そうだ、俺がピナさんだ!   作:Maruwell

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今日の一言
ピナさん?出ないよ


番外  文丸新聞 第零号

どうも初めまして、清く正しいアヤマルです。

本日は私の取材を快諾していただきありがとうございます。

 

 

「構わないよ。とはいえ私は目立つことなどまだ何もしていないと思うのだが、なぜ取材をしようとしたのか、聞いてもいいだろうか?」

 

 

もちろんですとも。

お聞きしようと思っている内容とも重なってくるので、取材の中で一緒にご説明します。

それではあまりお時間を取らせても悪いですし、早速始めてもよろしいですか?

 

 

「ああ、そうしてくれると助かるよ。私も今後に向けての準備をしたいからね。最後にもう一度確認するが、あくまで取材だけで、その内容は絶対に公開しないという約束で間違いないね?」

 

 

間違いありませんよ。その約束は絶対に守ると誓います。

 

 

「それが聞ければ問題はないよ。始めてくれ」

 

 

はい。それではまず、あなたはこの世界のことをどう思っていますか?

 

 

「ふむ、随分と漠然とした質問だね。どう、とは?景色が綺麗だとかそう言った類の答えでいいのかな?」

 

 

ああ、すみません。もう少し詳しい質問にするべきでしたね。

いやぁ、師匠の真似事をしようと思ったはいいけど、全然うまくできませんね。

やっぱり師匠はすごいですね。私ももっと精進することにしましょう。

 

 

「師匠の真似事?師匠と呼んでいるのに教わっているわけではないのかね?」

 

 

そうですよ。私が勝手に師匠と呼んでいるだけですから。

まぁ私の話はどうでもいいとして、質問をしなおしますね。

あなたは”茅場氏の作り上げたこの非現実的な現実世界”について、どう思っていますか?

 

 

「…ふむ、さっきの質問とそう大差ないように思えるが。そうだな、月並みな表現になってしまうが、実際に生活してみてとても繊細で美しいものだと思っている。

景色や建物なんかもそうだが、君が言う”非現実的な現実世界”という部分でも、日常ではありえなかったはずの人外との戦闘行為もその一つだな。

武器や防具を身につけて、その上さらに命をかけさせることによって、”現実”では見ることが叶わなかった人間の姿というものを見ることが出来る。それこそ心の機微だったり、隠されていた本性といったものをね。

それもまた見ようによっては、少なくとも私からしてみれば繊細で美しいものだと思っているよ」

 

 

長々とありがとうございます。

なかなかいい趣味をお持ちのようで若干引いていますよ。

 

 

「それを本人に直接言う君も、なかなかいい趣味をしていると思うがね」

 

 

そうかもしれませんね。それでは次に行きましょう。

あなたはこの世界に囚われたことに対して、どう思っていますか?

 

 

「そうだね。他人の手のひらの上で踊る、というのは遺憾だが絶望だとかそう言った類の思いは特にないな。100層までと道のりは長いが、少なくとも4層まで攻略は進んでいるのだからクリアできないわけではないと思っているからね。

まぁ私がそれなりの年齢だからこそこんなことが言えるのかもしれないがね。絶望を覚えているのは、というよりもこの世界にいるものの大半が若者だろうからね」

 

 

単純にあなたがおかしいだけだと思いますけどね。こんなデスゲームに囚われたら普通は誰でも絶望するでしょうし。

 

 

「…取材と言いつつ、さっきからなかなかにトゲのある言葉を返してくるね」

 

 

おっと、これは失礼しました。

自分の気持ちに正直なもので、思ったことをすぐに言葉に出してしまうんですよ。

 

 

「まぁ別にそれくらいならばいいのだがね。中には気を悪くする者もいるだろうから、これからもこういった取材を続けるのならば直したほうがいいだろう」

 

 

善処しますよ。それでは次の質問ですね。

最初に言っていた今後の準備というのは一体何をしているんですか?

