【カオ転三次】今更転生ごちゃまぜサマナー   作:ふーじん

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タイトルはFF14のIDっぽく。
あとグロ注意です。


16話:【堕天使園 トラピスチヌ修道院】

「なるほど、男子禁制ね」

 

 件の修道院に到着し、まずは正規の見学客として敷地内を見て回った結果、聖堂に人払いの結界が張られているのがわかった。

 それもただの人払いではなく、男性に限定された隔離結界。対象が絞られている分強度は高く、男が近付くことはまず不可能と見ていいレベルだ。

 霊視ニキが単独での制圧を断念したのも理解できる。霊視ニキなら容易く突破できる程度の強度だけど、突破した瞬間間違いなく全面的な抗争に発展しちゃうだろね。

 

「結界があること自体は別に不自然ではないけども」

「そうなの?」

「ある程度の歴史がある宗教施設ってのは、大なり小なり霊的防護が施されてるもんだよ」

 

 ここが女子修道院であることからしても、間違いが起きないように男避けの結界が張られていてもおかしくはない。

 ないけど、なんとなーくクロって感じはする。メシアンへの偏見じゃねと言われれば否定はできないけども。

 

「公開されてる区画はパッと見怪しいとこはないかな。マドレーヌんまい」

「こら、敷地内で食べ歩きしないの」

 

 ともあれ土産物には問題なし。最悪()()()が混入してる可能性も考えてたけどそれもない。

 さすがに公に開いてるだけあって、一般人が見て回れる場所に不審物は置いてないか。

 

「んぐ。やっぱり潜入しかないね」

「どのタイミングで行くの?」

「それも外で相談しましょ。一度出るよん」

 

 すれ違う修道女達に会釈されながら一度外に出る。

 資料館でのガイドや、庭園を整える彼女らは人当たりも良く、とても後ろ暗いことがあるようには見えない。

 とはいえそうした外面を駆使するのがメシアンでもあるからなー……ほんともうヤンナルネ。

 

「シオリっち、隠形符は?」

「予備も含めて中位が三枚、転移符一枚。事前準備通りよ」

「こっちもどーよー。物資は大丈夫そうね」

 

 シャトルバスに乗って二駅ほど離れた場所で降り、適当なモールで時間を潰しながら手札を確認していく。

 各種回復アイテムにデカジャ・デクンダの石と各属性の障石。特に回復アイテムは純正ヒーラーのいないあたしらにとっては重要だ。

 【トラエスト】の効果がある転移符が一番値が張ったけども、無駄な交戦を避けつつ調査を進めるには出費もしゃーなし。手当も出てるしね。

 

「そういえば隠形って飛丸のスキルじゃダメなの?」

「天使のホームへの潜入だからねー、悪魔由来の能力はメタ張られてる可能性があるよ」

 

 シオリっちを助けたときは、碌に防護もされてない木っ端拠点だったからね。

 でも修道院は霊地の上に建った立派な霊的拠点、有利は基本あちらのものと考えて準備はしといたほうがいい。

 

「んじゃ段取りを説明していくけど、スケジュール通りなら修道女は19:45には就寝するから、20時になったら透明化した上で飛丸に乗って修道院まで急行。隠形符で身を隠して敷地内を探索。基本的に交戦は避けること。OK?」

「不意に遭遇した場合は?」

「相手が未覚醒者なら無力化……っつっても隠形符が効いてるなら発覚の恐れはまずないよ。相手が悪魔(天使)だった場合も同様、レベル負けすることはまず無いから見破られる可能性は低い」

「その上で交戦が避けられない場合は?」

「即時確殺。いける?」

「問題ないわ」

 

 OK、ならあとは時間を待つだけやね。

 今のうちに腹ごしらえは……あんまお腹いっぱいにすると後が辛いかもなので腹五分目程度にしようね。

 

「どうして?」

「霊視ニキが言ってたっしょ? 碌なものがないって」

 

 吐くものはなるべく少ないほうがいいじゃんね。

 

 

 ◇

 

 

