透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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50.復讐するは我にあり

 

花って便利だ。お出しするだけで花言葉という概念のお陰でそれっぽくなる。

 

──────────────────────────

 

 

 

「"これで全員か……やはり狭所ではこれに限るな………。"」

 

クソ広いトリニティのとある校舎。

ハナコ曰く、この場所こそが数多あるナギサのセーフハウスの中で、現在ナギサが滞在している場所らしい。

まあ、それなりの警備も居たし間違ってはいないんだろう。取り敢えず今は先に行ったハナコ達を猛ダッシュで追いかけよう。

 

 

 

 

 

「……勿論ここまでの間に警護の方々は全員片付けさせていただきました。だからこそ、こうやって堂々と来たわけですが。」

 

「白洲アズサさん、浦和ハナコさん………まさか……裏切り者は一人では無く…二人……!?」

 

ささっとナギサをおねんねさせる手筈だが………扉越しに滅茶苦茶楽しそうなやり取りが聞こえる!!!復讐するは我にあり、飛び入り参加せざるを得ない。

 

ギィィィ………

 

「"実はもっといたりして………あんな雑魚ばかり侍らせても安眠なんてできないだろ?睡眠環境には気を遣った方がいいぜ、ナギちゃん♡"」

 

「!!」

 

当然の如く現れたカボチャ頭にナギサは唖然としている。

 

「"どうした?そんな鳩が機関銃食らったみたいな愉快な顔してYO!……もしかして分からない?……じゃ、改めて自己紹介しようか。"」

 

それっぽい悪役を考えているとフリ◯ザ様が脳をよぎったので、取り敢えず両手を控えめに広げる例のポーズをする。

 

「"俺はゲマトリア八将の一人、虚飾のブライと呼ばれている者だ、よろしく。"」

 

カボチャの花言葉は「広い心」と「見せ掛けを飾る」何となく俺っぽいくて良いんじゃなかろうか。

 

「せ、先生──」

 

「"うーん、それは辞めたんだし呼び方は変えて欲しいなぁ……候補ならいっぱいあるぜ?………零距離離魔術師(ゼロレンジ・キャスター)、マジカルバーサーカー、ローレル家の呪い子、一人魔導要塞、濃紺の死神(ネイビーリーパー)、結石の錬金術師、キヴォトスのエレクトロマスター、罵られたい男ランキング29位の男、残念なイケメン………う~ん…思い付いただけでも案外多くて近所の野良猫みたいだなぁ……ま、好きに呼んでくれ。"」

 

あれ?26位だっけ?28だっけ?

 

「───ブライッ!!」

 

「"イイねぇ……その憎悪と困惑と憤怒と恐怖と軽蔑が混じった目っ!目は口程に物を言うってのは、この事なんだなっ!!"」

 

正直ゾクッと来たのは本心だ。やばいなぁ……リンのお陰で純粋なマゾ豚野郎になって行ってる気がする。

 

「ランキングは36位でしたし、"残念なイケメン"では無く"残念過ぎるイケメン"ですよ?何故見栄を張ろうとしたんですか?」

 

「"良く覚えてんな!ってか今そこはどうでも良いだろ!"」

 

そもそもこのランキングって高い方が良いの?

 

「何故ですか!?何が目的でこんな事を──」

 

「"そんなんこっちの方が楽しめそうだからに決まってるだろ?俺はどうしようもないエゴイストだって話前にもしなかったっけw?"」

 

顎……カボチャの底部に手を当て、ナギサを嘲笑う。やはり復讐は良い………。復讐は何も産まないというのは復讐エアプの戯言だ。なんたって今は最高に気分が良い。

 

「あなたに人の心は無いのですか!!」

 

「"あー、それな、いつの間にか落としたみたいでさ、少し前に正義実現委員会を訪ねてみたんだけど届いてなかったわww余ってたらちょうだいw"」

 

「ま、まさか、正義実現委員会まで………!」

 

何かとんでもない勘違いしてないか?

 

「ふふっ、正しくそのその通りです……………そして、ナギサさん…私達はただの駒の一つに過ぎません、指揮官は別にいます。」

 

指揮官はお前じゃい!!

