大皿でピーマンを   作:灯火011

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千切りピーマン。
シャウエッセン。

シンプルにフライパンに居れて、ごま油で炒めるのも良いですよね。

あじしお、で味を調えるのが好みです。



※BCカップとサイゲームズのパートナーシップと聞いて驚きましたね。ピーマンとBCカップもなんか少しだけ関りが在りそうで無いので少しびっくりしました。


トレセン学園・選抜レース≒■■■■年、■月■日、メイクデビュー

「東京競馬第5競走、新馬戦。メイクデビュー東京、芝、2000メートル。9頭で争われます。芝は良の発表です。さぁということで、今年も、新たなスターホース候補達のレースが始まります。注目の新馬などあれば」

「そうですねー。個人的にはやはり、()()()ステラが気になる所でしょうか」

「ステラ。今日は5番人気の新馬ですか」

「ええ。人気は5番手ではありますが、昨日の追い切りやパドックでの様子を見るに、一番調子のいい馬だと思います」

「昨日の追い切りというと、今期注目されているロマンリバーとの?」

「その通りです。牝馬ながら、クラシックに挑戦すると声を上げているロマンリバー、その相方とも言える馬がこのステラなんですよ」

「それは初耳です。詳しい情報などあれば」

「牝馬と牡馬の関係ではありますが、どうやらロマンリバーがステラをいたく気に入っているという情報があります。後は、ステラは非常に頑丈な体躯を持ちながら、偏食であるという話も聞きます」

「偏食ですか」

「ピーマンを好むそうで、少々変わった馬という印象ですね。あとは、トチノステラは非常に生意気な馬である、というのが陣営の評価です。ただ、その隣にはロマンリバーは常にいて、なんというか、ロマンリバーへは生意気な態度はとらないのだとか。ま、このエピソードは少々長いので、また後程時間があればお話しさせてください。

 ただ、メイクデビューが近づくにつれて徐々に性格面で成熟を見せていたらしく、今後、更なる精神的な成長が楽しみだと述べていた姿が印象的でしたね」

「なるほど。さて、そろそろ発走のお時間が近づいてまいりました。今日、このレースを勝利し、競馬会に新たな風を巻き起こすのはどの馬なのか、ご期待ください」

 

 

「選抜レースに参加するウマ娘達がコース上に現れました。9人立てで行われますこのレース。芝は良!」

 

 アナウンスがトレセンの練習コースへと響き渡る。今日は大切な大切な選抜レースという奴で、今日の成績次第ではこれからトゥインクルシリーズで輝かしい伝説を打ち立てる事も可能であるし、トレセン学園から去らなければならなくもなってしまう。

 

『ビリビリ来るよね』

 

 だからだろう。ウマ娘達の気迫たるや、遠目から見ても圧を感じるほどだ。視線、息遣い、力み、それらが緊張をより強くしているように見えてしまう。ただ一人、なんとも気楽に突っ立っているのがピーマン野郎だ。

 

『芝2000かー。中距離……。どうなんだろうね?私の脚質ってさ?』

 

 ピーマン野郎は学園内ではまともなトレーナーに指導は受けてない。きっちりとしたトレーニングと言えば、トレセン学園に入学する随分前から、どこぞの自称名トレーナーである親戚の狸親父に受けた指導ぐらいなものだ。

 

 曰く。

 

「おめーの血筋は万能型だからな。本格化してみねぇと何が合ってんのかワシでも判らん!今現状だと芝で差しか追い込みか……ぐらいだな!」

 

 ということらしい。だから、今回は芝のレースに出走登録はしてはいる。難しいのは距離についてだが、これについても狸親父トレーナー曰く、どうやら本格化してから判るらしい。やっかいな物だなとピーマン野郎は溜息を吐いた。

 

「ただ、お前の中に流れる血は本物よ。例えばあのメジロは長距離の雄だろう?それと同じで()()()の血は必ず化けるって相場が決まってんだわ」

 

