お気に入りの数が1000を超えてて驚きです。目指せ2000超え。
おかげさまでランキングにも乗ることが出来ました。
モチベーション爆アゲです。
※今回は原作の話を盛りますし、オリジナルの敵が出ます。
今日一日、黒咲芽亜に不審な動きは見られなかった。
クラスメイト達と普通に会話し、結城リトへの接触も特に無し……。強いて言えば、授業中居眠りをしていたハイジに、ちょっかいを出していたぐらいだろう。
そんなハイジは図書委員会の仕事があるからと、終礼が終わるや否や、教室を飛び出していった。今朝より顔色が良くなって何よりだとは思う。テンションもちょっとだけ高かった。VBは内心呆れていた事だろう。私もです。
帰り支度を済ませて学校を出た私は、ある場所へと向かった。
そこは、ランドセルを背負った子供達が大勢いる場所。彩南第一小学校だ。その付近で、下校中である小学生達の視線を感じながら待っていると、目的の少女が校門から出てきた。
少女――結城美柑が、私を見つけて驚いた表情をする。
「あれ? ヤミさんだ! わー、こんな所でどうしたの? あ、彩南の制服だ! リトから転入したって聞いてたけど、すごく似合ってるよ! カッコいーー!!」
「あ、ありがとうございます」
「ハイジさん何か言ってた?」
「…………は、ハイジも、似合ってると言って……くれました」
「へ〜〜〜」
ニヤニヤする美柑。私は恥ずかしくなって、こほんと咳払い。避けるように話題を変える。
「……美柑、もし良かったらですが、一緒に、たいやきでも……食べに行きませんか……?」
「うん!」
……さみしい気持ちになると、美柑に会いたくなる。いつからかそうなっていた。心も安らいでいく……。
いつもの露店でたいやきを購入し、近くのベンチに腰掛けて美柑とお喋りをする。内容はごくありふれた世間話。今回は彩南高校に転入した感想を訊かれた。
ハイジが飽きもせずカロリーメートを食べている事を伝えたら、美柑は呆れた様子で、「次会った時はお説教だよ!」と言っていた。……ごめんなさい、ハイジ。どうやら近いうち、あなたに美柑のカミナリが落ちるようです。擁護はしません。耐えてください。
「――……それでね、最近モモさんがリトにべたべたし過ぎって言うか……なんて言うか……。とにかくリトと距離が近いんだよね。前はそうでもなかったのに……」
「プリンセス・モモが?」
「うん。あの人、何考えてるか分からないんだよねー。裏がありそう……」
それは確かに……。
美柑の言うとおり、最近、プリンセス・モモが結城リトと一緒に行動しているのをよく見かける。私に話しかけて来るのも増えた気がする。まあおそらく、黒咲芽亜の
「あ……ごめんね、グチ聞いてもらっちゃって」
「いえ……」
「……。ねぇヤミさん」
美柑がどんぐりのような瞳で私を覗き込んだ。
「もしかして……元気なかったりする?」
「え……。そ、そんな事ないですよ」
「そうかなぁ……」
心臓が跳ね、咄嗟に美柑から視線を逸らしてしまった。
……ハイジの時もそうだったけど、何故分かるんだろう。
「あ、そうだ! すっかり忘れてた」
そう言って美柑がランドセルの中を漁り始め、小さな物を取り出した。これは……
「小さな……たいやき……?」
「そう! たいやきのキーホルダー! 買い物してる時に見つけてさ、ヤミさんにピッタリだなと思ってつい買っちゃた。ほら、結構デキいいでしょ!」
「ええ、可愛らしいですね」
「でしょ? 私も買ったからおそろいだよ」
美柑とおそろい……。素晴らしい響きですね。
私はたいやきのキーホルダーを優しく抱きしめ、お礼を言う。
「ありがとう……、美柑……。大事にします」
「どういたしまして♪」
――気づけば空はすっかり暗くなっていて、楽しい時間が終わってしまった。美柑と別れた私は、名残惜しい気持ちを抱えながら帰路に着く。
スカートのポケットからたいやきのキーホルダーを取り出す。美柑とおそろい。やっぱり最高の響きだ。ハイジに自慢しよう。これでもかとしてやろう。
