ゼンレスゾーンアカデミア   作:かゆ、うま2世

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もう一気にいっちゃうぜ、大分雑
感想くれ!!!!!!!


USJ、使う側

「学級委員長を決めてもらう」

 

「「「学校っぽいの来たー!!」」」

 

 

ヒーロー科と言えど高校生。特に初っ端入学式というイベントをすっ飛ばされた僕らにとって、こういう学校っぽいイベントは大切だ

 

 

「委員長!?やりたい!!ソレ俺!!」

「ウチもやりたいっす!」

「ボクの為にあるヤツ☆」

 

「………皆元気だなー」

 

 

こればっかりは性分というか、俺は皆みたいに積極的に委員長をやろうとは思えない。やる気ある人に任せるのが一番だ

 

 

『あ、いけませんよ虚君。大事な事です、きちんと向き合わなくては。それに、貴方がやってみるのもいいと思いますよ、私は』

(朱鳶さん、真面目だもんなぁ。絶対委員長経験ある)

 

『学校なぁ……姉貴と行ったアレが最後だからな…悪い虚、あたしは何も言えねー』

(クレタは学校通ってるぐらいの年齢だっけ。あ、ていうかもう俺のが年上になったのか)

 

 

皆は歳を取らない。けど俺は成長する。若いままの皆を置いて、いずれ俺はおじいちゃんになってしまうだろう。そう考えると、なんだか物悲しい

 

 

「静粛にしたまえ!」

「ん?」

 

 

物思いに耽っていたら、突然飯田君が声を上げた。いったいどうしたのだろうか

 

 

「多を牽引する責任重大な仕事だぞ……!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務……!民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら……これは投票で決めるべき議案!!」

 

 

………言ってることは理解できるけど、そんなそびえ立った状態で言われてもなぁ。ほら、皆からも突っ込まれてる

 

 

『多数決………単純だけど、一番納得できるやり方ね。私も何度も世話になった』

(自分に投票できる事は前提として、その上で多数票を取った人間が相応しい……か。11号的にはいい感じ?)

『今は戦場ではないから、迅速な判断は必要無いのだけれど……そうね、論理に筋は通っているし、私は良いと思うわ』

 

 

軍人さんのお墨付きだし、相澤先生は時間内に決まればそれでいいだろうし、何の問題もなさそうだ。俺的には既に皆を引っ張ってくれてるし、飯田君一択かな

 

 

「ぼ、僕4票……!?」

「1票……!?誰かが僕に入れてくれたのか……?」

 

 

結果としては緑谷君と八百万さんになった。飯田君は俺が入れた1票だけ、つまり自分は他の誰かに入れたって事だ。何がしたかったのかな

 

 

 

 

 

ちなみにこの後紆余曲折あって飯田君が委員長になった。民主主義はいずこへ……

 

 

 

──────────────────

 

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった」

 

 

委員長決めの翌日、相澤先生によるヒーロー基礎学。救助訓練という大分大事な内容だけれど、イレイザーヘッドとオールマイト、あと1人の三人体制ってどういう事だろうか。戦闘訓練はオールマイト1人だったのに

 

 

「今日の訓練は災害水難なんでもござれ……人命救助訓練だ!!」

 

 

人命救助かぁ……俺本体も頑張んなきゃだけど、特務捜査班の皆とかはその辺慣れてるというかプロだし、俺よりも的確に動けるだろうなぁ

 

 

「訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上、準備開始」

 

 

 

──────────────────

 

 

 

遠足とかでバス乗った時、どうする?

隣の友達と喋る?景色を眺める?まぁ色々あるだろう。ちなみに俺は……寝る

 

俺の頭の中には常に数十人人がいて、皆仲良くおしゃべりしてる。そのせいか、俺は人よりも必要な睡眠時間が少しだけ多いのだそうだ。後寝てる最中でも普通に喋るやつがいるからシンプルに寝つきが悪い

 

 

「あー!見えてきたよ六分君!」

「やめて葉隠……寝かせて…」

 

 

俺の睡眠は中からだけじゃなく、外からも妨害されてる。葉隠さんやめて……この前"同期"で顔見たけどすっごい美人だったね……コスチュームは変えたのかな…

 

 

「畜生着いちまったじゃねえか、恨むぞ葉隠ぇ……!」

「えへへー!」

 

 

結局一睡もできず、バスは訓練場へと到着してしまった。皆元気そうでいいな、俺はもう眠いよ……

 

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc.あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も……ウソの災害や事故ルーム!!」

 

 

USOのSAIGAIやJIKOルーム。つまりはUSJ。著作権とか大丈夫なのかな、名前

 

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」

 

 

増えるんだ……

 

 

