ヒトカスはもう、終わりですね() 作:伝説のスーパークロウ人
人類の希望たる勇者一行のイカれたメンバーを紹介するぜッ!!!!!
一人目! 他人の幸せ不幸せに興味のない厭世的な勇者!
二人目! 人類を見限った不老の賢者!
三人目! 奴隷として扱われた過去を持つ剣聖!
四人目! 異邦の地からやって来た戦闘狂!
五人目! 信仰を捨てている毒舌聖女!
六人目! 得がないと即座に切り捨ててくる商人!
七人目! 知能を持つ生物が嫌いになった魔術師!
八人目! 上記の人物達を尊敬する堅物聖騎士!
他にもいるが、勇者一行のメンバーとして、は怪しかったりするからあと一人だけ紹介して、あとは省略する、多過ぎてめんどくさいからな。
俺は職業が
…………。
言いたいことは分かる、代弁しよう。
これが、誉れがあって、輝かしい筈の勇者パーティか? と。
それに対して、俺はこう返答させてもらう。
「あんなパーティでどうしろって、俺が言いてぇんだわ」
知ってるか? 俺、勇者パーティじゃないのに週に六回はあいつらと遭遇してるの。
集団転移したクラスメイトの奴ら、俺以外色んな意味で問題あるとか言われて、実質的な代表者みたいな扱いされてんの。
そのせいで王族の跡目争いにも巻き込まれてるんだ、王子様の顔怖ぇ。
「俺だって問題あるだろうがぁ……!」
シリアルキラーぞ? 直訳すると人殺し、殺人鬼ってことだ、お分かりだよな?
そんな奴より問題がある転移者一行って……その、何だ? バケモンか?
バケモンだったわ、どうしよ。
「あぁ……転移して、クラスメイトの本性見て気苦労背負って……何やってんだろうか俺」
これでも割と事後なのはそう、花のチート転移ものの実態がこれですか夢返せ。
日を跨ぐごとに花びらちりっちりになって行くんだわふざけんな。
魔王? ああいたなそんな奴……いたか? 大体の熱意はダンジョンに吸われてて奴がどうたらこうたらは全く聞いたことがないわ、初日だけか?
一応いるらしいし、最終的にはぶっころころしなきゃいけないらしいけど。
「先が見えねえ、いつになるんだ」
そういや帰れる云々の話ってどうなったんだっけ。
ああそうだ、バケモン騒ぎで結局聞いてないのか、今の今まで。
……え、俺の責任?
「…………思い出さなかったことにしよう、これ以上何かを背負いたくない、オシゴトツライ」
人斬りって、物事を穏便に済ませる事務職じゃないんすよ、どっちかって言ったら厄介な人間を斬り捨てたりする方が得意な野蛮人的なアレ側なんよ。
なまじ、転移者として常識的……ってか、元の世界で事なかれ主義の一般生徒として勤めていたばかりに、こんなことに。
……なると思う訳がないだろう正気に戻れカイ・イサカ
「何が原因だったっけ」
イケメンで優しい委員長どのが、実は一部の男子とともに問題を起こしたクズだったからだろうか。
カースト高そうな一部女子達が女子達でやらかして問題を起こしたからだろうか。
それに嫌気が差した俺の同類、それまで行動を起こさなかった日和見主義のクラスメイトが集団で離反して行方不明になってしまった事だろうか。
「残ってるクラスメイトって何人だったっけ……?」
最初は五十人くらいはいた筈なんだけどなー、多分今は多くても両手の指で足りると思う、人の心。
とりあえず今の俺は、何故だかわからないがクラス側の代表者として、ほぼ勇者一行の顔役として、第二王女側の有力者として……とにかく、一人三役以上を担わされている、ぶっちゃけめんどい。
めんどいし、この先に待ち受けてる現実を直視したくない、なので過去を思い出すことにする、ちょうど良いし()
いわゆる回想という奴だ、俺みたいな苦労人ってどうせネットで小説になってるし、アリだろう。
やらかしまくった結果、的な俺の惨状を先に描写し、その後それより前の時系列……全てが始まった云々のシーンまで戻るのは、もはやテンプレ、様式美だ、そうだ、そうしよう。
「えー……それでは、過去回想行ってみよー!」
○△○
「おお! どうかこの世界を救ってくださいませ! 勇者様!」
うわ、ここライトノベルで履修したところだ。
他のクラスメイト達も、現実であると認識したのかめちゃくちゃ騒いでいる。
かくいう俺も相応に……騒いではいないけど、ワクワクしている。
まぁ? ヒロインと言える程仲良い女の子の幼馴染はいないけど、隣の席の美少女とか幻想だけど、ついでにクラスで一番の美少女は彼氏持ちである、相手が憎いぜ……! その子全然趣味じゃないけど。
「ではまず、この魔道具を皆様にお配りいたします」
物腰がすっごい丁寧な……なんか、本性はめちゃくちゃ腹黒そうなお爺さんが、兵士らしき人……あれプレートアーマーって言うんだっけ? まぁとにかくガシャガシャ言う重そうな鎧を来た人達に配らせてる、あ、これはどうもご丁寧に……。
「それは、皆様の能力を数値化する魔道具でございます」
ああ、これあれだ、勇者云々だ。
いやぁ参ったね、これで俺も勇者に
カイ・イサカ 人間
職業:
…………why?
「おおっ! 委員長勇者じゃねぇか!」
「すげー!」
「ってかこん中じゃ一番勇者してんじゃん! 当たり前、みてーな?」
……周りの喧騒から察するに、我らが学園のミスターコンテスト優勝委員長は、異世界ですら勝ち組になったらしい。
「え、でもルリちゃんのも勇者だって書いてるよ?」
「えっ!?」
「……」
「勇者が二人っ!? すげーなこのクラス勝ち組じゃん!」
……えっ、ジョブ被りとかあるんですか? じゃあ俺の職業もワンチャン?
そう思って、周りをキョロキョロと見回してみるのだが。
「……うぅ」
なんか涙目を浮かべてるピンクでちっこいの、あんな子クラスにいたっけ?
まぁいいか、次々。
「へぇ、商人と」
……うっわなんか女の子がしちゃいけない顔してる……見なかったことにしとこ、あれは関わらん方がいいわ。
「……」
件の勇者の女の方は……ってクラス一の能面娘が選ばれたのか。
……なんか、淡々と魔物とか殺しそうだな、適任じゃん。
「……なんか、どいつもこいつも晴れ晴れとした顔してんな」
もしかしなくとも、俺だけですかコレ。
皆が皆、異世界と聞いて想像するような職業になれた、と?
……今だけ、今だけは友達と呼べる奴を作ってなかった俺のことを褒めてやろう、お陰で職業バレしないで済みそうだ! 泣いた。
「では、私の方に皆様お集まりください」
「勇者様方の職業、種族の確認を行います」
……泣いた。