「あれっ、もしかしてヤミか?」
「!」
名前を呼ばれて後方を振り返る。するとそこには、ラフな格好をした地球人の男――結城リトがいた。
「結城リト……どうしてこんなところに?」
「ああ、オヤジに画材の買い出し頼まれて、その帰りだよ。ほら、オレのオヤジ漫画家だから。……ヤミは何してたんだ?」
「私は……美柑と会って、色々おしゃべりしました」
「へぇ、美柑と?」
「はい……楽しかったです」
「そっか、そりゃ良かった! ありがとなヤミ」
そう言って、結城リトが顔を綻ばせる。
「? どうしてあなたがお礼を言うんですか」
「美柑の相手してくれたんだろ? 普段はしっかりしてるけど、ああ見えて根はさみしがり屋たがらな、あいつは」
結城リト曰く、美柑にはたくさんの友達が学校にいて、歳の割にしっかりしているから周りに頼られているという。そして、いつも無自覚に気を張っているとも。だからなのか、遠慮なく甘えられる歳上の私が、彼女にとって姉のような貴重な存在らしい。
――その言葉に、一瞬、黒咲芽亜の顔が脳裏にチラついた。
「…………」
「ん? どうした? ヤミ……って、もしかしてオレっ、何かマズイ事言ったか!?」
「……いえ、別に」
わたわたと狼狽える結城リトを見て、私は少しため息を吐いた。そんなに怯えなくても……。手を出すほど短慮じゃないです。まあ、この男が私にえっちぃ事したら殴りますが。
……美柑に会うと温かい気持ちなる。それはハイジや学校の皆とも同じだ。
でも最近、心の中で、このままでは駄目だと“今”を拒んでいる自分がいる。
――私は金色の闇。
そんな私は、自分自身の幸福を願ってはいけない。幸せな私の姿が想像出来ない――
『ヤミさんの過去とか、素性とか、まだ全然知らねェけど! 僕は、たいやきと本が好きな普通の女の子だって思ってるよッ!!』
ふと、あの日のハイジの叫びを思い出した。そして優しく握ってくた手の感触も。…………まただ。また心臓が五月蝿い。この胸のドキドキは一体何なんだろう……。
「お、おい、どうしたんだよヤミ。顔が赤いぞ?」
「え……?」
私は、近くにあったカーブミラーを視界に入れる。
そこには確かに、結城リトの言う通り、顔の赤い私の姿が映っていた。
「もしかして体調でも悪いのか?」
「うるさいです。こっち見ないでください。殺しますよ」
「えぇ!?」
赤い顔を見られたくなくて、つい少しばかりの殺気を放ってしまった。……不覚。恥ずかしいところを結城リトに見られるなんて……。これも全部ハイジのせいだ。明日、朝イチに懲らしめてあげます。また追いかけっこですね。
「じ、じゃあ、オレ帰るから」
「土にですか?」
「家にだよ!!」
てっきり還るほうかと――私は結城リトの胸ぐらを掴んで後方へ跳躍。私達が立っていた場所に、標識や原付バイクなどの物が飛んできた。明らかに殺意が込められた攻撃だ。
「なっ、何だ!?」
「……これはまさか」
不気味に嘲笑う声が聞こえた。
殺気を感じた方向を見ると、褐色の肌をした女が二階建ての家の屋根に立っていた。手には鞭が握られている。
「あなたは……“暴虐のアゼンダ”」
「おやおや、あたしの事覚えてくれていたのかい? 嬉しいねェ……。てっきりあたしの存在なんて、とっくの昔に忘れているものだと思っていたよ。それに……腑抜けても、この程度の攻撃なら躱すのも容易いか。ねぇ? 金色の闇……!」
鞭を叩きつけるアゼンダ。
状況に混乱する結城リトが聞いてくる。
「ヤミ……あいつは一体……」
「私が以前倒した殺し屋です。見てのとおり鞭と
「念動波……って念力の事か? よくお静ちゃんが使ってるあの……」
「はい。ですが村雨静ほど強力ではありません。アゼンダの戦闘方は鞭での攻撃がメイン。念動波はオマケみたいなモノです。多少厄介なだけで、
初めて戦った時もそうだった。念動波で物を飛ばし、空いた隙を突くように鞭で攻撃。私はその全てを変身能力で斬り伏せたのだ。
