透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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73.おま◯け 幼女?と幼女とたまに痴女

 

 

「なげぇよ!」と思いましたね?俺が1番思ってます。

 

でも偶々身長が同じキャラが居たから仕方ないんだ!!

なんだよ!8歳の平均身長と同じサイズの高校生って!

 

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あの修羅場から逃げ出しながら色々考えていたというのに、俺は今ゲヘナの上空を飛んでいる……………灯台モトクラシーでは?と思い、シャーレの屋上で一夜を過ごそうと思っていたにも関わらず、何を思ったかそのまま水平飛行しながらゲヘナを目指し始めていた……俺は本当にトチ狂ってしまったのか?

 

確かに野宿以外での選択肢の中では比較的マシな部類ではあった……しかし、どう考えても最善ではない。

なんせゲヘナだ、このクッソ離れた場所からでもチラホラと何かが爆発している様子が見受けられる。

 

そうこうしている間にクソ広いゲヘナ学園の敷地と、俺が目指すべき一際ご立派な風紀委員会本部が見えて来たので、なるべく早く高度を落としながら学園の端の方への移動を始めた。

 

風紀委員会の本部で直接降りた方が良いのでは?などと考える奴は風の魔術による人体飛行でのゲヘナ侵入経験が無いエアプ野郎に違いない。

 

何故かって?そりゃあゲヘナの中央は建物が少なく、空が綺麗に見えるのだ、そしてそんな空によく分からない謎の高速飛行物体が現れてみろ?普通撃つよね?廃校舎からも学生広場からもそこかしこから弾丸が飛んでくるのは当然だよね?

だってゲヘナなんだぜ?知ってか知らずか、平安貴族の鷹狩レベルにお気楽殺人未遂やらかすよね?

 

 

 

 

てな訳でゲヘナの隅、問題ありありアリーデヴェルチな廃校舎からかなり離れた場所に着地した。

スカートでの高速飛行はスースーするとかいう次元では無く、下着状態で飛んでいると言っても過言じゃないレベルで風を受けまくった。

これからは、スカートで飛行する漫画やアニメのキャラクターは痴女だと思う事にする。

 

それはどうでも良いとして……デカい目印があるからと言って慣れない道で迷うのも馬鹿らしいので、今は取り敢えず広い所へ出よう。

 

 

 

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アロナのサポートのお陰で、どうにかこうにか校庭のクソデカい噴水を過ぎ、部活棟の辺り……つまりは目的地の目と鼻の先まで来る事が出来た。

流石は自由と混沌を校風に掲げるゲヘナというべきか、その校風は生徒だけには飽き足らず、ゲヘナの大地にまで受け継がれていて、少し周りを見渡せばクレーターが出来ていたり、焼け野原があったりと、相も変わらず歩き難くてしょうがなかった。

 

 

まあ、何はともあれ、ここまで来ればどんな方向音痴でも迷いようが無い。

用済みのアロナさんに礼を告げてシッテムをしまい、歩き難いゲヘナの地を再び進まんと前を向くと、少し遠くで一匹の黄色い蝶とそれを両手を上げながら満面の笑みで追いかけるダボダボコートの金髪少女が目に映り込んで来た。

 

普通の感性の者ならば、「微笑ましいなぁ……」と思うだろうが、ここはキヴォトスであり、ゲヘナだ。

 

キヴォトスの幼女と思しき人物は軒並み強く、なんなら毎日所構わずお茶しばいてそうなお嬢様が暴走機関車だったりもした。

であれば、目の前の暫定幼女がどんな強キャラなのか狂キャラなのか知れたものではない………突然捕まえた蝶の羽を嬉々として毟るようなエーミールもドン引きする様な少女であっても驚きはしない。

 

と、割と失礼な事を考えながら若干早足で歩いていると、暫定幼女はいつ誰が作ったか分からない石畳の突起に躓き"バタンッ!"と音を立て顔からダイブしてしまった………両手を上げていなければ受け身が間に合っていたろうに…………取り敢えず、こんなアホな転び方をするという事は暫定幼女がリアル幼女である可能性が60%ぐらい出て来た。

余裕が無い訳じゃない、少し予定を変更してシックスティ幼女の様子を確認するとしよう。

 

ポケットの中に手を突っ込んでポケティを探しながら、気持ち早めに歩いている最中、シックスティ幼女が鼻をすすり必死に涙を堪えてそうな声が聞こえてきた。

 

「グスッ……泣かないもん。」

 

これは間違い無く幼女である。

我慢出来て偉い!!!

