透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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27.ミレニアムプライスRTAはーじまーるよー

 

ネル対アリスとミレニアムプライスを何処で切って良いのか分からなくて13000字で全部ぶち込んだアホがいるらしい。スクロールするのが面倒くさいでしょうが!

 

──────────────────────────

 

 

「キェェェェェェアァァァァァァマニアッタァァァァァァァ!!!」

 

ゲーム開発部に某ハンバーガーチェーン店のcmを想起させるようなモモイの絶叫が響き渡る。

 

「ギリギリ…心臓が止まるかと思った…」

 

「後は…3日後の発表を待つだけだね。」

 

ミレニアムプライスへの応募を締切20秒前に終え、ゲーム開発部は一つの山場を越えた。

 

「3日って長いしさ、先にWEB版のTSC2をアップロードしてみるのはどう?」

 

「!?」

 

「ど、どうして?」

 

「審査員の評価より先に、ユーザーの反応を見たくない?」

 

「"大会の規約に反してないならいんじゃね?"」

読んでないから知らんけど

 

「うーん、でもちょっと怖いかも…低評価コメントも心配だし。」

 

「何言ってるのさ!そもそも、ミレニアムプライスに出品するためだけに作ったゲームじゃないでしょ!自信を持って見てもらおうよ!私達はベストを尽くしたんだから!」

 

「"ミドリはユズを気遣って言ってんだぞ……まぁ、どの道大衆に評価されるような物でなければミレニアムプライスの受賞は厳しいと思うが。"」

 

審査員と云えど人間…かは分からないが多少は世間の評判に意見が傾くものだろう。正直アップロードすべきか否かどちらが正しいか分からない。

 

「うん…アップしよう。作品っていうのは…見てくれる人、遊んでくれる人がいてこそ、完成されるものだと思うから。私は私達のゲームをきちんと完成させたい。」

 

「ユズちゃん…」

 

「低評価のオンパレードになったとしても私達は全力で頑張ったから大丈夫。それに…皆が一緒だから、きっと受け止められる。」

 

「"成長したなぁ…"」

 

引き籠もりが改善される日も意外と近いのかもしれない。

 

「それじゃあ…よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!」

                   カタッ

 

勢いの割に音が優しい。

 

「ああっ、待って心の準備が……」

 

「"ユズの心配をしている場合じゃなかったな。"」

 

「転送完了!感想が貰えるまで2.3時間はかかるだろうし、暫く休憩って事で!」

 

徹夜続きだったゲーム開発部達はその場で寝転がる。俺は窓を開けて換気でもして戦闘摂理でも解析するとしよう。今日も今日とて爆罠で皆に1週間分のストレスを摂取させてあげよう。

 

「ん、アリス?何でモニターの前で座ってんの?」

 

「皆さんがダウンロードを始めたようです、気になります。」

 

「これからゲームをプレイするのにまだ時間がかかるだろうし、待っててもすぐには来ないと思うよ?」

 

「はい、それでも待ちます。」

 

何となく気持ちは分かる。小学生くらいの頃、誕生日の日にはゲームを買って貰えるのが楽しみ過ぎて、意味も無く玄関で待機していたものだ。

 

「わ、私も…。どっちにしろ、緊張で眠れないし…。」

 

「うん。ダメ、私もドキドキして来ちゃった。」

 

「私も。」

 

何か懐かしい気分だ。

 

ピロン

 

[わあ、これ前回クソゲーランキング1位を取ったアレの続編?ゲーム作りはやめたと思ったけど、懲りないねぇ]

 

「アリス、こういうのはあんまり気にせず…」

 

「マキに連絡。該当IPの方角にビーム砲を喰らわせてあげます。」

 

お前ネットで俺の事バカにしたよな?を生で見る機会があるなんて……

 

「大丈夫…ゲームをやっていない人の発言だから…」

 

「"逆に考えろ。真っ先にコメントをくれたんだ、こいつはアンチを装ったファンだ。"」

 

 

ピロン

 

[鬼が出るか蛇が出るか…せっかくなら中庸何かじゃなくて、振り切った体験を期待したいね。]

 

完全に振り切れている作品なので期待通りだろう。

 

「あっ、ちゃんとした反応が……」

 

ピロン

 

[前作は良い思い出が残ってない。それどころか苦しい記憶は鮮明に思い出せる。でも、どうしてか…続編だと知っているのにダウンロードしてしまった。]

 

「"ようこそ、バカゲーの沼へ"」

バカゲーは止められねぇんだ!

