激痛が体中を駆け巡る。
んんん!?何が起こったの!?
あばばばばば!目の前は暗いし、体は動かないし、どういう状況なの!?
すぅー、はぁー。
一旦落ち着こう、そうしよう。
まずは、直前までの行動を思い出すことが大切じゃないかな。
私って何してたっけ?……ああ、古文の授業を受けてたんだった。
いや、激痛が出る要素どこよ。
古文の授業で激痛って、ツッコミ所満載だよ!
っていうか、私って今どういう状態なんだろう。
目の前は真っ暗、このままじゃ私の人生も真っ暗。
誘拐?でもわざわざ痛みを感じさせる必要ある?
あ、体はちょっと動く。
なんか堅いけどブニブニした感触。
ダンボール?にしては堅すぎるような。
あ、パキッって音した!
外だー!
目の前には大量の蜘蛛がいた。
ファッ!?
えっどういうこと。
蜘蛛!?え、デカくない?
というか現在進行形で卵から生まれてくる。
……ということはだよ。
まさか……。
私のいた場所を見ると、卵のようなものがあった。
……イヤ!まだ私がその中に入っていたという可能性が無きにしも非ず。
と思ったけど、さっきの私の動きで大体見当がついてる。
体を回転させないと後ろを向けなかったし、歩く時ワサワサいってたし。
うーん!やっぱ私、蜘蛛に転生したっぽい。
いやいや!認められるかー!
冷静になってきて、現実を認識してきた。
これさ、転生ってやつだよね。
どうして蜘蛛の魔物に転生したのかはこの際いいとして、問題は蜘蛛の大きさだよ。
これが普通の蜘蛛と同じならいいけど、周りを見渡した限り結構大きい。
いや、この洞窟的な場所が狭い可能性もある!
それにしても、暗闇に目がなれてきたとはいえ先が全然見えない。
おかげでどれだけここが広いのかわかんないよ。
《熟練度が一定に達しました。スキル「暗視LV1」を獲得しました》
お?
心なしか前が見えるようになった気がする。
ていうか、スキルなんてあるんだ……。
これはもう、異世界で確定かな。
鑑定とか欲しい、誰しもそう思うよね。
ということで鑑定頂戴!
《スキルポイントが不足しています》
うん、無理でした。
スキルポイントとやらが足りないらしい。
どうやって稼ぐの、それ。
あ、既に自分が持ってるスキルを消去してスキルポイントにするとか?
所謂スキルリセットってやつ。
暗視とか簡単に手に入ったし、できるのでは?
《現在所持スキルポイントは0です。
スキル「スキル消去」をスキルポイント0使用して取得可能です。
取得しますか?》
あるじゃんスキル消去。
私スキルポイント0だったんだ。悲し。
スキルポイント0で取得できる……けどなんか違う気がする。
とりあえずNOで。
勘だから意味ないかもしれないけど、スキル消去は役に立たなさそう。
魔物を倒せば経験値とか入るのかな?
このバカデカイ蜘蛛たちと戦えと?
無理無理、軽く一万は死ねる。
……ちょっとお腹減ったな。
再度周りを見回す。
蜘蛛が共食いし始めてた。
えぇぇぇ?頭おかしいんじゃないの?
お腹減ったのかな?なんて可哀想な我が兄弟。
私も食べようかな。
と呑気に考えていると、後ろから強烈な気配を感じた。
やばい。なにかわからないけど、やばい。
《熟練度が一定に達しました。スキル「恐怖耐性LV1」を獲得しました》
そこにいたのは、とてつもなく大きい蜘蛛だった。
それを見ると、もうなんというか恐怖しかわいてこない。
戦うとか、そんな次元じゃない。
隠れることしかできない。
いや待てよ?これは恐怖なのか?
なんか恐怖にしては楽観的なような……。
《熟練度が一定に達しました。スキル「隠密LV1」を獲得しました》
すぅー……怖い、怖い、怖い怖い怖い!
多分?
いや、言ってみただけだよ?
これなら恐怖かなーって。
《熟練度が一定に達しました。スキル「隠密LV7」が「隠密LV8」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「恐怖耐性LV9」が「恐怖耐性LV10」になりました》
《スキル「恐怖耐性LV10」が「恐怖大耐性LV1」になりました》
いつまで隠れていたのか、私が気付いた時には恐怖耐性が明らかな上位スキルになってた。
多分これのおかげで正気を取り戻せたんだと思う。
恐怖耐性すごいな。道理で恐怖を感じないと思った。
いや、恐怖自体は感じてたよ?
そうだよね?
とりあえず逃げる。こんなところにいられるか!って感じで走り出す。
もっとも、このセリフを言った人一番最初に死ぬんだけどね。
そんなことより、さっきからちょっと怠い。
無事に蜘蛛達から逃げ出せたから、細かいことはいいけど。
それにしても……ここからどうしよう?
まあでも、私はなーんにも感じてない。
恐怖も、絶望も、何も。
いやー、私ってメンタル強かったんだね!
あはは……。