 決行の時間を迎え、飛丸に乗って現地まで急行したあたし達。

 昼間には無かった隠蔽結界が展開されていたが、それを【アナライズ】で突破した先に見たのは庭園を警邏する【エンジェル】の群れ。

 各所に配置された【アークエンジェル】の指揮のもと規則正しく巡回する天使達の様子は物々しく、間違ってもカタギのそれではない。

 

「門に入ってすぐのミカエル像が攻性バフ、その奥にあるマリア像が回復バフの広域結界を張ってんね」

「【アナライズ】してみたけど天使達のレベルも基準値から1~2程上がってるわ。数も含めればそれなり以上の脅威ね」

 

 通常のエンジェルが個体差はあれど概ねLv10前後、アークエンジェルがLv18だとすると全体効果としては結構な強化率やね。

 しかも見た感じレベルの水増し(MAG太り)じゃなく、しっかり追加スキルも覚えてるっぽいから割とシャレにならんなこれ。

 

 まぁあたしらからすれば雑魚なんだけど。少なくともこいつらに見破られる恐れはない。

 ただ現地組織視点だと伏魔殿ってレベルじゃないから、ここが重要拠点である可能性はほぼ確定と見ていいかな。

 

「ただこれ思ってたより戦力あんね……ひょっとしたら異界抱え込んでやがるかも」

「だとすると証拠や資料もその中かしらね。それに攫われた民間人も……」

「なるべく善処はするよ、今はそれだけ」

「……ええ、ごめんなさい。目的を達成するのが最優先よね」

「んじゃ、いくよ」

 

 飛丸を封魔管に戻し、隠形符を起動して敷地に乗り込んだ。

 絶えず霊視と目視で罠を確認しながら庭園を進む。

 天使の目はこちらの姿を認識できず、真面目くさった顔のまま近くを通り過ぎていく。

 目指すは聖堂……は入会者の門がアークエンジェルで固められてるか。塀を飛び越えてもいいけど聖堂前も同様と。となると隣接する司祭館からかな。

 扉には鍵……あたりを見渡すが、上階の窓から忍び込めそうか。先に確認するが中に人の気配は無い。

 シオリっちを抱えて窓際に飛び、静かにガラスを破って鍵を開けた。

 

『手早く漁るよ』

『了解』

 

 念話で合図を送りながら、司祭館の資料を漁る。

 が、こちらにオカルト関連の物品は無く、指導用の聖書や神話関連の書物ばかり。

 

『お、民数記発見。ラッキー』

『それは?』

『ベルフェゴールに渡すといろんな便宜を図ってくれる*1んよ、会ったことない?』

『多分……? 挨拶したほうがいいかしら』

『いやぁ相手悪魔なんでビジネスライクでいいんじゃない?』

 

 思いがけずボーナスアイテムが手に入ったけど、それ以外は特に無し。

 やっぱ表向きの施設には無さそうか。天使の警備も薄いしね。

 庭園に比べて司祭館を巡回してるのはエンジェルが一体だけ。施設内まで侵入されることはあまり想定していないのか随分と手薄だ。

 まぁ表であんだけ重警備してりゃ、普通は侵入者なんてすぐお縄だもんね。生憎あたしらは普通じゃないってことで。

 

『こっちはもう用済み、聖堂にいくよ』

『わかったわ』

 

 隠形符の効果はまだ十分に残ってる。干渉も無し。

 そのまま屋内を進んで聖堂に向かうが……。

 

『エンジェルを発見。聖堂に続く道は流石に警備が厳重ね』

『聖堂への扉前と司祭館の巡回にエンジェルが一体ずつか……仕留めるしかないかな』

『同時に殺るわ。巡回は私が』

『おっけー、んじゃこっちは私が。合図いくよー……3、2、』

 

 1、と同時に【ムドオン】。アンブッシュで放たれた呪詛にエンジェルは反応する間もなく崩れ去る。やっぱり天使相手だと呪殺が効果覿面やね。

 人形越しに見ていたシオリっちの方も、一撃で首を落として仕留めていた。完璧やね。

 

『バレてはいないけど兵力を削った。こっから先は露見する可能性を踏まえていくよ』

『了解。やりやすくなったと思いましょう』

 