 

「それどういう意味?」

 

「"腹よじれる程面白いゲームって意味だ。……おい、ダウンロード数見ろ。"」

 

「もう2000を超えてる!?流石におかしくない!?」

 

バカゲーに脳を焼かれた生徒は2000人を超えている。冗談で言ったクソゲー英才教育が流行る日も近いかもしれない。

 

「あ…有名なポータルサイトに、私達のゲームが発表されたって記事が載ったみたい。」

 

先行公開した事はどうやら正解だったようだ。

世界はクソゲーへの愛で満ちている…

 

「うわあぁぁ!ここまで数が増えると急に怖くなってきた!うぅっ!期待と不安で心臓が爆発しそう!」

 

ドカアァン!

 

付近で何かが撃たれた音…

 

「ほ、本当に心臓、爆発しちゃったんですか?」

 

「ち、違う!私の心臓じゃない!」

 

誰のでもねぇよ

 

「一体何の……まさか、ゲーム機が爆発!?」

 

「"漫才やってんじゃねぇ!"」

 

「この砲撃は46mm砲…カリン先輩の!」

 

「"間違い無く報復じゃん!取り敢えず逃げるぞ!"」

 

正直こうなる予感はしていた。だってこいつらあんな事をやった後なのに平気でゲーム開発部の部室使ってゲーム開発部してんだから…正直正気を疑った。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

「逃げて来たのは良いけど………ここミレニアムの本校舎じゃん!!!」

 

そう、俺達が逃げ混んだのは昼間のミレニアムの校舎の中、勿論ちゃんとした意味がある。

 

「"モモイ、考えて見ろ。校舎に入って殆ど狙撃されてないだろ?"」

 

「確かに……」

 

「"昼間の校舎だ、人は多い。今撃てば無関係の生徒に被害が出るから撃てないって訳だ。完璧だろ?"」

 

実際、校舎に入ってからは2.3発撃たれただけで狙撃は止んだ。

 

「うわぁ……」

 

「えぇ…」(困惑)

 

「悪役みたいな手口です!」

 

「鬼!悪魔!先生!」

 

「"褒め言葉をありがとう。"」

 

ブライのブは卑怯のブだぞこの野郎。ひとまず狙撃は免れた。後はもう一回ヴェリタスに協力して貰って、カリンの居場所を特定さえ出来れば……

 

 

 

「あっ!先生だ!また会えたね!」

 

C&Cの報復なんだ…当然こいつも居る。

 

「アっ、アスナ先輩!?」

 

「"…良し!お前等全力で逃げるぞ!"」

 

いや、明日以降なら嬉しいとは言ったよ…でも今じゃない!取り敢えず壁を作って全力逃亡しか無い!

 

「で、でも何処に逃げるんですか?」

 

「"ビルの間とか路地裏とかで射線でも切ろう。"」

 

最悪アビドスまで行ってクソ広い街で迷わせる。そしてユズは道半ばで倒れ尊い犠牲となる。

 

即興でお粗末な計画を立て只管玄関に向かって逃げる。アスナは本当に相手にしたくない。屋外でインディグネイションをブッパしても何かしらの方法で避けられそうな気さえする。

 

「"おい、見てみろ!お前等のファンで一杯じゃないか!人気者は辛いな!"」

 

「終わりだあぁぁぁぁぁ!」

 

狙撃を止めたからと言って、相手が何もしていなかった何て事は無く、外には大量のロボが待機していた。何処にこいつら隠し持ってたんだよ…

 

「"じゃあ、俺は集ってくるマスゴミの対応をする。アリスは正面にいるファンの皆様に元気なご挨拶でもしてやってくれ。超全力で!"」

 

「…!アレですね、師匠。」

 

「"その通りだ、弟子。"」

 

アリスは出待ちするロボットにスーパーノヴァを向け、チャージを始める。俺は光の玉を屋外に生成し玄関をOpen Sesame

 

「「"光よ!"」」

 

ドカアアァァン!

 

ロボ達が一斉に物言わぬ鉄屑と化す。中身なんぞ殆ど変わらない無双ゲーを何作品も買ってしまうのは、きっとこの感覚を何度も味わいたいからだろう。何やかんやで序盤の雑魚の群れを一掃している時が一番楽しいのだ。

 

「"やっぱり合体技は良いよな!"」

 

「はい!またやりましょう。」

 

出来れば人間以外が良い。絶対ケガ人でまくる。

 

「早くしないと増援が来るよ!」

 

モモイの言う通り話している場合ではない。スナイパーも待機しているし、正面からはロボの増援。急がなければアロナのお世話になってしまう。

 

「"じゃ、ささっと移動しましょうか。"」

 

 

それから適当に建物で射線を切りながら進んで行き、現在は旧校舎の廊下に身を潜めている。その過程でカリンの狙撃を振り切り、アスナの追跡もなく、アカネと遭遇する事も無かった。