でもまさかここまで追って来るとは……。それにアゼンダの余裕そうな表情も気になる。兎に角早く片付けましょう。
「結城リト、下がっていてください。邪魔です」
「あ、ああ分かった……」
「邪魔です」
「念を押すな!」
だって本当に邪魔ですし。
戦闘態勢に入った私を見てか、「くくく」とアゼンダが不気味に笑った。
「どうやら随分と甘く見られているようだねぇ。金色の闇にやられて引きこもっているほど、あたしは馬鹿じゃない。この日のために念動波の精度を高めて来たのさ。――そして、あんたが嫌がる事も考えた」
「? 何を言って――」
絶句した。
全身から血の気が引いていくのを感じる。
な、なんで彼女が…………っ。
アゼンダが指を鳴らして空中に現れた人影は、帰ったはずの私の大事な友達――虚ろな目をした美柑だった。
その光景に呆然としか出来ない私と結城リトに、アゼンダが自慢げに説明する。
「警戒心の薄い地球人なら、このとおり
◆ ◇ ◆
「やめろーーッ!!!!」
夜の公園に、結城リトの悲痛な叫びが響き渡る。
私は操られた美柑の攻撃を躱しながら、この最悪な状況の打開策を考える。
今の美柑の動きは、常人のソレではない。アゼンダの念動波によって、無理矢理身体能力を上げられているのだ。
だから全ての攻撃が鋭い。早く止めないと美柑の身体が壊れてしまう……!
「あははは!! 金色の闇というものがありながら防戦一方じゃないか!! 憐れだねェ!!」
アゼンダが嘲笑う。
美柑を止めるためには、やっぱりアゼンダを狙う必要がある。何かしらの衝撃を与えて集中力を乱させれば……!
美柑の回し蹴りを避けて距離を離す。そして間髪入れず、
「は! そう来ると思っていたよ! だが、甘いねェ!!」
「!?」
アゼンダを守る盾のように、美柑が私の前に立ち塞がった。
私は寸前で攻撃を止めて歯噛み。
大きな隙を与えてしまった。
「ははァ! 何手ェ止めてんだ――金色の闇ッ!!」
「ッ!!」
「あ――」
その時、破れたスカートのポケットからたいやきのキーホルダーが放り出された。私は咄嗟に手を伸ばす。――しかし届く寸前でまた鞭攻撃を喰らう。今度は激しく制服が破け、胸が露になってしまった。
「ヤミ!!」
結城リトの声。見やると、結城リトは後ろから美柑の両腕を掴んでいた。
「オレが抑えるから! 今のうちに早くそいつを――」
「おやおや。健気じゃないか、地球の坊や。でもね、そんな事しても無駄だよ」
美柑が結城リトの拘束を素早く外す。そして身体を上下反対させ、両太腿で結城リトの顔を挟むと、そのまま地面に叩きつけた。
「くくく……。随分とあの娘と仲良くやってるみたいじゃないか。初めて見た時は趣味の悪い夢でも見せられているかと思ったぐらい驚いたよ……。昔戦った時と今のアンタは全くの別人。“金色の闇”は、感情の無い殺戮兵器のはずだろ? それがこんな辺境な
「……っ。私と美柑は、ごっこなんかじゃ……」
「まァ、おかげさまでたっぷりとあの時の屈辱を晴らせれるってワケだが……。知らないだろうけど、アンタにやられたあたしは、殺し屋としての全てを失ったんだ。信用も名も。今日までずっと、地獄の中でもがいてる最悪な気分だったよ。……だから、ただブッ殺すだげじゃ、あたしの気は収まらない。あたしと同じ地獄を味わってから死んでもらうよ!!」
「アゼンダ……!」
「見せてもらおうじゃないか!! 金色の闇の泣きっ面を!! 惨めで無様にへたり込んで、アゼンダ様に命乞いをする様をねェ!!」
怒りのままに地面を蹴った私は、
横から現れた美柑に気づかず、服を掴まれ、腹部に膝蹴りを喰らう。ミシミシとイヤな音がした。
「かは……っ」
「ハハハ、馬鹿の一つ覚えだねェ。だがよく我慢した! 本来のアンタなら、攻撃を喰らう前にその娘を斬り殺す事が出来ただろう? なのにそれをしないなんて……そんなにオトモダチってのが大事なワケだ!!」
「!?」
アゼンダが振るった鞭の方向に美柑がいる。ここで避けてしまえば美柑を傷つけてしまう!
