透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか?   作:ゴジマツリ=ユーリエフ

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89.濃霧の暗殺者

 

 

例えばこんなシチュエーションがありうる、とサオリ氏は説明する。

計画の最大の障害となるブライの死亡を確認するため、瓦礫の原を徒歩で移動していると、

砂塵の向こうにふと、現在の主目標ではない要人であるゲヘナ最強、空崎ヒナの姿がよぎる。

先のミサイルに被弾でもしたのだろうか、体にいくつか傷を負っている。

空崎ヒナの排除が今すぐ必要というわけではないが、メリットは非常に大きい。

一瞬の逡巡ののち、踵を返して先ほどの傷だらけの空崎ヒナを取り囲む。

アリウスに必要なものは、臨機応変な判断力だ。

「キヴォトス」には、そんな体験が可能な世界が用意されているのだ。

 

──────────────────────────

 

 

 

「"そんじゃ、無意味で無価値で無駄無益で無用で無情な抵抗、頑張ってくれよな!…………ヒナ、背中頼んだ!"」

 

ぶっちゃけ、今の状態での話し合いでアリウススクワッドのメンバーが投降するという可能性は俺の頭に一切なかった。

 

経験則ではあるが、経験により歪んだ思考や思想は他人の言葉では治らない。治すことが出来るのはそれもまた言葉で無く経験だと考えている。

 

故に、わざと煽った。3割くらいは冗談。

 

そしてその理由も至ってシンプル。俺が言うのもなんだが、怒りや焦りなどは戦いにおいて邪魔にしかならない。冷静さを捨てれば刃も銃口も全てが鈍る。

 

初めから狙うは力による制圧だったという訳だ。

 

「わかった。」

 

 

挨拶は済ませたが身を屈めながら挨拶代わりに頑張れば避けれる程度の大量のトロンをぶち込む。

盾代わりに使ってしまったヒナには申し訳ないが、逃亡しようとした時のあの現象がジャッキングなのかディスペルなのかアブソーブなのかを判別してぇのだ。

 

どれも対象の視認が条件になるはずなのだが、ここはキヴォトスろ………基本的にキヴォトスにいる奴の神秘とやらは魔術に類似しているが全てが上位互換の様なものだ、必ずしも視認する必要は無い可能性がある。

 

少なくとも初撃の雷撃と投石に対し回避した所を見るにジャッキングである可能性が高い。

 

そして正面の二人は俺が狩り残した幽霊を盾にやり過ごす。

 

 

ここから推察される事は二つ。

 

一つ目はクールタイムの存在。ジャッキングの場合はクールタイムが存在しないと聞いたが……ディスペルとアブソーブは知らん。

 

二つ目は本人が使える自覚が無い…………本人の「上手くいかないか」という発言的にこれは無いだろう。

 

 

 

ま、結局は一択………そして更に言うならば何も分かっていないということだ。

 

ならば次は弱点を攻め能力を使わざるお得ない状況を作るまでだ。

 

 

ブライはサオリとガスマスク少女の付近に目が眩むほどの強烈な光を発生させ視界を奪い、保険として岩壁で二人と自分達を隔てる。その後、立ち上がって瞬時に振り返りミサキを岩の小部屋に閉じ込めた。

 

取り敢えずこれは、✝外道の九十 岩棺✝と名付けよう。

 

「"近場の通路も封じたからしばらくこっちには来ないはず。俺は左の方をやる。注文多くてごめんけど、中央のアレは壊さない様にお願い。"」

 

「了解。」

 

手早く担当した方の幽霊達を次々と刺し殺し始める。

 

「"向こうにはいないっぽいんだけど、こっちにスナイパーは居た?"」

 

「ううん、私もまだ見つけて無い。」

 

最悪ヒナを離脱させた後に周辺一帯を囲めば殆ど無力化できる。

 

「"そっか……まあ良い、取り敢えず今のうちにヒナは離だ────。"」

 

そこまで言ったところで、背後の壁は爆発され破られた。

しかし残念、掃討は既に終っているのだよ。

 

「ミサキッ!」

 

