姫蜘蛛ですが、なにか?   作:トンTon

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白2:鬼くんとの激闘

酔っぱらって力を取り戻してから結構経つ。

いや、それってどうなの?

取り戻せたからいいんだけど……。

まあ、システムの影響下にあったころより総合的に見れば弱いけど。

でも唯一、糸と空間魔術だけはシステムより上だった。

糸はとんでもなく強度が高くて、空間魔術は目的地を思い浮かべるだけでそこに飛んでた。

やばいよね。これ魔帝だったころよりも早いんだよ。

どういうこっちゃ?

エルロー大迷宮に一瞬で転移しちゃったよ。

そこでは、私の並列意思が生み出した子供たちが元気に暮らしてた。

そしてエルロー大迷宮の、緋ちゃんが作ったという隠し部屋にいつのまにか宮殿が建ってた。

ちなみにブルーとグリーンはそこで酒盛りしてた。

どういうこっちゃ?

君らエルロー大迷宮に誰も来ないからってはっちゃけすぎじゃない?

というかここどうなってんの?

広すぎて全貌が見えないんだけど。

って、聞いたら、普通に教えてくれた。

 

「ああ、ここは遺跡地区、雪原地区、湿原地区、火山地区、城下町地区に分かれています」

「いちおう兄者が治める州です。名前はレッド州です」

「ここから別の領地に行くこともできますよ?」

「一番近いとこだったら、ベルフェゴール州ですかね」

 

って言ってた。

んんん?

緋ちゃんはいつのまに国なんて作ってたの?

そしたら、緋ちゃんはあの獣人の国だと教えてくれた。

てことは、この世界って獣人普通にいるけど、あれってまさか……。

緋ちゃんが作った……の?

と聞くと、緋ちゃんはうなずいた。

まじかぁ。

確かに禁忌には獣人とかの表記が一切ないからおかしいとは思ってたけど、最近出現した種族だったんだね……。

Dはこの所業許すかな?

いや、あいつのことだし面白いとかいう理由で許してそう。

 

とまあ、衝撃の出来事があった。

帰ってきた時吸血っ子の瞳が緑色に光り輝いてたのはすごくびびった。

ひえぇ、まるで旦那の浮気を問い詰める女房みたいだったよ。

 

あれから数日、ギュリギュリが私達になんか依頼しに来た。

一狩りいくのかな?

と思ったけど、どうやら鬼くんを止めてほしいらしい。

その鬼くんの姿を映してもらったけど……。

スーパーな覚醒した野菜星人みたいだった。

というか、体中に火傷の痕があるんだけど。

燃えてる、燃えてるよ!

というか氷龍の長っぽい龍が燃やされてるじゃん!

氷タイプには炎タイプがこうかばつぐんなんだよ。

鬼くんには水タイプ持ってこないと。

氷が一気に水蒸気になるとか頭おかしいよ。

よくそれで肌が焦げるくらいで済んでるね……。

これもDの不思議パワーかな。

……ちょっと待って。

鬼くんの持ってる剣、雷じゃなくて燃えてる方、ほんとにシステム内?

前見たときも危険だと思ったけど、あれシステム外じゃない?

緋ちゃんに教えてもらった「ぶんせき」をしてみる。

 

『*レーヴァテイン ぶきAT66

 *炎の追加ダメージ

 *毎ターンごとに回復

 *火への耐性上昇

 *エネルギーを貯蔵

 *じごくの ごうかに やかれてもらうぜ』

 

おいおいおいおい!

バケモンじゃねーか!

ぶきAT66ってなに?

私の持ってるダガーでも15なんだけど?

ATが1だったら弱いけど、そこから指数関数みたいに上昇していく。

実際どういう上昇の仕方なのかはわかんないけど。

だって、意思の強さで威力が変わるんだもん。

たとえATが1でも、意思が強ければ66にも負けない。

まあ、その意思を引き出すっていうのがすごく難しいんだけどな!

そういえば大鎌はどう?

 

『*白の大鎌 ぶきAT25

 *物質を塵にできる

 *エネルギーを貯蔵

 *状況によって効果変動

 *あんしんして わたしはみかただよ』

 

これも大概怪物だった。

っていうか胡散臭すぎるだろ!