 

 

「ふむ、君はもうギルドクエストのことは知っているかね?」

 

 

もちろん知っていますよ。こんな事やってるくらいですし、これでもブン屋の端くれですからね。

 

 

「約束は守ってくれると助かるよ。それで私も攻略ギルド作ろうと思ってね。そのためのメンバー集めをしている最中なのだよ」

 

 

なるほど、確かに早めにトッププレイヤーだったり、今後に期待できそうな人だったりを集めておいたほうがいいですもんね。

すぐに攻略に参加する予定で?

 

 

「いやいや、メンバー集めに装備集め、十分な安全マージンになるまでのレベリングとまだまだ本格的な参戦には時間がかかってしまうよ。まぁ現在のトッププレイヤーから集めるメンバーは個々で参戦するだろうがね」

 

 

そうですか。ではその件はまた参戦し始めた頃に聞かせていただきますね。あ。独占取材でお願いします。

 

 

「君は本当に面白いな。どうだろう、君さえよければ私のギルド専属の情報屋にならないかい?」

 

 

それはできませんねぇ。私は私で、ステータス補正だのシステム補正だのがあるこの世界だからこそできる師匠の真似事をするので手一杯ですので。それに私は情報屋じゃなくてブン屋ですから。

 

 

「君の評価を聞いていると、君の師匠は人外か何かに聞こえるのだが」

 

 

人外ですよ。そもそもリアルに存在してないですし。10年ぐらい前にあったシューティングゲームの登場人物ですからね。

 

 

「そういうことか。私も知っているかもしれないが、とりあえず今は聞かないでおこう。話を脱線させてしまってすまないな、続けてくれ」

 

 

了解です。そうですねぇ…、これで最後の質問にしましょうか。正直この質問以外の今までの質問は聞かなくても良かったことばかりでしたからね。最初から私が聞きたかったのは、これからする質問の答えだけでしたから。あなた、いえ、ヒースクリフ殿に取材を申し込んだ理由はそれを聞くためですよ。

 

 

「…ほう、それはいささか聞き逃せない発言だね。ということは、取材というのはただの口実で、これからする話をするための場所作りだった、ということかな?」

 

 

はい、そういうことですよ。

まぁとは言ってもそれまでの発言に嘘を言ったりとか、そういうことはしていませんので。

それでは『本題』に入ってもいいでしょうか?

 

 

「…いいだろう。して『本題』とは?」

 

 

では、………ヒースクリフ殿、あなたは『茅場晶彦』その人ですね?

 

 

「………なぜ、そう思ったのか説明してもらえるかね?」

 

 

すごく簡単なことですよ。あなたがログアウトするその現場を見た、ただそれだけです。

 

 

「…ほう、今の時点で私に注目して、さらに尾行をしていなければそんな現場を見ることなんてできないことだな。いや、それ以前に現時点での《隠蔽》スキルの熟練度では私の《索敵》スキルで発見できないなんてことはないはずなんだが?」

 

 

自分で作ったスキルを忘れたんですか?

《遠見》スキルがあるでしょう?

 

 

「あれを見つけ出したというのか…、それは想定外だったな。あと上の階層にそのクエストのことを匂わせるNPCを配置しているから、早くてもそれからでなければ露見することはないと思っていたんだが」

 

 

たぶんですけど、私しか知らないと思いますよ?あんなのそれこそ何かヒントでもない限り、普通は見つかるわけないと思いますから。

まぁ私は見つけましたけどね。

 

 

「…なぜ私に注目していた?最初にも言ったが特に目立つような行動は一切していないとおもっているのだがね」

 

 

ああ、そのことですか。それに関しては私も明確な答えを返せないんですよねぇ。強いて言うなら、カンですね。

 

 

「ほう、もうひとつだけ聞かせてもらおうか。私が茅場晶彦本人だとわかっていて、なぜ直接そのことを話した?相手はこの世界を創造し、この世界の事ならば全てを自分の意のままに出来る存在だ。自分が消されるとは思わなかったのかね?」

 

 

もちろん思いましたとも。それを考えつかないわけないじゃないですか。

 

 

「ならばなぜ?」

 

 

これもカン、としか言いようがないんですけどね。たぶん大丈夫だろう程度の考えでこの対談に臨んでいますよ。

 

 

「死ぬのが怖くないと?いくら直感で大丈夫だろうと思っても、死の恐怖がないわけではないだろう?」

 