 

 

「ハァ…ハァ…な、何とか逃げ切れた?」

 

「"フラグを立てるんじゃあない。パニックホラーなら絶対死ぬ奴だぞ。"」

 

「ハァ……こ、これからどうする?」

 

「"一応シャーレには幾つかベッドが余ってる。そこでミレニアムプライスまでやり過ごす方法もある。"」

勿論最後の手段だ。

 

「やっぱただの変態じゃねぇか!」

 

モモイ、ミドリ、ユズ、アリス、俺に次ぐ幻のシックスマンが何処からともなく現れる。

…ですよね。不在の予定の日でも現れる人ですもんね。

 

「"真っ先にそういう考えが浮かぶ方が変態だと俺は思うよ。ネルネルネルネル。"」

 

「人を知育菓子みたいに呼んでんじゃねぇ!お前は女子トイレから出て来た前科がある事を忘れんなよ!?」

 

緊急時だからって納得してくれたじゃん!

 

「えぇ…」「うわぁ……」「…………」

「師匠は[スケベ大魔王]の称号を入手しました。」

 

とても冷ややかな目だ。使用したこと自体は変えよう無い事実だだけどさ……今日ほど結石の錬金術師と呼ばれたかった日は無いかもしれない。

 

「"俺に負けたからって悪評ばら撒くのは良くないだろ!何?何しに来たんだ?もしかしてリベンジか?"」

受けるつもりは一切ないけど!

 

「まあ、それも良いが……今日はそっちバカでかい武器を持った奴に用がある。」

 

グッバイアリス フォーエバーアリス

 

「えっ!あの話本当だったんだ!」

 

「師匠は盗賊から魔法使いにジョブチェンジしました。」

 

「今喋ったあんただよ。あんた!」

 

「アリスの事ですか?」

 

不思議そうに尋ねるアリス。スーパーノヴァはアリス基準ではバカでかいに該当しないのだろうか。

 

「そうだ、てめぇに用がある。C&Cに一発くらわてくれたらしいじゃねぇか?ちっと面貸せや。」

 

俺は一発お前に食らわせてやったけどな!

 

「アリス知ってます!このパターンは告白イベントですね。チビメイド様はアリスに惚れていると。スチル獲得です。」

 

「ふっ、ふざけんなこの野郎!誰がチビメイドだ!?ぶっ殺されてぇのか!?」

 

「ひっ!」

 

「こ、怖!」

 

何処ぞの兵長とは違ってチビ弄りはNGらしい。

 

「…まあ、良い。誤解してるかもしれねぇから言っておくが、別にC&Cの復讐って訳じゃねぇ。こっちとしては正当な依頼での出来事だった。そっちは目標を達成しただけだ。恨みはねぇが…興味が湧いてきてな。あたしに勝てたら大人しく引き下がってやるよ。」

 

気付けばC&Cメンバーがネルの後ろに居た。戦わなければ…勝たなければ総力戦になるという訳か…。一体どの辺の会話から聞いていたんだ……変な誤解をこれ以上広げられるのは勘弁だぞマジで。

 

「分かりました。一騎討ちイベントの様なものですね。理解しました。」

 

「イベ…まあ、やる気はあるみてぇだな。」

 

ウィィィン

 

アリスがレールガンのチャージを始める。スーパーノヴァはト□ンより速度が早いが、この「撃ちますよ!」って感じの特有のチャージ音がある。普通の相手ならば対して気にする要素では無い。普通の相手なら。

 

「成程、これがっ!」

 

「光よ!!」

 

いつもより太めの極太紫電が放たれる。

 

ドカアアァァン!

 

旧校舎に溜まったゴミや埃が盛大に舞う。

 

「わぉ!」

 

「なんて言う威力…校舎の壁をこうも簡単に破壊してしまうとは。」

 

それを耐えるお前等の方がヤバいと思う。

 

「す、凄い…」

 

「こんな火力見たことない。」

 

「やったか?」

 

「"まだだ。アカネは"校舎の壁を破壊した"と言ったんだぞ。"」

 

それは、ネルには直撃しなかった事を意味する。

 

ダダダッ!

 

「うあっ!?」

 

「確かに並大抵の火力じゃねぇが、それだけだ。」

 

当然の様にネルは無傷だ…直撃を狙うよりも爆風への巻き込みを狙えば少しは結果は変わっただろう。

 

「もう一度魔力の充電を…」

 

残念ながらそれを許してくれる様な相手じゃない。逆風の中壁走りしてくる女だぞ…一瞬で攻めて来るに決まっている。

 

「遅せぇよ」

 

ガッ!