 

「………それは誰ですか!」

 

「そのお話しの前に……あなたに人の心の有無を咎める資格はあるのですか?」

 

「……………。」

 

「補習授業部の事ですよ、ナギサさんの心労は分かります……ですが、シャーレを動員して、何もここまでやる必要は無かったのではありませんか?」

 

一応そうせざるを得ない状況だったんだけどね。

 

「最初から怪しかった私やアズサちゃんは仕方ありません……ですが、ヒフミちゃんとコハルちゃんに対してはあんまりだと思いませんか?ヒフミちゃんがいったいどれだけ傷ついたか分かりますか?」

 

まくし立てるハナコの言葉を聞き、少し間を置いたナギサが伏し目がちに口を開く。

 

「……そう、ですね、ヒフミさんには悪い事をしたかもしれません……ですが、全ては大義の為、私に後悔はありません。」

 

「"いやいや、悔やむ必要は無いぜ!お前は王として、統治者として、支配者として、独裁者として当然の選択をしたまでだ!人の好意も善意も全てを踏みにじっても平和の為ならしょうがない!そうであるべきだったんだ!……桐藤ナギサは最後まで王として正しくあり続けた!結末はどうあれ、その事を存分に誇って逝け!"」

 

短剣を取り出しクライマックス……と行こうとしたが止めておいた。

ナギサは顔が酷く青ざめ、ガクブル状態なのだ……ちょっとやり過ぎたかもしれないが、取り敢えずこれで俺の仕返しは終了。

 

まあ、相手がカイザー元理事ならば容赦なくやっていた事だろう。

 

「うふふふふっ♡……では、最後に、私達の指揮官からナギサ様へ、メッセージをお伝えしますね。」

 

「「あはは…えっと、それなりに楽しかったですよ、ナギサ様とのお友達ごっこ」……との事です♡」

 

ヒフミは何処へ行ってもリーダーになる定めらしい。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁはぁ……はぁはぁはぁはぁ…はぁはぁはぁ」

 

ナギサの呼吸が乱れ、涙が溢れ始める………完全なパニックにおける過呼吸状態……大人しくマグロで殴ってやるべきだった。

 

「"あのー、ハナコさん……これは………。"」

 

バタンッ!

 

「"あっ………"」「……………」

 

遂にはぶっ倒れてしまった……これが終わったら全力で謝ろ…。

 

「ふぅ……どうにかなりましたね♡」

 

何わろてんねん。

 

「先生もハナコもさっきのアレは必要な事だったのか?」

 

「"………オリチャーとガバとガバのリカバリーはRTAの華だから……うーんでも…ちょっと……いや、かなりやり過ぎたかなー。"」

 

矛盾しているが、本来は暴力的な手段で穏便に気絶させる予定だった。

 

「あれは、ヒフミちゃんの分の勝手な仕返しと言いますか……ちょっとくらいショックを受けてもらおうかと……まあ、全てが終われば誤解は解けるでしょう。」

 

ハナコとハナコの周りの人物に手を出すのは止めておこう。

 

「"まあ、それでもちょっとやり過ぎたし、これが終わったら謝りに行くぞ。"」

 

「…………」

 

「"おい、何でちょっと不服そうなんだよ!………まあ、いいや…良くねぇけど………で、こっからはアズサが誘導、俺がナギサの監禁からの合流で良いんだっけ?"」

 

「はい、アズサちゃん一人にかなりの負担がかかる事になるので、出来るだけ急いでいただけると嬉しいです。」

 

「"逆の方が良くない?"」

 

「大丈夫だ、このために毎晩、学園の周辺に塹壕やらトラップやらを作っておいた、私一人でもかなりの時間が稼げる筈だ。」

 

この女、あの夜以降も続けてやがったか………今役に立ってるから強くいえねぇ……。

 

「"………トラップの位置を把握していない俺が言っても足手まといか………分かった…体育館でまた会おう。"」

 

この件が終わったらフウカとナギサに謝ろう。そう心に誓ってナギサを監禁し、体育館に急いだ。

 

 

──────────────────────────

体育館

 

 

 

 

体育館には既にアズサ以外の全員が集合している…

 

 

ドォォォォォォン!!!

 

 

ドォォォォォォン!!!

 

 

ドォォォォォォン!!!

 

 

 

が、近くで鳴り響く爆発音を聞く限り一応無事ではあるのだろう。にしても幾つ持ち込んだ………。

 

 

バンッ!

 

「成程、逃げたのではなく、待ち伏せだったと…だが、それだけか?」

 

アズサとアズサの爆弾を掻い潜った十数名が体育館にエントリー。人口密度が上がっちゃったぜ。

 

「退路も無いこんな場所で私達相手に、たった4人で何分耐えられると思って………4人!?」

 

居るべき人物の姿が無い…しかも一番厄介そうな奴……ゴキブリを発見し一度スプレーを取りに行ったら既に姿を眩ませていた時のような絶望感だろう……しかし、ここから入れる保険はない。

 

「"体育館の二階って何かワクワクするよな。"」

 

二階でうつ伏せ、今か今と好機を狙っていた俺は数本のフラムをばら撒いた。

 

「"お前等は左右を適当に頼む、俺は中央を潰す。"」

 

 

 

ドォォォォォォン!!!

