姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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9 見渡す限りのモンキーパラダイス

蜘蛛子さんが眠そうにしている。

そろそろ限界かな?

私は睡眠耐性があるから問題ないけど、蜘蛛子さんはそんなことないからね。

このあたりでホームを作って休まないと……。

そんな蜘蛛子さんが選んだのは、上空。

いや、空は見えないから上空っていう表現が正しいのかはわかんない。

100メートルとかそんな感じの高さのあたりに巣を作ることにしたらしい。

まあ勿論白い塊なんて目立つし、いくら隠蔽のスキルで隠しても限度がある。

だから、岩を持ち上げて貼り付ける。

この岩がとんでもなく重い。

基礎攻撃能力が20未満な私は手伝うどころか足手まといになる。

だから蜘蛛子さんを応援するしかない訳だけど、岩を斬るくらいはできるよ。

斬糸のスキルレベルはそこそこあるし、これくらいならギーコギーコと斬れる。

そんなこんなあり、苦労してやった甲斐あってホームが完成した。

ささっと蜘蛛子さんは寝床を作って寝た。

うん、久しぶりに私も寝ようかな。

 

 

 

 

 

目が覚めた。

しっかり寝たとは言い難い。

睡眠耐性があるからそんなに長く寝なくても問題ないのだけれど。

……肌がピリつく。

なにか、よくないことが起きている気がする。

私は巣の外に出た。

特におかしなことは起きていない。

けれど、千里眼で周りを確認するとともに猿の大群に気がついた。

あれは確実にこちらを目指している。

このままでは蜘蛛子さんが殺されてしまう!

なんとかして蜘蛛子さんを守らなければ。

 

あの猿がここを目指しているということは、この岩が意味をなしていないということ。

ならばここに巣があるってことをバラしても問題はないはず。

岩が落ちないように糸で支えていく。

同時に、広範囲へ糸をばら撒いておく。

これで糸の壁が完成。

そして、一旦下に降りる。

ただただ硬い糸で岩っぽいものをそこらじゅうに作り、その糸岩と糸岩の間に斬糸を付与した糸を設置していく。

粘着性の糸も床に撒いておく。

その後は、この辺りにある岩が使われないように糸まみれにしていく。

これを持ち上げてあそこに投げたら、いくらマイホームとはいえ壊れちゃうよ。

ふぃ……疲れた。

特にお腹減った。

壁にいたタニシ虫を剥がして食べる。

ちょっとお腹痛いけど、これくらいなら許容範囲。

腐蝕耐性持ってるんだし、これくらいは耐えられてこそだからね。

さ、ホームに帰ろう。

 

次に目を覚ました時、蜘蛛子さんも一緒に目覚めた。

蜘蛛子さんは巣の外見て驚愕したみたいだ。

そりゃそうだよね、猿がいっぱいいるんだもの。

私は危機を感じる。

さあ、がんばって迎撃するよ!

 

『え、なにこれ。猿の死体と傷ついた猿と、糸に囚われた猿が死屍累々の光景を作り出してるんだけど』

 

あれ?

チラッと巣の外を見る。

そこには、斬糸で切り刻まれた猿や糸に囚われた猿、岩を持とうとして手が絡まった大猿、その猿や大猿の死体が大量にあるような阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

無傷の猿もまだまだ来るし、勝った訳ではない。

でもまさかこんなにヤバいことになるとは……。

そういえば、やってる内に斬糸のレベルが凄い上がったなぁ。

 

『……とりあえず、迎撃するよ』

 

その後、蜘蛛子さんと一緒に猿を迎撃する。

猿が仲間の死体を超えて登って来ようとするけど、私の斬糸に阻まれて上手く登れないようだ。

いやー、仲間の死体を乗り越えるなんて可愛いね!

 

《条件を満たしました。称号「無慈悲」を獲得しました》

《称号「無慈悲」の効果により、スキル「外道魔法LV1」「外道耐性LV1」を獲得しました》

《「外道魔法LV1」が「外道魔法LV1」に統合されました》

《「外道耐性LV1」が「外道無効」に統合されました》

 

《条件を満たしました。称号「狂気の主」を獲得しました》

《称号「狂気の主」の効果により、「怒LV1」「呪怨魔法LV1」を獲得しました》

 

なんか不本意な称号を入手しちゃった。

いやぁ、私ってそんなに無慈悲かな。

と、気を抜いていると――

 

『姫蜘蛛ちゃん!』

 

大猿がこちらにジャンプしてきていた。

いや、大丈夫。

私は蜘蛛の姫。

私の毒は、空気に触れなければ最高の威力を発揮する!

姫蜘蛛毒を合成する。

そして、大猿の口にポイ。

丹精込めて作ったから、受け取ってね♡

 

[うわ外道]

(さすが私)

【もっとやってやりなよ】

{姫蜘蛛毒ってすごいね}

 

大猿が苦しみ始める。

毒、麻痺、石化、気絶、昏睡、酸、呪い、封印、重、魅了、洗脳、催眠エトセトラ。

外道に腐蝕もあるよ。

いや、苦しみ始めるというか一瞬で塵になった。

魂と肉体が同時に。

いやぁ、外道と腐蝕ってすごいね。

塵を被りながら、そんなことを考える。

ふむ……この塵あんまり美味しくないね。

 

『えー……』

 

蜘蛛子さんがこちらを見ている。

私は褒めて褒めてオーラを出した。

 

『おー、うん。よくがんばった』

 

やったぁ!

これで頑張れる!

魔力を感知。

操作。

魔術を構築。

放つ!

 

増援の猿の大半が消し飛んだ。

 

はぇ?

私今何をした?

魔法を使ったよね、今。

いや、なんかもう使えないけど。

というか、MP0になってる。

あ、蜘蛛子さんも大猿を仕留めてる。

うーん、頭痛い。

 

その後はもう消化試合だった。

魔法が使えたのは、蜘蛛子さんパワーかな。

 

《条件を満たしました。称号「魔物の殺戮者」を獲得しました》

《称号「魔物の殺戮者」の効果により、スキル「剛力LV1」「堅牢LV1」を獲得しました》

《「強力LV1」が「剛力LV1」に統合されました》

《「堅固LV1」が「堅牢LV1」に統合されました》

 

猿を全員殺し終えて、私と蜘蛛子さんはハイタッチ?をした。

いや、全て足だからハイキックなのかな?

でもタッチって接触って意味だし、あながち間違ってはないのかな……。

いやぁ、倒せてよかったね。

役に立てて良かったよ。

あはは!

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