私は美柑の前に立ち、鞭の連打攻撃を受ける。――背中に強い衝撃。美柑が背後から組んた両手を振り下ろしてきたのだ。
――こんな事になって、ごめんなさい美柑……。あなたを巻き込んでしまったのは、私が弱いせいです。でも、あなただけは助ける……。結城リトも……。この身に代えて……絶対に。
――考えろ。
――――考えろ。
――――――考えろ。
――――――――考え…………
「くく、無様だねぇ……金色の闇。本当にいい気味だ。大事な大事なオトモダチに弄ばれる気分はどうだい? 最高だろ?」
アゼンダの鞭と操られた美柑の攻撃によって、私の身体はもうボロボロになっていた。息も絶え絶えで、
耐えている間ずっと最善を模索していた。でも結局、どんなに考えても、見つからなかった。美柑を無傷のまま、アゼンダを打破する術を……――
「随分と楽しんでいるようじゃあないか、暴虐のアゼンダ。是非、我々も混ぜてくれたまえ」
複数の足音ともに暗闇の奥からスーツ姿の男達が現れた。
真ん中の……あの帽子を被った四つ目の大男には見覚えがある。確か、人身売買を生業とする宇宙マフィア、マダクアファミリーのボス――スカム・マダクアだ。昔仕事で壊滅させたはずの組織がなんでこんな所に……!
……考えたくはないけれど、思いつくのはアゼンダと同じ、私への復讐。そうだとしてもタイミングが最悪だ……。数も多すぎる……!!
アゼンダが舌打ちをする。
「チッ……。思ったより来るのが早かったじゃないか、マダクアファミリー。もう少し遊ばせて欲しかったんだがね」
「ハハハ、それは悪い事をしたねぇ。だが、我々も貴様と同じで金色の闇と遊びたくて堪らないんだ。安心しろ、息の根を止める役は契約通り貴様がすればいい」
「勿論そのつもりだよ。ところで、あんた達はちゃんと自分の仕事をしてきたのかい? 例の地球人は居ないようだが……」
「ああ、あれか。そっちは一番下の部下にやらせてある。たかが地球人のガキ一匹を拉致するだけの簡単な仕事だ。今しがた連絡もあったしな。何も問題ない。そんな事より……」
スカム・マダクアが私をジロリと睨む。
「いやぁ……本当に会えて嬉しいよ、金色の闇。何とも滑稽で嬲り甲斐のある姿になったものだな。……思えば貴様には散々な目に遭わされたなぁ。覚えているか? 我がマダクアファミリーを壊滅させた挙句、闇オークションで売り飛ばすはずだった大事な商品共を全部逃がした事を……! ――まあ、今からその身体で支払って貰うがな。我々が満足するまで」
下衆な笑みを浮かべたスカム・マダクアとその部下達に、私は悪寒を感じた。
アゼンダが私を見下ろしながら吐き捨てる。
「言っただろう? たっぷり陵辱してやるってね。殺す前に女としての尊厳を穢してやるよ! そうだ、せっかくだしオトモダチとなんてどうだい。あんたも一緒に犯されて嬉しいだろう?」
「ッ!? や、やめてください……! 美柑は関係ない! だから彼女には手を出さないでください! あなた達の相手は私だけでしょ!?」
「ハハッ、健気で可愛いじゃないか。でも残念〜。あたし達はあんたが嫌がる事をとことんしたいのさ」
「くっ……!」
ずっと受けてきたダメージのせいで起き上がる事すらままならない。一刻も早く、美柑を助けて結城リトも連れてこの場から離れなければいけないのに……!
