透き通るような世界観に混じる逸般不純物! ネイビーアーカイブ 私のミスですか? 作:ゴジマツリ=ユーリエフ
なんといいますか、超今更ながら今回の話をブライ君初デス(キヴォトス内)の回の後にぶち込むべきだと思いました(小並感)
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影も形も無くなった元聖堂の瓦礫の山。その地下へと続く入口に立つ3人の少女とそれを守る様に取り囲む数多の亡霊と少女達。
「…………ついに始まったみたいですね。」
遠くで響く銃声、キヴォトスの日常とも言えるその音を聞きアリウススクワッドのメンバーの1人、槌永ヒヨリが呟く。
「ああ、だが心配する事はない。ユスティナは調整を終え、シャーレの先生は死に、奴等の希望は潰えた……。」
サオリは自らの手に爪を立てるほどに拳を握り込む。
気合いを入れるだとか、自身を鼓舞する様な意図は無い。
無限の兵力を確保し、計画最大の障害………アズサを誑かし、あまつさえ自分にまでだだ甘な思想を語った者………任務に関係無く"自身の頭で本気の殺意を覚えた者"の排除………負ける要素は無いと錠前サオリは確信しているからだ。
サオリただ忘れたかった。意識を他に向けたかったのだ。
自身の胸中で爆ぜる肉塊の何とも言い難い感触を。
着替えてなおマスク越しに感じる焼けた肉と嘔吐きそうになるほど強烈な鉄臭さを。
自身を支配する虚無の中に産まれた違和感を。
「その恨みは一体誰の物なんだ?」
「…………私達の復讐は今日ここで果たされる。」
段々と近づいてくる銃声に自身の使命を思い出しサオリは頭を切り替える。
「やはり想定より戦力が温存されているようだな…………ユスティナ一部を進軍させる…………補充が来るとはいえここを突破されれば終わりだ。ミサキ、ヒヨリ、気を抜くな。」
「了解。」
「…………
「姫の安全確保が最優先だ、今はまだ姫の元で待機させておく。」
ゲヘナ、トリニティ殲滅のため湯水のように湧き出るユスティナ、それを制御するアツコの守護。それこそが今のアリウスの使命。
「了解。」
銃声とは別方向。ミサキが了承するととほとんど同時に、遠くからキ〜ンと、甲高く不快な音が響く。
「ア、アリウスのみなさん!……お、おっはよ〜ございます!!」
拡声器を通して響く自信なさげながらもふざけていいるとしか思えぬ挨拶の聞こえる方へスクワッドとアリウスの生徒達の注目が集まる。
「え?これじゃあダメですか?あはは……まあ、そうですよね…………はい…………はい?………え?そんな急に…………」
「"ならばお前は彼奴等の思想を良しとし受け入れるか?"」
「いえ、別にそういう訳では………」
「"トリニティの………2校の滅びを受け入れるか?"」
「いいえ。」
「"アズサが復讐者となり、かつての仲間を葬る事を望むか?"」
「いいえ!……………やりますっ!」
すぐ後に戦場となるであろう瓦礫の小丘の上で拡声器片手に姿を確認出来ない何者と話す少女に多くの者が困惑する。
「何でしょうか……あれ……。」
「どうでも良い………すぐにユスティナを向かわせて始末すれば良い。」
違和感──────
「??………何で向かわ無いの?また何か不具合が?」
たった今も、接近してくるまでの今までもユスティナが少女を排除しようとしない。
「アリウスのみなさん!聞いて下さい!」
「私には、嫌いなものがあります!」
十数秒前の自信なさげな姿が嘘の様に思えるほど覚悟に満ち溢れた少女、阿慈谷ヒフミは声を張り宣言する。
「平凡で、大した個性もない私ですが……それだけは絶対に認めたくありません!」
「努力が貶され」
「苦しいことだらけで……誰1人として報われず」
「この世の全てを否定するような!」
「そんな憂鬱な物語が私は嫌いなんです!!」
「殺意と憎しみで溢れた世界で何を言う…………努力も足掻きも無駄である事を知れ。」
傲慢で無知蒙昧。現実を知らず綺麗な物だけを見て生きてきたであろうお嬢様をアリウスの多くは呆れ嘲笑い、一部は怪訝な表情を浮かべる。
「それが真実だって、この世界の本質だって言われても、私は否定します!」
そんな怪訝な表情でヒフミを見ていたサオリはその言葉を聞き、直感的に2つの事実を確信し、その顔に明確な怒りを露わにする。
「そこにいるんだな、アズサ!」
一つはヒフミがアズサの近くで待機していること。
