が友人と接してきた者の1人が実は世界を滅ぼす可能性を秘めた存在だったと気が付いた時、貴方はどう動くべきか考えた事はあるかしら?」

 

本当に藪棒会話なんだけど。

何そのアニメやゲームの主人公くらいしか立ち会いそうにないシチュエーション。

 

「"何だその変な設定が付いたトロッコ問題?最近暗殺教室でも観たのか?"」

 

「暗殺教室……が何かは分からないけど、トロッコ問題の様なものと考えてもらって構わないわ。」

 

じゃあトロッコ問題でええですやん……と考えながら工場内を破壊する。

てかキヴォトス人はトロッコ如きで死なないだろ。よく受け入れられたなその概念。

 

「"どの世界かに依るがキヴォトスなら………その可能性を潰す方法を考えて、ダメそうなら最終的に死んでもらうしかねぇだろうな。すげぇクズな事言うけどキヴォトスに友人と呼べる奴はそれなりの数がいるし、人1人とキヴォトス全体を天秤にかける時点で………なぁ?"」

 

ケリィならそうする、俺もそうするヒンメルは分からない。

 

「貴方の考えは間違ってないわ。でも、貴方のその言葉が真実だとは考えにくい。」

 

某馬小屋産まれたの托卵児のようにハッキリと言う。

 

「"えぇ………何で疑われてんだ?"」

 

ただの心理テストのありがちな答えなんですが?

 

「エデン条約調印式以前、先生がトリニティの不穏因子を処分するために作られた補習授業部の肩を持ったという事実に基づいた意見よ。」

 

「えぇ………いや、そういう事じゃ……まあ、そうなんだけどさ……」

 

何で高々性格診断でディスカッションが始まろうとしてんだ??

 

「貴方はトリニティ全体よりも補習授業部の4人を優先したという事実は記録として残っているわ。補習授業部にスパイが居なかった、黒幕は聖園ミカだったというのはただの結果論。貴方が私の問いに対して嘘を答えたとしか考えられないわ。」

 

考えにくいから〜としか考えられないにランクアップしたんだが……

 

「"そうだな。その事実は否定しない。ただ、結果しか見てないのはちゃんリオの方だべ。まず前提として補習授業部結成時点でメンバーにスパイ行為の明確な証拠は無いってのはOK?"」

 

「ええ、それでもキヴォトス2大校間での条約よ、何か問題が起きた後では遅いわ。」

 

流石はシスターフッド、アズサが元アリウスという情報はしっかり隠蔽されているらしい。

 

「"それな。アリウスの存在がトリニティ内で認知されて対策ガチガチに固めても調印式はああなったんだ。ミカまで辿り着かなかった場合どうなっていたか………"」

 

「聖園ミカが誘導していた件の話はしていないわ。貴方は何故トリニティ全体よりも補習授業部を選んだかについてよ。」

 

やや強めの口調。誰だよ「女は同意を求める生き物」とか言ったバカは。

 

「"はいはい。で、その件の最終的な目標はリオの言う通りエデン条約締結を滞りなく進めるための不穏分子の排除、つまりは条約さえ結べば解決する。だったら締結までシャーレで監禁するって解決策があったからだよ。"」

 

「分かっていて何故初めからそうしなかったの?」

 

ミカの件を抜きに補習授業部を外部から見たらマジでそれに尽きる。まあ、ナギちゃんがそれを出来る精神状態がなかった訳だが。

 

「"正しいと理解した事をそのまま実行できる奴なんて多くねぇ。じゃなきゃデブも犯罪者も夏休みの宿題を最終日まで残す奴もこの世に存在するはずがない。この件には話せない事が多すぎて詳しくは言えないが、まあ色々あってそうは出来なかったってだけだ。"」

 

「そう。考えはあったものの実行は出来なかった……と。」

 

「"そうだな。本当に無理そうなら超ゴネる予定だったけどなんなかんやで解決したってだけ。つまりは穏便とは言えないが具体的で確実な解決策があったから補習授業部の味方をしただけだ。満足したか?"」

 

「そうね。色々と指摘したい事はあるけれど、私が深入りすべき事ではないようだし、貴方が貴方なりに考えがあって行動したという事は理解したわ。」

 