 

「きゃあっ!」

 

ネルの脚力はクソ強い。とは思っていたが…スーパーノヴァを持ったアリスを吹っ飛ばすのは流石に予想外だ。マジであの時は手加減して下さりありがとうございます。

 

「てめぇの武器は強い。だが、引き金を引いた後に隙ができる。その上、強すぎる火力のせいである程度距離が無いと撃てねぇ。爆圧に巻き込まれるからな。」

 

そもそもネルとアリスの戦闘スタイル的にアリスが初撃を外せばそれ以降は圧倒的に不利になる。

 

ダダダダダダダダッ!

 

アリスはサブマシンガンの弾をスーパーノヴァで受ける。俺の鉄壁はいとも容易く破られたというのにスーパーノヴァには軽微な傷のみ。

 

「"そういや、生徒は全裸にならねぇな…"」ボソッ

 

「「「えっ!?」」」

 

「"ソイヤ、セイトワ、ゼンラニ、ナラネナ、俺が居た所での夏の大三角形を構成する星の名前だ。気にするな。"」

 

風紀委員会との戦闘前、完全に油断していて、爆弾や砲撃により俺の服はかなりボロボロになった。しかし、便利屋達の服は多少汚れたり焼けたりする程度で済んでいた。

それに、日常的にドンパチしていて、手榴弾なども飛び交うキヴォトスだが、あの時の俺やアコやハスミのような奇抜な格好の人物は見たことがない。またもや魔法…神秘案件か。所有物には威力の他、耐久を無意識的に強化できるのかも知れない。

 

「そしてこの間合いで勝てる奴なんざ……」

 

あっ、決め台詞来る!夢女子一号として推しに認知してもらわねば。

 

「"はい!はい!俺!俺!"」

 

「うっせぇ!」

 

ダダダダダッ!

 

アリスに飛ぶ筈の銃弾が何故かちょっとこっちにも飛んで来た。

 

「思った以上にがっかりだったな。この程度で、あいつらがやられたとは到底──」

 

アリスは言葉を言い終わる前に間合いを詰めてくるネルをスーパーノヴァでぶん殴った。ネルも流石にあの銃をぶん回すとは考え無かったようだ。

 

「ぐっ!……その銃身を振り回せんのかよ…悪くねぇ判断だ…」

 

ネルは体勢を立て直しすぐさまアリスへの攻撃を再開する。

 

「けどな、この距離じゃ戦局は覆らねぇ。照準を合わせることもできねぇ。」

 

「照準は必要ありません。行きます!」

 

 

 

ウィィィン

 

「おいまさかてめぇ、床に!?正気か!?」

 

盾として使用していたスーパーノヴァの銃口が瞬時に下を向く。「近ければ撃てない」そう思い込んでいたネルの退避が遅れる。

 

ドカアアァァン!

 

アリスとネルの両者が爆圧宙を舞う。引き分けはアリスの勝ちって事で良くない?

 

「アリスちゃん!うっ煙が…」

 

「"アリスキャッチ!ネルが復活する前にさっさと逃げるぞ!"」

 

以前より威力が上がったレールガンの至近距離自爆は思いの外威力が高くアリスノカラダハボドボドダ

 

これ以上のアリスの戦闘は困難と判断し、この日は全力でC&Cから逃げたが、普通に追ってくる事は無かった。ネルに感謝を

 

 

 

──────────────────────────

ミレニアムプライス当日

 

 

あの日以降もゲーム開発部はC&Cの襲撃は無く平和に過ごす事が出来たみたいだ。

 

 

「ねぇねぇアリス、見て見て〜。じゃ~んメイド服〜!」

 

クソガキのモモイは背中に隠したメイド服を勢良くアリスの前に差し出す。

 

ドンッ!      ガタン!

 

ネルとの戦闘により、メイド恐怖症になったアリスは唐突に見せられたメイド服を薙ぎ払い、ロッカーに籠もってしまった。

 

「いったぁぁぁ…」

 

「"いいパンチだ。世界狙えるぜ…"」

 

薙ぎ払う過程で頬を殴られたとしてもモモイが悪い。

 

「今のはお姉ちゃんが悪いよ!アリスちゃん大丈夫?」

 

「あ、アリス、暫くメイド服は見たくありません!」

 

ガタガタガタガタガタ

 

「体は治ったけど心はもう少しかかりそうだね。」

 

体は癒えようとも心は癒えぬのだ…

 

「"あっ、そうそう。襲撃と旧校舎の件だけど…"」

 

「嫌だ!聞きたく無い!」

 

「"安心しろ。C&Cが部活動中の事故として処理してくれたそうだ。"」

 

「えっ!どういうこと!?」

 

「"説明すると………"」

 

 

 

──────────────────────────

ブライ回想中(ミレニアムプライス前日)

 

 

 

コンコン

 

「"すみません。"」

デトロ!開けロイト市警だ!

