姫パイかわいいよ姫パイ。
原作ではやたら早く殺されちゃった不憫キャラですが、デンジとアキが仲良くなるきっかけの一つでもある、とにかく超重要なキャラなんですよね。
そのアキくんも最悪の形で死んだんですが。
原作マキマさんェ···。
·········。
とにかく!姫パイはかわいい!かわいいんだ!!
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《Sideレゼ》
カラン、と鳴ったそれを見つめる瞳は潤み、どこか妖しげな明かりを帯びている。
「マスター、もう一杯」
「明日もお仕事なんでしょ?」
「今日はもう少し飲みたい気分なんだ···。彼氏が仕事ばっかりで、私に構ってくれなくて···」
···しばしの沈黙。
バー
「···あちらのお客様さまから───」
するといかにもバーらしいイベントが発生。
でも姫野さんは既にかなりお酒を飲んでいるから、お酒ではないはず。
「───アプフェルシュトゥルーデルです」
なんて?
「なんて?」
「アップルパイみたいなものです」
「ふーん······」
姫野さんがチラリと横を見る。
そこには、カウンターの端っこでノンアルコールカクテルをちびちびと飲むマキマさんがいた。
「ありがと」
今日も
いやここ喫茶店なんだけど。
マスターめっちゃノリノリじゃん。
アプフェルなんちゃらとか横文字まで引っ張っちゃってさ。アップルパイでいいじゃん。
姫野さんも「カラン」ってやつが気に入ったらしく、しきりにグラスを鳴らしている。気持ちは分からなくもないけど。
マキマさんもひどい。
物憂げな表情で頬杖をついているけれど、これはロールプレイ。
その奥にあるワクワクがダダ漏れだ。よく見たら目がめっちゃキラキラしてるし。子供か。
「マキマさん、これいつまで続けるんですか?」
「だってぇ···バーって敷居高いじゃん?私はお酒も飲めないし。だからここで擬似的にバーの雰囲気を味わって見たかったんだ」
「いやぁ、マキマさんのおかげで僕の夢が叶いましたよ。ずっと言ってみたかったんです、『あちらのお客様さまからです』って!」
「ですよね、バーと言えばこれですよね!」
実はこの
ここはモーニングが人気なのであって、昼や夜に来る人は稀なのだ。
まあだからこそ、こういう身内ノリみたいなこともできるんだけどね。実際に『あちらの〜』なんてやる人はほとんどいない。
え?なんで
なんならマキマさんより年上説も···
···これ以上はやめよう。
◆◆
《Side姫野》
アップルパイみたいなモノを食べながら、私はなんだなんだでこの雰囲気を楽しんでいた。
「バーごっこをしてみたい!」というマキちゃんの誘いにノッてみたけど、案外楽しいな。
顔見知りしかいない場所でシリアス顔しながら酒飲むのも、なかなかオツだね。
カランカラン。
透明なグラスの中に入った氷を揺らす。
カランカラン。
酔いが回ってきた。
···。
グラスを置き、カウンターに伏せた。
······。
心地のいい眠気に身を委ねた······。
✝ ✝ ✝ ✝ ✝
数ヶ月前。
銃の悪魔討伐からおよそ1年が経った頃。
私とアキくんは、冬の北海道にいた。
「はるばる来たぜほっかいどー!!」
「やめろ恥ずかしい。ここまだ空港だぞ」
有給を2日だけとって、アキくんの墓参りに同行したのだ。残念ながら新婚旅行ではない。
空港からバスを乗り継ぎ数時間。
私たちは一番後ろの席で手を繋ぎ、無言でバスに揺られていた。外の雪景色を見つつ、アキくんの手の温もりを感じながら。
バスを降りて徒歩でしばらく行ったところに、その墓地はあった。
ずんずんと進むアキくんに付いていく。
「······ここだ」
早川家之墓。
アキくんの両親と弟が眠っている場所。白い息を吐きながら、二人でお墓に積もった雪をどかす。
その後、アキくんがライターを取り出して線香に火をつけた。
「はい、線香」
「ありがと」
まずはアキくんから。次に私が線香を供える。
立ったまま無言で手を合わせて、目を閉じる。
·········薄目を開けて隣を見ると、アキくんはまだ手を合わせていた。
私もアキくんに合わせて、再び手を合わせる。
···············。
「姫野。···さすがに長くないか?」
「え゙っ」
◆◆
アキくんが予約していた旅館にチェックインし、すぐに温泉に入ることにした。
「露天風呂···あーでも混浴じゃないか。アキくん、どんまい」
「別に予約したときから知ってた」
「ふ〜ん、私と一緒にオフロ入りたくなかったんだ······」
「他の男に見せたくなかったからだよ」
「······ぉう」
少し拗ねて見せたら、思わぬ収穫が。
ホントにキミは性格までイケメンだな。
そっか〜、そんなに私のことが好きか。
仕方ないヤツだなあまったく!
「後でアキくんには見せたげるから!」
「·········」
「照れちゃってー!」
「照れてない」
「またまたー!」
そうして、凍えた体を温泉で癒し、ご飯を食べた後は─────。
✝ ✝ ✝ ✝ ✝
「うへへへぇ·········♡」
「あ、姫パイが寝ながらニヤけてる。怖い」
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【オマケ:タバコを吸うマキマさん】*1
「ふっふっふ······」
(タバコを胸ポケットから取り出すマキマさん)
「え、マキマさんってタバコ吸うんですか?」
「前にも一度だけ吸ったことあるよ」
「へー、その時はどうだったんです?美味しかったですか?」
「咳き込みまくって凄く苦しかった」
「じゃあなんで吸うんですか!?」
「レゼちゃん。バーでタバコを吸う人って···カッコよくない?」
「ンン分かるけども!」
「あ、店長さん。ここって喫煙大丈夫ですか?」
「今はお客さんもいませんし、いいですよ」
「よし······じゃあいくぞ···」
(緊張した面持ちでタバコに火を点けて、口に咥えて、煙を少しだけ吸い込むマキマさん)
「···けほっ。けほっ、こほっ······」
「あれ、意外と大丈夫そう···?」
「ゲホッ!ゲホゴホッォ゙ォ゙!!」
「やっぱりダメだったかー!!」