 

 

 

ブゥゥン!!!

 

 

 

立ち込める煙を吹き飛ばしながら、身体能力を弄りつつマグロと土筆を手に一階へ飛び降り、2回の回転切で追撃を試みる。

その際、土筆の射程を伸ばし、後ろへの回避を潰し、更に「η(イータ)型」へ変形させる事によってしゃがみ回避を潰す完璧な作戦。

 

「"アリウス風情が不遜であろう、地に伏せよ我こそは、キヴォトスのエレクトロマスターなるぞ!"」

 

マグロはマグロ側の奴等の0.1秒後の不安を煽り、その後に来る変幻自在の土筆さんを必中の一撃へと昇華させる為に必要不可欠……断じて役立たずではないのだ。

 

 

 

「"うーん…………実にマジカル☆"」

 

「どこがよ!?」

 

結構使ってるんだよなぁ……。

 

「な、何と言うか……改めて見て凄い戦い方ですよね…。」

 

「"なんだぁ?「魔術師様の戦い方じゃない……」とでも言いたいのか?"」

 

上から良く見えなかったが、16人も居たらしい。今は全員ガスマスクをつけたまま床ペロロをしている状況。暫く戦闘は出来ないだろう。

 

「ぐっ、うっ………私達はこんなふざけた奴等に………。」

 

「"昔の先輩方の恨みを代打引き継ぐ方も馬鹿らしいとは思わない?お前等も…………寝た?"」

 

返事は無い。気絶してしまったようだ。

和解よりも復讐の為だけに生きるとは、それこそアズサの言うように人生は虚しいとなるだろう。

 

「これで間違い無く全員戦闘不能、念の為武装の解除を行う。」

 

「"ついでにお前等もガスマスク貰っとけ、わざわざ付けてるって事はそれ系のやつ使うんだろ?睡眠ガスとか貰ったらマジで目も当てられんからな。"」

 

補習授業部と俺はアリウスからガスマスクを拝借した……マスクの下の顔は例外無く痩せこけており、あまり気分の良い物では無い。劣悪な環境で育ったというのは本当だったらしい。

 

「この後に増援が来るでしょうが、私達はただ、正義実現委員会が来るまでの時間を稼げれば勝ちです。」

 

「ハスミ先輩には連絡しておいた!すぐに返事が来る筈!」

 

「"正義実現委員会は追いながらこいつらと戦う……俺達はここで正義実現委員会の到着まで持久戦を行う……つまりハサミ討ちの形になるな……。"」

 

「そうですね、後は早く来てくれる事を願うばかりです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカアァァァン!!!

 

 

 

派手に爆発したと思えば、現れたアリウスの増援部隊がゾロゾロと………

 

「"ちょっと早すぎやしませんかね?"」

 

「えっ!えっ!」

 

「数が多い、大隊単位だ、多分アリウスの半数近くはいる……」

 

普段なら「大隊単位って口に出して言いたい日本語ランキング上位に入るよね!」等とふざけた事を口走る所だが……流石にこれは量が異常だ。

 

「こ、こんなに沢山の方が、平然とトリニティの敷地内に……!?」

 

「まだ、正義実現委員会が動く気配が無い……?」

 

「"た、確かにどう考えたっておかしい!あんだけ各地で爆発しまくったんだ、何故動かない!"」

 

負けた?……俺は正義実現委員会の戦力がどの程度か知らない。殺戮ショーを繰り広げたツルギだって数の暴力には勝てなかったかもしれない。

 

そんな事を考えていると、コツコツとハイヒールの音が体育館中に響き、アリウスが道を開け始める。

 

「それは仕方ないよ、だってこの人達こそがこれから、トリニティの公的な武力組織になるんだからね。」

 

黙って聞けよ言わんばかりに人指指を口に当て説明する。

 

「"…………聖園ミカ。"」

 

「やっ、久しぶり先生、また会えて嬉しいな。」

 

今日だけは会いたく無かった。

 

「それから、正義実現委員会は動かないよ、私が改めて待機命令を出したから、今日はやけに学園が静かだったでしょ?正義実現委員会以外にも、邪魔なものは事前に全部片付けておいたの。

