姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

32 / 85
27 万物塵製造機とはひどい言われようだね

今日も今日とて白ちゃん、ついでにパペットタラテクト達と遊んでいた。

裁縫したり、料理したり。

現在は私がポーカーでボロ負けしている。

イカサマしてない?私が弱いだけ?

負けたから嘆くような振りつけをしていると、空間に歪みを感じた。

これは……ギュリギュリかな。

 

「久しいな。率直で悪いが、君の分身を止めてきてくれ」

 

んえ?

白ちゃんと顔を見合わせて困惑していると、ギュリギュリは空中に画面を出してくれた。

……わぁ、沢山の蜘蛛が街を襲ってる。

これを見て白ちゃんは……うん。

止めるという判断をした。

よし、白ちゃんの分身……いや、もう白ちゃんですらない蜘蛛を塵芥にしよう。

とりあえず迷宮に駐屯しているハニージゴアット軍団に街を守るよう命令。

待機してるブルーとグリーンも出動命令。

女神教の司祭ってことにしとこう。

ブルーとグリーンが魔物を使役して蜘蛛軍団を撃退するっていう筋書きで。

まあでも白ちゃんの血縁を殺したくはないし、魂だけ回収するように言っておこう。

あ、魔物を使役するならあいつらも呼び出そう。

エルロータニシムシ、エルローフロギット、エルローウィムサン、エルローパースニックの軍団がいるからね。

色々培養してたら種族名が変わってしまったけど、いい感じに強くなった配下達。

ゲーレイシューはタニシムシ。

フロッグはフロギット。

フェレクトはウィムサン。

バラドラードはその辺の野草と混ぜ合わせた結果パースニックになった。

後は研究途中のエルロールークスやエルローミゴスプもいるけど……それはまだいいかな。

これで白ちゃんの望み通り街は救われると思う。

 

『やべぇっ!万物塵製造機が来た!』

 

これは準備を終わらせて白ちゃんの所に行った私に、白ちゃんもどきが行った言葉。

余程私が来て焦ったみたいだね。

深淵魔法の構築が四散してるよ?

だめだなぁ、ちゃんと集中しない……とっ!

 

[fight]

 

9999999

 

白ちゃんもどきが塵となって消える。

私が来た時には七匹いたよね。とりあえず一匹仕留めた。

この調子なら楽勝だね。

白ちゃんもどきが神龍結界を広げる。

うーん、無駄だね。私はそれより強力な結界がある。

高いステータスで魔法を撃ってくる……けど、私は全ステータス99999だし、常時謙譲を発動している。

糸さえ力任せに破壊できるから。

そんな感じで私には白ちゃんもどきの攻撃は効かない。

つまり苦も無く殺せるってこと。

しかも、スキルをオフにするという必勝法を白ちゃんは思いついた。

だったらもう勝ちは確定したも同然。

ということで容赦はしない。

逃がしもしない。

そんな感じで、白ちゃんもどきは全員殺した。

仕事は終わったし帰ろうか。

 

 

 

 

 

帰ってくると、魔王が樽を持ってきていた。

樽ってことはお酒だね。

なんかギュリギュリが頑なに私がお酒を飲むのを防ごうとしてくる。

そんなに私が飲酒するのイヤかな。

ただ勢い余って当たったら塵になる攻撃を放つだけだよね。

それくらい避ければいいよね。

……うーん、飲ませてくれないみたい。仕方ないし転生者ベイビーズを寝かしつけておこう。

 

『ねえ緋、あの黒い人誰?』

「管理者ギュリエディストディエス」

『???』

「ヘタレ」

『さらによくわからないわ!』

「んー?神様かな。私説明下手だからレッドにでも聞いて」

 

寝かしつけた後会話に戻ってくると、魔王とギュリギュリが悲壮感漂う会話をしている。

サリエルって人が望まないから、とか。

 

「バッカでー」

 

白ちゃんはバカだと言う。

私もそれに同感。

気持ちを尊重するのはいいけど、愚直にそれをしていても愛されないのなら意味がない。

つまりどうするか?多分、心の思うがままに行動するんだと思う。

わざわざ何年も何十年も我慢し続ける必要なんてないと思うんだ。

……タマシイがあって、自分で"やりたいこと"を決められるならさ。

いいじゃないか。自分の意志に従っても。

 

「折角心があるのに」

 

ギュリギュリにこう言うと、私を見て驚いたように固まった。

私は、判断を白ちゃんにゆだねている。

それは、自分で判断することがうまくできないから。

それが、とてつもなく歪だというのは、わかっている。

少し考えた末、ギュリギュリは私を無視して再び白ちゃんを見て言った。

 

「……そうか、これはDに似ているんだな」

「異議あり!」

「だからこそ、危うい。特に、これに追従するこいつがな」

……

『そこまで』

 

なんか敵意を向けられた気がする。

一瞬ギュリギュリを塵にしそうになったよ。

まあ神だから耐えると思うけどね。

その前にDが止めたから、どちらにとっても危機を脱出したことになる。

うん、いつか白ちゃんが危機き陥ったとき、私はやはり自我を保てる自信がない。

白ちゃんは私にとって、存在意義そのものだから。

だから――

 

「もしこの先白ちゃんが危機に陥ったのなら、私は全生命を塵にすると思う。その時は止めてね?白ちゃん」

 

そう忠告した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。