「"あらららららら、いやぁ遅かったねぇ、お陰で閉所恐怖症なミサキはランチャーのリロードすら出来ないほど狭くてくらい部屋の中!………可哀想っ!泣いても叫んでも誰にも届かない!俺の判断次第で地面から迫る石柱に体が圧縮されるかもしれないという恐怖と戦ってんだYO!!"」

 

身振り手振りを交え全力で煽る。

そんな心底楽しそうな様子にサオリは青筋を立て俺を睨みつける。

 

「"……………………俺はお前等の弱点を知っている、今すぐ投降するならばミサキは解放してやろう。"」

 

「………断る。どうせお前にそれは出来ない。」

 

「"部分点あげちゃう。正しくは"出来ない"ではなく"やらない"だな。"」

 

「その甘さこそがお前の弱点だ。」

 

「"はいはいそうですね………てことで、ヒナはミサキの監視と出来ればスナイパーの位置の特定を。俺はもう一つのアリウスの弱点ガスマちゃん…………基、秤アツコを狙うから。"」

 

アリサーの姫、狙わせていただきやす。

 

ブライは左手にホントニホントウ、右手には調印式前に異世界産の毒を塗り込んでいたナイフを持ち、アリウスの二人に向け自らが射出する数多の石弾丸と共に走りだす。

 

 

 

「"あそぼーぜ、あっちゃん!"」

 

「逃げろ姫っ!」

 

サオリはアツコへの逃走を促しつつ、迫りくる石弾を最低限撃ち落し、隙をつき手榴弾を転がし時間稼ぎを試みる。

 

はいはいテンプレテンプレ、石柱レシーブで終了っすわ。そんで次は………

 

手榴弾を突き上げる石柱の後ろに隠れる様にサオリはコート内から円筒状の物を放り投げる。

 

視界一杯に煙が広がる………スモークグレネードか……陣の隠蔽の有無に関わらずサオリは俺の風に影響を及ぼす事は確かだ。奇襲による時間稼ぎ、あわよくば俺を殺せるといった考えだろうか……

 

まあ良い。取り敢えず使わせて相手の能力の判別、からの死んだ後の不意討ちでサオリを確保する。

欲を言えばアツコも確保したい。

サオリの呼び方の如く、アリウスの護衛対象であるというのに前線へ駆り出され尚も守られる対象………どう考えても何か裏があるに違いない。

 

煙を払う為に発生させたはずの上昇気流は髪をなびかせるだけに非ず、まるで二つの円を描いているいるかの様に双方からブライの身を挟む様に吹き荒れる。

 

とりま今の魔術を取り消して物理的に煙を飛ばそう。

 

「"危ねえから近づくんじゃあないぞ。"」

 

ジャッキングで確定、そう確信したブライは脳のリミッターを外し、筋力にバフを振った後にナイフをしまい、その手に自身よりも大きな特大サイズのうちわを持ち振りかぶる。

 

おかしい………ガラガラと瓦礫が吹き飛ぶ音は聞こえるが煙が晴れる気配はない……そして俺が扇いで創り出した風が循環し今は俺の背中を押す追い風となっている。

 

確信が揺らぎ、深まる疑問にブライは思考する。

 

この煙の広がった範囲は?サオリの現在地は?右手痛てぇ……。相手の取る行動は?今やるべき事は?そして導き出される最悪の想定。

 

最悪のパターン。それはヒナが死にサオリ達に逃げられることだ。

 

そして、それが可能な状況が今かもしれない。

 

もし仮にこの煙が可燃性の物ならばどうなる?俺は一度死ぬ。

それで済めば良いが、ヒナのいる辺りまで広がっているかもしれない…………いや、ホントニホントウが起動している時点でそれは無い……

 

だがこの状態で死角からナパーム弾など投げられよう物ならばしばらくのリスキル地獄………それこそ詰みだ。

問題も疑問も一つずつ潰していけ。

 

 

うちわとホントニホントウをしまい目の前を壁で塞ぎ、そこらに漂う煙を両手からGOKに送りながらヒナの待機してるはずの場所へ走りだす。

 

視界が晴れ間もなく、ミサキを閉じ込めた✝外道の九十 岩棺✝とその傍らまで移動していたヒナが目に入る。

やはり煙は明らかに広がって来ている。

 