 いいね、ポジティブシンキング。シオリっちも頼もしくなったもんだ。

 さておき聖堂への道は開けたので油断せず進む。

 扉を潜る前に製造部謹製透視メガネをかけ、扉向こうの様子を確認。

 聖堂内に敵影は無し……あくまで侵入を阻むための配置みたいやね。

 

『聖堂は重点的に洗うよ』

『わかったわ、進みましょう』

 

 念話で合図して聖堂の中へ。

 キリスト教らしい純白にして荘厳な佇まいの中を隈なく探索し、違和を察知。

 【斥候人形(スカウトドール)】が示す先を検めてみれば、聖堂奥の祭壇に隠し階段を発見。

 物理的手段に依らない悪魔技術により隠蔽された階段は、先の見えない地下深くへと続いている。

 

『中層より杜撰じゃんね。つか修行場異界が難易度高いのか』

『中層になるとこういうギミックがあるの?』

『そだよ、中層からはトラップギミックも出てくる。こういう隠し通路を見つけられなかったら延々堂々巡りしたりね』

 

 とはいえそれすらもまだチュートリアルらしいけど。

 下層以降は対策できなければ死ねが基本のギミックが満載で、その上で強力な悪魔がわらわら出てくるらしいからね。

 基本的に死んで覚えるものらしい。ダクソかな?

 

『他にめぼしいものは無し。命子は?』

『こちらも同じく。……んじゃいくか、覚悟は?』

『とっくに』

『おっけ、進むよ』

 

 隠し階段は長い螺旋を描いて直下に伸びていた。

 数分程を暗がりの中降りていくと、不意に霊感を刺激する変化があった。

 

『ビンゴ。ここを境に異界化してんね』

『ということはやっぱり地上はダミー……』

『本命はこの先ってこと。気を引き締めていくよー』

 

 異界化の兆候を察知した地点から更に下る。

 長い長いトンネルを潜り抜けるような心地の後、前方に見えた光を潜り抜けた先は――

 

『――なるほど、天使園ね』

『綺麗……だけど、なんだか胸騒ぎがする……』

 

 抜けるような青空、一面に広がる色とりどりの花々。

 広大な庭園の一角にまとまって聳える白亜の宿舎の上空を、数多の天使が自由に舞い唄う。

 ――けれどそれら楽園の如き絶景に揺蕩う無念のMAGが、それら清浄が全くの偽りであることを示していた。

 

『シオリっち……?』

『――ごめんなさい、大丈夫よ』

 

 欺瞞の園を眺めていると、隣でシオリっちが目頭を押さえて泣いていた。

 死者の声が聞こえるあたしのように、邪視に長けるシオリっちにも()()が視えていたのだろうか。

 

『ほんとに? 無理してない?』

『違う、無理してるんじゃないの。ただ……無性に哀しくて――』

『ふぅん……なら今はその言葉信じとくよ。ただ、覚悟はもう一度決めときなー』

 

 自分(テメェ)のモツ見るよりキツイぜ? ()()()()()()ってのはね。

 

 

 ◇

 

 

 ――果たしてその危惧は的中していた。

 庭園を舞う天使を躱しつつ、遠くに見える白亜の宿舎に潜り込んだあたし達が見たのは。

 

「――613番、破水確認。分娩開始」

「男児は加工工程へ。女児は霊質調査の後――」

「587番が御子をお産みになりました。しかしながら母体の衰弱が止まらず――」

「直ちに回復措置を。延命したなら聖母室への移送を――」

 

 畜舎のように区切られた鉄格子の中で、鎖に繋がれ分娩台に乗せられた女達。

 その女達を犯して精を放つ天使の集団。

 それらの経過を観察し、産まれた赤子を篩分けいずこかへと運んでいく修道女の一団。

 

 淫蕩に耽っているわけではない。彼らの様子は至極冷静そのもの。

 女達を犯す天使すら見た目には法悦に震える様子も無く、とことん機械的に交合し、ただ種を植え付けていく。

 まるで家畜の交配だ。交わされる言葉の不穏さを抜きにすれば、家畜を人間に置き換えただけのようにも見える。

 けれど、ただ置き換えただけとは割り切れない光景がその先にあった。

 

