透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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33.コハルさん、普通じゃないお掃除って何ですか?

 

スーパーお掃除タイム

 

──────────────────────────

 

 

「ようやく着きましたね、ここが私達の……」

 

「はい、合宿の場所です。ようやく辿り着きましたねぇ。」

 

補習授業部に用意されたのは本校舎から約20分歩く距離にある長らく使われていないクソでかい宿泊施設、トリニティの主要部に裏切り者を立ち入らせないという鋼の意志を感じる。

 

「"思った以上に中は綺麗だな。"」

 

「えぇ、暫く使われていない別館の建物と聞いていたので、冷たい床に裸になって寝ないといけないのかと思っていましたが……」

 

床が冷たいならば服を着ればいいじゃない。

 

「は、裸っ!?」

 

「"何の罰ゲームだよ…"」

 

「結構広いですし、きちんとしていますし、可愛いベッドもあって何よりです!これなら皆で寝られそうですね、裸で♡」

 

「さっきから何でちょいちょい裸を強調するの!? それにベッドの数もちゃんとあるんだから、皆で寝る必要ないでしょ!?」

 

「"もうちょい人の目を気にしろ、俺もいるんだぞ。…っても気にしないよなぁ。"」

 

「折角の合宿ですし、そういうお勉強も必要だとは思いませんか?」

 

こいつは何を言っているんだ?まあ、コハルのツッコミを待ってるだけだろうけど。

 

「ダメ!エッチなのは禁止!死刑!!」

 

「まあ、今はまだ明るいですし、そういう事にしておきましょう。夜は長いですからね♡」

 

「"試験範囲以外を教える気は無い、お前が個人的にヤるのは勝手だが、夜更かしはすんなよ?寝坊した奴は俺が…ぐへへ……"」

 

「最っ低!変態!」

 

「"何も言ってないんですけど!?"」

 

「あ、あはは……これから一週間寝食と勉強を共にするので、皆さん仲良く……あれ?アズサちゃんは…?」

 

そういえば先程まで後ろをついて来ていたアズサが部屋には居ない……。

 

ガチャ

 

「偵察完了だ、トリニティの本校舎からかなり離れているし、流石に狙撃の危険は無さそうだ、外への扉が2つという所も気に入った、殲滅戦では有利に戦うことが出来る。」

 

戻って来たと思えば、いきなりこの建物が戦場へ化した際のセールスポイントを語り始めた。…こいつは一体何と戦っているんだ…。

 

「ここが兵舎…いや、居住区か。…綺麗だな。こんな施設を使わずに放置していたなんて…無駄遣いも良い所だ。」

 

「"戦地として評価はさておき、そこは俺も同感だ。"」

 

この宿泊施設は教室や寝室、シャワールームだけでは無く、体育館やプールまであり、勝手なイメージだが日本の離島に存在する学校くらいの規模はあるんじゃないか?…それが長年放置されていたとあれば無駄と言わざるを得ない。

 

「あの、アズサちゃん…私達はここへ戦いに来たのではなく、勉強しに来たんですよ……?」

 

「"馬鹿言え、受験は戦争なんだよ!たかが勉強……そういう甘い考えの奴から死んで行くんだ!"」

 

「私は大丈夫だ、きちんと準備もして来た。体操着や細かい着替え、衛生面の歯ブラシや歯磨き粉、石鹸、非常食、毛布、水筒、ドロップ缶、チョコクランチ……」

 

チョコクランチがそんなに気になってたか……

 

「"暗記科目のお供である赤シートさんを忘れるとは何事だ!"」

 

「先生もそっち側に回らないで下さい………。」

 

阿慈谷ヒフミの懇願する目を使った。

ブライには効果がないみたいだ…

 

「うふふっ。皆で一緒に食欲を満たし、睡眠欲を満たし、そして皆が欲する目標へと向かって脇目も振らず手を動かす…良いですね、合宿。」

 

ここで「性欲を満たし」等と言わない辺り意外と普通の感性も持ち合わせているらしい。

 