 

「はーい。」

 

あっ……………

 

ガラッ

 

「シャーレの先生、こんにちは」

 

「"コ、コンニチハ…"」

 

「怯えているようですね?」

 

真偽不明の復讐帳を持った人物とまともに接する事ができる訳ないだろ!

 

「"滅相もございません。…それより早瀬さんはいらっしゃいますか?少々お話ししたい事がありまして……"」

 

「ユウカちゃんなら、あちらで作業中です。」

 

「"ありがとうございます。それでは失礼します。"」

 

ノアはついて来ていない…しかし、キーボードをカタカタ打つ音に紛れてサラサラとノートに何かを書いている様な音が聞こえる。…今回、俺は何をやらかした?……

 

「"あの〜、ユウカさん?"」

 

「………どうしました?」

 

ご機嫌45°と言った所か?やはり反復横跳びは調子に乗りすぎたか…

 

「"セミナー襲撃の件と旧校舎の破壊について謝罪に来たんですけど……やっぱり、ゲーム開発部の顧問やってたし…その…本当に申し訳ない………"」

 

「その件については部活動中の事故として既に処理されましたよ。」

 

「"うおぉぉぉぉ!マジか!ユウカありがとう!マジでありがとう!"」

 

シャーレは何処でも戦闘行為が合法だと言っても非がない相手をボコって良いとは言われていない。どちらにせよ責任は無ければ無い程よいのだ。ニンニクとは逆だ。

 

「わ、私じゃなくてC&Cの申し出です!詳しい理由は話して貰えませんでしたけど。」

 

サンキューネルネルネルネル!今度身長伸びそうな物送ってあげちゃう!

 

「"それでもありがとう。あの後、あいつらを捕縛しに来なかっただろ?色々言ってたけど、何やかんやでユウカは優しいよな。"」

 

「そんな事を言っても、先生の散財癖について甘くなる事はありませんよ。」

 

「"本心ですけど!?……まあ、ちょっとは考えたけどさ……"」

 

本当はちょっと上限を引き上げて欲しかった。なんせ最近のゲームはアホみたいに高いのだ。

 

「そ、それで……そ、その…少し聞きたい事があって…」

 

上手く言葉が出て来ていない…余程言いにくい事なのだろうか…

 

「"いつも世話になってんだ。何でも聞いてくれ!"」

 

「こ、この間先生が言ってた…その…ハツ……コイ…って…」

 

恐ろしく顔が赤い。この前ハツの話なんかしたっけ?…もしかして自分の好みがおっさん臭いのを気にしているのだろうか…

 

「"気にしなくて良いと思う。まあ…正直俺は好きじゃないんだけどな。"」

 

「え……………」

 

なんか凄い絶望してる…。別に強く否定したつもりはないのだが……選択肢を間違えてしまったか。…まだ助かる。まだ助かる。

 

「"タンとかカルビとかハラミに比べた時にそんな好きじゃないって話だ!"」

 

「え?」

 

「"好みがおっさん臭いとか気にしなくて良いから。そんな深刻に考えないでくれ。俺だって黒豆とか栗きんとんとか好きだ。"」

 

コミュニケーションにおいて大事な事は傾聴と共感だ。それに、女性は共感を求める生き物だと聞く。ユウカが弱点だと思い込んでる部分に共感を示す!これで多少は挽回できるはず。

 

「…………はぁ…もういいです。」

 

 

 

──────────────────────────

 

 

「"…ってな、…んで俺はあの時何で失望されたんだ?"」

 

「焼肉屋に誘って欲しかったんじゃないかな?」

 

単純明快シンプルな答え。頭痛が痛くなって来た。

 

「"モモイ……お前天才か!?"」

 

アレだ!リンゴを一緒に買いに行って欲しい的なクソ問題のアレだ!ネットで見たことある!何だ、焼肉屋に一人で入るのが恥ずかしかっただけか。

クレイジーサイコレズのノアさんならおっさん臭い好みでも気にしないと思うけどなぁ…打ち明けたりしないんだろうか…しないよな……、?

