出会い
クソ雑魚マキマさんかわいい。
他にもいろいろ。
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強いけど残念な人。
それが私、マキマの評価だ。
······いや、最初は「ふええええ(泣)」とか言いながらも頑張ってたんですよ。
いつ死んでもおかしくない、血塗れの仕事を。
だけど私がなまじ強くて、高難度の任務ばっかり回されるようになって。
ソレが3ヶ月くらい続いた後、ついに発狂した。
「ハイ、次の任務ですよー」
「······おうちに······帰り······たい」
「ん?」
今まで溜め込んできた、任務の恐怖や押し付けてくる上司に対する憎しみといったストレスを、抑えきれなくなった。
私は執務室の床で体育座りをして───
「帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい」
「帰りたい」
───全身全霊でゴネた。
見た目にはいい年した女が「やだやだ」言いながら職務放棄をする図である。
あの時の付き人さんの視線は忘れられない。
ドン引きしつつ、だけど憐れむような···(´・ω・`)
◆◆
この一件から、私の評価は本格的に“残念な女”として固定されてしまった。風評被害。
でも私に振られる仕事量は若干減ったので嬉しい。
「
「はい。改めて概要を説明しますと───」
今日未明、ゾンビの悪魔が発生したと通報が入った。
発生源やプロセスは不明。
性質上、即座に対処しなければ甚大な被害が発生すると思われる。
ゾンビの悪魔とゾンビが一箇所に集まっている今のうちに、殲滅せよ。
「───とのことです」
「きっと映画でよく見るやつだよね。噛まれたら自分もゾンビになっちゃうってやつ。嫌だなぁ、怖いなぁ」
「頑張って下さい」
「淡白だねぇ!もうちょい心配してくれていいんだよ?」
「いっつも秒で全滅させてるじゃないですか。心配のしがいがないです」
「私だって死ぬ時は死ぬって···」
軽口を言い合いながら、マフィアが使ってそうな黒塗りの車から降りる。
そう言えば、付き人の留さんと上条さんもマフィアっぽい格好だな······。
公安とは言え、私達は警察なんだけどなあ。
早朝の廃工場をチラリと見上げ、シャッターを上げる。するとそこには、ゾンビ達の死骸の山に立つ悪魔人間······いや、
「ふぇ······?えっえっえっ???」
「落ち着いてください。彼が何者か確かめないと」
今日も任務頑張ろー。とか思ってたら既に現場が大惨事だった件。怖い。
「キミがこれやったの···?(震)」
「だ···抱かせて······」
「!?」
満身創痍、限界を迎えたのだろう彼が後ろへ倒れそうになる。
私は反射的に抱きしめて倒れないようにした。
血の匂いに混じって、変わった匂い──人でも悪魔でもない匂いがした。
「(この子“抱かせて”って言ったよね!?私、初対面!初対面なのに、なんて破廉恥な!)」
デビルハンターとしての業務に忙殺されてきた私は、“そういうこと”に全く縁がなくて···でも興味はそれなり以上にあって···。
思わず付き人さんたちの前で赤面してしまう。
そうこうするうちに、彼の“変身”が解けた。
ボサボサの金髪、ギザギザの歯。
鋭い三白眼を細める彼は、至って普通の少年にしか見えない。
「あ······あ······!?君は······!」
「彼、悪魔に体を乗っ取られてる可能性はありますか?···おーい、マキマさん?」
「っは!?」
彼の顔を見てやっと思い出した。
この世界のことを、全部まるっと思い出した。
ここは──チェンソーマンの世界だ!?
チェンソーマン。
前世で大人気だった、独特の世界観を持つ傑作マンガなのだが···めっちゃ人が死ぬ。
そんな世界に、元パンピーの私は転生してしまったらしい······。
◆◆
《Sideデンジ》
ゾンビの悪魔共を一晩中斬り続けて疲れきった俺を、マキマさんは優しく介抱してくれた。
それだけじゃない。着ていた上着を貸してくれたし、うどんも買ってくれた。
好きだ。
いつだって汚え臭えと言われてきた俺を、ヤクザ共にこき使われて誰からも(ポチタ以外)避けられていた俺を、優しくしてくれた
オマケに面も良いときた。
クソ好き。
まあ“チェンソー”の力を試すためとはいえ、俺に悪魔を
めっちゃ疲れてるのにー、って。
でも結局は助けてくれたし、“チェンソー”になったときの負傷を気遣ってくれた。
まじでいい女。
◆◆
「はい、あーん」
「アーン」
悪魔をぶっ殺して子供も助けて、一息ついた俺は、温め直してもらったうどんを啜る。
しかもマキマさんの“あーん”で!
「おいしい?」
「めっちゃ美味えです!」
「良かった。えへへ······」
水に小麦粉を溶かし混ぜただけのモノとは、比べ物になんねーくらい美味え。
そして前を見れば、なぜか頬を少し赤らめる
「そういえば、どうしてデンジくんは“チェンソー”になれるの?」
「···飼ってた悪魔が───ポチタが俺の心臓になったんです。信じられないっしょ?」
小さい頃に助けてから、ポチタとはずっと一緒だった。ゴミみたいな飯を喰うときも、悪魔を
ポチタがいたから、俺は今生きてる。
「俺も信じたくないすよ。俺のためにポチタが死んじまったなんて······」
「いや、
「え?」
「今のデンジくんからは、人と悪魔の両方の匂いがする。私は特別鼻が利くからね、だから分かる。ふふん。······つまり、ポチタくんは
例えじゃなく、慰めでもなく。
本当にポチタは、俺の中で生きてるのか······。
「そっか···すげー···そりゃすげ〜よかった!」
喜ぶ俺を優しい微笑みで見守るマキマさん。
ああ、まじで好きだ。
この気持ちが向こうも同じならいいのに。
「···マキマさん、もう一個聞きたいんだけど」
「うん」
「マキマさん······すっ、好きな男のタイプとか、あります?」
「デンジくん」
「えっ?」
「あっいや!えーと、デンジくんみたいな人がタイプだよ!」
「デンジ············」
俺じゃん。
「おっ、俺も!マキマさんが好きです!」
「ハヒョォ!?···えっえっあわわわっあわわわ」
ボンッ!、プシュ〜、カァァァ···ってなるマキマさん。かわいい。
「だっ、駄目ェ!!」
「なんでェ!?」
「さ、最初会った時“抱かせて”って言ってたじゃん!私を、その······エ◯同人みたいにするんでしょ!エ◯同人みたいに!!それは
「エ◯同人が何なのか分かんねーけど、落ち着いてくれマキマさぁん!」
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《今作のクソ雑魚マキマさん》
転生者。
“チェンソー”の姿ではなく人間の姿のデンジくんを見て、記憶を取り戻した。
デンジくんに向ける感情は“like”ではなくかなり高純度な“love”であるため、頼めば胸だってもみ放題。
······のはずだが、マキマさんはウブすぎるのでやっぱり現時点では無理。
メンタル──特に恋愛関連がクソ雑魚。