透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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138.首のない天使

 

 

 

クッソ今更ですがブライ君は「成長しないゴミクズ」として書いているんですよ。

で、その参考という訳ではないのですが、自分が知っている中の最も不快感を覚えたラブコメのクズ主人公、その不快感のあまり2話目が観れなかった個人的伝説のアニメ「彼女、お借りします」を再度観始めた訳です。

 

 

わりぃ……やっぱつれぇわ……五条君と恋太郎は神!はっきりわかんだね。

 

でもまあ、嘘を嘘で塗り固めるゴミクズという点はそっくりなんですが、こっちは人殺しやら恐喝やらセクハラやらやってるので勝ちです。

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「不死故の油断を突き再生不可能な状況まで追い込む……不死の倒し方としても最もポピュラーな方法ですね。金属という不朽の肉体を以てしてケテルは一体どれ程の時間を稼ぐ事が出来るでしょうか。」

 

薄暗い部屋の中、モニターに映るヘッドスピンを延々と行うケテルを見ながらスーツを着たまっくろくろすけの擬人化(青年誌の姿)は無感情に呟く。

 

「3時間未満だ。」

 

まっくろくろすけの呟きに横に座す双頭の木偶人形は自身の答えを返す。

 

「先生が救援を指定した時間よりも前ですか。」

 

「我が息子は自身が何たるかを隠す傾向にある。それに貴下の言う息子の望みが事実であればそう考えるべきが当然だ。」

 

「同意見ですねマエストロ。先生が真に死を求める不死者であれば継続的死など既に何度も越えたはず………越えてしまったというのが適切でしょうか……兎も角───」

 

衝突音と共に現れた石柱がケテルを跳ね上げる。

 

『!!!?』

 

完璧に破壊し続けた存在からの反撃。感化により動揺せども元は機械。ケテルは瞬時に空中で身を翻し柱の根元へ複数のミサイルを放つ。

狙いも正確、火力も十分。何かに阻まれる事なく飛んだミサイルは問題なく着弾し柱を折る。

その柱は地面に倒れる前に消失し、ケテルは再び砂埃舞う柱の根があった場所へミサイルの照準を合わせ発射する。

 

頭までか腕までか、この瞬間にどこまで再生しているのかは定かではない。ブライを殺し続けるため、どこまでであろうとも対応出来るようミサイル発射と同時に対象の動きを演算する。

 

着弾するミサイル、上がる爆炎に僅かに崩れる蟻地獄がブライの死肉を埋葬する。

 

そこにあったのは頭蓋骨とそれに嵌った左眼のみ。ケテルは再生を阻害すべく再びミサイルを撃つ。

本題はそこではない。爆風で吹き飛ぶ左眼を捕捉したケテルはより正確な軌道を計算し再びリスキルを行うべく脚部からワイヤーを射出する。ワイヤーの先は建造物引っ掛かりそれを起点にブースターと巻き取りで加速し追い掛ける。

障害物の多い廃墟、物が遠くに飛ぶ事もなく難なく追い付いたケテル。

 

回転する前頭骨に張り付いた左眼に黒い影が落ちる。

 

 

ジュッ!!

 

 

 

下部からの異音と左前脚の温度の上昇、それに伴い響くエマージェンシーコールにケテルは再びワイヤーを射出し退避を試みる。

 

『!!!』

 

が、既に左前脚は蒼炎に焼け落ちておりケテルは他3本のみで強行し地面に体を擦り付け火花を散らしながら移動する。

 

 

 

「まさか脳を介さず反撃が可能とは……クックック………アレを試さず正解でした。」

 

「正に剥き出しの本能と言ったところか。」

 

正に剥き出しの本能と言ったところだ。

この左眼の役割はブライを再生させるためにある。そのためならば敵味方や場所の区別無く再生の邪魔となる要素を改善し再生できる環境を整える。どうやらケテルは着地の際に左前脚で眼を踏みつけていたらしい。

 

 

 

三本足となったケテルは器用にも立ち上がり眼球をを視界の内に捉える。

そして眼球は自身の周囲を岩で覆った。

 

あくまで目的はブライの再生。手出しさえしなければ問題はない。ブライが全身の再生に掛かる時間は最短で一分、最長で約一分半。今ならば脚を失ったケテルでも十分な逃走は可能である。