 

「"大丈夫?"」

 

未だに見つからぬポケティを左手で探しながら右手を幼女に差し出す。

寝そべっている姿を見るに身長は今の俺と同じくらい………姉とはぐれたりしたんだろうか?少なくとも梅花園では見た事は無い子だ。

 

「うん………ありがとう。」

 

お礼が言えて偉い!!!

………が、涙のせいでくっついた砂のせいで顔がドロドロだ。そしてやはりというべきか、安心安全な飛行の為にポケットにティッシュなど入れている筈がなく…………まあ大人しくGOKから出せば良いだけの話だが。

 

「すごいっ!今のどうやったの!?」

 

唐突に現れたポケティに転けた事すら忘れた様に尻尾と翼をバタつかせ、お目々キラキラ顔面ドロドロな幼女さん。元気を取り戻してくれたみたいで何よりだ。

 

「"フッ………ただの魔法だ。"」

 

ブライは左手に持ったポケティを右手に投げ、右手で受け取ったポケティを収納して左手から取り出して右手に投げるループを暫く繰り返した。

 

「わあぁぁぁ!お姉ちゃんすごい!他のも見せて!」

 

性別がちょっと違うかなぁ……。

 

「"見たけりゃ見せてやるよ……と、言いたいとこだがよ、それより先に顔を拭こうぜ………えーっと……。"」

 

「イブキはイブキだよ!」

 

イブキはイブキか!自己紹介できて偉い!!………にしても何か何処かで聞き覚えが……。

 

「"俺は……そうだな………✝暁光の魔術師✝───と言えば分かるかな?"」

 

「知らない。」

 

「"知らないかぁ……。"」

 

やっぱそれっぽい二つ名はまだ付いて無いか。

 

「"俺はブライ、連邦生徒会のい…………シャーレの先生と呼ばれている者だ。"」

 

「‼️先生!?マコト先輩から聞いた事ある!」

 

さして変わった名前という訳ではないが、またもや聞き覚えのある名前だ……

 

「……でも、先生は男の人だって、言ってたよ?」

 

マコト先輩とやらポリティカルコネクトネスについては教えていないようだ。

 

「"こう見えて男だ………まあなんだ、間違えて毒リンゴ的な物を食べてしまって、こうなってしまった………身長ももう少し高いかったんだぞ?"」

 

人権サイズでは無いけど。

 

「そうなの?」

 

「"そうだ、そのせいで結構困っててな。"」

 

「イブキ知ってる!そういう時はお姫様にキスして貰えば良いんだよ!」

 

おやおやおや、やはりイブキの発想は可愛いですね………ってか白雪姫とカエルの王様が混じってない?

 

「"残念ながら俺に姫様は居なくてな…………ま、それよりだ、そろそろ顔を拭いてくれ。他の魔法を見せたりするのはそれからな?"」

 

涙が乾いてカピカピなイブキにポケティを差し出した。

 

「分かった!」

 

差し出されたポケティをイブキはダボダボコートから手をだして両手で受け取った。ちゃんと両手で受け取れて偉い!!

 

「ありがとう!」

 

お礼が言えて偉い!

 

「"んじゃ、手始めに花でも出すから、見とけよ見とけよ〜。"」

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

イブキが顔を拭いて幾つかの魔術を見せた後、あまりに大はしゃぎして目立ちすぎるものだから、流石に人目が無い場所に移動した。

雪像や氷像、石像を作ってみせたり、ハイドロポンプしたり、灰色1色の石の滑り台を作ったりその他諸々………基本的に例外無く喜んでくれたが、なんやかんやで地面に生成した薄氷を踏み割るやつが1番ウケた気がする。

 

平和に魔法を使ったのは梅花園の時以来だ………しかも、ゲヘナでってのが驚きポイント倍増だ………そういや、最近は合宿とか海とか海とかで忙しかったせいで行けてねぇな。

まあ、取り敢えず今はイブキだ。

 

「"さてさて、次は何をやりますかね?"」

 

「イブキね!次はお空を飛びたい!」

 

「"ohh……"」

 

当然いつか来るとは思っていたが、困りましたぞ…………複数人での飛行を習得していない時にも梅花園の子共達に同じ事を言われて落胆された覚えがある。

 

「………できないの?」

 

ほら!滅茶苦茶がっかりしてる!!

