神様は配信者 作:上様
昔は良かった、なんて言葉は人が繰り返し言う悪い言葉だと思っていました。が、神も同じ様に思うのだと最近気づきました。何故なら、私がそうだったから。昔は良かった。人を呼ばなくても勝手に信仰が高く、少し手を仰げば風が止まり、雨が止みその逆も可能な程。何でも出来ると調子に乗っていました。
でも、たった数百年で人は変わったのです。
人は信仰を辞め、それどころか神を名乗ったり気軽に神っぽいとか神じゃんなど、若者を中心に言われているせいで軽んじられたせいで威厳も何もあった物ではありません、
そう、つまり人々の信仰心が失われたのです。毎年の神社参りも何千万人いる中で、真面目な神頼みをしているのは何人いるのか。そのせいで私の信仰力も弱まり……。
自分の食い扶持すら確保する事が難しくなりました。今は貯蓄を切り崩していく一方で、未来が心配です。このままで大丈夫なのかなって思うのです。
そんな私に下界からある噂が流れて来ました。それが、配信者と言う存在でした。配信者、彼らは動画や配信と言う物をして人気を取っているらしくそれでお金を稼いで生活をしてるそうです。それが賽銭等と言われてるらしいので、気になって私もやってみる事にしました。
貯めてた信仰心を使って、下界で流通している"すまほ"を取り寄せました。これで配信とやらが出来る筈です。……本当は神が下界に干渉するのは不味いのですが、直接じゃないですし。"ぶいちゅーばー"とか言う方達は色々な人がいるらしいので、そこに本物の神が混ざっても大丈夫でしょう。
『どうも、かm……名前考えて無かったですね、どうしましょう……。えー、カミサマ、マサミカ。ミカサマ……ミカ様で行きましょう』
名前を決まったし、名乗るとしますかね。
『初めましてミカです。神様やってます、あ。って言う設定ですよ?勿論、勿論』
なんとか誤魔化したのは良いけれど、何を話しましょうか。なんか皆さん簡単そうにしてましたけど、意外と難しいんですね。何話せば良いか全然分からないですし。そもそも、人と話した事があんまり無いんですよね私。
『うーん、そうですね。と言うか、誰も見てくれて無いですね。どうやったら見て貰えるんでしょうか?ね?私は誰に聞いてるんでしょう』
これは不味いのでは。一旦辞めて作戦を練り直しましょう。戦略的撤退です。
『誰も見てないみたいですし、今回はこれぐらいにしておきます。次の配信までには練習して来ます』
これかな?と感覚で終わらせて、これからを考える。
数年分の信仰心使っちゃいましたからねぇ。このまま赤字じゃ死にますね。取り敢えずもやしでも齧っておきますか。
『無味』
夕食のもやしを生齧りしながら、次の配信の事を考える事にした。
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