 

しかしケテルは右後ろ脚からワイヤーを伸ばし地面を滑り、両のガトリングを構え再びミサイルの狙いを付ける。

左眼についての理解が及ばなかった訳ではない。千載一遇のチャンスであり同胞の仇、よって逃亡の選択肢が存在しないというだけだ。

 

発射する弾丸と破砕する岩の半円。左眼は再び宙を舞う。

ケテルもワイヤーを射出し空を駆ける。

追いはするが反撃を警戒し近付かない。一定の距離を保ち第2射を行う。当然の様に形を保った左眼は今はどうでも良い。今ケテルが成すべきは破壊ではなく氷河への運搬。

 

ケテルは考えた。いずれ増援の来るここでブライを永久に殺し続けるのは不可能に近い。

第二の預言者コクマーの潜むヒノム火山の火口に落しコクマーと共に殺し続けるのが理想的ではあるが人目が多すぎる。

その点氷河はミレニアムの廃墟からも到達が可能であり付近に自治区も存在しない。気温による血液の氷結も期待でき、第五の預言者ゲブラも滞在している。破壊の方法は自身のパーツを交換した後からでも考えれば問題はない。

 

しかし事はそう上手く運ばない。三度再生を防止ケテルを改善の対象とした左眼は何故か立ち並ぶ二本の骨を生やしながら非ぬ方角へ落ちていく。それを防ぐためケテルが第3射を放った同時、雷がケテルを殴り地面に引きずり下ろした。

 

 

ビキッ!

 

着地の衝撃が右前脚に集中し悲鳴を上げ、巻き取っていたワイヤーが体を引きずり追い打ちをかける。

このまま戦い続ければ恐らく体は自壊する。

………虚しい全ては虚しい……たとえ全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。ケセドの死に意味を持たせる為にもケテルは必ずゲブラに繋がなければならない。

ケテルは周囲を確認し落下の際に見失ったブライの左眼を探す。

 

そして探し当てた。

治るブライと直らぬケテル。互いの攻撃は命中したが結果は何とも不公平なものである。左眼は当然の如く形を保ったままケテルを嘲笑うかの様に元居た方角へ飛び去っていく。

もちろん左眼にそんな意思は無い。左眼が行うのはただ再生する事とそれに最善を尽く事。阻害要因の対処に使われるのはブライの見聞きし考えた情報と本人に可能な行動に限るため無くは無いと言えなくはないが、あくまで技能と思考のみであり性格や趣味嗜好が反映される訳ではないのでやっぱりNOだ。

 

ケテルはワイヤーを射出し左眼を追い越さんとブースターをフル稼働させ左眼を追い掛ける。

前脚が無い事でバランスが取れず頭を下に随分と無茶な姿勢でワイヤーを射出し建物に引っ掛けてはブースターを吹かし、引っ掛けてはブースターを吹かし、偶に攻撃を挟み再生を阻害し、無茶な飛行で地面に装甲を擦り建物にぶつかりながらもただ追い掛ける。

 

そう、結局は追い掛ける止まり。

 

ケテルが追い着こうという時には既に左眼は蟻地獄の底で埋葬されたはずの血肉の溜まりの傍らに転がっていた。転がり再生しながら血を血溜まりの上へ浮かべ、固めては溶かし固めては溶かし次々と模様を描いていた。

 

「あの模様は………」

 

ゲヘナ最強のヘイロー、約束された勝利の象徴の、トリニティの歩く戦略兵器の、裏切りの魔女の、救護の狂人の。

 

「なるほど、先生にはそう見えていたのですね!」

 

「待て!バカな事は考えるな!」

 

次々と浮かび上がる模様に感嘆の声を上げる黒服とは別にマエストロはやや不穏そうな様子で声を荒げる。

 

「マエストロ、貴方も分かっているはずです。あの状態は先生の意思が介在しない。好戦的な彼がケテルへの致命打を持ちながら討伐よりも再生を優先した事が何よりの証拠。後はただ、あの異界の神秘が成すがまま。」

 

全ては仕方のないことである、とトーン高めに亀裂から黒い煙を浮かべながら黒服は語る。

 

「分かっている………分かっている……だが!」

 

