なんかもう、殴りたい
結果から言うと、モフり地獄にはならなかった。
姉さんにおいていかれた後はリズも仕事モードに入ってくれたらしく、元にする篭手はどれにするかとか、そのために必要だと思われる素材とその量だとかを決めて、「そうと決まれば早速素材調達に行こう!」っていう話になって、今はリズとフィールドに出てモンスター狩りをしてる。
でもさぁ、その素材集めがさぁ、めっちゃしんどいんだわ…
とりあえず現時点で作れる最高のものを使ってみようってことになったから、まずはそのための素材を集めてるんだけど、さすがは現時点での最高級品だな。必要素材が一向に集まらん。
なにさ、ドロップ率3%って…
その上レアモンスターだから、そもそも出現率がかなり低い&数少ないときてる。
まぁ何が言いたいかというと…、これ今作るとか絶対無理ゲーだろ!!
姉さんにも確認を取ったところ、俺たちが作ろうとしてる篭手は10層あたりでの主要防具になるものらしく、今でも必要な素材は手に入るから作れるけども、そのほとんどが2層ではレアアイテムだから作るのは現実的じゃないとのことだ。
なんでも上の階層に行けば、今レアモンスターのやつらが普通にそこらへんにいるらしい。
つまりここで頑張らなくても少し待てば入手は楽になるわけだ。
というわけでこの話をリズにしたら、
「大丈夫大丈夫!あたしの運、今日はかなりいいはずだから!」
って感じで全く聞いてもらえなかったんだ…
なんとか説得しようと次のメッセージを書こうとしたら、フードローブの中に引っ張りこまれて抵抗する間もなく外に連れ出されたし…
あ、そうそう。街を移動してる最中に気になる話を聞いたんだよ。
なんでもある鍛冶プレイヤーにを依頼をすると、強化値を0にされるっていう話。
俺はまだSAOの武器強化の仕組みとか知らないから何とも言えないんだけど、リズが言うには、いきなり強化値が0になることはないらしいんだ。ついていたプラス補正の分強化失敗すれば0になるけど、普通はそうなる前に強化をやめるらしい。
そりゃそうだよな。強化してるってことはメイン武器なんだろうし、あんまりひどいことになる前にやめるよな。
だからこの噂もただの嘘か、無茶して強化値を0にした馬鹿が流した話のどっちかだろうってさ。
まだ未熟だからって理由で強化はやっていないリズには関係のない話だけどな。
今受けて失敗でもしたら自分が許せないから、だって。
リズって鍛冶に対してすごく思い入れがあるんだなって思ったよ。
それともデスゲームの中だから余計にってことなのかな?
まぁさすがはリズってことなんだろう。
それはわかったけどさ、俺の装備の元になる篭手は妥協しようよ…
マジでこのままじゃいつまでたっても作れないから…
「きゅる~、きゅるきゅるるきゅるくきゅる~
(リズ~、やっぱもうちょっと簡単に作れるやつにしようぜ~)」
「なんで落ちないわけ?今日のあたしはついてるはずでしょ!?って、どうしたのピナ?メッセージじゃないと何言ってるかわからないわよ?」
「きゅるる…(そうでした…)」
いつも姉さんといたからそのくせが抜けないぜ…
はぁ、気を取り直してメッセージを書きますか。
ってかほんと不便だよなぁ、これ。
確か迷宮区に入るとメッセージ使えなくなるはずだし、そうなると姉さん以外とはちゃんとしたコミュニケーションが取れなくなる。
それに姉さんは情報屋だからボス戦とかには参加しない。つまりボス戦とかの大事な場面での意思疎通はできないってことだ。
うへぇ、なんとかならないもんかね?これ。
まぁ今は保留だな。
『かんたんにつくれるやつにしよう』
「ダ~メ!ただでさえ普通には存在しない武器を作るんだから、なるべくいいものを集めてやったほうが成功率上がるかも知れないでしょ?それにいいもの作ったほうがあたしのスキルレベルの上がりも早いしね」
そっちが本音だろ…
『しっぱいしたらまたあつめるのたいへん』
「その時はその時よ。数打ちゃ当たるっていうけど、それで結局ステータスが低くて使えませんでしたじゃどうしようもないんだから。それにあたしとしては、ピナにはなるべくいい武器を使わせてあげたいのよ」
『どうして』
「あんたの武器は他のプレイヤー達と違って替えがきかないでしょ?モンスターを倒せばドロップするようなものじゃないんだから。それに万が一にもあんたが死んじゃったりして、そのモフモフに触れなくなるのは嫌なのよ」
そこか!俺に強くなって欲しいとか、自分がつくた武器で活躍してほしいとかじゃなくてモフモフか、モフモフなのか!?