自分達に残っていたトリニティとして権限を利用し条約に書き添えた「ETOはスクワッドが担う」という一文、それはアズサにも適用される。ならばユスティナが銃を向けようとしない事に説明がつく。
もう一つ。あの少女こそがアズサを誑かし自分達を裏切るように仕向けた要因のひとつ、阿慈谷ヒフミであるということ。
この怒りも大半はアズサではなくヒフミに向けられた物である。
「そういうこと……………。」
「あなた達が何と言おうとも、何度だって言い続けてみせます!」
「私達の描くお話は、他の誰でもない私達自身が決めるんです!」
「そんなはずある訳がないだろう…………!」
サオリの怒りに呼応する様に微かに地面が揺れる。
「あの女は始末しなければいけない………命令を重ねがけしろ!」
「「了解。」」
ユスティナの一部がヒフミへと進軍を始めると同時に地下の入口から巨大な2つの人影が姿を現す。
その想定外の光景にミサキとヒヨリは目を見開きしばし動揺する。その後、一切の動揺を見せないサオリの様子に状況を察したミサキはサオリに問いかける。
「リーダー、姫の守護はどうするの?」
「失敗作は姫の元に後2体いる………それにアレを殺せばすぐに撤退させる………アレは………アイツだけは今ここで殺す!」
2体のアンブロジウスは少し遅れて先行するユスティナの後を追う。
「終わりになんてさせませんッ!」
阿慈谷ヒフミは動じない。
迫りくるユスティナ、今まさに撃たんとする様子に目もくれずにヒフミ拡声器片手に叫び続ける。
そんなこと無防備な姿を晒し続ければ当然、弾も飛んでくる。
しかし、その弾はヒフミに届く事はなかった。
「うちのリーダーが話してる途中でしょうが。」
刹那に現れた盾の裏でピンクの覆面を被った小柄の少女、小鳥遊ホシノが言う。
それでも今のホシノが担うのは防御のみ。
「うへ〜、結構きついね〜、これ………後は任せたよ〜。」
幾十幾百と飛ぶ弾丸、それを止めるべく放たれた夜空に堕ちる流星の如き一発の弾丸が一体のユスティナの頭部に当たる。
瞬間的出来事、そのうえ命も心を持たぬ兵器がそれを心配する様な事はなく、被弾した者も少し仰け反った程度で気にも止めずに歩むを進めようとしたその時、
ドォォォォォォォォォォォォン!!!
緋色の閃光と共に起こる爆発に集団は爆散する。
「流石社長ちゃん。」
「終わりだなんて言わせませんッ!」
反撃は終わらない、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。爆煙の向こうから来る横殴りの弾丸の雨がユスティナとアンブロジウスを襲う。
「ふざけた真似を………!!」
止まぬ弾幕と消え去った煙の奥に見える覆面を被った四人の少女をサオリは睨む。
「な、なんなんですか……あれぇ?」
「……分からない、詳細なデータはなし…………少なくとも舐めてかかって良い相手じゃない。」
「まだまだ続けていくんです!!」
「私達の物語……」
「私達の、
昂るヒフミは人差し指を立てた拳を振り上げる曇天を指す。
そんな行為に意味など存在しない。
「"Урааааааааaaааааааааaaaaаааааааaaаааааaaaa!!!!"」
そしてその少女の横で上がるこの知性も理性も品性も無い雄叫びに意味は無い。
雄叫びを上げながら太陽を崇拝する者の如く、Yの字の様に両手を上げ曇天を仰ぎつつ、凄まじい速度で宙に浮き始めたが、本人的に特に深い意味ない。
それはあくまで本人の考えであり、サオリにとってはそうではない。
その声で、その姿で、その態度で………あの瞬間、あの怒り、あの違和感がフラッシュバックし、喉元を除き体の芯から冷える様な感覚に襲われる。
その感情をその感覚を知る者はここには居ない。
その感覚を知っていた者は遥か上空で俗世を見下ろす。
そして────
「"インディグネイション!"」
誰に聞かれることも無く、何の意味も持たぬ言葉を唱えた直後、暗雲を晴らすほどの霹靂が地を穿った。
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威力を弱めたとてインディグ2発………ユスティナ共々分校のみなさんは地べたペロロしてやがる……ここまでは計画通り……正実、風紀共に周囲のユスティナはほとんど除霊済み……うん!素晴らしい!