そんなヒナを置き去りに少し離れた位置まで走り抜ける。何か言いたげだったが走り抜ける。

 

これも疑問を一つ潰す為。

煙から十分離れた位置でGOKから煙を引っ張り出し上昇気流を発生させる。

 

すると当然の如く煙は天へ登って行くわけで…………マジで意味が分からん。

 

「何かあったの?」

 

顔をそのままに警戒を続けるヒナに近づきながら事情の説明を始めた。

 

「"魔術による物である事は確かだが、何があったのか分からん…………取り敢えずあの煙はやべぇ、払っても払っても留まり続ける………て事で、ヒナ、ミサキを捨て置いてあの煙から離れた位置でこの信号弾を撃ってくれ。"」

 

増援が来てくれるかどうかは別としてヒナに紫色の煙弾の詰まった信号弾を手渡す。

 

「了解。それで、先生はどうするの?」

 

「"餅は餅屋、あの魔術師に煙弾の上昇を邪魔されない様に注意を引き付ける。あわよくば確保してくる。"」

 

「分かった、それじゃあ信号弾を撃ち次第私も───」

 

「"いらん、能力が分からん内はヒナと言えど足手まといだ、それに相手はナイフを携帯していた、不意を突かれれば死ぬぞ。"」

 

「で、でも、私は…………分かった。」

 

緊急時故に語気が強まったせいかヒナヒナになったシナ………悪気はなかったんです。

 

「"本当に信号弾を打ち上げてくれるだけで超助かるから!安心したまへ、俺は近接戦でゲヘナ最強に勝った男だぞ!"」

 

「夏合宿の時の?トータルしたら負け越してるでしょ?」

 

「"細かい事は良いんだよ!んじゃ、煙に凸ってしばらくしたら打ち上げでくれよな!"」

 

「…………うん、じゃあまた後で。」

 

「"ああ!"」

 

ブライは笑顔でヒナにそう言いって送りだし、迫りくる煙の中へ消えて行った。

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

あいも変わらずモコモコのモコなこの空間、ミサキを捨て置きアツコと一緒に逃げたってんならそれで良い…………いや全然良く無いけど。

 

自爆されたりサオリによって脱出されたら堪らん、位置取りは✝外道の九十 岩棺✝より前だ。

 

取り敢えず煙をGOKに送りながら不意討ちの対策として左右と後方に自分を取り囲む壁、岩棺へサオリが向かう事を妨害為の壁を作る。そして…………

 

 

 

「"サーオーリ〜ン!あ〜そ〜────"」

 

そう叫んている最中、煙の中からこちらの喉笛を掻っ切らんとする一本のナイフが現れる。

 

「"あっぶねぇ!"」

 

とは言ったものの、直情的な殺意溢るるナイフ捌き……見てからの回避余裕でした!

そして予想通り、現れたのはサオリでした。

 

アイサツは返すのが礼儀、先日の不良達の様にクソデカシールドでの横薙ぎを御見舞する。

 

「"よお、サオリン、姫ちゃんはしっかり逃がせたのカイ?"」

 

一度見せていたとはいえ、当然の様にバックステップで回避された。間合い不明の奴相手に突っ込むとか頭大丈夫か?

 

そしてブライは右手にクソデカい土筆を、サオリの背後には壁を

 

「お前には関係のないことだ──ッッ!。」

 

回避の択を潰されたサオリの腹部に一瞬の内に肥大化した土筆が沈む。

 

「"捨て身で時間稼ぎなんて泣けるねぇ………アズサから聞いた通りだ、何時ぞやに見ず知らずの間柄のアズサを庇ったそうじゃないか?…………でもな、今回はそうはいかない。"」

 

サオリは腹部の土筆を掴みながら恨めしそうな目でこちらを睨み唸るばかりだ。

 

「"あ、腹が圧迫され過ぎて上手く喋れないよな!"」

 

伸縮自在、どちらも出来るからこの武器は強いのだ。

 

 

縮小と共に土筆を引っ張り、それに引きずられるサオリに向けて毒ナイフを取り出し横に薙ぐ………はずだったが、ブライはその手を止めた。

 

サオリは引きずられながらもナイフに刃先に自らの首を差し出したのだ。

 