そしてある形を最後に左眼のお絵かきは終わり、それと同時に血溜まり全体が蠢いた。

血と肉と骨の混合物はヘイローを目指すかのように積み上がる過程で徐々に形を変えて行く。

表面に見える骨片が内側に引かれそれと入れ替わるように筋繊維が浮かべ上がり互いに絡みつく。

 

ケテルが追いついた頃には既に蟻地獄の底の血溜まりは枯れ血のヘイローを浮かべた首の無い天使と少し前に踏み砕いたブライの首が存在した。

 

アレは危険だ。機械は機械らしからず直感的に理解する。

造られた命だからこそ理解する。アレは同類だ。されど味方にはなり得ない。

 

銃口を向けると同時にブライの頭部が独りでに割れ左眼をおいて重力を逆らい天使の首へ、浅黒い肌を新雪の積もった大地の様に白く染めながら登っていく。

 

 

「ぁ………」

 

 

ドドドドドドドドドッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「"ヘクショイ!………ゲホッ!ゲホ!!"」

 

 

勢いのまま上半身が跳ね起きる。呼吸すらご遠慮願いたいほど土を多分に含んだ最悪な空気だ。

オマケにケツから足にかけて瓦礫の角が食い込んで最悪な目覚め………マイサンクトゥムが丸出しなところを見るに俺は結構な死に方をしたらしい。

全損した後の復活は体全体にリセットがかかるから決まって目覚めが良いのだが、何やら今回は体が重い。

死因がハッキリしない俺は状況を整理するため頭に手を当て最後の記憶を辿る。

うん、瓦礫を対処した後からの記憶がねぇ………サプライズニンジャでもされたか?クレーターの底じゃないしかなりヤバい感じの殺され方をしたのは確か……そしてそいつは誰かと戦っているのか微かに戦闘音が聞こえる。

 

自覚はないがマジに今のスペックの俺を3時間以上殺し続けるのは普通に称賛物であり即刻始末すべき敵だ。

 

取り敢えず替えの服とシッテムを取り出し起動する。

 

「"アロちゃん、アレからどれだけ経った?"」

 

『はい、あれから………………先生、羽………大きくなってませんか?』

 

質問に答えず唖然とするアロナさん。

 

「"体の一部なんだし普通に成長くらいするだろ。まあ、上裸でシッテムを開く機会なんてそうそうねぇからな。"」

 

アロナが画面をインカメに切り替えるとそこにあったのはイケメンフェイスと瓦礫の壁、そして…………ミネやミカ並にクソデカい黒い翼。

 

「"セフィ■スみたいになっとるやんけ………両翼だけど……いや、何で?色まで変わってるし…………"」

 

気がつけば側面全開なセクシーフォックスとのお茶会が始まっていたレベルに脈絡なく突拍子も無い状況に逆に落ち着いたツッコミが口を突く。

 

本当に何で??てか重さの原因これか!服どうすんの?Everyday半裸?てかんな事考えてる場合じゃねぇ!

 

『季節や成長の度合いによって羽の色が変わる鳥もいるそうでそよ!』

 

「"そういう豆知識はいいんだよ!はよ質問に答えろ。"」

 

音の聞こえて来る背後へと振り返り壁を超えるためアイキャンフライ。

見覚えのあるカラーリングの瓦礫の壁を見下ろせばボッコリ沈んだ俺の死地。

工場全体の大きさと俺の抵抗あってチェックマークのようになっていたはずだが少し形が崩れ瓦礫が雪崩込んだようだ。

あの力が俺の死肉に反応するかは定かではないが少なくともあの場に俺の血はないらしい………いや、血が付着してる時点で反応するのか?訳の分からん割と切迫した状況なのに試したい事が増えてきた。

とりま勝手に回収したであろうゲマカスはブチ殺確定だ。

 

『最終起動時間は12分前でした。』

 

「"そうか………"」

 

12分。時間的にも音の距離的にも撤退中のエイミとトキという可能性は限りなく低くそうだがその場合は誰対誰だ?

そんな疑問を浮かべたところでロボにせよ人にせよ敵にせよ味方にせよ第三者にせよ何にせよ、俺を殺した奴の協力者がトキとエイミを足止めて合流という最悪のパターンが存在する以上行かない選択肢は無い訳で。

 

「しゃあコラァ!ざまあみろ鉄屑ゥ!!」

 

多分俺が死んだであろうクレーターの中心の真上を差し掛かかったタイミングで廃墟に響くエイミでもトキでもない雄叫び……本当に誰だ!?