「……うん、そうだね。あ、でも任務は確実に遂行する、きちんと勉強して、第二次特別学力試験にはどうにか合格する。その為にここに来たんだ。…迷惑はかけたくない。」

 

…無実の証明……何にせよ、補習授業部という救済措置と裏切りとは関係なしに、それが間違い無く必要な阿呆達がいるのだ…両方やらねばいけない…。

 

「どうした?安心してくれ先生、万が一の敵襲に備えて対人地雷とクレイモアも設置して来た、後は即席爆発装置の材料になりそうな物を一式と、対戦車地雷も多少持って来ている。」

 

「"安心できねーよ!そんなんその辺に仕掛けられたら俺が物言わぬ肉塊になるんですけど!?さっさと回収してきてくれマジで!"」

 

「…分かった。」

 

若干不服そうではあったが、アズサはトラップを回収しにその場を離れた。うん、何一つ進まねぇ。

 

そうして暫くしてアズサが再び戻って来た。

 

「…改めて、二次試験までの一週間、私達はここに滞在することになりましす、長い間放置されていたそうですが、少しお掃除すれば全然使えそうですし、体育館やシャワー室等も充実しているようですし…。」

 

「"何に使うんだって話だけどな。"」

 

「あら、今流行りの風呂キャンというものでしょうか?」

 

「"そんな悍ましいもの流行らせんな!体育館の話だアホピンク。"」

 

「だそうですよ、コハルちゃん。」

 

「"おい、飛び火させるんじゃねぇ、収拾するヒフミの気持ちも考えてやれよ。"」

 

「先生も手伝って下さいよ!私だけじゃ手に負えませんよ!」

 

切実な願いだ。

 

「"落ち着けリーダー、俺達には一週間しかねぇんだ、話を続けようぜ。"」

 

けど取り敢えず、手伝うとも手伝わないとも言わないでおく。

 

「……はい…。ここはトリニティの校舎からは離れた距離ですし、地下に食堂設備のような物がありましたから、特にお腹を空かせる心配も無さそうです。私達がここにいる間、先生も一緒にいてくれる予定ですので、何かあっても大丈夫だと思います…多分。」

 

「"ま、仕事だし、それなりに頑張るよ。"」

 

多分は余計だ多分は。

 

「えっと…先生のお部屋は……」

 

「!」

 

わざとらしく何かを閃いたような表情を浮かべるハナコ、そしてそれが何なのかを察したコハル。

 

「ダメっ、絶対ダメ!!同衾とかエッチじゃん!!死刑!」

 

「えっと、コハルちゃん?私はまだ何も言ってませんが?」

 

「何を言い出すか位大体分かるわよ!駄目ったら駄目!そういう事はさせないんだから!」

 

「厳しいですね〜」

 

「私は先生もここで一向に構わない、ベッドも余ってるし、部屋を幾つも使う事は無い。」

 

洒落にならん、何らかの方法でナギサに伝われば敵対している俺は間違い無く社会的に殺される。

 

「"俺は一人の時間が無いと死んじゃう生き物なんだよ。……勿論、叡智な意味は一切含まれてないぞ、コハル。"」

 

「い、言われ無くても分かってるから!」

 

「で、では一旦そういう事で、そうしたら、まずは荷物を片付けて早速お勉強を……」

 

「あら、でもその前にやることがあると思いませんか?ヒフミちゃん?」

 

その言葉を聞き各々考えた結果、疑問符を浮かべる者、何故か顔を赤らめる者、お前等に勉強以上に必要なもんはねぇよと考える者、反応は様々であった。そして提示された答えは至ってシンプル。

 

「お掃除、ですよ♡」

 

テストを控えた学生の現実逃避であった。

 

「…お、お掃除ですか?」

 

「はい、管理されていた建物とはいえ、長い間使われていなかった事もあって、埃なども多いように見えませんか?このままここで過ごすと云うのも健康に良くなさそうですし、今日はまずお掃除から始めて、気持ち良い環境を整えてから残り一週間を過ごすと言うのは如何でしょう?」

 

