食べる。
食べる。
食べる。
苦い。とても苦い。
苦くて、少しだけ甘くて、そして――
結論、まぁぁぁぁっっっずぅぅぅい!!!
なんだよ苦くて甘いって!
不味い、これは不味いよ畜生!
蜘蛛子さんは感傷に浸ってるけど、私はもうなんかとにかく不味い。
うーん、そういう感傷に浸るってどうやるの?
そんな訳で火龍を倒した私達は、中層を進んでいた。
スキルを鍛えながら。
私はとりあえず思いついた魔法を再現してみた。
スキルが無くても、魔導の極みが無くても、魔法は普通に使える。
それで属性を自分に撃った。
さらに治癒魔法もやってみた。
できた。
そんな感じで、熟練度がかなーり溜まっていく。
スキルを一回も使ってないのに治癒魔法はカンスト。
万能の効果で条件が消えてるから奇跡魔法になったし、魔法系すべて二段階まで成長した。
闇魔法なんて深淵魔法カンストまで行ったもの。
深淵魔法を極限まで圧縮して自分に撃ってみたけど、あの修行は中々いいものだね。
深淵魔法って外道属性みたいなものがついてて魂を分解されるんだけど、その機能を解析した。
外道無効でも防げない理由を考察したり、自分で姫神殺毒を浴びてみたり、有意義な時間を過ごした。
無効という文章がステータスいっぱい追加されるくらいには。
その内深淵魔法を無効化したいな。
外道無効でも防げないし、深淵属性とかそんな感じなんだろうね。
後は、龍力っていう龍殺しで入手できるスキルの効果がヤバかったね。
私のブレスが姫神殺毒のビームだったのはどう反応すればいいのか……
こんなの放てば、大概の魔物は灰燼に帰すよ。
後は、邪眼を再現してみた。
スキルが無くても案外行けるものなんだね。
いちおう死滅の邪眼は取ったけど。
この死滅の邪眼は自爆攻撃なんだけど、腐蝕無効があるからノーダメージで連発できる。
やっぱりタニシ虫には感謝しないと。
他には、システムにハッキングかけて新たなスキルを作った。
「生命の極みLV1」と「星命LV1」「星体LV1」などなど。
生命の極みは、HP自動回復、SP回復速度、SP消費緩和等のスキルをレベルマックスで統合。
星命は、天命や天動、富天のスキルを統合したもの。
星体は、剛毅と城塞と韋駄天を統合したものだよ。
どれもスキルレベルを上げるのはとっても難しい。
のだけど、私は自分の身体をちょっとばかし痛めつけてるから割と簡単にカンストした。
生命の極みは「豊穣」に。
星と名前の付いたステータス底上げ系のスキルは「星王」に。
全く使ってない魔導の極みもいつの間にやら「魔帝」になってた。
英知はまだLV6だけど……。
蜘蛛子さんはカンストさせて叡智になったらしい。
いいなー!叡智の支配者の称号で魔帝も取得したらしいし。
私も負けてられない!と意気込んだ結果、魔神というスキルを開発してしまった。
これの何が凄いかって、全属性の魔術とか魔力撃とか魔力付与とか、そんな感じのスキル全部統合しちゃったんだよね。
気力系のスキルもカンストしたら闘神を作ろ。
ステータスがゴチャゴチャしてて見ていられなかったし、見やすくはなったね。
そんな私達の万里眼に、とある光景が映る。
上り坂だ。
ついに、ついに、上層に帰ってきた。
ただいま、上層。
上層に帰ってきてまず最初にすることは、マイホームを建築すること。
罠の辺りは火炎無効を付与した私の万能糸をばら撒き、巣の中は極上の蜘蛛子さんの糸がある。
安心感がダンチだね。
安心できて最近感じることは、思考超加速していても時間は平等だよねってこと。
どうにかしてこの辺りの時間を歪められないだろうか。
時に干渉するのは難しいなら、空間を限定させてできないかな?