「おいアゼンダ。さっきから気になってたんだが……そこの地球人のガキ共は誰だ?」
「女の方は金色の闇の友達なんだとさ。男は見た感じだと知り合いらしい」
「はァ? 金色の闇に友達だと? おいおい、気色悪い冗談はよせ。こんな殺す事しか能がないヤツに友達なんて出来るわけないだろ? 今更兵器風情が人並みの幸せを願うとは、嗤わせてくれる。なあ、お前達もそう思うだろ? 嗤ってやれ、この勘違い馬鹿をな!!」
ゲラゲラゲラゲラ、と下衆な嗤い声が夜の公園を包み込む。
怒りと殺意が湧いてくる。けれど全身の痛みと美柑に押さえられて動けない。
私はただ、男たちの嗤い声を聞きながら堪える事しか出来なかった。……この最悪を打破する方法もまだ見つからない。
「さて、そろそろ始めようじゃないか、金色の闇の凌辱パーティーを! ああ、安心しなよ。たっぷり楽しんだ後は、オトモダチと一緒に仲良く天国に逝かせてやるから。――――昔あたしは、あんたの為に殺し屋としての地位と栄光を全て失った。そして闇の世界で迫害され、身も心も尊厳も……ズタボロにされちまったのさ」
アゼンダが私への恨みを吐き捨てるように続ける。
「だから今度はあんたのせいでその娘が死ぬ!! ホント酷い話だねェ、あんたと関わるヤツは皆揃って不幸になっちまうんだ!! おっと……あたし達を恨むんじゃないよ? それはお門違いだ。全部、何もかも、あんたが蒔いて来た種だからね。ちゃんと責任持って拾いな!!!!」
どす黒いアゼンダの復讐心と殺意が、私の心を貫く。
…………ああ、そうか。全部、何もかも、私が悪い。
何が守るだ。何も守れてない。私が迷って、心がフラフラしているから、こうなったんだ。
やっぱり黒咲芽亜の主の言ってた通り、殺戮以外に生きる価値が無いのかな。私がやってる事は、幼稚な遊びで、単なる仲良しごっこ――
「勝手な事言うな!!!!」
怒りに満ちた結城リトの声が響く。
ハッとさせられて結城リトを見やると、彼はよろめきながらも立ち上がり、アゼンダとマダクアファミリーを強く睨んでいた。
「何が関わってきたやつは皆不幸になるだ!! 少なくとも美柑やオレは不幸じゃない!! もちろんヤミもだ!! お前らみたいなクズと一緒にするなよ……!!!!」
「…………おい」
スカム・マダクアが部下に顎で指図を出す。すると、スカム・マダクアの横に控えていた複眼の男が、結城リトを力に任せて取り押さえた。そして、結城リトの前髪を掴み上げ、スカム・マダクアの方へ無理矢理顔を向けさせる。
「ぐ……ッ」
「地球人は脆弱な種族と聞いていたが、中々威勢がイイじゃないか。しかしまあ、我々に楯突く態度とその目は癪に障る。たが、先程の発言を泣いて詫びて撤回するのなら許してやるぞ」
「うるせェ!! クズにクズって言って何が悪いんだ!!」
「……もういい。今すぐ、両腕両脚折ってガキを黙らせろ。不愉快だ。そいつはバラバラにして売り飛ばす。――やれ」
「分かりました、ボス」
「ッッ!!」
命令を受け、結城リトを取り押さえていた複眼の男が、結城リトの右腕を掴んで――と、その時だった。
「ぐあッ!?」
複眼の男の手に何かが刺さった。
あれは……黒い薔薇? 一体何処から…………。
そんな考える間もなく上空から、桃色髪をした少女――モモ・ベリア・デビルークが、結城リトの隣に降り立った。
ご感想お待ちしております。