「成程、確かにそうですね、まずは身の回りの整理整頓から始めるのが定石ですし、そうでないと途中で気になってしまいますし……。」

 

「うん、衛生面は大切。実際、戦場でも凄く士気に関わる。」

 

「"そういうもんかねぇ?"」

 

「お、お掃除…?えっと、まあ、普通のお掃除なら…。」

 

「それじゃあ決まりです!まずは大掃除からは始めるとしましょう!それでは汚れても良い服に着替えてから、10分後に建物の前で集合しましょう。」

 

普通の掃除言うたやんか……

 

 

 

 

──────────────────────────

合宿所前

 

 

 

どうやら俺が一番乗りだったようだ。少し木陰で休んでいよう。

 

そうして暫くすると、体操服を着たヒフミが現れ、酷く焦った様子でこちらに全力疾走で駆け寄って来たと思えば、俺の肩を掴み全力で揺さぶって来た。

 

「何でその格好何ですか!何でその格好何ですかぁ!!」

 

2度言われなくても聞こえている。

 

「"汚れても良い服なんだろ?こいつは多分、もう二度と着る機会ないし良いいんじゃないか?って思ってよ。"」

 

「確かにそうですけど!せめて頭のカボチャは取って下さいよ!」

 

嬉し恥ずかし懐かしのマフティースタイルだ。

 

「"やだよ!カボチャが無ければ全身黒タイツの変態じゃねぇか!"」

 

激しく揺さぶられる最中、視界の端にはこちらに銃を構えるアズサと何処かへ電話をかけようとしているであろうコハルの姿があった。やはりカボチャは外しておこう。

 

「"あ、あの、ヒフミさん!俺から見て10時の方向に銃を構えたアズサと何か電話持ってるコハルがぁ!"」

 

それを聞き、手を離して振り返ったヒフミ。今の内にカボチャはしまっておこう。

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!この人は先生で!と、取り敢えず銃を下げて下さいぃぃ!」

 

ヒフミの必死な訴えもあり、アズサは銃を下げ、コハルもスマホの操作を中止した。

 

「"全く…酷い目に遭ったぜ…。"」

 

「誰のせいだと思ってるんですか!」

 

「エッチなのは禁止!すぐに着替えて来て!」

 

こいつは某作品のクー・フーリンを見てもエッチ判定を下すのだろうか。雄の全身タイツなど面白さか不快感しか感じないものだが。

 

「そうだな、その様な服装は夜襲の際の方が適している。」

 

「"今から行うのは襲撃じゃなくて掃除だ。……それに汚れても良い服だし良いだろこれで?こんな事よりハナコ呼んで来てくれよぉ。"」

 

「お待たせしました。」

 

噂をすれば影という奴だ。掃除をするというのに何故かスク水のアホが現れた。

 

「…先生……互角…と言ったところですね……。」

 

何故か真剣な表情……何が言いたいんだこいつ。

 

「アウトォーーーッ!なんで、なんで掃除するのに水着なの!? 馬鹿なの!?バカなんでしょ!?バーカ!」

 

「ですが動きやすいですし、何かで汚されても大丈夫ですし、洗い流すのも簡単ですよ?」

 

「そういう問題じゃないでしょ!?水着はプールで着る物なの!っていうか、だっ、誰かに見られたらどうするの!?」

 

「誰かも何も、ここには私達以外いませんよ……?」

 

「と、兎に角ダメ!アウト!あんたはもう水着着用禁止!」

 

「"コハル、明確に条件をつけろ、こいつの場合、じゃあ全裸ですかぁ?とか言い出すぞ。"」

 

「じゃあ、ハナコは体操服!先生は汚れても良い普通の服!分かる?普通の服に着替えて来て!」

 

「「"はい……。"」」

 

その後、ハナコは体操服に、俺はジャージに着替えた。

碌に着られずに捨てられる事になるなんて…可哀想な黒タイツ君……

 

 

「やっと皆揃いましたね……。それではまず、建物周囲の雑草から抜いて行きましょう。今日は日差しが強いので、熱中症には気を付けて下さい。」

 

掃除を始める前だと言うのに、ヒフミの顔には何故か疲れが見える。軟弱な奴め!

