大皿でピーマンを   作:灯火011

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ピーマン・イズ・エクセレント。秋ピーマンは皮が分厚いのが好きです。


皮が分厚いってことは、食感が強いわけなので、焼きそばにぶち込むのもおすすめです。

①ピーマンを細切りにします。(半分に切ってからやるとやり易い)

②焼きそばを作ります。

③焼き上がり1分ぐらい前に、ピーマンを入れて混ぜ合わせます。つまりはちょっと火が入ってソースが絡んでればOKです。

④食べます。

焼きそばの麺のもっちりと、ピーマンの風味・食感が良い感じです。


ピーマンへと続く道筋

 四月一日が話を聞いたウマ娘はシンボリルドルフのほかに、インペリアルタリス、キューカンバーというウマ娘や、現在アメリカから指導のために訪れているエーピーインディ、ヨーロッパからこれまた指導に来ているユーザーフレンドリーなどなど。

 

「……わっかんないなー」

 

 『トチノ』を調べるうちに繋がりがあると判明したウマ娘達にはあらかた話を聞いたのだが、結局、四月一日は一人、トレーナー達が集う談話室で頭を抱えていた。

 

「キューカンバーなんかはトチノオーの同期って話だったから、少しは何か掴めるかとおもったんだけど……」

 

 キューカンバー。トチノオー世代のウマ娘で、現在はトレセン学園の事務員として籍を置いている。大体のレースでトチノオーの後追い、つまりは2位に沈まされた経験もあってか、トチノを語る時には、随分と棘があった。

 

『……トチノ?あんの化け物の話?いいけどさ。っていうか、四月一日さんトレーナーなのにご存じなかったの?』

 

 まぁ、正確には『トチノ』を知らなかった四月一日に向けての棘とも言うが。ちなみに、四月一日以外のトレーナーからも同じような反応で

 

「トレーナーなら知ってて当然の話じゃねーかよ」

 

 と、言われてしまう始末だ。

 

「トチノ、ねぇ。そんなに有名だったとは」

 

 頭を掻きながら、再び、ルドルフから渡された資料を見る。手元にあったのは、トチノオーの個人情報だ。幼少期より体力だけには自信があり、地元のクラブでも注目株であったらしい。ただ、その後はトレセンに通ったりスカウトなどもされることは無く、一般ウマ娘として職を持っていたらしい。

 紆余曲折の後、最初の所属は宇都宮トレセン。後に、中央トレセンに移籍。

 トレーナーは2人ほどいて、1人目はスカウトから三回目の有馬記念まで、2人目は引退までだ。

 

「変わってるよね。これだけ活躍した一人のウマ娘の現役中に、トレーナーが変わるとは」

 

 トレーナーが変わる事自体は珍しくない。結果が出なかったりすれば、お互いに新たな道を歩むというのが当然だ。ただ、このトチノオーに関してはそうではない。最も華々しかった4年目でトレーナーが入れ替わり、凱旋門賞を獲ったのは2人目のトレーナーであった。自分であれば、このウマ娘のトレーナーで居続けるのに、と四月一日は思う。

 

「お、四月一日。何見てんだ?」

「沖野さん。いえ、トチノオーの資料です。トチノステラの課題の答えが未だ判らなくて」

「なるほどな。真面目なお前さんらしい」

 

 沖野はそういうと、四月一日の隣の椅子に腰かける。ついでに、缶コーヒー(激甘)を手渡していた。

 

「とりあえずいったん休憩だ。さっきから根を詰めすぎ」

「……お気遣い、ありがとうございます」

「いいってことさ」

 

 そう言って、沖野と四月一日は缶コーヒーのタブを開ける。口に含めば、甘い練乳が舌に絡みついた。

 

「あの、沖野さん。少し質問よろしいですか?」

「ああ、良いぜ。ステラの事か?」

 

 缶コーヒーを片手に、2人は会話を続ける。沖野は軽く首を傾げ、四月一日の声をよく聞こうとしている。

 

「いえ。トチノオーの事です。この、1人目のトレーナーが、担当を外れた理由ってご存じありませんか?」

「あー……」

「言いづらい事なんですか?」

「いや、そういうわけじゃあないんだが……」

 