 

「取り敢えず、ゲーム開発部の予算が減らされるような事じゃ無くて良かったです。」

 

「"取り敢えずテレビ付けよう。そろそろだろ?"」

 

両者問題解決。みたいな雰囲気だが、ミレニアムプライスはこれから発表される。減る減らんを気にしている段階では無い。

 

「もし受賞したらクラッカー鳴らそっか。でも、もしそうじゃなかったら…」

 

「…すぐに、荷造りしないとね。私達はさておき、ユズちゃんとアリスちゃんは…」

 

ついでに栗松も帰国の準備をしておけ。

 

「「…………」」

 

このように、先程の雰囲気とは打って変わって、暗い雰囲気でテレビの前に集合している。

 

「これより、ミレニアムプライスを始めます!司会と進行を担当するのは私、コトリです!今回は、これまでの中でも最多の応募数となりました。恐らくは生徒会の方針変更により、活動維持の為の成果が必要になった影響と思われます!」

 

モニターには見知ったメガネが映し出されていた。知ってるメガネの中でも一番テンションの高いメガネだ。

 

「…コトリちゃん達の方も無事だったみたいだね。」

 

「エンジニア部は元々、ミレニアムの中でもかなりの功績が認められてる部活だし…でも、本当に良かった。」

 

「うん。所で、史上最多の応募って……。」

 

「"やべぇな。"」

 

「昨年の優勝作品であるノアさんの「思い出の詩集」は本来の意図と違ったようですが…その形而的な言葉の羅列が、ミレニアム最高の不眠症に対する治療法として評価されました。」

 

何か俺が適当に書いた物でもイケそうな気がしてきた。

 

「今回も「歯磨き粉に見せかけてモッツァレラチーズがでるチーズ入れ」、「ミサイルが内蔵された傘」、「ネクタイ型モバイルバッテリー」、「光学迷彩下着セット」、「缶1個なら入る筆箱型個人用冷蔵庫」、「テイルズサガクロニクル2」などなど!出品された3桁の応募作品の内、栄光の座を手にするのは、たった七作品!」

 

トンチキアイテム発表大会とかに改名しろよ…

 

「それでは7位から、受賞作品を発表します!7位はエンジニア部、ウタハさんの「光学迷彩下着セット」です!これは身につけていてもその下の素肌が見えてしまうため、着ているのかそうでないのか分からないというエキセントリックな作品ですが…。露出症の患者さんが合法的に趣味生活を営めるという点で、大変高い評価を……評価を下した審査員が一体誰なのか、気になってしまいますね!」

 

穿いていようが見えた時点で公然猥褻だよ馬鹿野郎。

 

「"…ウタハの頭が心配になって来た…"」

 

「まあ…エンジニア部ですから…」

 

エンジニア部の素晴らしいネタ武器の数々は賞賛に値するが、コールドスリープ等のガチのアホをやらかす事を考えると、その一言で納得せざるを得なかった。…完全に手遅れです。

 

「第6位は、ヴェリタスのコタマさんの「ブライ先生の罵倒音声集」です!」

 

「"何やってんだコタマァァァ!"」

 

「この音声の愛好者である、A.A氏によれば、この音声は仕事の追い込みから日々のストレスの発散等、様々な使用用途があるそうです!そして、今購入された方には非常に精度の高い「ブライ先生のAI合成音声ソフト」が付いて来ます!お得ですね!…ディープフェイク等、懸念すべき点はありますが、兎に角6位です!」

 

「"誰だよ!AA氏って!悪用される可能性あるんならこっちも差し押さえろよセミナー!"」

 

個人的には鏡と同じくらい悪質だよ!てか、合成音声の方が凄いんじゃねぇの?

 

「あっ、本当だ!1320円で売ってる。」

 

今なら1320円でディープフェイク作り放題だそうだ。ふざけやがって

 

ここまでアホな作品が多く、受賞いけんじゃね?という空気だったがそれ以降ゲーム開発部の名前が出る事は無く、発表されていないのは最優秀賞の発表のみ。

 

「ううぅっ…ヤバいよ。」

 

「も、もう心臓が持たない!」

 

「お願い…お願い…」

 

「お願いします、私達の名前を!」

 

後が無いゲーム開発部は皆、眼前で手を組み拝み出す。

 

「最後に!今回のミレニアムプライスで、最高の栄誉を受賞した作品です!…その1位は!………cmの後で!」

 

何となくそんな気はしていた。

 

「アリスッ!!」

 

「いつでも撃てます!」

 

ガッ!