 

「"ぶっ倒れられても困る、ここは俺に任せてもらおうか。"」

 

「先生…今度は何ですか…?」

 

申し出と共に見せ付けたご立派様を見て、ヒフミは呆れた感じで問いかける。

 

「"何だと言われてもクソデカい鎌としか言いようが無い、見ろよこの形…命を刈り取る形をしてるだろ?"」

 

何があったか言えないが、刃に赤黒い何かが付着したシンプルイズなデスサイズ。燃やした方が早そうだが、間違い無く周囲一帯が臭くなってしまうという俺なりの配慮だ。

 

「それって逆に刈り辛いと思うんですが……というか出来れば抜いて欲しいんですけど。」

 

「遠距離主体のキヴォトスにおいて、そんな無駄に大きくて取り回し鎌は的になるだけ。」

 

「"俺が今から相手するのは草だからセーフ。"」

 

「確かに凄く大きいですね♡やはり先生は大きい方が好きなんですか?」

 

またまたコハルが食い付きそうな物言いを……

 

「"何とアホな質問を……。あのなぁ、デカいとか小さいとか関係なく全て尊い物なんだよ…どうしてそれが分からないんだ…。"」

 

「つまりは見境がないという事ですか?」

 

「"博愛主義者と言って欲しいね。"」

 

嘘である。全てとは言ったが、消費期限や賞味期限はあると考えている。博愛というより見境ないの方が適切だ。

 

「信じられない!最っ低!女の敵!」

 

やはりコハルは食い付いて来た。

 

「"鎌の話だが?"」

 

「鎌の話ですよ。」

 

「…………」

 

コハルが何を考えていたのかは分からないが顔を真っ赤にし、拳を握り小刻みに震えだした。

 

「もういい!ヒフミ!私達は何をすれば良いの?」

 

「そうですね…まずは………」

 

補習授業部はこれからの作業内容を話ながら合宿所の中へ向かって行った。さて…

 

「"そろそろ刈るか……♤"」

 

 

この後、滅茶苦茶刈って袋に詰めた。

 

さらにその後、補習授業部と合流し、教室、体育館、地下にある簡易キッチンを掃除した。

 

「皆さん、お疲れ様でした!」

 

「"ウェ~イ、終わり終わりぃ。"」

 

今から地獄の補習だぜお前等!

 

「良いんじゃない?随分綺麗になった気がする。うん、気持ちよい!」

 

「うん、悪くない。」

 

綺麗な部屋は好きだが、綺麗にする過程は面倒だから好きでは無い。俺には良く分からない感覚だ。

 

「あ、まだ一箇所だけ残ってますよ?」

 

「そうでしたっけ?」

 

補習に一切関係ない体育館まで掃除したというのに、これ以上何処を掃除すれば良いのだ。

 

「はい、屋外プールが♡」

 

「"そんな場所は知らない、見てない、聞いた事も無い。"」

 

掃除もしたくない。

 

「ここを曲がって…ほら、ありますよ。」

 

歩き出すハナコに皆がついて行く。

その先にあったのは、落ち葉やら虫の死骸やら、その他諸々で酷く汚れたプール。僅かに底に溜まった水からはとんでもない臭いが発せられている。

 

「これは……結構酷いですね。」

 

「…試験に関係ないなら、別にこのままでも良いじゃん。掃除する必要ある?」

 

「"そうだよ(便乗)"」

 

しない理由なら幾らでもある。補習とか補習とかそういうのが。

 

「いえいえ、良く考えてみて下さい、キラキラと輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒達…楽しくなって来ませんか?」

 

「…!?え、何?訳分かんない…何か私に分からない高度な話してる!?」

 

「"大丈夫だ、俺も意味が分かって無い…。"」

 

楽しい合宿……未だに俺は試験に落ち続ければ退学になる事を伝えていない。混乱を招く可能性と居ないと信じたい裏切り者がどんな行動に出るか全く想像がつかないからだ。

 