 

出来ないと言うより、してはいけない理由が大き過ぎる……………ゲヘナで飛べゃあ撃ち落とされるし、よく考えればそもそも俺は追われる身だった………ゲヘナ外に出るのは出来るだけ避けたい。

イブキには悪いが今回は諦めてもらう他ない。

 

「"ごめんなイブキ、ちょっと今は難しいから、今度会った時……俺が元の姿に戻った時に一緒に空を飛ぼうぜ!約束な?"」

 

「うん!約束!」

 

イブキと指切りをして約束を取り付けたのだが、多分約束を果たせるのはエデン条約関連のアレコレが終わった後だろう。

 

「"そんで、思い出したんだが、俺は今から風紀委員会に行く用事があってだな、もし迷子なら一緒に風紀委員会まで行こうぜ。"」

 

とは言ってみたものの、ガチ幼女をゲヘナ学園で1人行動させるのは普通に心配だったりする。

 

「迷子じゃないけどイブキも一緒に行く!」

 

「"誰かを待ってたりしてた訳でも無いのか?姉とかそういう人。"」

 

「大丈夫!」

 

本当にござるか〜?

 

「"ま、いっか!"」

 

どちらしろゲヘナに居るなら風紀委員会の近くが1番安全だし、イブキの事もそこで聞けるかもしれないし拒む必要もないな。

 

 

ブライは心の中でとても合理的な未成年略取の言い訳を考えつつ、イブキと行動を共にし、風紀委員会を目指した。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

いつも平然と開けていたドアノブがこんなにも高かったとはな………ちゃんヒナは開ける時ちょっと面倒じゃない?

 

「先生、入る時はノック…だよ。」

 

この幼女………良い子過ぎる!!

さぞかし良い人達に恵まれたのだろう。

 

「"そうだな、悪かったイブキ、教えてくれてありがとう。"」

 

コンコンコンッ!

 

「"開け…………失礼します。"」

 

今日はデトロイト市警は封印だ。

 

「?………どうぞ。」

 

ガチャ

 

扉の先には横乳丸出しで書類を処理しながら申し訳程度にこちらに目をやる痴女と画面に齧り付く何人かのオペレーター……まあ、いつもの光景だ。

 

「風紀委員会に何か……イブキちゃんと……イオリのご家ぞ…‼️先生!?」

 

ガタッ!という音を立て、両手で机を叩きながら勢い良く立ち上がりこちらへ向かって来るアコ。

何で今日も横乳を出しているのかとか、白髮と褐色肌でイオリの家族と思い込むのは早計ではないかとか、色々と言いたい事はあるが取り敢えず………

 

「"キッショ、なんで分かるんだよ。"」

 

座右の銘を「弱肉強食」にしてそうな野性味溢れるシロコから見破られるのは分かる……だがこいつが初見で見破るのは何か違うだろ。

 

「なんなんですかいきなり!………ですが、その失礼な物言い、間違い無く先生ですね。」

 

こんだけ縮んだ上にメイド服なのに、一瞬で見破られればそうも言いたくなるだろう。

 

「"で、何で分かったんだ?"」

 

「………それは……その…………。」

 

さっきの勢いは何処かへ行き、急に言い淀む天雨アホ。

 

「そ、それよりも、先生は何故女装を……いえ、それよりも何故子供に?」

 

ガタッ!  カシャカシャ!