まあそういわれたのなら信じるしかないけどさ。

とにかく、ギュリギュリに頼まれたのなら行くしかないよね。

だって、鬼くん笹島京也っていう転生者だもん。

なんとなく助けたくなった。

助ける理由としてはそれが十分。

負けることはないから、行ってみるだけ行ってみよう。

 

 

 

ということでやってきました。

鬼くんは今吸血っ子とドンパチやろうとしております。

吸血っ子の大剣が振り下ろされる。

それを受け止めようとする鬼くん。

いや、流石にそれは無理じゃないかな。

と思ったのも束の間、鬼くんは剣から炎を出しながら剣の軌道を逸らす。

あー、あれは吸血っ子の剣にもダメージが行ってるね。

そのまま片方の雷の剣で吸血っ子を斬ろうとする鬼くん。

やばいな、このままじゃ鬼くんの剣が直撃する。

糸を出そうとした私の横をチェリシアちゃんが通り過ぎる。

ものすごいスピードで。

あれなら糸を出す必要はないか。

チェリシアちゃんは自分の指を切り、出てきた血を剣状にして鬼くんに切りかかった。

それを受け流す鬼くん。

えぇぇ。

鬼くんなんかめっちゃ強くない?

というか、あたり一帯に破壊の波動が飛び散ってるんだけど。

こんなの起こせるの魔王くらいしかいないんじゃない?

いや、神化する前の私なら起こせたかも。

流石全ステータス七万越え。

流石にそれに追いついてはいない吸血っ子は大丈夫だろうか。

 

「ほら、死ね!死んじゃえ!」

 

あ、心配するだけ無駄ですか、そうですか。

タイプ相性もいいし、酸とか使ってるし、当分は大丈夫そう。

あと、マリィムちゃんは氷龍の長っぽい人の治療をしてる。

このままいけば、治療班のマリィムちゃんもいる関係で勝てるかも。

でも、そう上手くいくかな?

 

「ゴガアアアアアア!!!!!」

 

鬼くんが叫び声をあげる。

本物の獣のような声を。

……あの先輩じゃないよ?

とにかく、とんでもなく強そう。

 

鬼くんが剣を振るう。

吸血っ子は反応すらできずにその身を真っ二つに……。

はならなかった。

なぜなら私が転移させたから。

あっぶなかったー。

よくない兆候を感じて転移させてよかった。

チェリシアちゃんが押されてるんだよ?

あんなのに吸血っ子が勝てる訳ないだろ……。

とりあえず、マリィムちゃんに鑑定結果を教えてもらう。

メモを書いて、それを渡してきた。

 

<スルト LV80 名前 ラズラズ(笹島京也)

ステータス

HP:99998/99999(緑)

MP:99926/99999(青)

SP:89920/99999(黄)70399/99999(赤)

平均攻撃能力:99999(詳細)

平均防御能力:99999(詳細)

平均魔法能力:99999(詳細)

平均抵抗能力:99999(詳細)

平均速度能力:99999(詳細)

 

スキル

「闘帝LV2」「魔帝LV3」「火炎攻撃LV10」「火炎強化LV10」

「雷光攻撃LV5」「雷光強化LV2」「龍力LV3」「集中LV10」

「思考超加速LV3」「未来視LV5」「並列思考LV10」「並列意思LV1」

「高速演算LV7」「帝王」「魔王LV8」「物理大耐性LV6」

「火炎無効」「水流耐性LV1」「氷結耐性LV2」「雷光無効」

「状態異常耐性LV3」「酸大耐性LV1」「気絶無効」「恐怖無効」

「外道無効」「苦痛無効」「痛覚無効」「暗視LV10」

「千里眼LV4」「五感大強化LV1」「知覚領域拡張LV5」「飽食LV10」

「神性領域拡張LV2」「憤怒」「英知LV1」「閻魔」

「天命LV2」「天魔LV4」「天動LV1」「富天LV1」

「剛毅LV9」「城塞LV5」「星魔LV4」「韋駄天LV3」

「禁忌LV10」「命名LV10」「幻想武器錬成LV10」「n%I=W」

 

