クソ雑魚マキマさんの日常(本編完結)   作:訥々

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岸辺隊長

◯あらすじ

マキマ「公安襲撃編は私が潰した(物理)」

 

────────────────────────

 

私はデンジくんとパワーちゃんを連れて、殉職したデビルハンター達が眠る墓場へやってきた。

 

「ホテル事件と今回の公安襲撃()()で、デンジ君が敵勢力に狙われている事が確定した。というわけで4課を強化します」

「マキマさんが指導してくれるんすか!?」

「残念だけど私はこれから忙しくなっちゃうから。それに訓練はコベニちゃんたちとするし。代わりに適任を紹介するね。2人を指導するのはあそこの、岸辺さんって人だよ」

「おっさんじゃな」

「いやあ、岸辺隊長めっちゃ強いよ。多分私よりも」

 

作中最強のデビルハンター、岸辺隊長。

私も数年前に指導を受けて*1、人外で死なないからという理由でボコボコにされた。

確かに強くはなったけどさ···。

 

「こんにち「シー、黙れ」はい」

 

これだよ。

 

「新人2人、俺の質問に答えろ。···1、仲間が死んだらどう思う?」

「別に〜?」

「知らん!」

 

「2、敵に復讐したいか?」

「復讐とか暗くて嫌いだね」

「ワシも!」

 

「3、お前達は人と悪魔、どっちの味方だ?」

「···俺を面倒みてくれるほう」

「勝ってるほう」

 

「──お前達、100点だ」

 

岸辺隊長がスキットルを持ち、振り向きざま、採点結果を告げた。

100点かあ···0点とどっちがマシなんだろうか。

 

「「あ?」」

「お前達みたいのは滅多にいない。素晴らしい」

 

「大好きだ」

「「·········」」

 

「恐い」

分かるよパワーちゃん。

 

「マキマ、お前は帰れ。今すぐこいつらは指導だ」

「あのう、私も見学したいんですが···」

「お前には山程業務が残ってるだろうが。とっとと仕事しろ」

「ぅぐぅ。分かりました···じゃあね2人共。出来るだけ死なないでね」

「マキマさん!?俺ら死ぬんすか!?」

 

ここで私が出来る事は終わりました。

職場に戻ります。

···一応、小動物の視界を“借りて”様子は見るけど。

 

「俺は特異1課でデビルハンターをやっている。先生と呼ばれると気持ちよくなるから、先生と呼んでくれ。好きなのは酒と女と──悪魔を殺すことだ」

 

デンジくんとパワーちゃん、2人の首が岸辺隊長にへし折られる音を聞きながら。

私は岸辺隊長との出会いを思い出していた。

 

 

◆◆

 

 

《採点、マキマの場合》

 

「仲間が死んだらどう思う?」

「···悲しいです、仲が良いと特に」

 

「もし死んだら復讐したいか?」

「そもそも死なせないように頑張りますが···救けられなかった時は、復讐します。たとえ相手が銃の悪魔であっても」

 

「···ふん。お前は人と悪魔、どっちの味方だ?」

「もちろん、()()()人間の味方です」

 

「0点だな」

「!?」

 

 

◆◆

 

 

「俺は最強のデビルハンターだ。最強の俺を倒せる悪魔は最強なわけだから···お前たちが俺を倒せるようになるまで、俺はお前たちを狩り続ける」

「こいつ頭が終わっておる!」

「な〜」

 

「じゃ再開だ」

「酔ったジジイでも、殺しちまったら逮捕だぜ!」

 

そう言いつつ、デンジくんはパワーちゃんの血でできた小さいハンマーを手にした。

岸辺隊長も懐のナイフを掴んでいる。

 

岸辺隊長はデンジくんの頭を狙った一撃を躱し、カウンターで殺害。パワーちゃんの首も切った。

あぁぁ、すごく痛そう。

 

「──男の方は不死身、魔人の方は半分不死身。咄嗟に人の頭をぶん殴れる脳みそを持っていて、2人に人権はない。······俺はガキの頃から力が強くて、おもちゃをすぐに壊しちまう。だから壊れないおもちゃが欲しかったんだ······」

 

「俺がお前たちを最高にイカした奴らにしてやるよ」

 

 

◆◆

 

 

《Side岸辺》

 

「······うん。良し」

 