 

「"おいそこ!撮ってんじゃねぇ!そんで写真消して仕事に戻りやがれ!"」

 

弱みを見せるとすぐにこれだ……。

 

「は、はい!」

 

返事だけは立派だが、絶対消さねぇやつだ………後でハレに頼も。

 

「"ま、俺達の仲だし、アイスブレイクは要らないだろ?早速本題に入ろう。"」

 

非戦闘員の女1人(ユウカ)に逆らえずに女装してますとか、口が裂けても言えんからな………適当に流そ。

 

「………そうですね、立ち話もなんですし、好きな所へおかけ下さい、イブキちゃんもどうぞ。」

 

(何故か直感で分かってしまったなんて口が裂けても言えない……!)

 

アコの言葉を聞き、俺はそこらのソファーに腰掛け、続いてイブキは俺の真横に、アコは対面に腰掛けた。

何はともあれ、アコがイブキの事を知っていたのが何よりだ。

 

「"まず1つ目、勢いでイブキを連れて来てしまったんだが、こいつの姉や知人からそういう連絡は来てないか?"」

 

「イブキ、嘘なんか吐いてないよ!」

 

疑われたイブキさんご立腹である。

 

「"ごめんごめん、ちょっとイブキが心配でな。"」

 

海外のゲームではなく、ゲヘナだからな……余裕で子供相手にロケットランチャーの1つや2つ飛んで来る………飛ばすのも年齢的には子供だけど……。

 

「イブキちゃん相手には随分と優しいんですね。」

 

「"何?アタオカヒナコンアルミホイラーな上に小学生並みの対応でもして欲しいの?救いようが無いな。"」

 

「誰がアタオカアルミホイラーですか!!」

 

ヒナコンは否定しないのか。

 

「アコ先輩と先生は仲が悪いの?」

 

「"ああ、アコ"の"中は最悪だ………醜悪で劣悪で粗悪で害悪で毒悪で俗悪で触れる事すら憚られるほどの汚物……ブルチーズ以下の臭いがプンプンするぜ。"」

 

 

はあああぁぁ!?な、何なんですかいきなり!イブキちゃんの前なんですよ!?」

 

コイツは何を焦っているんだ。

 

「"事実だししょうがないだろ?"」

 

「憶測でものを言うのを止めて頂けませんか!?後セクハラで訴えます!」

 

本当にコイツは何を言っているんだ?

 

「"だってよ、高圧的で思い込みが激しくて、すぐに考えなしの暴走機関車になる癖に、失敗しようものなら他責思考に陥るどうしようもない奴を中身最悪と言わずに何と言う?"」

 

 

「自己紹介ですか?もし私の事を言っているのであれば随分と歪んだ認識をしているようですね。」

 

 

うわ〜この人、自己認識が歪んでいる上にとんでもないブーメランマスターだぁ。

 

 

「"認識が歪んでるのはお前の方だろ?内面(なか)の事を口に出せない何かと勘違いしたんだろうけどさ、そういう言動や服装ってのは普通に子供にとっての性的虐待に当るんで控えてもらって良いですか!?"」

 

 

 

はぁっ!?私が悪いって言うんですか!?先生こそ普段の言動を省みて下さい!普段の言動がアレだから、こういう勘違いが生まれるんですよ?」

 

「"言ったそばから他責思考と横乳出てますよww"」

 

「そういうところですよ!!」

 

「"何がどうあれ、お前が好き好んで横乳出してるのは事実だろうよ!"」

 

 

「二人共、ケンカしちゃダメッ!」

 

………またまたイブキさんはご立腹である。

それも、今回は俺達の為にだ………流石に偉過ぎるだろ…………それに比べて俺達は何を考え、何をしていた?こんな少女でも普通に持っている思いやりの心を俺達いったい何処に捨てて来たんだ?

 

イブキには本当に申し訳ない事をしてしまった………こんな醜い言い争いと横乳を見せてしまった事を俺達は誠心誠意謝らねばならない………。

 

「"ごめんなイブキ、俺が間違っていた………アコも悪かった、事実でも言って良い事とダメな事があるよな。"」

 

「張っ倒しますよ?」

 

「"やべぇよイブキ、この行政官、暴力に訴えてくる。"」

 

「……はぁ…全く………分かりました、こちらにも仕事がありますので、手短に終わらせましょう…………まず先程の質問の答えですが、その様なものは来ていません。」

 

「"そうか。"」

 

ならばシンプルに迷い込んだ?………アコはイブキの名前を知っていたようだし、そこそこ出入りはしているはずだが……てか、お前は謝罪無しか?