「…ですが確かに放置されたプールを見ていると…何だか寂しい気持ちになりますね。」

 

「このサイズだし、昔はきっと使われていた時期もあったんだろう、元々は、賑やかな声が響き渡っていた場所なのかもしれない、どんなに綺麗なものもこんな風に変わってしまう。『vanitas vanitatum』……それが世界の真実。」

 

寂れたプールを見ながら

意外な事にアズサにも何かを憂う気持ちがあったようだ。

 

「"Vanishment this worldが何だって?"」

 

アズサもこっち側(厨二病)の人間なのかも知れない。

 

「古代の言葉ですね、「全ては虚しいものである」…確かにそうなのかもしれません。」

 

「"分かる分かる!虚しいよな人生。何をしようが死ねば終わり、跡なんて残らない!超分かるよ!だから俺はしたい事だけやって、布団の上でダラダラしながら死にたいね。"」

 

少なくともプール掃除はごめんだ。

 

「…たとえ全てが虚しい事だとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。…私はそう思う。」

 

急激に俺の世界ランクが下がった気がした。

 

「そういう事なので、今からプールを掃除して、水を入れて、皆で遊びましょう!明日からはお勉強し続けないといけませんし、となると今日が最後のチャンスです、明日以降を頑張る為に今日、この日を全力で楽しみましょう!さあ、早く濡れても良い格好に着替えて来て下さい!」

 

大槻班長が心底軽蔑しそうなセリフだ。

 

「問題ない、水着もちゃんと持って来てる。待ってて。」

 

「"待つのはおま………。"」

 

問題ない、の時点で合宿所に全力疾走し始めたアズサに俺の声が届く事は無かった。

 

「さあヒフミちゃんもコハルちゃんと早く水着…いえ、濡れて良い格好に!」

 

「うーん、ここだけ掃除しないのは何だか気持ち悪いですし……私も着替えて来ます!」

 

「えぇっ!補習授業とは全然関係ないじゃん……うぅ、何で…。」

 

「ふふっ、コハルちゃん♡」ジリジリ

 

怪しい手つきでコハルにジリジリと寄り始めるハナコ、この後の展開は予想出来る。俺もさっさと着替えて来よう。

 

 

 

──────────────────────────

屋外プール

 

 

 

全員集合、水着を持っていないので全身タイツでも良かったがコハルにギャーギャー騒がれそうなので、虫取り少年スタイルだ。シャーレの依頼は多種多様、海で警備とかそんな感じの仕事が来る可能性もあるので後で買っておこう。

 

「さあ、これでびしょびしょになっても構わないという事ですね♡」

 

「うん、問題ない。」

 

「ま、まあ、一応…。」

 

「"………………"」

 

「では、皆でお掃除を始めましょうか?」

 

「待て待て待てっ!」

 

「コハルちゃん?どうかしましたか?」

 

「あんた掃除の時は水着で、どうして今度は制服なの!?本当に馬鹿なの!?濡れても良い服ってあんた言ってたじゃん!?」

 

どうやら幻覚では無かったようだ、ハナコは何故か制服を着込んでいた。

 

「これが濡れても良い格好ですよ?」

 

「もうあんたが何を言っているのか分かんない!制服が濡れても良いの!?」

 

「コハルちゃん、これは各々の美学の問題かもしれませんが……」

 

「……えっ、美学?」

 

「水着と制服、どちらの方が濡れた時に良い感じになると思いますか?」

 

エチ道といふは濡れ透けと見つけたり……という事だろうか?

