姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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11 夢を食べて希望を奪う慈悲は無い

ナマズ、美味しかった。

蜘蛛子さんの糸の方が美味しいけど。

味覚強化はもうカンストしてるし、熟練度の旨味はなかった。

残念、これが味覚大強化とかだったのならまだ熟練度上げになったのに。

いや、蜘蛛子さんの糸を食べてるからどの未来にしろカンストしてるか。

結論、過食の足しにはなったかな。

鑑定で過食のプラス値が見えるようになったのは中々良かった。

精神担当が身を削って頑張った甲斐があったね。

外道無効があるからもう苦しい思いはしないぞ。

本当に並列意思のおかげで革命が起きた。

なにせ、このままでも並列思考はできるんだもの。

作業効率が単純に二倍になったからね。

あれ?並列意思って並列意思を発動できないのかな?

もう発動してるって言ったらそうだけど、発動したのは私。

皆私で私がいっぱいいるなら、まだ発動できるのでは?

魔法をスキル無しで発動できた経験があるんだから、できるんじゃない?

発動!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV4」が「並列意思LV5」になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV5」が「並列意思LV6」になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「並列意思LV6」が「並列意思LV7」になりました》

 

《――「並列意思LV10」になりました》

《ザザザ……ザザ……ザ……ザザ》

 

おお、なんかできた。

というか、これでも熟練度稼ぎになるのか。

私とこのレベルアップするやつが繋がってるってことかー。

うーん?あっちから干渉できるのに、私からは干渉できない。

いや、でもそれが支配者権限ってやつなのかな。

でもなー、繋がってるってことは、こっちからハッキングできてもおかしくない。

並列意思だれか一人行ってきてくれる?

 

『りょーかーい』

 

お、干渉を始めた。

どうだろう、なんかいい成果出せるかな。

へー、このシステムってやつ結構複雑なんだ。

んー、なんか私……というか私以外にも制限がかかっているような気がする。

この制限をとりあえず私だけでも取っ払って……。

よし、後はなんか名前が格好いいスキルとか作ってみよう。

 

《ザザ……ザ……スキル「多重意思LV1」……ザザザ……》

《熟練度……ザザザ……「多重魂魄」……獲得……》

《条件を満たしました。スキル「多重魂魄」を獲得しました》

 

なんか獲得できたっぽい。

鑑定不能だって。

まあそりゃそうか、ハッキングしたし。

効果は鑑定しなくてもわかるから大丈夫。

私を無制限に増やせるようになったってこと。

魂を無限に増やせるね。

 

………………あれ?

……タマシイが、無い?

いや、気のせいだね。

魂は、あるよ?

 

とにかく、このシステムとやらの繋がりがあれば、魂魄を送り込んで乗っ取ることもできちゃう。

そこにタツノオトシゴがいるし、やってみよう。

お、タツノオトシゴ死んだ。

でもHP0で生きてる。

やべー、これやべーわ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「外道攻撃LV1」を獲得しました》

 

システムにそう認識されるくらいやべーわ。

あ、スキル一部コピーできた。

まだまだ完全じゃないけど、これ完成した暁にはスキルもステータスも奪えるってことになる。

しかもこれ一つの意志ごとに消去できるから、内側から乗っ取られる心配も無し。

全員蜘蛛子さんの役に立つことを望んでるし、何も異論は出ない。

私もそれくらいやっていい。

すべては蜘蛛子さんの為に。

 

「「「「「すべては蜘蛛子さんの為に!!!」」」」」

 

これ言ってみたかったんだよねー。

……意気込んだ矢先、ウナギっぽいやつが出てきた。

うわぁビックリした。

私は身を隠す。

まあ、蜘蛛子さんをすぐ助けられる位置にだけど。

私はスキルを奪えば成長できるけど、蜘蛛子さんはそんなことないし。

蜘蛛子さんを優先してレベル上げしないと。

見ていてヒヤヒヤさせられる。

……私の魂魄を蜘蛛子さんにつけて、HPが減った時の保険にしよう。

蜘蛛子さんガンバレー!

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV7」が「奉呈LV8」になりました》

 

蜘蛛子さんとウナギが攻防を交わす。

ウナギが陸地に上がった。

どうやらMPが無くなったっぽい。

そこからの第二ラウンドは早かった。

蜘蛛子さんが毒をウナギに喰わせ、撃退した。

私も蜘蛛子さんもレベルアップ。

どうやら蜘蛛子さんはもう進化できるみたい。

早くない!?私なんてまだ29なのに。

まあいいや、私には多重魂魄があるし。

その内全てを喰らいつくすよ。

ウナギでシェルターを作るのを手伝って、蜘蛛子さんは寝た。

進化の眠りだね。

おやすみ、蜘蛛子さん。

私は……そうだなぁ……七体の魂魄を外に放とう。

このエルロー大迷宮から出てくれることを祈る。

私と離れるから魂経由の会話はできなくなっちゃうけど。

それじゃいってらっしゃい、私。

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