 

「それともう一つ、イブキちゃんは年齢こそ11歳ですが、小学生では無く、ゲヘナ学園高等部の1年生です。」

 

「"そうなの!?"」

 

「そうだよ!」(肯定)

 

もしかしなくてもゲヘナにも飛び級システムがあるのか!勉強出来て偉い!!

 

「"11歳かぁ〜偉いなぁ〜凄いなぁ〜健気だなぁ〜イブキ〜。"」

 

「えへへ〜」

 

帽子越しにイブキの頭を優しく撫でてみたが、どうやらイブキの頭には角まであるらしい。翼と尻尾と角の3つが揃ったゲヘナ生は地味に初めてみた気がする。

 

「"おいアコ、お前さっきチラチラ見てただろ。"」

 

「べ、別にチラチラ見てませんし!というか見られたくないなら、私の真正面でやらないで下さい。」

 

いつも通り良く分からんキレ方をしているが、取り敢えずアコは淫夢厨では無いらしい。

 

「"お前が見てようが、見てなかろうがどうでも良いが、2つ目だが、"」

 

「どうでも良いなら一々言わないで下さいよ!」

 

「"はいはい、んで、2つ目なんだがな……………今の俺は追われる立場にあってだな、風紀委員会本部の空き教室何かを一部屋貸して欲しい。"」

 

「人に物を頼む態度ではありませんね。」

 

それこそ普段の言動を省みて欲しい。コイツ本当に銃よりブーメラン持った方が良いだろ。

 

「"お前夏季訓練の時に名前を貸してやった事を忘れたのか?"」

 

「ちょっと先生!」

 

アコが急に机に乗り出して下品な乳を揺らしたかと思えば、ひょいひょいと、こちらに来いと言いたいげに手招きをしてきた。

俺がイブキの頭を撫でるのを中断させるとは良いご身分だ。

 

 

「先生、一応彼女も万魔殿のメンバーなので、ここでその様な話は控えて下さい。」

 

「"………彼女ってイブキの事か?"」

 

「はい。」

 

「"マジで?"」

 

「マジです。」

 

「"…………マジか。"」

 

真に良いご身分なのはイブキだった……………少し衝撃的ではあるが、万魔殿であろうとイブキはイブキだ。

それに俺は直接的な嫌がらせを受けた訳では無い。切り替えて行こう。

 

「"………んで、空き教室の件は……?"」

 

「許可は出るでしょうが、一応委員長へ話を通して下さい。」

 

ヒナに話を通さず俺をゲヘナで保護(笑)をしようとした人の言葉とは思えないぜ!!が、まあ、今はそんな事はどうでも良い……俺にはたった今、成すべき事があるのだから!

 

 

「"おけ!別に急ぎって訳じゃねえし、ヒナが来るまで遊ぶか!イブキ!"」

 

「うん!」

 

「ええ、委員長はお忙しいので、ぜひともそうして下さい。」

 

 

 

この後、ヒナが来るまでの間、かくれんぼや鬼ごっこなど、風紀委員会本部で出来そうな事は荒方やった。

 

そして、万魔殿に弱みだとか借りを作る様な事態はどうにか避けたいので、「あまり大勢の人に今の俺の姿を知られたら、呪いだか、毒だかが解けないから他の人には内緒な?」的な事をイブキに言い含めておいた。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

蒸し暑い………そして何か頭と頬に違和感を感じるし、両腕は何かに拘束されている……具体的には頭上からは妙な音と生暖かい風が、頬には圧感がある………俺は確か………少し記憶を探ってみたが、イブキの先生ごっこ途中で急に二次関数のグラフが出て来た所までしか覚えてない…………もしかして、そのまま寝てしまってイブキにイタズラでもされたのだろうか?