その前の台詞での俺の感動を返せ!
「あんたのモフモフはすっごく癒されるのよ。最初に会った時みたいにしてる間は、この世界がデスゲームだってことを忘れることができてた。その、ね?あんたにしてみれば迷惑なだけかもしれないけど、あたしにとっては恐怖に押しつぶされないための、生きるための希望になるのよ。だから、その…ともかく!!絶対にあんたを死なせるわけにはいかないの!だから妥協はしない!わかった!?」
「きゅるぅ…きゅる、きゅるる(リズ…そっか、わかったよ)」
「じ、じゃあこの話は終わり終わり!!ほら、しっかり働きなさいよ!」
…そんなこと言われたら、まぁ、しょうがないよな。
よっしゃ!こうなりゃ意地だ!いつまでだって居座ってやるよ!!
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「で、結局1つも集まらなかったわけカ。だからやめといたほうがいいよって言ってあげたのニ。はぁ、まったく2人して何やってるのサ…」
「いや、あははは…。今日はうまくいく気がしたんだけど、そんな気がしただけだったみたい」
「きゅるきゅるるるきゅるぅ…(何も言わないでください…)」
あの後も暗くなる直前までねばったんだけど、結局1つもドロップしなかった。
つーか、1時間に5~6回しかポップしないやつのレアドロップなんてどう考えても落ちるわけないだろ?
だから最初から妥協しようって言ってたのに…
まぁ、リズの言葉を聞いてからそんな気が起きることはなかったから、今の俺が言えたことじゃないんだけどな。
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「それデ?結局どうすることにしたのかナ?おねーさんが相談に乗ってあげるヨ」
「それなんだけど、ピナと話し合ってこれからはなるべくレア素材を狙いつつ、ランクの低い篭手で試作品を作っていこうっていうことになったわ」
「まあ妥当なところかナ?まだ作り方も必要な素材自体もわかってない状態デ、無理なことをしていてもしょうがないからネ。今の階層じゃ手に入らない素材だってあるかもしれないんだかラ」
「きゅるるー」
「ニャハハハ、ピーちゃん疲れきってるみたいだネ?ところでさっきから気になってるんだけド、聞いてもいいかナ?」
「ん?どうかしたの?」
「きゅるる、きゅるぅ?」
「ピーちゃんサ、確か朝リッちゃんに捕まってた時にハ、落ち着いた後にも結構嫌がったりしてたよネ?それが今はリッちゃんに寄りかかったりして全然ない気がするんだけド、何かあったのかナ?」
「えぇ!ピナ嫌がってたの!?途中から動かなくなったからてっきりあたしに慣れてくれたんだと思ってた…。ピナ、ごめんね?」
「きゅ!?きゅるるきゅるくきゅる!」
「何を待てばいいのかナ?答えてくれるんだよネ、ピーちゃん?」
「うわぁ、なんか拒絶されてる?本当にごめんね、ピナ!もう無理矢理はしないから許して!」
「くきゅぅきゅるる、きゅるくきゅるるる!!」
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姉さんなんで今回は話を聞いてくれないんだよ!?
それとリズ!嫌ってなんかないし拒絶もしてないから!これは待ってくれっていうジェスチャーだから!
うっわもうなんだこれ…疲れてるから休ませてくれよ…
この場面はあれか、あの台詞を言うべきなんだな。
よしわかった。ならば叫んでやろうじゃないか!
ああもう…
「きゅるるうううぅぅぅぅぅぅぅ!!!
(不幸だあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」
武器消失事件はキリアスの2人にお任せしよう、そうしよう
きっと姉さんも動いてるだろうしね
そんなこんなでリズとの初めての共同作業回
うん、まぁ締まらないピナさんで何より
調子が良ければ今日中にもう1話投稿するかも
ではでは