とうとう、デンジとパワーが俺に傷を負わせた。

全力の二人がかりでかすり傷···十分な戦果だろう。

 

「今のは100点の動きだったぞ。今日から指導は毎日じゃなくていいな、週一にする」

「いえ〜い···」

「やった···!」

 

いや喜ぶなよ。

そこは『俺/ワシは毎日指導してほしいです!先生!』とか言う場面だろう。

······まあ、そこは別にいいか。

 

「ハイなときでも、クールに脳みそ動かせ。常に自分の持ってる武器と状況を頭に入れとけ。···()()()()()()()()()()()()()()。もし失敗したら日本は終わると思え」

「···銃の悪魔の話?」

「···自分で考えろ」

「ふ〜ん。ま、俺たちを強くしてくれてありがとな、先生。これでもっと悪魔を殺せる。そうすりゃマキマさんとランデブーよ!!」

 

嬉しそうに話す(愛弟子)に、俺は何も言えなかった。

 

 

◆◆

 

 

その夜、俺は馴染みの料亭にマキマを呼び出した。

 

「適当な日本酒。つまみは要らん」

「かしこまりました。マキマ様は···」

「あ、私はお水を頂きます。下戸なので···」

「かしこまりました」

 

接客係が出ていった後、すぐに本題を切り出した。

 

「何の話で呼び出されたかは、察しがついているだろうが。お前、ちょっとやりすぎ。確かに状況証拠は完璧に揃っていたし、事前に察知できたのは悪くなかったがな」

「···はい。申し訳ありません」

「ヤクザをしばくどころか()()()にしたんじゃ、さすがに“上”に咎められるぞ。人外(武器人間)が一人だけいて、ソイツは生存したようだがな。···はぁ。···お前が“敵”を殺すのはいいが、大多数の“人間様”の味方ではあれよ」

「······??······はい」

 

何を言っているのか分からん···って顔だな。

 

「···話はこれだけだ。後はのんびり呑もう。といってもお前は酒弱いんだったな」

「ええ。この間の飲み会でもジョッキ半分で潰れてしまいまして···。ここはお酒だけでなくお料理も美味しいので、食事を楽しみます」

 

 

 

刺し身を美味そうに食うマキマは、至って普通の人間のように見える。

しかし、その本質はやはり悪魔だ。

端的に言えば、コイツは人を簡単に殺せる。

仲間に対しては極めて穏当だが、“敵”は何の躊躇も無く殺す。その“敵”が悪魔ならばいいのだが。

 

俺が危惧しているのは、()()()()()()が敵となった場合だ。

実際問題、特定の国家に深く肩入れする高位の悪魔など、仮想敵国にしてみれば厄ネタでしかないだろう。

万が一、他国の阿呆がマキマ(支配の悪魔)の排除を試みるならば、多数の民間人や公安職員が死ぬだろう。

 

そうなった時、マキマは平静を保てるのか。

暴走した場合、マキマはどう行動するのか。

 

対マキマ鎮圧部隊の編成も考えたが、マキマの暴走を考慮でき、かつマキマとの戦闘が成り立つ程に優秀なデビルハンターなど、数えるほどしかいない。

その“優秀なデビルハンター”の一人が俺だが···今のマキマを殺さずに拘束できるかは怪しい。

非常事態の収拾には、マキマの殺害も考慮しなければならなくなる。

 

俺に、出来るのだろうか。

 

「俺も年を取ったな」

「?」

 

育てた犬が死ぬ度に、酒の量が増える。

マキマも似たようなものだろう。

 

俺の“犬”にして、俺と同等の地位と戦闘力を持つ、人間によく似た悪魔。

 

俺はマキマを、殺せるだろうか。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

岸辺「(──とか色々考えているのに、本人がクソ呑気なのが腹立つ)」

マキマ「?(※リスのようにご飯を頬張っている)」

 

 

 

※マキマさんの思想を一言で表すならば、“善良な味方を害するものは全て排除する”。そのため、敵であると定めた相手には容赦なく攻撃できる。

岸辺隊長が0点としたのは、この思想の“危うさ”に気づいたため。

極端な話、もし仮に日本国民全員がチェンソーマン(デンジ)を殺そうと蜂起してきたら、皆殺しor完全支配→廃人化。今作のマキマさんも頭のネジは外れている。

 

※クソ雑魚成分が足りない···。

 

 

*1
この時点ではまだ前世を思い出していない

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