「言ったはずだ───」

 

その一瞬の隙にサオリはブライの腹部へ蹴りによる強烈な一撃を見舞い、少し後ろに吹き飛ばされたブライは両手の得物をしまいその場に蹲る。

 

「その甘さこそがお前の弱点だと………!」

 

蹲るブライに追撃をかけるべく走り出すサオリ、しかし、その足はブライの元へは届かなかった。

 

 

 

「"ハハハッ!やはり持つべき物は大人のカードなんかより大人の玩具だな!"」

 

これまた調印式前に用意しておいた触手の玩具の粘液!視界不良の状態を作った自身を恨むが良い!

 

 

一転攻勢、粘液に塗れ強かに頭部を打ち付け曇天を仰ぐサオリの上にブライは馬乗りになり改めて毒ナイフを取り出す。

 

「"はい詰み─────ッッ!!"」

 

最後の抵抗と言わんばかりにサオリはブライの腹部にナイフを突き立て、それを捻じる。

 

「"痛えなぁ…………残念だったなサオリン……やっとデケェ一撃を決めたようだが、ナイフで化け物には勝てない。"」

 

掠り傷は一瞬、臓器でも数秒で元通り……不毛にもほどがある。

 

ブライの腹に突き刺さるナイフは本人の意思に関係なくGOKに送られる。

 

「ああ、知っているさ………だから───」

 

サオリはナイフを持つブライの右手を左手で捻じり、右手でブライを抱き寄せ力を込める。

 

やはり複数の能力の同時使用は疲れるな。

 

やっぱ素の筋力では勝てんな………後、胸部でモゴモゴ言ってるっぽいけど内容分からん!

 

「"骨をベキベキに折った後に殺そうってか?"」

 

ブライは筋力を強化し、脳のリミッターを外してサオリを振り払おうとする………が、しかし、ブライはこの時既に詰んでいた。

 

思えば確かに、妙に周りが静かだった…………敵味方問わず来てもおかしくない増援達の足音は疎か、ヒナが発射するはずの信号弾の音も何も聞こえなかった…………やっと聞こえたのはこの音だ……この距離では間に合わない。しかし、魔術の検討はついた。

 

音もなく目の前まで現れたスティンガーミサイル、目前に迫る逃れられぬ死、ブライは目の前に壁を生成する。

 

ミサキを逃がしたのはアツコかヒヨリか………

 

良くてバラバラorグチャグチャコースだが、無いよりはマシ、

少しでも復活速度を早めリスタートだ。

 

こっちの不死は把握されてる訳じゃねぇ、不意を突き誰か1人に毒ぶち込んで人質にすりゃあ、ヒナの逃げる時間は稼げる…………。

 

 

次は勝とう。

 

 

 

 

──────────────────────────

オマケ【先生の殺し方】

 

 

「先生っ!」

 

エアコンの効いたシャーレの休憩室(執務室)。仕事が終わり何も考えずソファーに寝転がりながらピンを抜くクソゲーをしていた時、ノックも何も無しに扉が開かれた。

 

丁度良くクソゲー中にクソゲーの広告が流れ始めたので身体を起こし入口の方に目をやると、そこにいたのは何か汗ぐっしょのアズサだった。

 

「"そんなに急いでどうしたアズサ?タオルは脱衣所だ、冷蔵庫にあるミルクティーも飲んで良いぞ。"」

 

「ありがとう。」

 

間髪入れずの返答……流石はアズサさん、走ってきたっぽいのに息は切れていないようだ。

 

「じゃなくて、さっきハナコと話していて重要な事を思い出したんだ。」

 

「"重要な事?"」

 

「アリウスが使ってくるかもしれない兵器について。」

 

「"Why?え?ヘイローを破壊する爆弾以外にもあんの!?"」

 

滅茶苦茶衝撃事実なんだが!?何でそんな物忘れちゃうの?

 

「ああ、私も目にした事はないけど、私のかぞ………元仲間の一人、ヒヨリが言ってたんだ、「この世には【童貞を殺す服】という物が存在する」って…………。」

 

「"ん?"」

 

「どんな兵器かまでは分からなかったんだけど、名前の通りなら身に纏う様な何かだと思う。先生なら負けないと思うけど、サオリやアリウススクワッドの皆と遭遇した時には十分注意して欲しい。」

 

真面目な顔で何バカな事言ってんだ?