………そう思い目を開いてみたのだが、目の前には暗闇しかない。

 

………硝煙と………微かに香る天日干しにした布団の匂い?がする………しかし、目の前にあるのは戦場でもないし、俺は布団の上に寝転がっている訳でもない、間違い無く俺は何かに座らされている……座面は変わった形ではあるが、少し柔らかく背面は硬い……少なくともソファーでは無いらしい…………拘束用ソファーってなんだよ。

 

 

 

 

そして、暗闇に目が慣れた頃、俺の視界は白いモフモフに支配されていた…………。

 

 

モフモフと天日干しした布団の匂い…………IQ81.0を誇る俺にはその情報だけで十分だった─────謎はとべてすけた。

 

 

 

「"ヒナ、俺の後頭部を吸うのを止めてくれ。"」

 

アコ如きは知らない  ヒナの後頭部に匂い

 

晴れ渡る空の下で乾かした 布団に飛び込んだ様な

 

「────────ッ!」

 

瞬間、緩くなった拘束の隙をつき、揺れるモフモフを掻き分けた。

モフモフの向こう側の眩しい光に目を眩ませた事により、目の前にあったテーブルに正しい意味で膝を打ちながらも全力でその上を転がった。

 

俺の予想は正しかったらしく、俺の視界に映っていたのは90度傾いたヒナだった。そして、その両隣にはイオリとチナツもいた………どうやら二人には頬をムニられていたらしい。

 

机の上に寝転ぶのはアレなので、取り敢えずその場で胡座をかく事にした。

視界の端では、アコとイブキがお馬さんごっこをしていた。

 

「だ、大丈夫ですか先生!」

 

「"あぁ、大丈夫だ。"」

 

膝を打った俺を心配するチナツ……メガネを外して欲しい。

 

「そ、それは良かった!そうだ先生!先生は委員長に言いたい事があったんだろ!?」

 

「"ああ。"」

 

幼子の頬をムニる行為は人類に備わった欲求のひとつなのだが、ゲヘナでは恥ずかしい事だったらしく二人は必死に話を逸らそうとしている。

 

実際のところ、こいつら何も悪くない、条件不明の催淫効果の副作用がある薬を飲んだ癖に隙をみせた俺が悪い。

 

ヒナが人の後頭部を吸う様な変態行為に勤しんだのもそれが全部悪いんだ。

 

「さ、さっきのは違うの先生!」

 

自らの変態行為を顔を赤くして否定するヒナ……ここはしっかりヒナが変態では無い事を伝えてあげなければならない。

 

「"大丈夫だ、さっきの事は気にしなくて良い………詳細は省くが、俺はある薬を飲んでこんな状況になってしまってな………どうやらその薬の影響は小さくなるだけじゃなくて、他者に対する催淫効果も出るらしいんだ、だからヒナが本人の許可を得ずに後頭部を吸う様な変態行為に勤しんだとしても全部薬のせいだから気にしなくて良い。"」

 

※そんな効果はない。

 

「な、なるほどな!通りでおかしいと思った!」

 

「そ、そういう事なら気にしなくても良いですよ、委員長!」

 

※そんな効果はない!

 

「い、いや2人だって、私が来る前に「「あああああああ!!」」

 

イオリは兎も角、チナツが叫ぶとは珍しく……

というか、またまた内ゲバの予感だ…………やはり今の俺は火種にしかならないのか……。

 

「"すまん、今日は一度帰る事にする。"」

 

イブキ……最後まで遊んでやれずにすまない…………優しいお前にはこの先の醜い争いは見せたくないんだ。

 

「……話があるんじゃなかったの?」

 

「"………忘れてくれ………やはり俺は人間と関わるべきじゃなかったんだ………。"」

 

 

何か良く分からない事を言いながらブライは去った。

次こそは野宿をすると心に誓って。

 

 

取り敢えず、モモトークでのサヤの安否確認と便利屋訪問の有無と、この薬の催淫効果についての実験を行ってもらおう………すまんな、ネズ太郎かチュー助かミ◯◯ーか知らん鼠よ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

おま◯けのおま◯け

ブライが「アホな転び方をする奴は幼女である可能性60%」という、悲しみと怒りの因数分解より意味の分からない考えに至った理由について。

 

 

 

 

 

 

ブライがシャーレに着任して数週間経ったある日の仕事終わり、ブライはリンに呼び出しを受けていた。

 

 

 

「先生……このミスは何度目ですか?」

 

この女は今まで食ったパンの枚数を覚えているのだろうか?