 

「は、はぁ?い、良い感じ……?な、何よそれ、何の話!?」

 

「というのは冗談でして。ほら、中にビキニを着てるんです。」

 

そう言いながら自らスカートをめくり上げ、赤の縞パ……ビキニを見せ付けるハナコ……これには流石のコハルさんも

 

「……ならいいけど……」

 

「"良くねぇよ!何を見てお前は………いや、制服の予備があるのなら問題は無い、デカい声を出してすまなかった。"」

 

今の一連の動作は普通にアウトだろ!等と言ってしまえば地獄の一週間が始まりかねない。

 

「心配なさらずとも、しっかりと予備は準備してますよ?それでは、改めてプール掃除を始めましょうか。」

 

「"じゃあ、デッキブラシとかホースとか適当に準備して来てくれ。"」

 

「はい!」

 

「"で、俺は……"」

 

スカートから手を離したかと思えば、目の前で脱ぎ始めた…マフティースタイルであれば俺は間違い無くコハルから正義執行されていた事だろう。

 

「どうした、先生?」

 

「"…実は以前、ミレニアムで140kgの大砲を持ち上げた時に腰をやってしまってな……気にせずヒフミ達の準備を手伝ってやってくれ。"」

 

前屈みになり、腰を叩きながら苦しい言い訳をする。…時間がかかりそうだし、俺はプール内を掃除しよう。

 

「先生、道具の用意が出来ました!」

 

人数分用意されたデッキブラシ…しかし俺には必要無い。

 

「"おけ、じゃあお前等はプールサイドをやれ、俺はプール内を担当する。"」

 

「えっと…逆にしませんか?流石に一人でやるには広すぎると思うんです。」

 

「"おいおい、俺はキヴォトスの歩く水圧洗浄機と呼ばれた人間だぜ?馬鹿にしてんのか?"」

 

「初めて聞いたんですけど…。」

 

馬鹿みたいな勢の水をぶっ放すだけの楽なお仕事だった。

ホースでキャイキャイする3人を尻目に、アズサは俺の水圧洗浄機っぷりを見て「付近の電線を断線させれば効率的に敵を制圧できる」的な事を言っていた。

 

「この調子では水が入り切るまでに時間が掛かってしまいそうですね。」チラッ

 

「"…………"」

 

「何処かに水を一瞬で貯めてくれる方は居ませんかね?」チラッ

 

「"…勉強してたら溜まるんじゃねぇかな?"」

 

「それでは日が暮れてしまいます。」

 

諦めたのかハナコは出口の方に歩いて来る。

 

「どうにか出来ませんか?先程前屈みになっていた先生?」

 

俺の横を通過すると思ったその時、ハナコは立ち止まり俺の耳元で囁いた。

 

「"…仕方ねぇ、2時間30分だけだ、それ以降は水が勝手に消える可能性があるから許可しない。"」

 

労働には対価が必要なのだ、これは今日頑張ったこいつらに対する褒美であって、断じて脅しに屈した訳ではない。

 

「ありがとうございます、先生♡」

 

かくして、プールはブライ汁で満たされた。

補習授業部は無駄に準備が良いハナコが持って来たボールで遊んだり、ミレニアムプライスの問題作である光学迷彩下着を3枚水に沈めて探すという宝探しEX的な謎の遊びをしていた。最後まで見つけられなかった奴は翌日は光学迷彩下着を着用しなくてはいけないという罰ゲーム付きであった為、皆血眼で探していた。

その間俺はスマホでデイリーミッションを消化しながらライフセーバー(笑)をしていた。安全圏で見る必死な人間はやはりいつ見ても面白い。

 

 

──────────────────────────

 

某陣取りゲームのゾンビぶち殺系ローリンギャルが楽し過ぎて執筆中の欄が今回ので0になった。

敵のローリンギャルを誘導して爆殺するのも楽しい…もうダメかも分からんね。

 

 

の筈だったんですが、何故かベアおばの脳筋攻略法だけはすらすらと終わりました。

 

ベアおばも色彩に狂わされた被害者だし何か可哀想だなぁ…とか思ってたたけど、ゲマトリアメンバーは基本的に倫理観ゆるキャラだから別に良いかなって。

アンケート機能のお試しです。皆様はブルアカの最高レアリティの出る封筒は何封筒と言っていますか?

  • 紫封筒
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  • 百鬼夜行のピンク髪メカクレモブを実装しろ
  • ベアトリーチェはよく見ればシコリティ高い
  • いいからお前は全国のタカハシさんに謝れ!
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