 沖野は少し気まずそうに、眉間にしわを寄せる。そして、四月一日に顔を近づけると、ほんのりと小さな声で告げた。

 

「病気だな。末期の癌。そもそも80近いじいさんだったからな。あの人は」

「ああ、なるほど」

 

 四月一日は、沖野が気まずそうにした理由を理解した。なるほど、病死ならば確かに、こういう反応になるだろう。

 

「トチノオーを見つけ出した稀有な存在でな。俺も話を良く聞きにいったよ」

「沖野さんがですか?不真面目そうなのに」

「失礼な奴だな?」

 

 クククと笑う沖野の顔には、皺はもうない。そして機嫌よさそうに、沖野は缶コーヒーを再び口に含んでいた。

 

「で、話のついでだ。2人目のトレーナーについてだが、簡単に言えば1人目のトレーナーの意思を継いで、凱旋門賞を見事トチノオーと共に射止めた、って感じだな。その功績もあって、今もこの学園のアドバイザーとして、そのトレーナー……いや、今は元か。関わりがある」

「え?そうなんですか?では、お会いできたりは……」

「ああ、出来る。っても時々しか学園に顔を見せないからな。狸親父なんて呼ばれてて、あの人はなかなか捕まらないんだ」

「ええー……。話を聞ければ、トチノステラについて理解が深まるかと思ったんですが……」

 

 がっくりと肩を落とした四月一日に、沖野はどんまいと声をかけた。

 

 

 一方その頃、トレセン学園の練習場のメインコースでは、トチノステラが走り込みを行っていた。ただ、もちろん普通の走り込みではなく、靴の中に重りを仕込んでの走り込みだ。

 

『うおりゃあぁああ!』

 

 とはいえ、彼女にとっては丁度いいようで、その顔にはまだまだ余裕の表情が浮かぶ。そして、そのコースの傍らには、ストップウォッチを持った壮年の男性が一人。

 

「はははは。やっぱりお前さんは一等勢いが良い。()()()()は嬉しいぞ」

 

 男性はトチノステラの走りを満足そうに頷きながら見守っている。片手に持っているノートには、ラップタイムに加えて、びっしりとなにがしかのデータも書き込んであり、ただ、トチノステラの走りを見学しているだけではないことが、よく見て取れた。

 

『すごく丁度いいよー!この練習!おじさんありがとー!』

 

 そして今回のトチノステラの練習は、この男性が持ち込んだものであり、トチノステラも素直にそれに従っている。どうやら、お互いに顔見知りであり、トチノステラからしてみれば、その練習方法は信じるに値するものらしい。

 

「おっと、気が抜けて来とるな」

 

 鋭く、男性の目線が動く。そして、右手を口元に当てると、大きく息を吸い込んだ。

 

「ステラァ!腕の振りが雑だ!左右で合わせぇ!体幹ブレとるぞぉ!」

『ッ!はいぃ!』

 

 男性の叫びに合わせるように、真顔になったトチノステラのフォームがピシリと決まる。

 

「よーし、よぅし。に、しても、トレセンにいる奴らは何しとるんだ。さっさと、トレーナーはスカウト成功させんか。バカタレめ」

 

 男性の眉間には皺が寄る。どうやら、気に入らないことが有るようだ。ノートに書きこむ文字の筆圧が、自然と強くなっている。

 と、そんな男性を遠くから見るのは、同じ場所で練習を続けているウマ娘達だ。普段はあまり見る事のない人物に、彼女たちは雑談を花を咲かせている。

 

「……あのおじさんは誰?」

「さぁ、存じ上げませんわね。でも、トチノステラさんが素直に従ってるから……悪い人ではないと思います」

「トチノステラのトレーナーさんとかかなー?」

「いんやー、そんなことはアタシですら聞いたことがないぜ?しかもよ、アタシの情報網からするに、濃厚なのは四月一日トレーナーって聞いてんぜ?」

「アナタの情報網はいつも当てにならないでしょう?」

 

 わちゃわちゃと、色々な噂が流れるトレセン学園。今日は一つに、謎の男性が加えられた。

 

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