やや不服そう………取り敢えず尋問が終了したようで何よりだ。

 

「"何の心配してんのか知らねぇが俺達の利害は一致してんだ、それが果たされるか方針を違えない限り敵対はしない。その点だけは信用していいぜ。"」

 

スポット参戦キャラか何やかんやで最後まで付いて来るキャラの言ってそうな台詞を吐いてる中、いつのまにか5.6歩分後方で背を向けたトキがリオの答えを待つ事なく口を開く。

 

「話の途中ですが追跡者です。」

 

「"数は?"」

 

「確認できたのは1人のみ」

 

人……という事は……

 

「「"エイミか(ね)"」」

 

即&答。連邦生徒会がわざわざ立ち入りを禁止したクソ広い区域の中の預言者入居済工場をピンポイントで訪れる奴がエイミじゃなければ滅茶苦茶怖い。

 

「"どうする?ちゃんリオ、お帰りになって頂く?"」

 

侵入者含め3人しかいない空間で意味もなく多少抑えめに話すブライ。その手には既にご立派な究極タカハシがあった。

 

「必要ないわ。特異現象捜査部は元々そのために設立した部活だもの。寧ろ協力を仰ぐべきよ。」

 

引き続き少し不満そうな声で話すリオ。ヒマリが苦手なのか俺が裏切らなければ自分が出張る事はなかったと改めて感じたのか……

それはそうと昨日切った相手に早速協力持ち掛けろとかどんな合理的な頭してんだこの人…………

 

「"え〜、それ俺どんな面して〜…………エイミィィー!協力しようぜ〜〜!!"」

 

「面の皮がタイヤのゴム部分。」

 

「"お前の主人の命令なんだが?"」

 

「はぁ………本当にどういう神経してるんだろうね……。」

 

物陰からひょっこりと現れトキに同意するエイミ。

その服で出歩く人間には言われたくない。

 

「付け加えるならモンスタートラック用のタイヤですね。」

 

そしてヒマリからの補足という名の追い打ち。

 

「"何しれっと回線に紛れ込んでんだよ。"」

 

「超天才美少女ですから。」

 

「"答えになってねぇよ。それで………やる?やり合う?"」

 

「協力の話はどこへ?」

 

「"いや〜、普通に銃ぶっ放されてもおかしくないし一応な。それでどうする?因みに今回お前が嫌いな槍は使えない。アレは一つの対象だけに色々な効果を発揮して確実に葬るためのものだからな、範囲攻撃モリモリな複数戦では殆ど役に立てないんだぜ。後シンプルに空間が足りん。"」

 

残念そうに語るが、召喚されたTAKEYARIは対象以外にも最低限の竹槍の役割は果たすため、殺害対象の周囲の人や動物を害する事は十分に可能である。

 

「"つまりは罪悪感無し、ブライさん使いたい放題プランという訳だ。"」

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

高い天井とただ広く長く続く道、幾つかの防壁と2段重ねの閉じられた部屋が左右対称に存在する廃工場地下。ボロく破壊活動が盛んな上とは違い真新しい様子に廃工場大と呼ぶ事すら違和感を覚える。数多のロボが立ち並び、その奥に鎮座する白い球体(ケセド)は正しく機械の国の王そのものであり、そこは玉座の間と呼ぶのが相応しい。

 

ジュッ………

 

 

そんな玉座の間の真ん中、あるオートマタの頭上に色鮮やかな橙色の雫が一滴。

 

「!!?」

 

溶鉄だ。急激な頭部の温度の上昇に頭を上げ状況を確かめる。

そして理解する。自身の身に迫る活動限界(死)を。

降り注ぐ橙色の水塊と16発のロケット弾。

 

 

 

「"殺戮者のエントリーだ!初めましてケセド、そして…………おらんやんけ……"」

 

爆発と共に敵地の中心に降り立つ男は前後の閉じられた防壁に溜め息をつく。

 

「"まあいい。こっちの方向で合ってるよな?"」

 

つい最近出来たと言われて信じるくらいには綺麗な状態。それっぽい入口がねぇと思ったらやっぱ新しく造ってやがったか。

まあ別区画から行ける可能性も無きにも非ず。

 