 

テレビを破壊しようと立ち上がり、銃を向ける馬鹿二人を頭頂部に少し強めのチョップをする。

 

「「うぅっ…」」

 

同じタイミングで同じ頭を押さえて膝を折る。中々に愉快なので撮っておくべきだった。

 

「"俺は台パンしたり、ゲーム機を投げ捨てる奴なんぞゲーム好きの風上にも置けないと思ってる。勿論周辺機器も例外ではないぞ。なぁ、モモイ?"」

 

俺はしつこく何度でも言ってやるぞ。

 

「さあ!それでは発表します!第1位は…新素材開発部の──」

 

「"モモイ、銃を下ろせ。"」

 

「どうせ全部持って行かれちゃうんだし、もう関係ないじゃん!うえぇぇん!今度こそ終わりだぁぁぁぁぁ!!」

 

「うぅっ…結局こうなっちゃうなんて…」

 

「努力は必ず報われる」それは努力が偶々報われた奴が吐いた戯言だ。最初は変な方向ではあったが間違い無くこいつらは頑張った。それでも今回は努力が実を結ぶ事が無かった。

こういう時、どう声をかけるのが正解なんだろうか…俺にはそれが分からない。

 

「落ち着いて、お姉ちゃん。でも…」

 

「分かってるよ!全部が否定された訳じゃない、へこたれる必要なんて無いって…ネットの評判も悪く無かったし、あの時から、ちゃんと成長した、これからも、きっと成長していける。次はもっと良い結果を出して、今より立派な部室だって貰えるはず!でも…」

 

「うん…だって、ユズちゃんとアリスちゃんは…」

 

「…心配しないで、ミドリ。私、寮に戻る。もう私の事をクソゲー開発者って呼ぶ人はいないと思う。仮に居たとしても大丈夫。」

 

完全に見縊っていた。俺が心配せすともこいつらは勝手に立ち直れる。

 

「今の私には…この3人と、先生がいるから。ありがとうございました、先生。先生がこの部屋に来てくれた時から…私達は、大きく変わる事ができました。」

 

「"シャーレが無くてもお前達は同じ結果を辿った筈だ。お前達はお前達で勝手に成長しただけだ、褒めるんなら自分を褒めておけ。"」

 

C&Cには惨敗するが多分そのくらいしか違いは無いだろう。

 

「最後までそんな事言っちゃって。……アリスの事、頼んだよ、先生。」

 

「"分かってる。宣言通り、書類地獄だぜ…"」

一人でいるよりはマシだろう。

 

「…アリスちゃん…ごめんね。」

 

「いえ、師匠の事は……ギリギリ信じられます。…ですが…。もう、皆とは…一緒に、いられないんですね。」

 

大粒の涙を流しながら辿々しく話すアリスを見て、僅かながら残っている俺の良心が痛む。

 

「うっ、ごめんね…ごめんね、アリスちゃん!私、毎日シャーレに行くから!本当に、絶対毎日行く!何処に行っても一緒にゲーム作ろう!」

 

「ううぅぅ…やっ、やっぱり嫌!先生!やっぱりアリスを連れていっちゃダメ!私の部屋に連れて行く!ベッドも一緒に使おう!ごはんも二人で分けよう!」

 

「わ、私の分もあげるっ!」

 

「二人共、先生を困らせないであげて…それに、もしバレたらモモイもミドリも……」

 

ガチャッ

 

何とも間の悪い来客だ。

 

「モモイ!ミドリ!アリスちゃん!ユズ!おめでとう!」

 

元気にドアを開け放ったユウカの第一声。煽ってんのか?

 

「え?」「えっ?えっ?」「?」

 

「何この反応?結果見て無かったの?」

 

「"1位は新素材開発部だったろ?"」

 

「テレビを見て下さい、今もまだ放送中ですよ。名前が出た瞬間、ここまで走って来たんですから。」

 

そういえば、お別れムードのせいで誰一人テレビの事など気に止めていなかった。

 

改めてゲーム開発部と俺はテレビに向き直る。

 

「ミレニアムプライスはこれまで、生徒達の才能と能力で作られた作品に対し、「実用性」を軸に据えて受賞を行って来ました。これはより良い未来を求め、実用していくという趣旨に基づいています。」

 

審査員は変態に人権を与える事がより良い未来だと宣う。

 

「そして今回の作品のとあるゲームが、懐かしい過去をありありと思い出させ、未来への可能性を感じさせるという新たな「実用性」を提供してくれたのです。よって私達はこの度、異例の選択をする事にしました。今回は「特別賞」を設けます。」

 

「ええっ!」「まさか……」

 

あんなバカゲーで過去を想起して溜まるか。あんな物を幼少期にプレイしていれば大抵の奴はバカゲージャンキー不可避だ。

 

「受賞作品は…ゲーム開発部のテイルズサガクロニクル2です。レトロ風という時代に囚われないコンセプト、常識に縛られず幾度も想像を超えてくる展開、それらとマッチしそうにない世界観…最初は困惑の連続でしたが…。新しい世界を旅して、一つ一つ新たな絆を結びながら、魔王を倒す。そういったRPGの根本的な楽しさが、しっかり込められた作品だと思います。そういった点を評価しこの作品に特別賞を授与します。」