 

そう、ですね。確かに殺されるのは怖いですよ?それでもこうした方がいいと、自分の利益になると思ったんですよ。それこそ師匠に近づけるんじゃないかと。だからこそ、こんなバカなことをやってます。

私にとって師匠の存在は、知った時からずっと憧れ続けていますからね。命をかけられるくらいのことなんです。たぶん…

まぁ師匠なら自分より上の存在に対してこんなことしないでしょうし、だいぶ違う方向に頑張っちゃってるのは自覚してるつもりですけどね。

 

 

「ふむ、取材の条件の公開しないという本当の意味は、これに関してのことを言っていたんだね?」

 

 

そういうことです。それでどうなんですか?

まぁ発言的に裏は取れていますけど、あなたから明確な答えを聞いていないので、教えてもらえると嬉しいんですけど?

 

 

「ははは、やはりおもしろいな、君は。その勇気に免じて答えようか。君の推測通り、私は茅場晶彦本人だ」

 

 

それは良かったです。外れてたら無駄な労力になってましたからね、とりあえず一安心です。

さてそれでは、これからの話をしましょうか?

 

 

「そうだな。まず君の処遇についてだが、君が約束を守る限り、何もしないと約束しよう」

 

 

ふむふむ、ありがたくその条件に乗らせていただきます。一応理由をお聞きしても?

 

 

「君がおもしろいからだ」

 

 

ですよね。そうだと思いました。それで私はブン屋稼業を続けてもいいんですか?今日以降はあなたの裏側に関することに触れるつもりはないですけど。

 

 

「さきほど言ったとおりだ。君が先ほどの約束を守る限りは何をやっていても構わないよ」

 

 

それを聞けてやっと安心できましたよ。それならこれまで以上に楽しくやらせていただきましょうか。

そうだ、ダメならダメでいいんで一応聞かせてください。私はやりたいことの性質上まともな戦闘用スキルをとってないので、ひたすら逃げることしかできないんですけど、それでもレベルを上げたいので簡単に上げられる方法があれば教えて欲しいです。もちろん他言はしませんよ。

 

 

「はっはっは!まさかこの流れからそんなお願いをされるとは思わなかった!いいだろう!特別に私が用意してあげよう。ただし条件があるがいいかな?」

 

 

死ねとか自由はないとか、そういったことでなければ大体のことは大丈夫ですよ。

 

 

「何、難しいことじゃないよ。いくら私がこの世界に関しては神に等しい存在だからといって、今回のように把握しきれていない部分は少なくない。だから君には私に優先的に情報を持ってきて欲しい。もちろんブン屋として新聞で持ってきてくれればいい。

それから私からの依頼を受けて欲しい。もちろん戦闘が必要になるようなことは回さない」

 

 

それくらいなら全く問題ないですね。ではそれでお願いします。

 

 

「それは良かった。これからよろしく頼むよ。さて、早速依頼なんだが、あるプレイヤーに渡して欲しいアイテムがあるんだ」

 

 

引き受けました。それなら渡すプレイヤーの名前を教えてください。

 

 

「居場所はいいのかね?」

 

 

私はブン屋ですよ?そういうことは自分で探してこそでしょう。それにその過程で色々と面白い情報を知ることが出来るかもしれませんからね。まぁ急ぎなら話は別ですが。

 

 

「いや、急ぎではない。君がそうしたいというならそれで構わないさ」

 

 

じゃあそういうことで。アイテムをお預かりします。あ、あとフレンド登録しておきましょう。そのほうが便利ですし。

 

 

「そうだね。それじゃあよろしく頼むよ」

 

 

頼まれました。では、今日は”取材”を受けていただいてありがとうございました。いづれまた”取材”させていただきますので、その時はよろしくお願いします。

 

 

「ああ、それでは私はこれで失礼させてもらうよ」




はい、そんなこんなで番外です
アヤマル楽しいね、すごく書けた
アヤマルがリスペクトしている方についてはあまり突っ込まないでいただければ幸い
正直全然違う方向に走ってると思うので…

今回は早かっただろう?
本編も頑張る予定だよ




ではでは
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