クソ雑魚マキマさんの日常(本編完結)   作:訥々

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有り得た未来の果て

難産でした。

本当はマキマさん死亡ルートも書こうと思っていたのですが、作者が耐えきれなかったのでボツにしました。Ifルートであってもマキマさんには幸せになってほしいんです···。

 

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世界の刺客との激戦から半年以上が過ぎた頃。

アメリカが銃の悪魔を差し向けようとしている事が判明した。

今はまだアメリカ上層部内での議論が紛糾しているらしく、日本にはほんの僅かに作戦立案の猶予が残されていた。

 

最終的にマキマは“能力の複合”を用いて銃の悪魔を倒すことに決めた。

しかし“能力の複合”は極めて高難度であり──支配の悪魔の主観ではあるが──最短でも“複合”に5秒、発動に2秒は掛かることが予想された。

 

その間の時間を稼ぐため、人外職員を肉壁としてマキマを守る方法が提案された。

銃弾を捌き、或いは吹き飛ばし、最後には身を挺してマキマの被弾を減らすという脳筋計画だ。

この“肉壁作戦”の発案者は須郷ミリ。長剣の武器人間にして、公安対魔特異5課の隊長である。

 

“肉壁作戦”は特異課隊長らの多数決によって可決された。マキマは消極的に反対意見を唱えたものの、「あんたもう残機ほぼ無いだろ」の一言で封殺された。

 

この作戦を聞いたデンジも勝手に対魔5課に合流し、作戦参加が決定した。

マキマは自分が悪魔であることを明かして死ぬほど反対したが、デンジに真剣な口調と表情で説得され赤面しながら沈黙した。

 

···そして今日。

1997年9月12日の昼に、アメリカ上層部内での議論が終結。銃の悪魔、即日襲来が確定した。

 

 

 

「···そろそろかな」

 

「うっし。ヤクザの別荘を襲撃してから久々の作戦だ、気合入れてかねーとな」

 

「皆で勝負でもしましょうか?防いだ弾数が一番多い人がマキマさんをデートに誘えるとか」

 

「ドアホ。マキマが誘いに乗るわけねえだろ。惨めな思いするだけだぜ」

 

「ん〜みんなホントにマキマさんの事が好きだなあ」

 

···俺のタマを潰したのは許してねえけどな

 

「デンジくん以外とデートしたってつまらないと思うけどなあ。ね!マキマさん!デンジくんにゾッコンですもんね!」

 

「ちょっレゼちゃん言わないで!」

 

「え、マキマさんマジですか···?」

 

「みんな不埒だ···マキマは私が守るから」

 

「えっ、ありがとうございます。···でもあのぅ、なんで私の下腹部に手を置くんです?」

 

 

 

“支配”ではなく、マキマの“人格”によって──それは庇護欲であったり、情欲であったりする──集った人外精鋭兵たち。

公安対魔特異5課、作戦開始。

 

 

 

◆◆

 

 

1997年9月12日午後3時18分21秒

秋田県にかほ市沖合より14秒間銃の悪魔出現。

 

以下、銃の悪魔挙動記録並びに対魔5課交戦記録

 

銃の悪魔、出現直後能力発動。

銃の悪魔の周囲凡そ1000メートル内の全ての男性が頭部を銃弾で撃たれる能力を確認。

銃の悪魔の周囲凡そ1500メートル内の全ての子供(0〜12歳)が頭部を銃弾で撃たれる能力を確認。

マキマ、“複合”を開始。

 

3時18分22秒

銃の悪魔、マキマへ向け前進。

 

3時18分23秒

マキマが500キロ先の銃の悪魔を視認。

 

3時18分24秒

銃の悪魔、能力発動。

銃の悪魔の周囲凡そ1000メートル内の誕生月1月·2月·3月·5月·6月·8月·9月·11月·12月の生物の心臓に銃弾を撃つ能力を確認。

 

3時18分25秒

銃の悪魔、停止。

銃の悪魔、能力発動。マキマへ向け銃撃開始。

 

3時18分26秒

マキマ、“複合”完了。能力発動準備に入る。

 

3時18分27秒

マキマ、観測上8度目の死亡。

 

3時18分28秒

マキマ、能力発動。

「罰の悪魔」「蛇の悪魔」「未来の悪魔」「蜘蛛の悪魔」以上の能力を使用。

 

3時18分29秒

銃の悪魔にマキマの能力が“着弾”。

銃の悪魔、戦闘火力の凡そ7割を喪失。

 

3時18分32秒

マキマ、観測上13度目の死亡。

日本国内の重大犯罪による受刑者全員が死亡。

 

3時18分34秒

銃の悪魔、戦闘能力を完全に喪失。

 

3時18分35秒

銃の悪魔、死亡。

公安対魔特異5課、作戦終了。

 

 

 

◆◆

 

 

銃の悪魔(アメリカ)特異5課(日本)

たった14秒の激戦は、特異5課の勝利に終わった。

残り少なかったマキマの“残機”を全て使い果たしたギリギリの勝利ではあったが、それでも特異5課の死者数は0である。

 

軍隊同士が激突したわけでは無いことや、被害が軽微──それでも1000人超の犠牲は出たが、銃の悪魔が出現した事を思えば比較的軽微である──であったこと、そしてアメリカ政府が『一連の騒乱は大統領派閥の独断専行である』と発表したことから、日米関係は辛うじて断絶を回避した。

 

 

そして銃の悪魔討伐から暫く経ち、日本が平穏を取り戻した頃。

早川家にはちょっとした変化が起きていた。

 

「コンビニにアイス買ってくるけどなんかいる?」

「ワシは肉系のおにぎり!」

「俺は···のり塩のポテチ。大袋を皆で食おう」

「私も一緒に行くよ。···何買おうかな」

 

デンジとパワーの保護観察を名目に、マキマが早川家の隣に越してきたのだ。

4人でゲームをしたり、映画を観たりすることが、新しい日常として定着しつつあった。

 

「この170グラムのポテチ···4人で分けると42.5グラムか」

「デンジくん計算早いね」

「カネの計算とかは得意っすよ!」

 

「パワーには···『牛カルビ握り』でいいか」

「野菜スティックも買ってあげよう。魔人だって、栄養のことは考えなきゃ···」

 

「パ◯コ、分けっこしない?」

「しまァす!」

 

 

 

「···デンジくん。手、つなご」

「!···はい」

 

帰り道。白い息を吐きながら、2人は出来るだけゆっくりと歩く。

 

「この間の江の島、楽しかったね」

「そっすね。今度は泊まりで行きてーなあ」

「今はお互い忙しいからね。お泊まりはしばらくお預けかな···その代わりじゃないけどさ、今度の週末、映画観に行かない?」

「絶対行きます!」

「部活は大丈夫?」

「日曜は休みなんでヘーキですよ。何を観に行きます?」

「うーん、ルッ◯バックはどう?」

「良いっすね!」

 

こんな日常が、ずっと続きますように。

 

 

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というわけで、Ifルート完結です。

文才の無さやシリアスの難しさに勝手に打ちのめされてエタりかけたり、平和なエピソードを書きたすぎてシリアス成分が薄くなったりしましたが、どうにかここまで辿り着けました。

お読みいただきありがとうございました!!

 

※ナユタはデンマキの子供として誕生した模様。

 

 

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