「"わざわざ来てくれたのか、ありがとう我が戦友達!少し遅いかもしれませんが素晴らしい宣戦布告でしたよ、ヒフミの姉御。"」
「あうぅ……そんなつもりじゃあ………」
地に足つけた俺は片手を上げて何故か覆面を被ってるおかしな人達に礼を告げ、姉御に賛辞を送り右手を差し出す。
世界を否定する者を自分の快不快で否定し、その上「てめぇらも自分の理想持って行きてけよ」なんて言う暴君ぶり……ヒフミらしさ全開の素晴らしく無茶苦茶な演説だ。
社長も何処かからヒフミを守ってくれたっほいけど姿が見えぬ………残念だ。
「"それはそうとメガホンを返してくれ。"」
「は、はい……。」
姉御からメガホンを受け取り電源を入れ口元へ
わざわざヒフミに煽らせたんだ、失敗した時の為に釣り出したデケェ奴は先に殺しておこう。
「"エデン条約機構のみなさん!おっはよ〜ございます!!!!"」
銃声は止み、元聖堂付近にはブライの声だけが響く。周囲の鎮圧は既に終わっていた。
「"お手元の砂でも舐めて這いつくばりながら良〜〜く聞いて下さ〜い!!"」
「"先程、我等が偉大なるボス!阿慈谷ヒフミはこう言いいました!"」
「「「「「ファウスト!ファウスト!ファウスト!」」」」」
「や、やめて下さい!」
「"てめぇら思想が気に入らねぇ!"」
「"この条約が気に入らねぇ!"」
「"このタケノコ派以外が気に入らねぇ!"」
「"踊ってない夜が気に入らねぇ!"」
「言ってないです!踊ってたい夜の方が稀ですよっ!」
たまに踊ってるのかぁ………。
「たまには踊るんだぁ。」
「…………モモフレンズの新作グッズの発表があった日にはつい………」
「可愛いですね☆」
騙されるなノノミ、そいつは過激派ペロリストだ。
「それと私はキノコ派です!」
「「は?」」
誰とは言わんがアビドスにも
「"ま、取り敢えずキノカスの阿慈谷は何から何まで気に入らねぇイヤイヤ期って訳なんでぇ………………"」
「"この条約の発起人であり後見人である連邦生徒会長の代理人、連邦捜査部シャーレの担当顧問、ネイウ"・フォン・ローレルがここに条約の改訂をここに宣言いたしちゃいま〜〜す!!"」
アリウス分校をトリニティと見なし、代表とした覚えの無い人間を代表者と見なし、それが一方的に書き換えた条約を正しい物と認識してそれを必死に守ろうとする頭ユルユルな守護者を見て、ある天才は言いました。
「ユスティナが判定ガバガバな条約により成り立つ存在ならばゲヘトリ合意の上、条約発起人の直属の部下的な何かである俺が条約を取り消しを宣言すれば良いのでは?」と………
すると、ある変態は言いました………それによりユスティナ聖徒会消失するという確証はありません。宣言するのであれば行動を制限出来る様な内容の方が好ましい、と………
その言葉を受け天才は気が付きました、「ならば本来の条約通り、正義実現委員会とゲヘナ風紀委員会をETOとすればアリウスが鎮圧対象となるのでは?」と
が、しかし…………幾ら頭ユルティナであったとて奴等はアツコの血統により産み出された都合の良い女………本当に指揮権を得られるという確証は無い。
指揮権を得られる確証の無い者の制御………その無理難題に天才はどうにかこうにか知恵をふり絞った。
「"つーことで、今日、今、ここに集まった者達こそが新たなるETOとなりやすっ!!"」
その結論がこれだ。
「"仲良くしような!!"」
基本への立ち返り、俺達の理想こそが平和への鍵である。
結果、這いつくばって止まる者、唐突に立ち上がりT字ポーズを取る者…………回復し銃をブッパする者は稀だ。
「2校間で発生した問題の鎮圧にしか使えない」という前提の元スクワッドの出す「ヒフミorここに近づく者を鎮圧しろ」という命令と俺の「ヒフミもETOの1人でありお前等の仲間であり鎮圧対象ではない」という相反する命令が頭ユルティナの足りない脳をバクらせた。
いつか誰かから聞いた「命令に従うな」というプログラムを書き込めばエラーを吐き出す、システムによっては無限の思考を繰り返しフリーズすると………そして今回それっぽいのを当てはめようとした考えは正解だったようだ。
よくよくよ〜く考えずともユスティナを抜いたアリウス分校の生徒数は大した数は居ない。出来るか分からない指揮権の奪取というリスクはあっても仲間にするメリットは無いという事実に気が付いてしまえばこんなもんだ………。
だが、これで終わってしまったらせっかく用意した俺の手書きの誓約書と現ティーパーティーホストのナギサの印鑑とバカのマコトの代理の田中の印鑑はどうするんだ!