「……大外9枠。トチノステラ。中等部2年生。選抜レースは今回が初めての出走となるウマ娘。体力には定評あり。2000メートルをどう走るのか、注目です」

 

 ピーマン野郎の正式な名前が呼ばれた。合わせるようにステラは観覧席側に頭を下げる。もちろん、学園のトレーナー達はこの名前は知っているのだが、いかんせん、食堂のピーマンのイメージが強いからか、皆、ああ、あのピーマンのウマ娘か、と少し安堵したような雰囲気が漂っている。

 

「では、出走ウマ娘はスタート位置へ」

 

 告げたアナウンスに合わせて、9人のウマ娘はスタート位置に入った。そして、全員の気持ちが一通り落ち着いたころ。

 

「ようい、スタート!」

 

 合図で、ウマ娘達の体は、跳ねるようにターフへと飛び出していく。その中でトチノステラは慌てずに様子をうかがう。

 体力お化けの彼女ではあるが、初めての本格的なレースでどれだけ体力を削られるか不安だったからだ。全員を眺められるように、そして、気持ちを落ち着かせ、体力を温存するために、最後尾につく。前の方では、先頭争い、位置争いが激しく繰り広げられている。

 

「レースとなったら無駄な体力は使うんじゃねぇぞ」

 

 と、トレセンに入る前に、狸親父トレーナーから口酸っぱく言われたことを思い出す。ならば、しばらくはこのままでいいだろう。あとは、気持ちを落ち着かせて、自分のスタミナでスパートできる距離まで来たら出る。トチノステラは冷静に、しかし、心の内は少々熱く、8人のウマ娘達の背中を追った。

 

 

「さぁ1000メートルを超えて向こう正面をすすむのは先頭ドカドカ、続いてツーリングバイク、内を回ってミニリリー、その後ろ少し開いてルンバステップ、レプリケーション、ミニラベンダー、ジェバトと続きます。少し開いてチョコチョコ、そして最後方から先頭を狙うのはトチノステラという展開」

「前の方は小競り合いが続いていますね、落ち着きがありません。それに比べると最後方トチノステラは非常に安定しているように見えますね」

「コーナーに各馬入ってまいりまして、おっと、ここで最後方トチノステラが外を回しながら加速し始めた。残り600だがここから体力が持つのでしょうか」

「手綱は緩んでいますから掛かっているわけではなさそうですね。ということは、この馬のスタミナを信じているということでしょうかね」

「さあ最終コーナー回ったところで先頭はツーリングバイクに変わります。ドカドカ、ミニリリースタミナが厳しいか、ルンバステップも上がってくる、チョコチョコも外から上がってくるがその更に外、トチノステラ未だ加速を続けている。

 残り200メートル、トチノステラ3番手、先頭ツーリングバイク粘る、チョコチョコかツーリングバイクか、いや外のトチノステラ並んできた並んできた並んできた3頭並んでゴールイン!」

「これは面白いですね。縺れましたか。勢いならばトチノステラ、体勢ならばツーリングバイク……僅差ですね」

「確定されるまで少々お待ちください。……確定前ですが、レース展開など何かありましたら」

 

「そうですねー。トチノステラ、やはり素晴らしいモノを持っている馬だと思いました。最後方からのロングスパートはかの名馬ゴールドシップを彷彿とさせるものです。今後の成長が楽しみですね。そして先頭で力強く粘ったドカドカ、ツーリングバイク。この馬達も良いスピードを持っています。ただ、今回は落ち着きなく順位争いをしていたせいで、体力を削られたようにも見えましたので、そういう意味では、トチノステラがこの新馬の中では精神的に大人であり、折り合いを付けれたからこそ最後の直線、追い込めたと言えるかもしれませんね」

 

「ありがとうございます。おっと、確定が出ました。メイクデビュー東京、芝2000、勝者はトチノステラ、2着にツーリングバイクとなっております」

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