クソ雑魚マキマさんの日常(本編完結)   作:訥々

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銃の悪魔

そろそろ完結です。

 

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《Sideアキ》

 

ある日、マキマさんに呼び出された。

 

「アキくん、元気そうで良かった」

「そちらこそ。岸辺隊長を抑えるのは大変だったんじゃないですか?」

「ホントにね。支配ちゃんに喋らせたのは失敗だったかも···」

「それで、どうして俺を()()()()呼んだんです?」

 

椅子に座って雑談を挟んだ後、質問をする。

公安の会議室は防音がキチンとしており、主に機密事項の連絡時に使用される。

そんな場所になぜ俺を呼んだのか?

 

「アキくん、今年も北海道には行くんだよね?」

「ええ、勿論」

 

俺は幼少期を北海道で過ごしている。

そこで家族を銃の悪魔に殺され、デビルハンターを志して今に至る。

年に一度の墓参りは、俺にとって復讐の決意を強める儀式であり、家族を弔う数少ない機会でもあるのだ。

 

「申し訳無いんだけど、今年は北海道に行かないでほしい」

「···理由は?」

「“チェンソー”の存在を知った大国について調査した結果、アメリカの挙動不審を察知した。おそらく···銃の悪魔を日本へ──いや、()()襲撃させるつもりだ

「銃の悪魔!?」

 

現状の日本の最高戦力は、おそらくマキマさんだ。

“チェンソー”を奪取する上での一番の障害を除きたいというアメリカの目的は理解できる。

どんな調査をしたらそんな最高機密を傍受できるんだ、という疑問もあるが···一番重要なのは俺は参加出来るかどうかだ。

 

「俺も参戦させて下さい。公安に俺を上回る戦力は···確かにありますが、数は決して多くないはずだ。俺も多少は貢献出来ます」

「無理だね。···アキくん、自分でも分かっているでしょう?もっとはっきり言うと、銃の悪魔との戦いではキミは足手まといにしかならない」

「ッ······」

 

悔しかった。

俺の力が足りないことも、マキマさんにこんな事を言わせてしまったことも。

 

「······分かりました。···一応聞いておきますが、討伐メンバーは誰です?」

「銃の悪魔討伐には、私が単独で行く

「なッ···!?」

 

「さっきも言ったけど、銃の悪魔の目標は私だ。だから、私が東京にいれば東京へ侵攻するだろうし、北海道なら北海道。私のいる場所が戦場になるならば、日本で一番人口密度の少ない北海道が最適だ」

「そうじゃないだろ···!なんでアンタが一人で戦うんだ!?」

 

銃の悪魔は、全てのデビルハンターが殺したがっている。そいつらに復讐の機会を与えないことに腹が立ち、声を荒げる。

 

いや···違うか。

銃の悪魔は、全てのデビルハンターが殺したがっている。つまりそれだけ強力だと言う事だ。

そんな化け物を、マキマさんだけで討伐出来るとは···思えない。

俺はマキマさんに、死んで欲しくないんだ。

 

しかしマキマさんは優しく微笑み、こう言った。

 

 

 

 

 

「私はね、皆を死なせたくないんだ」

 

「まだ試せてないけど、銃の悪魔を倒す手段にも当てはある」

 

「そう言っても、アキくんは優しいから···この事を誰かに話してしまうかもしれない」

 

「だから、アキくん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは命令です。

 

契約すると言いなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

1997年1月12日午後3時18分21秒

北海道根室市沖合より銃の悪魔出現。

 

同時刻

マキマが銃の悪魔を視認。

 

同時刻

マキマが罰の悪魔の能力と“異能”(押し潰す銃撃)を発動。

 

1997年1月12日午後3時18分22秒

銃の悪魔の死亡を確認。

 

1997年1月12日午後3時18分23秒

マキマが消息不明となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

《Side支配の悪魔》

 

()は納沙布岬にやって来ていた。本当ならば景観を楽しみたいが、残念ながら今は仕事中だ。

 

「(──本当に良かったんですか?)」

「(うん。万が一にも仲間が死ぬ可能性は残したくなかったから)」

 

マキマがアキくんと結んだ契約はこうだ。

()()()デンジくんとパワーちゃんを護りなさい”。

この契約により、アキくんは東京から離れられなくなった。

 

「(──見えました。ここから凡そ800km地点です。0.4秒後に能力を発動しますよ)」

「(了解)」

 

()()()()()は私の柄ではないのですが···。

今まで皆と過ごした時間が、異なる世界線で私の犯した大()が。私もマキマのように、皆を護りたいと思わせてしまう。

 

親愛?或いは恋慕?否、もっとドロドロとした、複雑な感情(“愛”)が私の胸中を満たす。

ソレは、()の悪魔によって極大の質量を得る。

上下左右、全方向から不可視の質量を押し付ける。

それだけで、銃の悪魔は押し潰れて呆気なく死んだ。

 

 

 

だけど、強大な力をリスクもなしに行使出来るはずも無く。私達は“愛”に呑まれる。

 

全身を血液のように巡る、チェンソー様(デンジくん)への感情を、私達はようやく自覚した。

 

“愛”に呑まれた私達が完全に自意識を失ってしまえば、どのような行動を取るか全く予想が出来ない。

 

嫌だ。嫌だ。傷つけたくない

──その思いすらもまた“愛”。

 

完全に狂う前に、私達は極寒の海へと身を投げて呼吸を止めて、意識を手放した。

 

 

 

 

 

「───ということがあったんです」

「ええ···(引)」

 

 

 

 

 

 

 

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“愛”で押し潰す銃撃≒Zガン

 

 

 

【オマケ:なぜかアキが銃の魔人になった場合】*1

 

 

ピンポーン(チャイムの音)

 

デンジ「あ···アキやっと帰ってきたよ〜」

 

(欠伸をしながら玄関へ向かうデンジ)

 

ポチタ「デンジ···開けてもいいけど···うん······あんまりビックリしないであげてね」

デンジ「···??」

 

(不思議に思いながらも、ドアノブに手を掛けるデンジ)リリリリリリリン(黒電話が鳴る音)

 

パワー「なんじゃ、うるさいのお···」

デンジ「あー、電話···パワー出てくれ」

パワー「分かった」

 

(再びドアノブに手を掛けるデンジ)

ガチャ(ドアを開ける音)

 

アキ「デンジ······」

デンジ「!?」

アキ「俺···銃の悪魔に殺されたんだが···マキマさんに銃の心臓を埋め込まれて、なんとか助かったんだ···こんな姿だけど、まあ···コンゴトモヨロシク······」

 

パワー「マキマのやつ『アキが銃の魔人になった』とかアホなこと言うとるぞ···誰じゃお前ェ!?」

アキ「あ、パワーも···コンゴトモヨロシク······」

デンジ「お前それ言いたいだけだろ」

アキ「バレたか」

 

*1
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