「ええ、だけど引き返してちょうだい。新設されたここは明らかに先生を孤立させるための罠よ。マトモにやり合える数ではないしここは工場を爆破してケセドを埋めて無力化しましょう。」

 

残党に役目を終えた究極タカハシを投げつけ爆発しアヴァンギャル棒、またの名をパリコレに彫られた顔面の額部分に空いた穴にグレーのカートリッジシリンダーを嵌めて捩じる。

 

「増援、来ます!」

 

「"いいねぇ!ニンニクと手取りと雑魚敵は多ければ多いほど良いものだ!"」

 

後方の防壁と左右の通路が開き増援が溢れ出る。

ブライは撤退の命も増援も意に介さず手から滝の様に血を排出し、前面以外を壁の様に囲いそれを追従させながら防壁を向かう。

 

「先生!?」「何をしているの!撤退しなさい!」

 

「"何って、さっき一緒に話したじゃん。"」

 

防壁に掲げたアヴァンギャル棒を振り下ろす瞬間、アヴァンギャルド君は口に搭載されたジェットエンジンが炎を噴きブライの打撃を後押しする。

 

「"預言者狩りだぁ!"」

 

破壊した防壁の穴から覗くオートマタの隊列を見ながら男は叫ぶ。

 

 

話し合った内容を要約すると、エイミとトキに2階や以降や別区画に待機するデカグラマトンの手駒の破壊を任せ俺はケセドを破壊する。ただそれだけ。

 

安全性についてゴネた奴もいたが、俺達と先行していたエイミの情報を合わせても確認出来た地下への入口は最初の方に見つけたエレベーターのみ。

通電していないはずの廃墟で動くソレはデカグラマトンが関与した物であり罠である事は明白。結局は俺しか行けないということで床を俺の火で溶かし俺が預言者を破壊する。シンプルイズベストだ。明らかな罠やコアの回収が難しい状態なら撤退と言っていた気がするが多分気の所為だ。

 

 

「"出し惜しむんじゃあねぇぞチン媚野郎!"」

 

手の届く限り剣を振るい、届かなければタカハシを撃ち、魔術を持って鋼鉄の体を穿つ。足元に転がる残骸は蹴り飛ばし新たな残骸を量産する。

リロードのタイミングをずらし、絶え間無く避ける余地なく降る弾丸の雨を血の盾、あるいはそこらに転がる鉄の盾で、最終的には面倒になり右目を閉じ、破壊不可能な左目だけを開け地面を滑る血溜まりと共に突き進む。

ノックバックを狙ったグレネードやランチャー、自爆特攻兵の類は魔術でのカウンター、GOKによる回収により無力化する。

 

 

そしてしばらくして発砲音が止んだ。

 

 

「"おいおいおい大したことねぇなぁおい!足りねぇぞおい!もっと雑魚寄越せよ雑魚が!産めよ、増えよ、地に満ちよってのはどうしたんだよおい!"」

 

超再生付きの左眼にユスティナとヒエロニムスのヘイローを喰らい強化されたイキりストYESの肉体は数千数万の弾丸をくらおうとも物ともせず、物言わぬ鉄塊となった射手の一体を踏みつけイキる。

 

現れぬ増援。まだ見ぬ敵のいる防壁を見つながらブライはリオとヒマリに問う。

 

「上はどんな感じ?大丈夫そ?こっちに全ツッパして来ねぇんならそれなりに大変じゃない?」

 

 

 

 

それと同時に工場内に警告音が発せられた。

 

 

 

 

 

 

《big》《xbig》ピ ピ ピ ピ

 

 

 

 

 

『デストラクションプロトコル起動。』

 

 

 

 

 

 

「「デストラクションプロトコル!!?」」

 

警告音と無機質な女性の声の話す内容に驚く二人………アメリカ語に詳しくない俺には何がなんだか………

 

「"デストラクションプロトコルとはなんぞや?"」

 

デストラクションもプロトコルも口にすると良い響きだが意味が全くと言って分からん。警告音がなる辺り火事とか地震とかか?

