姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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25 マイアヒー!

焦っている。

若干白ちゃんが焦っているように見えるのは、長年一緒にいた私の勘かな。

表面上は無表情でよく分からないけど、私ならわかる。

少し視線を彷徨わせているのは焦っている証拠だ。

どうしたの?と聞くと、私だけに事情を打ち明けてくれた。

ふむふむ、魔王が強すぎて、追いつこうにも追いつけないと。

ならば、武器を作ればいいじゃない。

とアドバイスすると、手をポンと叩いて「それだ!」って言ってくれた。

ということで、今から武器を作っていこう。

白ちゃんは自分の足をちょん切って鎌にするみたいだ。

だったら私もそうしよう。

ナイフっぽい輝きを放っているところをぶった切って、持ち手っぽいところと結合させる。

その過程でソフィアちゃんが超引いてた。

チェリシアちゃんは引いてるソフィアちゃんに驚いてた。

うーん、チェリシアちゃんがぶっ壊れてる。

 

……よし、完成。

てれれれってれー、ナイフー。

本物よりも鋭そうな紅いナイフができた。

紅いのは私の身体の色だね。

緋色とか桜色とか桃色とか紅色とか、そんな感じの色してる。

大部分は緋色だけどね。

さて、次は私の魂を装備にぶち込んだらどうなるか検証してみよう。

魂を入れるのに最適そうなロケットペンダントを作る。

とりあえずケツイとタマシイを入れてみよう。

……完成っと。

鼓動を感じるねー。

これは白ちゃんに渡そう。

いざという時に使ってね。

 

「おお、ありがとう緋ちゃん!植物のツルを断ち切るのに最適だねー、このタガー」

 

そうでしょー。

どんな効果があるのかは確認してないからわかんないけど、嬉しいよ。

 

「あ、そうだ。このハートのロケットに「ずっと ともだち」って書いておこうよ」

「いいね。……魔王、ペン貸して」

「ん?いいけど何に使うの?」

 

……これで真の完成だね。

白ちゃんはずっとハートのロケットを付けておいてくれるみたい。

嬉しいなぁ。

うん、自分の武器も作らないといけないことを忘れてた。

ナイフは勿論作るとして、防具は……リボンでいいか。

リボンを結んで、ナイフを構える。

いい感じなんじゃない?

 

あ、そうだ。

パペットタラテクト達にも武器をあげよう。

白ちゃんの魅力のおかげで裏切ることはないと思うし。

魔王が名付けをしたはいいけど、それほとんど意味ないと思う。

よし、まずは長女アエルに装備を授けよう。

エプロンとフライパン。

長女の偏見を詰め込んだ装備だけど、戦いの時でいいからたまに装備してね。

次はサエル。

眼鏡とノート。

なんか自己主張がない子だし、このノートに思ったことを描いて元気出して欲しい。

次、リエル。

チュチュとヒールの靴。

私みたいにいつもニコニコしてるから、これつけて踊れば可愛いと思う。

最後にフィエル。

バンダナと手袋。

元気な子だから、これで存分に暴れてほしい。

こんな感じでいいかな。

 

と、私達は自分磨き、武器作りエトセトラ、色々やってるわけだ。

順調順調。

でも問題が無いって訳じゃない。

それは、メラことメラゾフィス。

終始うじうじしてて白ちゃんがブチ切れそうだったから、一瞬メラを塵にしかけたことがあったっけなぁ。

もう四六時中うじうじうじうじしてるからさぁ。

 

そんな悪い空気を変えるためか、街に寄った次の日魔王がお酒を持ってきた。

私、白ちゃん、メラのコップに注いでくれる。

流石に赤ん坊シスターズにはあげないみたい。

レーヌちゃんとレッドはもしもの時の為に素面でいる。

ということで、お酒を飲んでみよう。

どんな味がするんだろう?

……あ、甘い。

果実酒ってやつ?

後、グワン、ドワァ、ホワーって感じがする。

飲めば飲むほどそれが強まる。

メラは泣きはじめた。

うーん、泣き上戸か。

白ちゃんは笑ってる。

楽しそうでよかった。

 

あはははははははははは。

うえーん。

むぅー。

ふわぁ……。

ニコッ。

 

……ああ、やっぱり何も感じない。

色々な顔をしてみた。

色々な声を出した。

色々な感情を再現しようとした。

泣いたし、笑ったし、怒った。

 

でも、やっぱりなにもないや。

私には、やはり、タマシイが無いのかな?

だから、Dに気付かれなかったのかな?

 

……一つ例外がある。

白ちゃんを見ている時、私は何かを感じる気がする。

 

*ケツイ

 

白ちゃんに体当たりをして、一緒にお酒を飲む。

ついでにほっぺに口づけをして。

この瞬間だけは、とても幸せだと、そう思いたい。

 

 

 

 

 

はっ。

朝になってる。

一体何が起こったのだろう?

うーむ、記憶がないね。

まあ、メラは元気そうだし、白ちゃんは納得してるようだしいいのかな。

大した事も起きてないし。

……後ろの山が消し飛んでて、ギュリギュリが私を睨んでることを除けば。

酔っぱらってるうちになんかやらかしたっぽい。

それをギュリギュリが止めに来て……ってかんじらしい。

幸い、酔っぱらってて普段の力はなかったみたいだ。

ギュリギュリは疲れた顔をしながら帰ってった。

「私でも油断したら苦戦するとはどうなっているんだ……」と呟きながら。

お酒ってすごいねー。

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