 

「え……あ………」

 

「本当におめでとう!その、実は私もプレイしてみたの。決して手放しに面白いとは言えないけど…良いゲームを遊んだ後の、あの独特な感覚が味わえた。」

 

自分の事の様に喜んでくれるのは、優しいと思うが俺はお前がゲームをガラクタだと言った事を忘れない。

 

「えっと…取り敢えず、廃部にならないって事でいいんだよね!?」

 

「ええ、そうよ。あ、でもあくまで「臨時の猶予」だから。正式な受賞でもないし、生徒会としては来学期まで廃部を保留する事にしたの。」

 

ミレニアムプライスに新しい風を吹かせたというのに随分と手厳しい。

 

「"じゃあ、次の成果物はデスモモイで決まりだな!"」

 

「絶対に嫌だ!」

 

「えっと…それから…その…ご、ごめんなさい。ここにあるゲーム機のこと、ガラクタって言って…。あなた達のお陰で思い出したわ。小さい頃に遊んだゲームのこと。本当にありがとう。」

 

分かれば良いんだよ、分かれば。

 

「"なあ、ユウカ。今度焼肉食べに行かない?"」

 

「はい?……急にどうしたんですか?…まあ、行きますけど…。」

 

「"モモイ!話が違う!"」

 

焼肉屋に誘うのがベストアンサーでは無かったのか!お前はヤホー知恵袋の住人以下だ!

 

「えっ!!私のせいなの!?」

 

当然だこの野郎。何がリンゴだ。

 

「えっと……部室の延長申請とか部費の受理申請とか必要だから、落ち着いたら生徒会室に来てね。じゃ、また後で!」

 

ガチャ

 

「や、やったあぁぁぁっ!」

 

「良かった!」

 

「"これが因果の流れだ!"」

 

「やった…嬉しい!」

 

「えっと……つまり、アリスはこれからも…皆と一緒にいて、良いのですか?」

 

「「うん!」」「これからもよろしくね…!」

 

ミレニアム編 完 と言った所だろうか。

 

「"じゃ、仕事も終わったし………お前達の新作、楽しみにしてるぞ。じゃあな。"」

 

主にデスモモイを。

 

「先生、ありがとう。偶にはシャーレに遊びに行くからね!」

 

「私も行きます!」

 

「えっと……迷惑で無ければ、私も行きます。」

 

「アリスも遊びに行きます!」

 

「"え?遊びに来るとか仕事が忙しいから普通に無理。……ってのは冗談だが、当番として来てくれるとありがたい。"」

 

「えーー。」

 

「えーじゃねえ。…まあ、俺も偶には遊びに来るよ。」

 

「それはそうと先生、帰るには少し早くない?」

 

「"どういう意味だ?さっきは見送る感じだっただろ?"」

 

「ふっふっふっ、今日の為にゲームを買ってたんだ!」

 

 

 

その日はモモイが買っていた友情崩壊ゲーを皆で楽しく(当社比)遊んだ。

 

「"残念だったなモモイ、ここが貴様の墓場だ!"」

 

「もおぉぉぉ!」

 

「そして師匠の墓場でもあります!」

 

「"アゾられたあぁぁぁぁ!アリス、貴様は破門だ!"」

 

「そんなっ!」

 

「アリスちゃん、油断は駄目だよ。」

 

「ミドリ、そこにセンサー爆弾投げて置いたよ。」

 

「あああぁぁぁぁぁぁ!」

「ミドリのせいで巻き込まれました!」

 

GAME SET

 

「"ユズ…お前がナンバー1だ!…よし、次の試合で俺はやめる!"」

 

「もう5回以上聞いたよ。」

 

日が沈み出した頃、延長申請に来ないゲーム開発部を心配したユウカが現れた瞬間、俺は窓から飛び降りそのまま帰宅した。

 

 

そして、合成音声の方はミレニアムプライスで知名度が上がったせいかの翌日に販売が中止された。…つまり、俺が時計に向かって浴びせた半分くらい盗聴な音声は今も販売され続けているという事だ…

罵倒シリーズを大会応募したのは受賞が取り消されない為だろう。

 

 

 

後日、約束通りユウカと焼肉屋に行ったのだが、何故かハツは食べなかった。

女とは良く分からん生き物だ。

 

──────────────────────────

 

アリスの名誉の為に言っておくと、現時点でアリスは淫夢厨ではありません。 現時点では

 

アンケート機能のお試しです。皆様はブルアカの最高レアリティの出る封筒は何封筒と言っていますか?

  • 紫封筒
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  • いいからお前は全国のタカハシさんに謝れ!
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