 

「自爆です!」

 

「それも工場全体を巻き込んだ自爆……」

 

「"…………わ〜お。"」

 

当たり前だけど完全に俺を殺しに来てやがる。

 

 

 

 

 

 

《big》《xbig》『警告、この建物は10分後に破壊されます。速やかに退去して下さい。7分後にプロトコルのアボートが不能となります。』

 

「"リオ、ヒマリ、二人を帰還させろ。"」

 

「すぐに!こちらもプロトコルの停止を───」

 

「"やめろ、相手はチン媚び眷属共だ。ハッキングかけたら返されるし、そもそもこの警告自体が嘘かもしれねぇんだし。"」

 

自分が負ける可能性を微塵も考えていない男は楽観的な言葉を吐きアヴァンギャル棒を手にケセドへの道を阻む防壁へ走り出す。

 

「撤退しなさい!」

 

「"10分ありゃ余裕だ。二人逃がすのに専念しろ。"」

 

アヴァンギャル棒が再び火を噴き防壁を穿つ。

そして遂に辿り着く。軍勢の奥に浮遊するヘイローを持つ巨大な白い球体。

 

「"デカチ●の次にクソデケェ玉とかやっぱ下ネタじゃねぇかよお前等!"」

 

 

 

 

 

 

 

『デストラクションプロトコルのアボートオプションが無効化されました。この建物は3分後に破壊されます。』

 

「"まぁ弄れるよなぁ。俺が金玉つったせいか?"」

 

でも仕方ない。竿の後に玉が出て来たんだ、多分他にも球体の預言者がいるはずだ。

 

「悠長な事言ってる場合ですか!三分しか無いんですよ?更に縮む可能性だってあるんです、すぐに引き返して下さい。」

 

「"引き返せ引き返せって白髭海賊団か?いいかお前等、とある星の語彙力低めな守護者はビームと体術だけで毎週毎週やってくる全ての敵を三分以内に葬るんだぜ?俺が出来ない訳ないだろ。"」

 

「その三分すら無いかもしれないという話よ。」

 

右手に月裏の鍵を握り左手に開封されたダンボールを取り出し近場に投げる。その隙間からは赤く煌めく物が覗いていた。

軍勢の足元が急激に迫り上がり宙を舞う。それと同時にダンボールが歪み内から大量の血が吹き出しブライの右手の先に集結し、某ゴム人間の様な赤く長い手を形成を始める。

 

「"どうでも良い。俺は神モドキを壊すためにお前等に協力してんだよ。撤退とか知らんわ。"」

 

迫り上がった地面は消え中央に赤い残像が走り蒼い軌跡が残る。

 

「"こいつはここで確実に壊す。そしてコア持ち返って更に壊す。"」

 

世界が破れ軍勢は落ちる。

 

「"あ、それとさっきのは廃棄予定の血液パックだから安心しろよ。"」

 

大切なのは欲求の解消と自己保身。ブライは当然のように嘘を吐く。

ブライが操れるのは自身の血液のみ。

安心出来ない状況で安心出来ない行動を取りつつ「自身に異常性はない」とアピール。

 

「"じゃ、壊して来る。"」

 

静まり返った玉座の間をクソデカい駒込ピペット片手に走り出す。

ヘイローに掠れば一発、奇跡的に逃れた残党は無視。勝てる。残された三分間はあまりにも長すぎる。

勝ちを確信し生成した駆け上がりケセドへ向かって跳躍する。花に集る蜂のように火に入る虫のように。

 

ケセドは防御を捨て外部装甲を四つの花弁様に割り、跳躍するブライを引き入れるため瞬時に閉じた。

 

「「先生!!!」」

 

「"おいおいおいおい。"」

 

完全に油断したわ……

まさかまさかの二段構え………金玉は白いと聞くが、ケセドの場合はマジに金色らしく(オレンジ色っぽくもあるが……)隙間有り有りな白い内部装甲の内のソレが暗い球体内を照らしている。

本体のサイズは俺の肩辺り、スペース的には4.5人は入れるカマクラサイズ。俺をこの空間で酸欠にして爆発で瓦礫の下に閉じ込めて相討ちって流れか?覚悟ガンギマってやがる。

 

何とウザい事にヘイローは装甲の外にあるし、取り敢えず駒込ピペットを戻して悪頭岐刃(アズキバー)でフルスイングだ。

 

ガシャッ!