聞いた限りでは音の発生源はクレーターを挟んだ向こう側。鉄屑と罵倒する辺り機械やオートマタではなく人である確率が高い………けど本当に誰だ?

と、そんな事を考える内に止んだ戦闘音。

 

ブライは向かう先を見据え風の抵抗を減らすため鬱陶しい翼を畳む。

 

 

 

ブウォォン!!!

 

瞬間、音を置き去りにしながらブライの左翼があった場所を何かが過り、積まれた瓦礫の山の七号目が音を立て崩れる。

 

「"壁抜きぃ!?てか何でお前全……………おっ……前………"」

 

崩れた瓦礫の中腹でこちらを指さす目つきの悪い全裸の大女に言葉を失うブライ。

新雪の様に白い肌、スラリと伸びた手足に薄っすらと割れた腹筋と豊満なる物二つ、ブライが言葉を失うのには十分過ぎる条件である。

 

「倒せた思うたんじゃが……やはり寝起きで鈍っとるんじゃろか?………ん?」

 

 

 

 

「変態じゃああぁぁぁ!!!!」

 

 

 

「"お前じゃあぁぁい!!"」

 

 

全裸と全裸、響くユニゾン。

 

「"いや、そうじゃねぇ、そうじゃねぇだろ………"」

 

しかし、言葉を失ったのはドチャシコい美しい肉体を目にしたからという訳ではない。ただガン見をし心臓を激しく脈打たせているのは紛れもない事実。

クソデカい痴女の顔が目つきを悪くしたサクラコに似ていたからというのは少しある。オマケに髪も紫のグラデーションが掛かっているがサクラコと同じ白い髪。

 

ブライが言葉を失った最大の原因は痴女の頭上のヘイロー。見覚えはある、しかしそれはもうこの世に存在しないはずの物。それが今目の前の痴女の頭上に浮かんでいたからだ。

 

興奮か驚きか恐怖か、ブライはそのヘイローの持ち主に問い掛ける。

 

 

「"…………お前、バルバラか?"」

 

「…………だったら何じゃ、粗末なもんしまわんと千切るぞ変態。」

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

デカグラマトン

「こんなチートが許されるのか!?コデックスに反している!ルール違反だろこんなの!そんな力に敵うわけがないだろう!?反則だッッ!チートだ!チート!」

 

ホシノ

「ユメ先輩復活させんだよ、あくしろよ!」

 

ブライ

「おう、考えてやるよ。」

 

 

ブライのリスキルを防止するために青白〜い恐怖を纏った刀を構えたマエストロが現れて「来い!出来損ない(預言者ケテル)!!」する展開を予想していた人は脳外科へどうぞ。

 

 

 

 

書くべき事が色々!………ってほどはなく。

取り敢えず先に書いておくとユメパイを復活させる事は出来ます!!が今は確実に止めておいた方が良い状況とだけ。

そもそも復活に必要なヘイローの情報の入手とブライ君のアレコレを開示するという前提条件があるので中々に難しい!

それに、いざ「俺死者蘇生出来ますよ」と言われても「じゃあお願いします」って難しくないです?倫理的にも感情的にも。

 

てか、ぽっと出の原作つよつよキャラが出てきた時は何らかのタグを付けるべきなんですかね?

 

 

 

 

過去回想を覚えてる方がいるか分かりませんが「聞いたか?領主とこの息子が実は人モドキだったってよ。」「知ってる。人モドキの癖に人間様(奴隷商)を殴りやがったんだってな。処刑するらしいし石でも投げに行こうぜ!」

てな感じでブライ君ブチ殺しゾーンに集まった方々が後に焼け死ぬ事になったのは今回の左眼の防衛機能のやらかしだったりします。

ま、その後自分の手でもやっちゃうので意味は無いんですけどね。

 

 

そして最後にケテルの形態変化はカッコイイけどテキスト見る限りそこいらのケテル用武器庫に寄らないと出来ないっぽいので、今回の戦闘内容のせいで悲しい事に変形は無しだ!悲しいね。

 

 

 

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