『――ッ、……!!』

『……ケッ、ソイレントシステムかっての』

 

 男児を乱雑に乗せた台車が向かった先を形容するなら、食肉加工工場と言うべきか。

 そこに控えていた修道女とは別のゴムエプロンを掛けた信徒達が、台に積まれた男児(赤子)を加工し――いや、これ以上はいいか。

 

 シオリっちは吐き戻しそうになるのを必死に手で押さえながら、声ならぬ声で悲鳴を上げていた。

 瓶詰めされてベルトコンベアに乗せられていく()()()()()()を視線で追って、止め処なく涙を溢し続けている。

 

『シオリっち、いくよ』

『でも、でもっ……!』

『資料を押さえるのが先。――ブッ殺すのはそれからじゃんね』

 

 惨劇から目を離せないシオリっちを無理矢理引き連れて、その他の施設も確認していく。

 いずれも同様のけったくそ悪い光景が繰り広げられ、さすがの命子さんもげんなりしながら確認していくと、一際豪奢が目立つ施設に辿り着いた。

 

『聖母室、ね』

『み、御子……を、産んだ、じょ、女性が……』

『落ち着きな……っつっても無理か。無理して話さなくてもいいから、とにかくあたしから離れないで』

 

 他の施設よりも数回りは大きい聖母室を見上げてから中に入る。

 どういうわけか鍵も見張りも無く、侵入を阻む罠の類も仕掛けられていない。

 ただ心穏やかに安らげるように――そんな気遣いすら感じられる程に清掃が行き届いた居住空間だった。

 

 施設内は広大な間取りを幾つかの部屋で区切られ、その幾つかに番号が割り当てられている。

 番号の割り当てられている部屋には何らかの気配があり、おそらくはここに該当するナンバーの母体が収められているのだろう。

 透視して確認したが、ヴェールの奥に浮かぶ影は身じろぎもせず沈黙を保っている。時折溢れる苦悶の声が、それが生きていることを証明していた。

 

 そうして聖母室を検めながら進んでいくと、最奥に一際大きな部屋が設けられているのが見えた。

 割り当てられた番号はこれまでに見たどのナンバーよりも若い。それが意味することを朧気に察しながらもその扉を潜り抜ける。やはり罠は無い。

 内装はやはり他の部屋と同じ。少しの広間と、一段上がってヴェールに区切られた奥の空間。

 その向こうに浮かぶ影は、他の聖母とやらに比べひどく()()で、そして(いびつ)だった。

 

〝――御子、は、まだ、産まれて、ない、わ〟

 

 その影が隠形しているはずのあたし達に向けて声を投げかける。

 咄嗟に戦闘態勢を――シオリっちの反応が鈍い。流石にメンタルが限界か――取るも、それに敵意も戦意も無かった。

 ただ声をかけた相手が普段と違うことに気付いたのか、不思議がるような気配を見せて……影をこちらに近付けてくる。

 

〝あの、異端者、どもでは、ない……の?〟

「……生憎ですが、メシア教なんつークソカルトに傾倒した覚えはないですねぇ」

 

 そう答えると影は、少し間を置いたあと可笑しそうにクツクツと……喘鳴のような笑声を漏らした。

 しかし異端者……異端者か。その口振りってことは、アンタ……。

 

「かくいうそちらもメシア教徒ではない?」

〝メシア、教、なんていう、クソカルト、に、傾倒、した、覚えは、ない、わ……〟

 

 ツボに刺さったのか、喘鳴混じりに途絶え途絶えで答える影。

 おいおいおい……まさか正気を保ったままの被害者かよ。それも見るからに……随分と()()()()やがるのに?

 だとしたらなんつーメンタルしてんだよ……!