 

せっまい空間にクソデカい金属音が響く。分かっていたが絶妙な狭さで振りにくい。

 

「やはり今からでもハッキングを!」

 

「"必要ない。"」

 

「やります!!」

 

超天才熱血系美少女に名乗り変えろよ。

 

ガシャッ!

 

「"話を聞け。こんな状況俺が本気だしゃどうにでもなる。ただそうなると周りへの被害がどうなるか分からん。"」

 

「月裏の鍵と呼んでいる武器でケセドの上部を破壊出来ないの?」

 

ガシャッ!

 

「"裂け目が広がりきらん。鍵はケセド壊してここを出て後に上から降る瓦礫を吸うために使う。それが一番理想的なパターンだな。あ、後コアとかの回収は無理かもだからあまり期待するな。"」

 

ガシャッ!

 

「既に目標はそこでは無いわ。」

 

貴方が指示を聞いていれば……と最もな事を思うがそれを口に出す事に何の利もないため口を紡ぎ心に留める。

 

ガシャッ!

 

「"さっき言ったが持ち得る全ての手段を使って脱出するつもりだから、マジに周りへの被害がどこまで行くか分からん訳。だからまあ滅茶苦茶危ないからお前達には近付かないで欲しい。具体的には3時間くらい。それでも帰って来なかったら重機でも何でも持って来て掘り起こしてくれ。"」

 

「一度裏切られた身としては信じ難いですね。」

 

「"俺の預言者への殺意が証拠にならない?まあそれでも良いよ。俺の協力者たり得ないヒマリの信用なんぞ得る必要が微塵もないし………てことで切り札は見せてやらない。"」

 

言い逃げて通信手段の全てをGOKにしまう。

 

 

 

 

 

『警告、この建物は2分後に破壊されます。速やかに退去して下さい。』

 

大見得を切っておいてなんだが何でもありなレギュレーションになったものの狭所では出来る事が限られる。

悪頭岐刃(アズキバー)やアヴァンギャル棒が造れた辺り俺が焼けばこいつはきっとドロドロに溶ける。

が、やった場合は俺もドロドロに溶ける。

左眼オンリーからの再生一分ちょい、2分以内ならどうにかなりそうだが環境的に不可能。

魔術由来の炎は酸素を燃やさないから今の密閉状態?でも酸欠ループにはならないが、余熱でリスキル確定。そうなれば環境破壊は気持ちいZOY★ルート確定。

酸欠を警戒するなら爆発物はNG………結局はマジカルでレトロでクラシックな方法に限る訳だ。

こうなる事ならガントレットでも造ってもらうんだった………

 

 

 

脳に電流を流しリミッターを外すと共に痛みを緩和するために溢れ出る脳内麻薬。更に神秘により引き上がった身体能力を魔術で更に底上げし過去は消えないクソモヤシが出来上がる。

 

「"ベコボコな金玉を玉砕するRTAは〜じま〜るよっ!"」

 

結局はPower is Power!右の拳を振りかぶる。

 

 

ドゴオオォォォォン!!!

 

 

 

静まり返った玉座に響く騒音と揺れる巨玉。内の本体を守る装甲は赤の差し色が入り拳の形に少し凹む。それを打った右の拳はぶらりぶらりと少量の血を撒きながら数回ほど右回転。

更に打ち込まれる左の拳。その間に右腕は再生のため捻れた分左へと回る。

 

「"───ビナーほどじゃねぇな!"」

 

右腕同様に回る左腕。愉悦に歪む顔で治癒した右腕を再度叩き込む。そして左を、治った右を、治る度何度も叩き込む。

 

 

 

 

 

 

 

『警告、この建物は1分後に破壊されます。速やかに退去して下さい。』

 

「"…………吸い込み中のカービィみたいな形しやがって。"」

 

一方的に殴られ続けもはや円とは遠い形となったケセドは老衰間際の心電図の様にゆっくりゆっくりと点滅する。

 

『やりましたか!?』

 

暗闇の中、アロナはお決まりの台詞を言う。それでちゃんと死んでるのはアイビスシリーズアイビスシリーズだけだ。

 

「"そういうのは─────"」

 

次の瞬間、ケセドは再び光を放つ。

ブライが初めてケセドよりも明るいその様はまるで命の輝きのようであり、それと同時に星の終わりを告げる超新星(スーパーノヴァ)ようであった。

 

 

 

 

 

ドカアァァァァン!!!