俺だって!代理の代理で印鑑を押したかった!
因みに「命令に従うな」という命令はアロナには通じないという事が分かった。
「"て、ことでただいまより親睦を深める意を込めて──────"」
「条約の書き換えだと?ふざけるなっ!偽物のお前に何故そんな事が出来る!」
サオリンと愉快ではない仲間達発見!
もう一発インディグりたいぐらいには元気そうだが、他のアリウス分校奴等の危険が危ないし、インディグを警戒または逃走の為に地下へ向かっている。
「"え?なんだって?良く聞こえないからそっち行くね!!!"」
「私も行く。」
「おじさんもついてくよ。」
メガホンを下ろし後を追おうという時に何を言い出すんだコイツらは。
「"相手は平気でナイフブンブンしてくる奴だぞ?危ねぇだろ。"」
「そ、そうですよ!」(便乗)
「知ってる。」
「だからこそ私がついて行くんだよ。」
「"ホシノ、お前達がここに来たのは半分ぐらいは俺のせいっぽいけどよ、もしお前がこの場を離れた後に後輩達に何かあればどうするんだ?彼奴等の大半がバグってるだけで100%安全とは言い切れんぞ?"」
「……………分かった、おじさんはここに残るよ。」
「"おうおう。"」
物分りがVERY GOOD!
「でもね、次先生の身に何か起こったらおじさんは何をしでかすか分からないからね?」
「"oh………"」
え、怖い。
「私はついて行く。私なら逃げる途中にサオリ達が仕掛けるトラップの位置も分かるし、今のサオリ達は先生の魔法で手負いの状態、負けることは絶対にない。」
「"えぇ………何で戦う前提なんだよ………まあ、そうならんとは限らんけどさぁ……。"」
「先生が危険だと感じればすぐにでも退却する。ヒフミも先生も安心して。」
「"しゃあないなぁ………撤退指示はちゃんと守れよ。"」
「うん。」
死んで時間を取られるのも面倒だ。それにサオリにとってアズサは無視できない存在であることも確か………撤退指示を本当に聞いてくれるのなら良いが……。
「"行く前に少し時間をくれ、正実と風紀委員への指示が途中だった………"」
再度メガホンを口元へ
「"親睦を深める意を込めて、ただいまより
「"
その宣言の後には喝采が鳴り響いた。
ただし、パンパンバンバンドカンドカンといったキヴォトス流のやつが。
「"よ〜し、行くぞアズサ!KBFにケッチャコをつけに!"」
「ノゾムトコロダ!」
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サオリ「殺してやる………殺してやるぞ阿慈谷ヒフミ!」
なんとなくここのヒフミの脳内イメージは「民衆を導く自由の女神」という絵画なんですが、ぶっちゃけ自分、芸術作品とかマジで詳しくないんですよね。
だから未だに「民衆を導く自由の女神」の左下で倒れてる人が下半身を露出している意図がマジで分からないです。
そんな事よりも、バカちゃんのアコみたいな格好のメモロビフィギュアを商品化しようとした人を2.3時間ぐらい称賛したい。
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