「皆さんご存知だとは思いますが、僕の"個性"は『ブラックホール』。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

 

……あー、あぁ。なるほど。言いたい事は大体見えた。つまりは、自分の持つ力の危険性をきちんと理解しろって話だ

 

例えばセメントス先生。セメントを操れる彼がヴィランだったなら、この現代社会においてまず間違いなく最強のヴィランだっただろう。街そのものが彼の武器庫だ

今話している彼女、スペースヒーロー13号先生だってそうだ。災害救助のスペシャリスト、頼れるヒーロー………だけど、今この場で彼女が俺たちに個性を向ければ、たちまち一年A組は全滅する

 

 

「超人社会は"個性"の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる"いきすぎた個性"を個々が持っていることを忘れないで下さい」

 

 

個性の使用は資格制。だけど、結局は個々の判断。例えば、周囲の人間を殺す個性の人間がいたとして、その個性の発動を止める術は、俺たちには無い

結局は個々の判断、最終的にはこれなのだ。簡単に人を殺せる個性を、俺たちの意思で人を助ける為に使っていかなければいけない

 

………まぁ、俺の場合は少し違うか。主導権は俺じゃなくて皆にある。何があっても、俺の個性が悪い事するなんて事はない

少し物思いに耽っている間に13号先生のお話は終わった。メインの救助訓練の時間─────

 

 

「いっ……!?」

 

 

眼球に感じる、たった一瞬の鋭い痛み。俺の意思が介入しない、青衣による一方的な強制同期。それが示すのは───

 

 

『虚の坊!何か来るぞ!』

「───イレイザー、あれ、授業ですか」

 

 

俺の言葉に一瞬怪訝な表情を浮かべるも、すぐに"それ"へと目を向けたイレイザーヘッド。USJ中央、そこに居たのは……黒い霧

 

 

「一塊になって動くな!13号、生徒を守れ!」

「何だアリャ!?また入試ん時みたいな、もう始まってんぞパターン?」

「……動くな。あれは────敵だ!」

 

 

プロヒーローが放つ言葉。その場にいる全員を驚愕させるには充分すぎる一言だった

 

 

「黒いモヤ、個性ワープゲート!手だらけ男、触れたものを"壊す"個性!脳みそヴィラン、個性……再生とショック吸収!イレイザー!脳みそヴィランが一番やばいです!」

「………なるほど、助かる」

 

 

"同期"で読み取れる最低限の情報を伝え、皆の元へ下がる。イレイザーは多分、単独で中央へと突っ込むだろう。あくまで卵の俺たちにできる事は、邪魔にならない事

 

予想通りに突っ込んだイレイザーを横目に、避難するべく出口へと向かおうとした俺たちの前に───あの黒モヤヴィランが現れた

 

 

「初めまして、我々は敵連合。僭越ながら……この度ヒーローの巣窟たる雄英高校に入らせて頂いたのは───平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」

 

 

ワープ個性。それもかなり使い勝手のいいタイプ。状況はかなりまずい、コイツがいるだけで誰も逃げられなくなる

 

 

「本来ならここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが、何か変更あったのでしょうか。まぁ……それとは関係なく……私の役目はこれ」

「───分断か!」

 

 

爆豪と切島が黒モヤに襲いかかったが、そもそも実体があるかわからないアレに有効打は与えられない。人を転移させる黒いモヤが、俺たちを呑み込む

 

 

 

 

 

────あぁ、完璧、作戦通りだ

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

「───足手纏いを1人追加だ、守り切れるかな?」

 

 

中央で1人、無数のヴィランを相手に戦闘を繰り広げていたイレイザーヘッド。ゴーグルにより視線を悟らせず、個性が使えなくなった事により崩れた連携を突き、多対一を有利に進めてる

そんな中──明確に、全てを変える一手。それが俺だ

 

 

「───ビンゴ」

 

 

浮遊感と、驚いた表情のイレイザーヘッド───あぁ、空中か。今

 

 

「手筈通りに」

「任せて」

 

 

俺の体から離れ、イレイザーの元へと向かったグレースを見送る。これからの攻撃にイレイザーを巻き込まない為に、グレースの力が必要だ

 

 

「んじゃ───開始ィ!」

 

 

号令と共に、空中にばら撒いた電撃グレネード。これはグレースのものだから、グレース本人には効かない。グレースの後ろにいるイレイザーにも、体が盾になって効かない

まぁ、俺には効くけど──大体威力は十分の一ぐらいに薄められるからある程度は平気だ。用意したのは30個だから、俺が受ける電撃はグレネード3個分。かなり痛いが、耐えるしかない

 

 

「───ぶちのめす!」

 

 

空中で閃光が爆ぜ、1秒も経たないうちにクレタが動いてる。彼女に頼んだのは、手だらけ男を脳みそヴィランから引き離す事

グレースも、クレタも、俺の頼みを果たしてる。だから───あぁくそ、体が痺れる!