思考超加速とか神龍結界とかをリンクさせて、改造して……。
魔神を持っている私ならこれくらい楽勝なはず。
けど、予想に反して時間操作は難しい。
次元魔法じゃなにもできなさそうだから、独自に空間魔法をやってみる。
そしたら、自分だけの世界を創れそうだった。
その世界を現世と重ねるように配置して、時を遅くするように設定する。
魔力はバカみたいに食うけど、魂を消費してるから何ら問題なし。
これでいい感じに研究ができそうだ。
そんなことをしてる間に、蜘蛛子さんは上層で長距離な狩りをしてる。
もう魔物がいないんだって。
この問題は早めに解決しなければ。
蜘蛛子さんはたまにマイホームに帰ってくる。
長距離転移を覚えてからはそのサイクルが速くなった。
といっても、時間を延ばしてるから数ヶ月とかそれくらいだけど。
私がここでやってるのは、タニシ虫の養殖。
こいつをなんとか美味しくいただけないだろうかと、私は日々奮闘しているのだ。
その成果か、マイホームの周りにはタニシ虫が大量にいる。
ナマズくらいの味になってきた。
努力したら報われるものだね。
もうタニシ虫の種族はエルローゲーレイシューじゃないもの。
エルロータニシムシって種族になっちゃった。
多分私がタニシ虫タニシ虫って連呼してるからだと思う。
他にも蛙とか蛇とか捕まえてきて養殖して隷属させてる。
空間拡張でこの大広間はバカみたいに大きくなってるし、マザーでもあと数十体入る。
戻ってきた蜘蛛子さんがよく驚いてる。
時間遅延のことを話したら、よくそんなことできたなぁって褒めてくれた。
ふふ、ここで養殖した魔物を蜘蛛子さんが殺せばいいレベル上げになるよね。
地竜も捕まえてきて養殖してる。
私の配下として、地龍レッド、ブルー、グリーンがいる。
安直だけど、咄嗟に考えた名前がこれしかなかった。
もっと捻ればよかったなぁ。
ちなみに、極度のパワーレべリングをした結果か知らないけど全員ステータス五千超えた。
スキルの数は少ないから地龍アラバには負けると思う。
その内卵を産んで軍団を作りたい。
産卵ってスキルをスキルポイントで取ってもいいんだけど、自力で取ってみたいなぁ。
こんな平和なことしかしてないのに禁忌がいつの間にかLV7になってる。
解せぬ。
ある日、人間がマイホームにお邪魔しに来た。
空間拡張してある部分は糸で隠してるから、パッと見今までと変わらないと思う。
人間さんにはタニシ虫料理を振る舞ってあげた。
泣いて喜んでた。
蜘蛛子さんが帰ってきたとたん逃げちゃったけどねー。
でも彼等のおかげで出口が判明。
蜘蛛子さんは自力で見つけそうだったし、私は黙っておくことにした。
今日は野生の蛇を殺しに行く。
冒険者がいるみたいだから、私に治療をお願いしたいとのこと。
蜘蛛子さんの頼みならなんでも引き受けるよ。
サクッと蛇を討伐した。
私は冒険者を治療して、タニシ虫のスナックを横に置いた。
美味しいよ、これ。
また現実時間で数日経って、蜘蛛子さんが進化できるようになった。
エデ・サイネっていう種族らしい。
私はここで待ちぼうけだねぇ。
はぁー、寂しい。
でもでも、蜘蛛子さんを一緒にいることができて幸せだよ!
《熟練度が一定に達しました。スキル「奉呈LV9」が「奉呈LV10」になりました》
《条件を満たしました。スキル「奉呈LV10」が「謙譲」に進化しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「禁忌LV7」が「禁忌LV9」になりました》
《条件を満たしました。称号「謙譲の支配者」を獲得しました》
《称号「謙譲の支配者」の効果により、スキル「祈祷LV10」「福音」を獲得しました》