ナマズ、美味しかった。
蜘蛛子さんの糸の方が美味しいけど。
味覚強化はもうカンストしてるし、熟練度の旨味はなかった。
残念、これが味覚大強化とかだったのならまだ熟練度上げになったのに。
いや、蜘蛛子さんの糸を食べてるからどの未来にしろカンストしてるか。
結論、過食の足しにはなったかな。
鑑定で過食のプラス値が見えるようになったのは中々良かった。
精神担当が身を削って頑張った甲斐があったね。
外道無効があるからもう苦しい思いはしないぞ。
本当に並列意思のおかげで革命が起きた。
なにせ、このままでも並列思考はできるんだもの。
作業効率が単純に二倍になったからね。
あれ?並列意思って並列意思を発動できないのかな?
もう発動してるって言ったらそうだけど、発動したのは私。
皆私で私がいっぱいいるなら、まだ発動できるのでは?
魔法をスキル無しで発動できた経験があるんだから、できるんじゃない?
発動!
《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV4」が「並列意思LV5」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV5」が「並列意思LV6」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV6」が「並列意思LV7」になりました》
《――「並列意思LV10」になりました》
《ザザザ……ザザ……ザ……ザザ》
おお、なんかできた。
というか、これでも熟練度稼ぎになるのか。
私とこのレベルアップするやつが繋がってるってことかー。
うーん?あっちから干渉できるのに、私からは干渉できない。
いや、でもそれが支配者権限ってやつなのかな。
でもなー、繋がってるってことは、こっちからハッキングできてもおかしくない。
並列意思だれか一人行ってきてくれる?
『りょーかーい』
お、干渉を始めた。
どうだろう、なんかいい成果出せるかな。
へー、このシステムってやつ結構複雑なんだ。
んー、なんか私……というか私以外にも制限がかかっているような気がする。
この制限をとりあえず私だけでも取っ払って……。
よし、後はなんか名前が格好いいスキルとか作ってみよう。
《ザザ……ザ……スキル「多重意思LV1」……ザザザ……》
《熟練度……ザザザ……「多重魂魄」……獲得……》
《条件を満たしました。スキル「多重魂魄」を獲得しました》
なんか獲得できたっぽい。
鑑定不能だって。
まあそりゃそうか、ハッキングしたし。
効果は鑑定しなくてもわかるから大丈夫。
私を無制限に増やせるようになったってこと。
魂を無限に増やせるね。
………………あれ?
……タマシイが、無い?
いや、気のせいだね。
魂は、あるよ?
とにかく、このシステムとやらの繋がりがあれば、魂魄を送り込んで乗っ取ることもできちゃう。
そこにタツノオトシゴがいるし、やってみよう。
お、タツノオトシゴ死んだ。
でもHP0で生きてる。
やべー、これやべーわ。
《熟練度が一定に達しました。スキル「外道攻撃LV1」を獲得しました》
システムにそう認識されるくらいやべーわ。
あ、スキル一部コピーできた。
まだまだ完全じゃないけど、これ完成した暁にはスキルもステータスも奪えるってことになる。
しかもこれ一つの意志ごとに消去できるから、内側から乗っ取られる心配も無し。
全員蜘蛛子さんの役に立つことを望んでるし、何も異論は出ない。
私もそれくらいやっていい。
すべては蜘蛛子さんの為に。
「「「「「すべては蜘蛛子さんの為に!!!」」」」」
これ言ってみたかったんだよねー。
……意気込んだ矢先、ウナギっぽいやつが出てきた。
うわぁビックリした。
私は身を隠す。
まあ、蜘蛛子さんをすぐ助けられる位置にだけど。
私はスキルを奪えば成長できるけど、蜘蛛子さんはそんなことないし。
蜘蛛子さんを優先してレベル上げしないと。
見ていてヒヤヒヤさせられる。
……私の魂魄を蜘蛛子さんにつけて、HPが減った時の保険にしよう。
蜘蛛子さんガンバレー!
《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV7」が「奉呈LV8」になりました》
蜘蛛子さんとウナギが攻防を交わす。
ウナギが陸地に上がった。
どうやらMPが無くなったっぽい。
そこからの第二ラウンドは早かった。
蜘蛛子さんが毒をウナギに喰わせ、撃退した。
私も蜘蛛子さんもレベルアップ。
どうやら蜘蛛子さんはもう進化できるみたい。
早くない!?私なんてまだ29なのに。
まあいいや、私には多重魂魄があるし。
その内全てを喰らいつくすよ。
ウナギでシェルターを作るのを手伝って、蜘蛛子さんは寝た。
進化の眠りだね。
おやすみ、蜘蛛子さん。
私は……そうだなぁ……七体の魂魄を外に放とう。
このエルロー大迷宮から出てくれることを祈る。
私と離れるから魂経由の会話はできなくなっちゃうけど。
それじゃいってらっしゃい、私。