 

 

「虚、立って」

 

 

アンビーが俺の手を引いた。横には青衣もいる───支えられてるから、俺はまだ、立たなきゃいけない

 

 

「やっちまえ、兄弟!」

 

 

アンドーの大きな声が耳に届く。脳みそヴィランの腹を削る──アンドーに頼んだ仕事が達成されてるのは、脳みそヴィランの腹を見れば一目瞭然だった

 

 

「ソレノイドエンジン…!」

「一線越えれば電撃一閃!」

「喰らえ脳みそ!」

 

 

アンビーのブレードが、青衣の三節棍が、俺が手に持った電撃グレネードが、脳みそヴィランの腹の傷に叩き込まれる。体内から直接の電撃、感電で脳みそヴィランの動きを止める

 

 

「っ〜〜〜!」

 

 

痺れる体に鞭を打ち、次を叫んだ

 

 

「───斬って!」

 

 

(11号)電撃(アンビー)のブレード、大鋏(エレン)チェーンソー(カリン)が、脳みそヴィランの四肢を落とす。ここに来るまで時間はそんなに掛けてない──から、もう一息

 

 

「凍結!」

 

「毎度あり!」

「蒼角登場っ!」

「仰せのままに…!」

 

 

ライカン、エレン、蒼角が現れ───周囲の温度が加速度的に低下する。轟君には遠く及ばないけど、四肢を落とした脳みそヴィランを呑み込むには充分だった

 

 

 

「ははっ、完成……!」

 

 

目の前には、四肢を落とされ、氷漬けにされた脳みそヴィラン。つまり作戦は大成功

連中の目的はオールマイト殺し──それは前提として、それとは別にできれば生徒も殺したい筈だ。だからわざと皆から少しだけ離れた。だから怯えるふりをした

再生+ショック吸収だなんて、対オールマイト用ですみたいなヴィランならヒヨッコ生徒を殺すなんて簡単だ。あの筋肉が個性によるものじゃない以上、イレイザーじゃ勝ち目はない

杞憂に終わればそれでいい。だが──そうじゃなかった場合に備えた、最速で脳みそヴィランを無力化する為の作戦だ

 

 

「クッソ、やりすぎた……!」

 

 

皆の全力を、これまで経験にない程多く、矢継ぎ早に繰り出した。その分の体力消費は全て俺にのしかかる。体に通った電気が痛ぇ…!

 

 

「六分!」

 

 

膝をついた俺の元に、イレイザーが駆け寄ってくる。俺の状態をざっと見て、少しだけ顔を顰めた

 

 

「………防衛戦です、イレイザー。最初のグレネードがカス当たりだった奴が動き始めてる。手だらけ男も、脳みそヴィランに隠れたのかそんなに電撃を浴びてない」

 

 

手だらけ男が氷に触れれば、脳みそヴィランは解放される。もう一度拘束できる余裕なんてない

だから、防衛戦

 

 

「氷が割られれば負け。……俺は大丈夫です。体力を使わない青衣とビリー、後ジェーンを動かして、俺が最低限身を守れるぐらいの体力は、残しました」

「つくづく優秀で何よりだ。……助かった、お前は隙を見て下がれ」

「黒モヤがいる限り不可能です。飯田あたりが助けを呼んだ事に賭けて、時間を稼ぎます」

 

 

こっちの戦力は5人……俺はほぼ動けないから実質4人。ワープ+手だらけ男の即死コンボを掻い潜って、助けが来るまで耐える───上等

 

 

「く、そが、黒霧…なんてヤツ連れてきてんだ…!脳無がやられた………!」

 

 

首筋をボリボリと掻きながら心底恨みのこもった声を吐き出す手だらけ男。一番の脅威は抑えたが、即死持ちは未だ健在。状況は、ほんの少し良くなった程度

 

 

「チッ、これじゃもう無理だ……はぁ、お前、顔覚えたからな。……帰るぞ」

 

 

……やけに潔い。ここまでの大事を起こしておいて、最高戦力が捕えられたらすぐ帰る?『天下の雄英、敵の侵入を許す』……なるほど、入った時点で目的の半分くらいは達成してるようなもんなのか

 

 

「待て!」

「おいおいイレイザー、限界ギリギリの教え子の心配してやれよ」

 

 

黒モヤに呑まれていくヴィラン達───を、見ている俺の視界が揺れる。脈打つような頭痛、体を押し潰す疲労感

 

 

「──!─────!」

 

 

遠くなっていく叫び声───と同時に、俺の意識は途絶えた

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