スキルポイント:3400

 

称号

「人族殺し」「人族の殺戮者」「人族の天災」「魔物殺し」

「魔物の殺戮者」「龍殺し」「無慈悲」「悪食」

「覇者」「憤怒の支配者」「英知の支配者」「最強のゴブリン」>

 

<最強のゴブリン:取得スキル「闘帝LV1」「魔帝LV1」

取得条件:鑑定不能

効果:鑑定不能

説明:*さいきょうの ゴブリン>

 

うん、ちょっと待とうか。

スキルが多いのはまだいい。

最強のゴブリンとかいう見たことない称号もまだアウト寄りのセーフ。

けど、全ステータス99999?

おかしいだろ!

そりゃ全ステータス七万くらいのチェリシアちゃんが苦戦するはずだわ。

いったいどうしたらこんなやばい性能になるのやら……。

 

「白ちゃん、あれ多分……」

 

は?

緋ちゃん、今なんて?

憤怒を、二重発動?

並列意思が憤怒を発動した、ってこと?

いや、確かに緋ちゃんも似たようなことやってたけど……。

つまり、全ステータス100倍。

あー。

基礎ステータスが1000超えてるだけでもカンストするわ。

あ!チェリシアちゃんが燃やされた!

火炎無効持ってるチェリシアちゃんにも効くとかどんな性能してんだよあの剣。

 

「白!ちょっとだけ時間を稼いで!もう少しで私の嫉妬があいつの憤怒を封印するから!」

 

んん?

今吸血っ子なんと申した?

とりあえず鬼くんを高空に転移させて吸血っ子を問い詰める。

そしたら、妬心にスキルポイント振って進化させたと白状した。

あー、やっちまったか。

確かにこれで吸血っ子は強化されてるけど……。

とにかく、帰ったらお仕置き。

 

チェリシアちゃんが火傷を治療しながら鬼くんがどこに行ったのか聞いてくる。

上を私が指さした直後、鬼くんが凄まじいスピードで地面に激突した。

 

「「「は?」」」

 

幼女三人が素っ頓狂な声をあげる。

いや、私も「は?」と言いたい。

鬼くん、君空間起動をなぜ使わん。

 

「えっと、とりあえずやったってことでいいのね?」

 

全く、鬼くんの間抜けさで救われたな。

さて、嫉妬で封印を――

 

「ガアアアアア!!!」

 

安心したのもつかの間、煙の中から鬼くんが飛び出し、吸血っ子とチェリシアちゃんを斬った。

チェリシアちゃんが吸血っ子を庇ったから、吸血っ子は無事だと思う。

でもチェリシアちゃんは、いや、サキュバスの再生能力があるから大丈夫だと思いたい。

というか、鬼くんや、君そんなに速くなかったよね?

どゆこと、って、剣の力か。

あれ?この状況、やばくない?

無事なのがマリィムちゃんと私しかいないんだけど。

 

「ガアアアアアアアアア――あ?」

 

今にもマリィムちゃんに襲い掛かろうというとき、鬼くんは動きを止めた。

 

「は?何、何なの?」

「あ……ああ……」

 

鬼くんは目から涙を流し始めた。

憤怒封印した?

まだしてないの?

ほんとにどゆこと……?

 

「父、さん……?」

「いや、私は父さんじゃないわよ?」

 

え!?まさか、憤怒に支配された鬼くんがしゃべるとは思ってなかった。

父さんってどういうこと?

まあいいや、今のうちに憤怒封印しちゃって。

吸血っ子の憤怒の封印が完了すると、鬼くんの体は糸が切れたように倒れた。

ちょ、顔から行ったけど大丈夫そう?

とりあえず、起きたら色々聞かないと。

ギュリギュリに終わったことを伝えて、帰ろうとする。

 

その時、私の頭の中に声が響いた。

Dだ。

要件は、私に会いに来いという要求のみ。

どうやら緋ちゃんも聞こえたようで、二人で顔を見合わせてうなずく。

そうだね、行かなきゃ。

Dの元へ。

ああ、面倒だなぁ。

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