 

「"…………因みに、その兵器の事を思い出したきっかけは?"」

 

「さっきまでハナコ達とショッピングに行く予定を立ててて……その時、皆が買いたい服について話している時にハナコが言ってたんだ……」

 

「"童貞を殺す服って?"」

 

「うん。………私は童貞の意味が分からなかったからハナコに聞いたら「先生の事です」って言ってたから私は居ても立っても居られなくなって、シャーレまで来た。」

 

「"そっかぁ………。"」

 

そういう事だと思ったよ。

 

「その反応……もしかして先生は知ってるの?」

 

「"まあな…………心配してくれるのは嬉しいんだけどよ、アリウスにいなかったハナコが知ってる上にショッピングに関連する話題で出てくる単語が危険な兵器だと思うか?"」

 

「言われて見れば確かにそうだ…………それにハナコが先生を殺そうとする理由が分からない。」

 

「"多分俺とのしょうもないからかい合いの為だろう。"」

 

「……そうか……そうなのか?…………ん?何でその服を着る事がからかい合いに関係するんだ?………それに、童貞を殺す服は何故童貞を殺す服なんて呼ばれ方をしてるんだ?」

 

「"童貞を殺せるからだ。"」

 

「殺せるのか!?ハナコはからかい合いの末に先生を殺すつもりなのか!?」

 

トリニティ、おもしれー女多過ぎ問題。

 

「"落ち着け………正確に言えばウイルスや精神攻撃の様なものだ、童貞はその服を着た者を見ると機動力が奪われ、最悪の場合は視界に入れて間もなく、その童貞の心臓は破裂し死に至る…………ここまで言えば分かるだろ?"」

 

「…………そんなものと戦場で相対した童貞は簡単に狩られてしまう………先生ほどの歴戦の童貞でも使われてしまえばタダては済まない………何か対策は…………。」

 

アズサよ、それはとんでもない勘違いだ。童貞というのは実戦経験どころかデモムービーを何度も見返すイカれ野郎の事を言う。

よって"歴戦"などという概念はない。

 

「そうか、先生が童貞で無くなれば良い。」

 

ハナコさん、健全な保健体育の授業をお願いします。

 

「"確かに金を払えば不可能じゃない。しかしな、それはロールが外れるだけであって精神(なかみ)は何も変わらないんだ、精神に干渉してくる攻撃にそれじゃあ意味は無いだろう?"」

 

そして俺は獣人やロボ住民で奮い勃つ聖剣を持ち合わせていない。

 

「そんな………それじゃあ、いったいどうすれば………そもそも童貞って何?」

 

布切れ1枚のせいで頭を抱えるアズサさん、とりま脱衣所にある布切れで汗を拭くことをオススメしたい。

 

「"心配するなアズサ、このキヴォトスには童貞を殺すどころか童貞を蒸発させる事すら可能であろう服が数多く存在していてな"」

 

例…一部のゲヘナ風紀委員や百鬼夜行の皆様など!モラルはねぇのかよ!

 

「"当然、そんな環境で過ごし続けた俺には殆ど完璧な耐性が付いている。故にその様な小細工如きで勝敗は左右されないのだよ。"」

 

「本当?」

 

「"ああ。"」

 

「そうか………やっぱり先生は強いな。」

 

「"だろ?存分に崇めたまへ。"」

 

「先生凄い!最強の童貞!」

 

「"貶せとは言って無いんだが?"」

 

「………?」

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

祝★キヴォトス初DEATH!!

 

 

 

簡単に捕縛されたら悔しいじゃないですか!

 

まあ、マジな話、敗因は本人の最後の考えていた通りです。

 

ブライ君の敗因は自分の死を利用することに慣れ過ぎて、強敵相手には一度は死ぬ事が前提の勝ち方がクセづいてしまっているが故の油断です。相手からすればクソゲー極まれりですね。

 

とりまサオリの能力のネタバレはトリニティの気品溢れる才女たるハナコさんにいつかしてもらおう。

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