僕は産まれた時から、自我が確立されていた。
そして僕の中には、もう一つの記憶…日本という国で暮らしていた【前世】の記憶も残っていた。
よくある一般家庭で暮らし、死んだ僕の第二の人生!
特別な人間に生まれ変われたのだと心が躍った。
が、ソレ以外の特典は無いようだった。
(えっ!?記憶が有るだけかい!?いやまぁ、記憶が有るだけで嬉しくはあるけど…)
そんな現実を突きつけられて落ち込んでいる期間の間に、ある面白い話を盗み聞きする事が出来た。
ソレは、この世界がワンピースの世界であるという事。僕が産まれた悪魔の実を食べた者がいる話だ。
僕は歓喜し、同時に苛立った。
(僕以外の、いや僕以上の特別……
奪いたいな、その特別を全て僕の物にしたい。)
コレはワンピースにAFOとして転生した一般人がAFOっぽく生きる話である。
「ココが能力者の住んでいる家か、まるで力を持たぬ一般人の家だな。面白みの欠片もない」
僕が独り言を話していると、その家から人が出てくる。
貧相な身体をした、何の変哲もない村人。
"ソレ"が僕に話しかけてくる。
「坊主?俺の家に何かようなのかい」
「つまらないな、ホントに能力者の男なのか?」
僕は、聞こえない程度の声でつぶやく。
ココは一応聞いておくべきかもしれない。
「君が悪魔の実を食べた能力者なのかい?何の変哲もない君が」
「あぁ…って後半要らないよね坊主!?」
確定した、奴が能力者だ!
僕は、どうかしてしまったのかも知れない!
僕の頭に声が響く!手で"ソレ"に触れろと。
「うるさいな…」
「坊主?」
「煩わしい声だ。あぁ今触れてやるよ、触れればどうなるのかな、楽しみだ」
困惑する"ソレ"が差し出した右手に触れる。
僕の中に何かが流れて来る感覚を覚えた。
「フフフフフフフフ、フフフ」
直感で感じる。
目の前の"ソレ"の顔が恐怖に歪む、絶望の表情が
コレほど気分が紅葉するものとはね。
「何だよ、コイツ」
すぐに、体に流れこんだ物の認識が固まった。
馴染む。体に、感覚に、脳に。
「ヘビヘビの実か」
「は?何…だと、お前何なんだよ!」
「あまり叫ばないでもらいたいな。君の弱々しい声でも村の誰かに聞かれたら面倒だ。静かに、絶望しながら死んでくれ」
"ソレ"が手を前に出して能力を発動しようとするが、何も起こらない。
だから僕からその事実を教えてやることにした。
「君の中に能力はもう無いんだ。ヘビヘビの能力はもう僕の物さ」
「お前も能力者か!?何…何の能力なんだよ!」
「能力なのかな、すまない僕にも分からないんだ。ただね、僕以外に特別は要らないんだ」
僕はそう締めくくるとヘビヘビの力で手をヘビの形に変え"ソレ"の頭を噛みちぎる。
さて、気づかれる前に海にでも出てしまうか。
「まずは能力を集めよう。フフフフフフフフ、フフフアハハハハハハ!」
「コレが僕の物語だ!」