 

「"リンちゃんさ………適材適所って言葉知ってる?"」

 

何度目ですか?と聞きたくなる程ミスを繰り返しているのなら、何故わざわざシャーレに書類を回すのだろうか?その謎を解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かいたい。

 

(#^ω^)

 

青筋ビキビキである。 お前の次のセリフは「やけんモテんと思う」という。

 

「誰がリンちゃんですか…………はぁ……良いですか先生………そもそも────」

 

普通に違った。

ていうか、普通に何も聞いてなかった………何でこういう興味の無い話って右耳から左耳にすり抜けて行くんだろう?

何で「こちら側の何処からでも切れます」は普通に切れなかったりするんだろう?

食パンの外側って言うほど耳っぽい要素無いのに、何でパンの耳って言うだろう?

何で料理初心者向けの本に「塩少々」とか「適量」とか明らかに経験が無いと分からないクソみたいな表現があるんだろう?

何で俺の好きなヒロインは毎度負けるんだろう?

何で誰にでもメガネをかけようとするカスの存在が許されてるんだろう?

何で子供ってよく転けるんだろう?

逆ア◯ル本って誰に需要があるんだろう?

 

「聞いていますか?」

 

「"ああ、聞いてる聞いてる。"」

 

「では、先ほどまで私が言っていた事を復唱して下さい。」

 

それ禁止にしようぜ?

 

「……………心配しなくても大丈夫だよ七神。俺もこれから頑張っていくか────」

 

バチンッ!

 

「"痛ったあぁぁ!!"」

 

「申し訳ありません、あまりの話の通じ無さについ…………それに"俺も"では無く"俺は"です。」

 

申し訳無さの欠片もねぇ!

 

「"いきなりビンタは酷いじゃねぇか!親父にしかぶたれたこと無いのに!"」

 

「もう一発必要そうですね……。」

 

「"すみませんでした……もう一度説明をお願いします。"」

 

 

 

 

 

今日も床が綺麗だ…………あー、なるほど!……子供が転け易いと感じていたのはそういう理由か……。

 

子供が転け易いのでは無い、人は大人になる過程で段々転び難くなるのだ。

それは何故か?それは地面を見る頻度の違いだ。

 

小さな子供の頃は何の不安も無く、何の考えも無く、ただ楽しくてしかたない今を楽しむ為に前しか向いて来なかっただろ?

それが今ではどうだ?

ただ遊び呆ける訳にもいかず、仕事を押し付けられ、上司になじられ、最終的にはぶたれる始末………これが下を向かずにいられるか?しかし、これは今に始まったことではない。

 

中学の頃はどうだろうか?高校の頃は?大抵の人は成績や友人関係や将来への不安で悩み、下を向きがちになったのではないか?

 

そうしている内に、人は段々前を向く事を忘れ、地面にばかり気を向ける事になる。

 

転けなくなるというのは悲しい事なのかも知れない………。

 

「先生!」

 

「"はい。"」

 

「聞いてましたか?」

 

「"…………ああ、勿論だ、リンちゃんに似合うのはメガネかコンタクトかって話だろ?俺的にリンちゃんにはそんな不燃ゴミ(メガネ)をぶら下げるよりコンタクトの方が────"」

 

バシィィィン!!

 

 

 

 

──────────────────────────

 

犬が飼い主を間違えるはずが無いだろうが!

 

因みにブライ君の前世は高校1年の内に物言わぬ肉塊になったので、丁度二次関数のグラフをやってた辺りですね。

それとは関係なく、トリニティでの補習授業も殆どアロナさん頼りだったブライ君の頭は勉強面に関しては普通に補習授業部加入直後のコハルよりもワルワルのワルです。

 

そして今回に限ってブライ君はIQ81.0も無いと思います。

アンケート機能のお試しです。皆様はブルアカの最高レアリティの出る封筒は何封筒と言っていますか?

  • 紫封筒
  • 虹封筒
  • ピンク封筒
  • 百鬼夜行のピンク髪メカクレモブを実装しろ
  • ベアトリーチェはよく見ればシコリティ高い
  • いいからお前は全国のタカハシさんに謝れ!
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