ナギちゃんを襲う時に邪魔なんてされたら困っちゃうもんね。」

 

可能性の一つとして無い訳では無かった。

 

「まあ、簡単に言うと、黒幕登場☆ってところかな?」

 

正直に言うと俺はミカのアリウスと茶でも飲んで和解するなんて言う頭お花畑な理想が結構好きだった。

 

「私が本当のトリニティの裏切り者。」

 

俺と同じ虐げられた(そっち)側の人間に手を差し述べたいと言ってくれたミカを無条件で信用し過ぎた。

時間差のブーメランが突き刺さる。

 

「"理由……聞いても良いか……。"」

 

「んー?聞きたいの?時間が無いんだけど、先生にそう言われたら仕方ないなぁ。」

 

人の気を知らず能天気にミカは言う。

 

「それはね…、ゲヘナが嫌いだからだよ、私は本当に、心の底からゲヘナが嫌いなの。」

 

「"そんな事の為に?"」

 

「……だから、エデン条約を阻止しようと? そのために、ナギサさんを……」

 

「まぁその通りだよ、だってナギちゃんがエデン条約だなんて変な事しようとするからさぁ……あんな角が生えた奴らと平和条約だなんて、冗談にもほどがあると思わない?考えるだけでゾッとしちゃうよ。」

 

さも、当然の事をしたまでとナギサとゲヘナを嘲る。

 

 

 

なんやかんや言って俺はこの世界が好きだった。

治安はどう取り繕っても良いとは言えない。それでも、角があって、翼があって、尻尾があって、ケモミミがあって、俺の左眼ような見るに堪えない物もただの個性としか見られ、何の負い目も無く生活できるこの世界が好きだった。

 

だが、今のミカを見て分かった。結局はそんな優しい世界など何処にも存在しないのだと。

どんな世界に行こうとも、人と人がいる限り肌の色やちょっとした身体的特徴で誰かしらが不利益を被る事は変わらない。

 

結局はミカもただ普通の人間だった。

異物は拒絶し排除するそれが普通の人間だ。

 

「絶対裏切られるに決まってるじゃん? 背中を見せたら、直ぐに刺されるよ、きっと……まぁ、そんな事をさせないんだけどね。」

 

「"今のお前みたいにか?"」

 

「………ナギちゃんも先生もほんと、優しいっていうか、甘すぎるっていうか……創作の中の明るい学園物語じゃないんだしさぁ~、そんな都合の良い話、現実には存在しないって……私たちはこういう、もっとドロドロした世界の住人だって事、そろそろ分かってくれても良い頃だって私は思うんだ〜。」

 

「"アリウスとの和解もか?"」

 

「私がアリウスと和解したかったっていうのは、本当だよ、だってさ、アリウスの皆も同じゲヘナを憎む仲間だもん。アリウスだって、元々トリニティの一員だったんだから。

ゲヘナに対するこの子たちの憎しみは凄いよ? 私達に勝るとも劣らない……寧ろ、この子達こそ、私達よりもっと純粋な憎しみを持っているといえるかもしれない。」

 

「だから、手を差し伸べたの『志を共にして、ゲヘナと平和条約を結ぼうとする悪党裏切り者たちをやっつけない?』 って。」

 

「"ホストになる為……ゲヘナを潰す為にここまでやるか?"」

 

「ま、待て……なら、アリウスは最初からクーデターの道具だったのか!」

 

「まあ、そういう言い方もあるかもね、そしてありがとう白洲アズサ、私にとってあなたは大切な存在なの、今までも…そしてこれからも………だって今からあなたは、ナギちゃん襲撃の犯人になって貰わないといけないからね!だってさ、罪を被る生贄がいてこそ皆が安眠できるそう思わない?だからこれは───」

 

「"もう、喋るな。"」

 

ただひたすらに不快だ。

 

「な、何?……その目………。」

 

「"勝手に解釈してくれ……………結局は他力本願な俺が悪いんだけどさ。"」

 

失望?………あほくさ……勝手に信用して勝手に裏切られた気になる……いつものパターンだろ?何度やったら学ぶんだ。

 

「"………じゃ、もうクーデターごっこは終わりという事で。"」

 

そう宣言しガスマスクを付ける。

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォン!!!