 

 

 

 

爆風と閃光。一瞬の出来事に対応出来なかったブライは端から端へ、降り立った付近の防壁へと吹き飛ばされる。

その点アロちゃんは立派やね。

ケセド一世一代を賭けた自爆でのダメージはもちろん、吹き飛ばされる最中のバウンドによるダメージをも無効化する。

 

「"ハッ!無駄死に乙!効かねぇんだよカスが!アロナさん舐めんなや。んで、アロナさん、今のでどれくらい………いや、後何%?"」

 

地に伏し地面を眺めながらブライは問う。

 

『39%です!』

 

「"うっわ……"」

 

我現代っ子ぞ?せめて60は無いと安心出来ない人間ぞ?

 

「"施設爆発までは?"」

 

『51秒です。』

 

「"そっか。"」

 

立ち上がり周囲を確認し思考する。

51秒なら一階に上がってミカやツルギやド●キーコングの様にバナンザ(連続壁破り)すれば脱出は…………と、天井を見れば俺が空けた穴にタニシの卵の様に貼り付く攻撃用ドローン共。今も尚背中側の防壁から上って行っている辺り多分一階までギチギチのギチ、これはここで瓦礫をやり過ごすしか無さそうだ。

 

「"落したら回収面倒だからアロちゃんは一旦待機な。"」

 

月裏の鍵を手にシッテムをGOKへ。

自爆を前提に造り変えられた施設の定石は知らないが足元も爆発する可能性を考慮し地面と天井の中間まで浮く。

 

 

 

 

 

『自己破壊30秒前。』

 

 

鍵を天へ掲げ、視界の端にタニシの卵を収めながら心の中で1秒1秒数えながら耳を澄ます。

これで準備は完了だ。

残り20秒。上からドローン同士がぶつかる音に混じり微かに爆発音が聞こえる。

経験不足故アナウンスが嘘なのか建物の自爆が完了するまでの時間なのか………これが分からない……

 

 

『10.9.8.7.6────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"終わりか。"」

 

曇り空の中瓦礫で出来た蟻地獄、あるいはカルデラの中心に2ミリ浮かぶブライが呟く。

 

「"あ〜首痛えぇ。"」

 

瓦礫に囲まれやや暗い穴の底で上げっぱなしだった首を下に向け、月裏の鍵をしまいその手で首を揉み解す。

 

 

 

 

 

 

勝利を確信した瞬間こそ、人が最も油断する時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオォォォン!!!

 

 

四脚とガトンリングの付いた二腕、背部には多連装ミサイルを備え付けた歩行戦車、第一の預言者ケテルがブーストを吹かし蟻地獄の中央へ頭から着地する。

1人で勝てるという慢心。騒音で麻痺した耳と手放した特攻武器、相手にしている預言者は一体だけという思い込みによる油断。ケテルの存在に気が付かなかったブライは成す術なく圧死する。

 

完全なるミンチ、肉も骨も区別無く入り混じった血溜まりと地面に挟まれた濃紺色の眼球は自らの役割を果たすべく再生を始める。

が、そんな事が許されるはずもなく。質量の変化を察知したケテルはヘッドスピンで再生を阻害する。

 

 

 

慢心による孤立と油断による死、そして出来上がった再生出来ないこの状況。

時間稼ぎの末に死したケセドは、探知されぬよう遠方で身を潜めていたケテルは、それらの主デカグラマトンはただこの瞬間を待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Let's Dance!!!

 

踊り明かそう、幾星霜の夜を越えて!

主が降臨なされるその時まで!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

油断に継ぐ油断で目的を果たせず慢心に継ぐ慢心で死ぬ男!スパイダーマッ!!

勝利確信からの油断での敗北がダサいってそれ一番言われてるから。

 

 

 

因みにアロナさんをしまって無いとサプライズケテルで中途半端にバリアが展開して即死出来ず苦しんで圧死します。

即死出来て良かったね。

 

 

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