 

〝それで、お客、様 ? 貴方達は、一体、どこ、の、どちら、さま、かしら〟

「ガ……ガイア連合の者です!」

 

 影の誰何にあたしが制止するよりも早くシオリっちが答えてしまった。

 おいおいシオリっち、迂闊に身元を明かすのは得策とは言えねーぜ? まだ相手が何者なのかもわかっちゃいねーのにさ。

 とはいえいい加減メンタルが限界に近付いていたシオリっちにとっては、まともに会話ができるという点でハードルが下がっちゃったんだろう。

 全く甘ちゃんだぜ……その素直さは美徳だけど、こりゃシオリっちに悪魔との交渉は任せられんね。でもまいっか、そこを補うのがあたしの役目よ。

 

〝ガイ、ア……?〟

「へいへい、相方が先に言っちゃったので白状しますが、あたしらはガイア連合から派遣された調査員でしてね。諸々の捜査の結果ここがクサいと判明したんで家宅捜査させていただいてますよぉ」

〝――ガイ、ア ガイア…… ガイア ! クッ、ウ、フフ……ア、ハハ、ハ ! そう、ガイア!〟

「なんかめっちゃウケてんですけど。あとシオリっち、ペナルティ1点ね」

「ご、ごめんなさい……」

 

 何がそんなにおかしいのか、巨体をのたうって笑う影。

 揺れるヴェールの隙間からちらりと見えた姿は――

 

〝そ、っかぁ…… ()()()()、ガイアァ…… ()()()()、いた、のね…… なら、もう、終われる、かし、ら……〟

 

 ――なに?

 

()()()()()()…… ()()()()()()、ね…… なら、貴方達、が――私を、()()()()()()()()、の、かしら――?〟

「アンタ、まさか――」

 

 

『――困りますねぇ。神聖なる寝所で騒ぎ立てるなど』

 

 

 チッ……思わぬ展開で時間を食いすぎたか!

 背後から声が聞こえた瞬間、振り向きざまに【アナライズ】―ジャミングか、クソが―即座に念話を飛ばして。

 

『シオリっち、耐性不明。ノックよろ!』

『え、えぇ……っ!!』

 

 識別名【天使 プリンシパリティ】に属性をバラけさせて攻撃を放つが――

 

『無駄ですよ』

 

 ――謎の力場に阻まれて霧散する。

 あぁん、何らかのギミックか? 流石に相手のホームってことか。

 

『神の愛満ちるこの聖域において、慮外者の力など通用しません』

「仕掛け頼りの格下が囀るじゃねーの」

 

 たかだかLv28のくせによ。

 とはいえ初見ギミックともなればちとしんどいのは確かか……続々と配下の天使も集まってきてやがるし。

 大半は下っ端のエンジェルに……小隊長のアークエンジェル。……チッ、メシアン共もか。

 

 あたしはともかくシオリっちがマズイな。

 天使を仕留めるならともかく、人間相手にはまだ処女でしょ。

 ただでさえメンタルが参り気味なところに人殺しは荷が重いか。生来のいい子ちゃんがこのときばかりは仇やね!

 

『確かに……人の子にしては目を見張る程の霊格だ。さすが名にし負うガイア連合の一員と言うべきですか。我らが同志の【パワー】を降しただけのことはありますね、人形遣い』

「やっぱりアイツの仲間かよ。天使が人攫いたぁ神も草葉の陰で泣いてんぜ」

『保護と言っていただきたい。我らが安息の園で心安らかにお寛ぎいただいてるだけですよ』

 

 くっちゃべってる合間に他の天使へ攻撃(【ムド】)。――こっちはちゃんと通るか。

 てことは謎の障壁で護られているのは、推定首魁のプリンシパリティ単体。

 となるとギミックの解除が優先か。

 

『貴方がたも優れた母体になり得る。業腹ですが連合の者達はとかく霊質に限り我が信徒達を凌駕するとの噂ですからね、我らの手で保護して差し上げよう。が――』

 

 そう考えていたところ、プリンシパリティが杖を振るうと大気中のMAGが変質する。

 異界法則(ルール)! そこまで強固に構築され――いや、マズイ!

 

 

『――まずは頭を垂れなさい。それが神聖なる我らに対する礼儀です』

 

 

 ――発動と同時、あたしの全身から途方もなく力が抜けた。

*1
『【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』より。神話改編のため悪魔としてのベルフェゴールが記述された書物を渡すといろんなボーナスがある

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