 

 

予告無しのインディグネイションにより入口側の天井の半分程は破壊され、ミカ達は瓦礫に埋もれる事となった。

砂塵のせいか周囲で咳き込む音が聞こえる。あれだけ騙し合いが発展してのに終わって見ればなんとも呆気ない。

 

ナギサは守れた、ミカは止めれた、これであいつらはテストを受けられる。

修理費が何処の誰に請求されるのか知らないが今はどうでも良い今日の事はもう忘れよう。

理想は理想でしかない、ミカみたいな奴がいるのも普通の事だ。……俺が勝手に理想を押し付けて過度に期待してただけ。

 

 

ブォォォォン!

 

 

 

唐突に吹き荒れる風が砂塵を体育館後方へと追いやって行く。俺の魔法では無い……………。

 

 

「…………これは、ちょっと予想外かな。」

 

「………嘘……でしょ……。」

 

声のする方を見れば積み上がった瓦礫の上で、ぼんやりとした月明かりに照らされているミカがこちらを見下ろしていた。予想外はこっちの台詞だ。

 

「"1対5……圧倒的な人数不利な上に、ちょっとムカついてる俺はさっき様な理不尽な攻撃も辞さない…………投降する事をお勧めする。"」

 

嘘や冗談等では断じてない。あの瓦礫から這い出たであろうにも関わらず、かなりの軽傷。先程砂塵を飛ばしたのはあの翼か?

 

「あはは………ここまで来て止められる筈ないじゃん。」

 

意欲だけはご立派…方向が捻じれまくってるけど。

 

「"あっそう……じゃ、いいや、俺も百合園セイアの様に殺すといいよ人殺し、あー、すぐ終わるからお前等は後ろで勉強でもしてろよ。"」

 

ドンッ!

 

返事を待たずに壁を生成した。天井と壁がぶつかる際に何か叫んでいた様な気がするが、もうどうでも良い………俺の理想も修理費も何もかも………今は目の前のレイシストをぶん殴って止める、ただそれだけで良い。

 

 

 

「…………してない。」

 

「"は?"」

 

「私は殺してないっ!!」

 

 

ダダダダダッ!

 

数発の銃弾が放たれた……いつもならば壁を出していた所だが、今回に限りその必要は無かった。

酷く動揺したミカの手は震えており、狙いが定まる筈が無かったからだ。

 

「確かに指示は出したよ………でも、私はただセイアちゃんに少し大人しくして欲しかっただけなの!あんな事になるなんて思って無かった!」

 

ここまで来て止めれない………自分の指示がセイアを殺す事になった事で引き際を失った事から出て来た言葉のようだ。

 

「"…………言っとくけど、お得意の銃は俺には通じない、俺は弾道を捻じ曲げられるタイプの魔術師だからな……それでもまだやるか?"」

 

勿論アロナさんのお陰だ。

まあ、シッテムのバッテリーをそれなりに消費するので無限にとは行かないが。

 

 

「何それ?皮肉のつもり?………まあ、良いよ、今は当たる気しないし……それに………。」

 

今更取り繕った様な笑顔を浮かべるミカ。流石ドロドロした社交場を生き抜いて来た者だ。

 

「意外と(こっち)も得意なんだよね。」

 

ガスマスクをGOK送りにし、拳を構えたミカをこちらも真似る。

 

「"奇遇だな、実は俺も(こっち)が得意だったりするんだよ。"」

 

取り返しがつかない事が起きてしまった時点で、経緯はどうあれ罪は罪。

 

キヴォトスで使うのは初めてだ……………少々危険だがこれ以上ミカに罪を重ねさせる訳には行かない。

私怨3割、善意7割、アズサとナギサの安全の為20割でミカを止める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「"その綺麗な顔面ぶん殴ってでも止めてやるよクソレイシスト!"」

 

 

「やれるものなら、やってみなよ?」

 

 

 

 

開戦直後、ブライは一撃死を回避する為、魔法により身体を防御全振りに改造し、最後に自らの頭を最大限にバグらせた。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

vsミカは絶対に要らない。殴られるのはベアトリーチェだけで良いので滅茶苦茶あっさり終わらせる。終わらせたい(願望)

けど、ブライ君が程よくボコされないとカタコンベ行くところとかで簡単にしばけてしまったら詰みます。

 

それはそうと、ブライ君が居たのは碌な世界じゃない事はキャラ紹介のところに書いてたし、迫害されてた事は黒服回でしれっと書いてたから唐突にお辛い過去をお出しした訳じゃないぜ!

そんなんだから変な所で自罰的思考になったり、若干学習生無力感覚えてるメンヘラ野郎でも仕方ないぜ!

極力人前には出さないから許してヒヤシンス

 

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